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実戦と空想の差

月の淡い光に照らされ、穏やかに輝く湖面。
その傍を、ただ歩く。
向かうべき場所は無いが、ただ歩く。

(……結局、ここまで来ても大した物は見つからなかった)

今まで通ってきた街や森を探索してはみたものの、役に立ちそうな物はなかった。
それでも、危険人物に遭遇しなかっただけまだマシだろう。
一応、武器は持っているが……使い慣れている訳では無い。
使い慣れていない状態では、もしもの時に何が起こるか分からない。

(まあ……いざって時は桐生さんに頼もう……)

見た目からして、いかにも強そうだと思える。
やっぱり、よほどの事が無い限り自分は戦う必要は無いんじゃないか……そう思う。
そして相変わらず歩いて行った時、それを見つけてしまった。
遅かれ早かれ、いずれかは見つけてしまうと思っていたが。

「これってまさか……」
「……間違い無いな」

誰かが、倒れている。
首は有り得ない方向に捻じ曲がり、目は中途半端に見開かれている。
どう見ても、生きているようには思えない。
どこからどう見ても……誰かの死体だ。

「……!」

急に視界が歪み、その場に座り込んでしまう。

「大丈夫か」
「……何とか……」

肩を借りながら、なんとかベンチまで辿り着く。
やっぱり、書くのと見るのとでは全然違う。
それを、身を持って思い知らされた気分だ。

「暫く、ここで休んで行くか。そっちの方が、お前もいいだろ」
「ああ……」

武器を仕舞い、ベンチの上に寝っころがる。
もしかして、自分もああなってしまうのだろうか……。
こんな訳の分からない場所で、死にたくはない。

(……情けねー)






(ここは……どこなんだ……)

朦朧とする意識を、なんとか立ち直らせる。
こんなどこか分からない場所で、フラフラになるなんて危険なのにも程がある。
だが、フラつくものはしょうがない。
さっきまで、仲間を全て失い呆然としていた所に、妙な放送を流されて……。
気がついたら、こんな湖の近くにいたのだから。

(誰か、この近くにいるんだろうか)

さっきまで持っていた銃が、何故か消滅している。
自分が気絶している内に、誰かが持って行ったのか、それともどこかに落としたのか。
今は、どちらとも分からない。とりあえず今はっきりしているのは、自分は丸腰だと言うことだ。

「……デイパックが」

近くに、真新しいデイパックが転がっている。
さっきまで、自分が持っていた物とはまるで違う。
何が何だか良く分からないが、とりあえず中身を調べてみることにする。

(武器は……木刀か。それと、変な液体に注射器のセット)

木刀を右手に持ち替え、デイパックを背負う。
変な液体の方は、今の所使い道が分からないのでデイパックに戻す。

「月明かりがあるのが救いか……」

あまり明るくないとは言え、真っ暗よりいい。
真っ暗だと、辺りを見渡すのにもひと苦労だ。
できるだけ目立たないように、低姿勢で素早く移動する。

(……あのベンチに、誰か寝っ転がってるのか?)

最初は、まさかと思った。
しかし、近づいて行くと、やはり誰かが寝っ転がっている。
こんな時にそんな事していられるなんて、よほど度胸のある奴なんだろうか?
どちらにしても、放って行くのは気分が悪い。

「おい、あんた……こんなところで何故寝てる?」
「だ、誰だ」

寝ていた男が体を起こし、こちらを向く。
顔色は……正直、月明かりくらいの明るさじゃ分からない。
とりあえず、怪我はしていないようだが。

「お前は、誰だ」

寝ていた男の相方らしき奴が話しかけてくる。
こっちとは違い、ずいぶんガタイのいい男だ。

「別に、怪しい者じゃない。こんな状況で寝てる度胸のある奴の顔を見に来ただけさ」
「……確かに、そこまで怪しくはなさそうだな」

どうやら、怪しまれずに済んだようだ。
だが、別にそれはどうでも良かった。

「怪我とかしてないならいい。それじゃあ」
「あ、ちょっと……」

寝ていた奴の声がどんどん小さくなる。
今の所は、誰とも組む気はない。
……さっきまで一緒にいた、あの2人を除いて。

(悪いな……また会えたら、今度は組むかも知れないな)


【一日目・深夜/B-3】
【川内一輝@途中参加者】
[状態]:健康
[装備]:木刀
[所持品]:支給品一式、シュワルナゼリン-200@クロノス・ジョウンターの伝説
[思考・行動]
基本:このゲームを破壊する
1:今は、あの2人を探す。
※アノーマリー探知機の存在に気づいていません。また、ルールを確認していません





「……行っちゃった」

走って行く男の背を眺めながら、呟く。
上手く説得して仲間に出来れば、心強かったのだが……。
しかし、「去る者は追わず」だ……いや、この場合は「追えず」の方が正しいか。
とにかく、あの男は去って行った。
もう、追えない。

「体調の方は……どうだ?」
「もうちょっとだけ。もうちょっとだけ休ませてくれ」

【◆YR7i2glCpA@非リレー書き手】
[状態]:体調不良、精神的ショック(中)
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、200Mマガジン×3、M209グレネード×3、FT 200M(30/30、グレネード1/1)@S.T.A.L.K.E.R
[思考・行動]
基本:ゲームには乗らないでおく。
1:……もうちょっとだけ、休ませて
2:桐生さんと行動。

【桐生一馬@龍が如く2】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、パーソナル・ボグ@クロノス・ジョウンターの伝説
[思考・行動]
基本:ゲームに乗る気はない。
1:YRと行動。
2:さっきの男が気になるな……


≪支給品紹介≫
【シュワルナゼリン-200@クロノス・ジョウンターの伝説】
川内一輝に支給。
作品内に存在する病気「チャナ症候群」を治すことのできる唯一の薬。
日本では認可前だが、アメリカでは抗癌剤の補助として使用されている。

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最終更新:2011年08月28日 22:56
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