月の淡い光に照らされ、穏やかに輝く湖面。
その傍を、ただ歩く。
向かうべき場所は無いが、ただ歩く。
(……結局、ここまで来ても大した物は見つからなかった)
今まで通ってきた街や森を探索してはみたものの、役に立ちそうな物はなかった。
それでも、危険人物に遭遇しなかっただけまだマシだろう。
一応、武器は持っているが……使い慣れている訳では無い。
使い慣れていない状態では、もしもの時に何が起こるか分からない。
(まあ……いざって時は桐生さんに頼もう……)
見た目からして、いかにも強そうだと思える。
やっぱり、よほどの事が無い限り自分は戦う必要は無いんじゃないか……そう思う。
そして相変わらず歩いて行った時、それを見つけてしまった。
遅かれ早かれ、いずれかは見つけてしまうと思っていたが。
「これってまさか……」
「……間違い無いな」
誰かが、倒れている。
首は有り得ない方向に捻じ曲がり、目は中途半端に見開かれている。
どう見ても、生きているようには思えない。
どこからどう見ても……誰かの死体だ。
「……!」
急に視界が歪み、その場に座り込んでしまう。
「大丈夫か」
「……何とか……」
肩を借りながら、なんとかベンチまで辿り着く。
やっぱり、書くのと見るのとでは全然違う。
それを、身を持って思い知らされた気分だ。
「暫く、ここで休んで行くか。そっちの方が、お前もいいだろ」
「ああ……」
武器を仕舞い、ベンチの上に寝っころがる。
もしかして、自分もああなってしまうのだろうか……。
こんな訳の分からない場所で、死にたくはない。
(……情けねー)
◇
(ここは……どこなんだ……)
朦朧とする意識を、なんとか立ち直らせる。
こんなどこか分からない場所で、フラフラになるなんて危険なのにも程がある。
だが、フラつくものはしょうがない。
さっきまで、仲間を全て失い呆然としていた所に、妙な放送を流されて……。
気がついたら、こんな湖の近くにいたのだから。
(誰か、この近くにいるんだろうか)
さっきまで持っていた銃が、何故か消滅している。
自分が気絶している内に、誰かが持って行ったのか、それともどこかに落としたのか。
今は、どちらとも分からない。とりあえず今はっきりしているのは、自分は丸腰だと言うことだ。
「……デイパックが」
近くに、真新しいデイパックが転がっている。
さっきまで、自分が持っていた物とはまるで違う。
何が何だか良く分からないが、とりあえず中身を調べてみることにする。
(武器は……木刀か。それと、変な液体に注射器のセット)
木刀を右手に持ち替え、デイパックを背負う。
変な液体の方は、今の所使い道が分からないのでデイパックに戻す。
「月明かりがあるのが救いか……」
あまり明るくないとは言え、真っ暗よりいい。
真っ暗だと、辺りを見渡すのにもひと苦労だ。
できるだけ目立たないように、低姿勢で素早く移動する。
(……あのベンチに、誰か寝っ転がってるのか?)
最初は、まさかと思った。
しかし、近づいて行くと、やはり誰かが寝っ転がっている。
こんな時にそんな事していられるなんて、よほど度胸のある奴なんだろうか?
どちらにしても、放って行くのは気分が悪い。
「おい、あんた……こんなところで何故寝てる?」
「だ、誰だ」
寝ていた男が体を起こし、こちらを向く。
顔色は……正直、月明かりくらいの明るさじゃ分からない。
とりあえず、怪我はしていないようだが。
「お前は、誰だ」
寝ていた男の相方らしき奴が話しかけてくる。
こっちとは違い、ずいぶんガタイのいい男だ。
「別に、怪しい者じゃない。こんな状況で寝てる度胸のある奴の顔を見に来ただけさ」
「……確かに、そこまで怪しくはなさそうだな」
どうやら、怪しまれずに済んだようだ。
だが、別にそれはどうでも良かった。
「怪我とかしてないならいい。それじゃあ」
「あ、ちょっと……」
寝ていた奴の声がどんどん小さくなる。
今の所は、誰とも組む気はない。
……さっきまで一緒にいた、あの2人を除いて。
(悪いな……また会えたら、今度は組むかも知れないな)
【一日目・深夜/B-3】
【川内一輝@途中参加者】
[状態]:健康
[装備]:木刀
[所持品]:支給品一式、シュワルナゼリン-200@クロノス・ジョウンターの伝説
[思考・行動]
基本:このゲームを破壊する
1:今は、あの2人を探す。
※アノーマリー探知機の存在に気づいていません。また、ルールを確認していません
「……行っちゃった」
走って行く男の背を眺めながら、呟く。
上手く説得して仲間に出来れば、心強かったのだが……。
しかし、「去る者は追わず」だ……いや、この場合は「追えず」の方が正しいか。
とにかく、あの男は去って行った。
もう、追えない。
「体調の方は……どうだ?」
「もうちょっとだけ。もうちょっとだけ休ませてくれ」
【◆YR7i2glCpA@非リレー書き手】
[状態]:体調不良、精神的ショック(中)
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、200Mマガジン×3、M209グレネード×3、FT 200M(30/30、グレネード1/1)@S.T.A.L.K.E.R
[思考・行動]
基本:ゲームには乗らないでおく。
1:……もうちょっとだけ、休ませて
2:桐生さんと行動。
【桐生一馬@龍が如く2】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、パーソナル・ボグ@クロノス・ジョウンターの伝説
[思考・行動]
基本:ゲームに乗る気はない。
1:YRと行動。
2:さっきの男が気になるな……
≪支給品紹介≫
【シュワルナゼリン-200@クロノス・ジョウンターの伝説】
川内一輝に支給。
作品内に存在する病気「チャナ症候群」を治すことのできる唯一の薬。
日本では認可前だが、アメリカでは抗癌剤の補助として使用されている。
最終更新:2011年08月28日 22:56