「やっと着いたな」
「ああ……すまないな」
病院を出て、ずっと歩きっぱなしだったが、ようやく新富製薬に辿り着いた。
休む間もなく、内部の調査に取りかかることにする。
「どこから探すつもりなんだ?」
「本棟は別に調べなくても大丈夫だ。それより、先に調べたい所がある」
そう言って、先にズンズン歩いて行く須藤。
……とはいえ、何か起こったらすぐに駆けつけられる距離ではあるが。
そもそも、相手は杖をつきながら歩いているのだ。
そんな状態で出せるスピードくらい、大体予想がつく。
「もしかして、アレか」
「そうだ……新薬研究棟と呼ばれている」
外から見るだけでは良く分からないが、かなり小さい。
あんな狭い所で、研究なんかできるんだろうか?
それとも、地下室とかがあるのだろうか。
「でも……扉、閉まってないか?」
「もしかしたら、施錠されているかもしれない」
「まあ、新しい薬を開発するような所を、厳重にしとくのは当然か」
会話を交わしながらも、新薬研究棟へ近づいて行く。
そして、ドアノブに手をかけるも……やはり開かない。
「これ、カードキーの読み取り機みたいだな。カードキー、持ってるのか?」
「いや……持っていない」
「だったら、ここは開けられそうにないな。銃で撃って壊す方法もあるが……」
「いや、それはやめておいた方がいいだろう。その程度で、壊せるとは思えない」
確かに、もし撃って壊せなかったら……。
弾の無駄にもなるし、もしも跳ね返って来て、自分や須藤に当たるのも……。
潔く、扉の破壊は諦めることにした。
「もう、新富製薬を出るか?それとも、他の所を調べるか?」
「もう1か所だ……もう1か所、調べたい所がある」
◇
「温室か?薬の材料にでもすんのかな」
「そんな所だ。調べたいのはそこじゃないが。この水路を見てみろ」
「水路?」
須藤の指差す先を辿ってみる。
外から温室内に入ってきている、小さな川のような水路。
その先は、壁に通じているが……その奥に、地下道のような道がある。
(何だ……?何かあるのか?)
この先に何かあるのか、と聞く前に、須藤は歩き出していた。
慌てて、自分も後を追う。
「何かあるのか?」
「何があるかまでは分からないが、ちょっと気になってな」
「そうか……」
言われるがまま、地下道を進んで行く。
途中、天井が崩れたのか道が塞がって通れない場所もあった。
戦闘で壊れたのかとも思ったが、辺りに何の痕跡もない事から、戦闘による物ではないと分かった。
となると、最初から崩れていたと考えるのが自然な気もするが……。
一体何故、壊して道をふさぐ必要があるのだろうか。
何か、見られたくない物でもあるのだろうか。
(見られたくない物があるにしても、わざわざ天井を壊して塞ぐか?普通)
こんな状況自体普通ではないが、まあそれはいいだろう。
地下道はほぼ1本道で、すぐに行き止まりが見える場所まで来てしまった。
「あっちは行き止まりだな。じゃあ次はこっちか?」
「そうだ」
自分達から見て左側に、階段がある。
ゆっくり階段を上がって行くと、地下道とは違った1回り広い場所に出た。
そこで目に付いた、1つの妙な物。
「なんだこれ。何か入ってるのか」
「分からない……」
黄色と黒の警戒色の鉄骨と、それに包まれた円筒状のコンテナ。
一体これが何なのか、良く分からない。
何が入っているのかも、分からない。
「とりあえず、今は置いておこう。それよりも、先に」
「ああ」
詳しく調べることもできないので、仕方無く放置して先に進む。
奥にある階段を更に登り、奥まった空間へ入って行く。
「おい……タクシーか、アレ」
「確かに、タクシーだな」
(タクシーか……あの男は……)
自分の部下、本多と一緒に編集部へ来た男。
名前は分からないが、あいつもタクシーの運転手のようだった。
あの男も、ここにいるのだろうか?
「鍵も付いてるな……貰って行くか?」
「乗って行くのは構わないが、どうやって外に出す?」
「俺が運転しよう」
とりあえず2人でタクシーに乗り込む。
タクシーと言っても、結局普通の車だ。運転方法は変わらないだろう。
商売のために運転するわけでも無い。
「大丈夫か?」
「……何とかなるさ」
少しの不安もあるが、細かいことを気にしているヒマも無い。
一抹の不安を胸に、車のエンジンをかけた。
「次はどこに行くんだ?」
「そうだな……北東の方に街がある。そこに行ってみよう」
【一日目・深夜/D-2:新富製薬:修理工場前】
【須藤真幸@絶体絶命都市2】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式
[思考・行動]
基本:この「実験」の真相を解く。
1:タクシーを利用し、北東の街に向かう。
【◆ymCx/I3enU@非リレー書き手】
[状態]:健康
[装備]:タキシード、デザートイーグル(7/7)、柘植のタクシー@絶体絶命都市2
[所持品]:支給品一式、デザートイーグルのマガジン×3
[思考・行動]
基本:ゲームには乗らない。
1:須藤を護衛しながら、北東の街へ向かってみる。
2:……上手く車出せるかな。
≪支給品紹介≫
【柘植のタクシー@絶体絶命都市2】
新富製薬・修理工場前に放置してあったのを◆ymCx/I3enU達が発見、使用した。
カーラジオやカーナビ、料金メーターが付いているが、作動しているのは料金メーターのみ。
最終更新:2011年09月03日 22:09