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世界違い

「そんな……」

燃え上がる病院を、呆然と眺め呟く。
何故こんなことになっているのだろうか?いや、それよりもここに9Qさんがいるかどうか確かめないと。
燃えているとは言っても、まだ一部分だけだろう。裏に回れば、まだ中に入れるかもしれない。
そう思うと、体が反射的に動いていた。一気に裏口まで走って行き、飛び込むように中に入る。
……予想どおり、まだこのあたりは燃えていない。かなり煙臭いが、まだ火の気はない。

(どこから探そうか?もたもたしてると、出られなくなってしまうから手早く済ませないと)

とはいえ、この状況では行ける場所も限られてしまう。
ロビー方面は言うまでも無く行けないし、上の階はおそらく煙だらけで視界も悪く危険だろう。
となると、少し煙っぽいがこの裏口付近くらいしか見て回れる場所はない、と言うことになる。

「9Qさん!いるんですか!?いるなら返事をしてください!!」

……返事は無い。
聞こえてくるのは、炎が渦巻く音だけだ。

(……いない、のか……)




◇




「……何だこりゃ」

上空から、燃えている病院を見下ろす。一体、どうしてこんなことになっているんだろうか?
もしかして、病院内で戦闘が起こって、その影響で炎がついたのではないだろうか?

(……これじゃ、道具は期待出来そうにねえな……一応、誰かいないか見てみるか)

一気に高度を下げ、外側から順番に病室を覗いて行くが、どこにも人はいない。
中には、カーテンが閉まっている病室もあったが、そのどれにも人がいるような気配はなかった。
……と言うか、火事になっていると言うのに部屋の中に閉じこもっていると言うのも考えにくいが。
とにかく、病室の方には人はいなかった。他にいるとすれば、病院周辺が考えられるが……。

「もしかしたら、これをやらかした奴がいるかもしれないな」

戦闘時に、こんなことになってしまうような物と言えば……爆発物とかだろうか?
それとも、ストレートに火炎放射器のような物なのだろうか。
どちらにしろ、こんなことをするなんてどうせロクな奴じゃないだろう。

(……ちょっと降りて、詳しく見てみるか)

地面スレスレまで降り、ホバークラフトのように走って行く。
まず表の方から見てみたが、予想通り炎が燃えさかっていて中の様子を伺うこともできそうにない。
多少無茶をすれば、強引に中に入ることも出来るかもしれないが……いかんせん、リスクが大きすぎる。
続けて、病院の裏の方まで一気に走る。

(こっちはまだ燃えてねえな。こっちからなら、中に入れるかも……ん?)

誰かが、裏口から出てくる。
一瞬、この騒ぎの犯人かと思ったが、それはすぐに否定された。なぜなら、出てきた奴は丸腰だったからだ。
……いいや、紐のような物を手に持っているが、それでも考えは変わらない。
どう考えても、あんな紐でこれほどの大火事を起こすなんて出来る訳が無い。
まあ、どこかに他の武器を持っているかも、と言う可能性もあるが……。

「おい、そこのあんた!そこで何やってるんだ?」
「……人?」
「見た目は変わってるが中身は人だ。何やってるんだ?」
「ああ……◆9QScXZTVAcって人を探しているんですが、知りませんか」

……俺を、探している?しかし、俺はこの男に対して、面識は一切ない……。どういうことだろうか?
もしかしたら、書き手さんの内の誰かが、自分の事を子の男に話して、俺の存在を知ったのかもしれない。
だが、もしそうだとしても何故自分を探しているのだろうか……。

「……何でそいつを探してるんだ」
「心配だからですよ……男に襲われて、そこから離れ離れになったままなんですから」

……自分の予想とは違う答えが返ってきた。
一体、こいつは何を言っているのだろうか。俺とこいつが、襲われて離れ離れになった?訳が分からない。
第一、自分は今まで襲われるどころか交戦すらしていないのだ。勿論、こいつとも今まで会ったことは無い。
しかし、表情から見ても、嘘をついているようには見えない。これは一体どういうことなのだろうか……。

「◆9QScXZTVAcは……俺だよ。悪いが、お前が誰か分からねえし、面識もねえんだ」
「……嘘なんてつかないで下さい」
「嘘じゃねえよ。俺は本物の◆9QScXZTVAcだ。嘘だと思うなら、俺の顔を見てみろよ」

顔だけ出して相手に見せるが、未だに疑問の眼差しでこちらを睨み付けられている。
しかし、面識が無いのも本当だし、交戦して離れ離れになったことが無いのも本当だ。嘘はついていない。
一体、どうすればいいのか……。いい案が思い付かない。

「……それじゃあ、もう俺は行くぞ。どの道、ここにはもう用はねえしな」
「お好きにどうぞ、僕は本物の9Qさんを探しに行きますから」

再びブースターを点火し、一気に上空まで上昇する。
……結局、あいつは何だったのだろうか。何だか、一筋縄じゃ行かないようなことが、起こっている気がする。


【一日目・黎明/E-6上空】
【◆9QScXZTVAc@非リレー書き手】
[状態]:健康、飛行中
[装備]:個人装着型アキレウス(エネルギー残り70%)@R-TYPE
[所持品]:支給品一式
[思考・行動]
基本:ゲームには乗らないが、攻撃されたなら迎撃する。
1:……何か、胸騒ぎがする……
2:結局、何も手に入らなかったな……








さっきの奴が立ち去ってからちょっと後。
結局、病院に来てみたものの、9Qさんに会うことはできなかった。9Qさんを名乗る奴には会ったが……。
やはり、さっきのは偽物だ。本物なら、自分の事を忘れているなんて有り得ない。
なら、本物の9Qさんはどこにいるのか。正直、今の所何の手がかりも無いのだ。

(どうすればいいんだろう……)

手がかりがない以上、地道に探して行くしか無いだろう。
効率は悪いかもしれないが、今の所これしか有効な方法が無いのだ。選ぶ程、手段が無い。

(今度こそ……今度こそ、見つけなきゃ)


【一日目・黎明/E-6】
【滝沢佑馬@途中参加者】
[状態]:健康
[装備]:ビニールロープ
[所持品]:支給品一式、ベネットのナイフ@コマンドー
[思考・行動]
基本:とにかく9Qさんを探す
1:とにかく、探すしかない
※アノーマリー探知機の存在に気づいていません。また、ルールを確認していません

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最終更新:2011年12月14日 23:39
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