2-1 run!run!run!
「はぁ…はぁ……!」
岡崎琴音(女子四番)は走っていた。
茶道部で運動をしてこなかった彼女にとって走るのは辛いものがある。
だが、今はそんなことを言っていられる状況などではない。
振り返れば、追ってくる敵がいる。
「待てぇ…ゼェ……待でぇぇ……!」
後ろから追いかけてくるのは大里俊明だ。
手に持っているのは大きな鉈…使い方なんて、言わないでもわかる。
あの男はきっと私を殺す―――あの鉈で。
死にたくない、誰だってそうだろう。
それは私も同じだ。
死にたくなんてない、でも人を殺すなんていやだ。
だから――――逃げるしかない。
「はぁ……はぁ…」
だんだん、足の動きが遅くなっていく。
それは疲れから来るもの…だけではない。
いつの間にか森に入っていて、地面がぬかるんで足がとられている。
それもあったが、やはり一番大きいのは疲れだった。
一歩進むごとに疲労が増えていく。
二歩進むごとに近づかれる気がする。
三歩進むごとにあきらめの感情が増える気がする。
四歩進むごとに酸欠のあまりに吐き気が強くなる。
そんなどんどん追い込まれてくる状況に、押しつぶされそうになる。
だが、それでも死にたくないという気持ちは大きいようで、足が止まらない。
「ゼェ……ゼェゼェ…ま、までぇえ……!」
C-6辺りか、そんなところではあると思うが…どんどん先に道が続いていく。
しかし、このまま行くと崖か何かに出てしまうかもしれない。
そうなったら―――力と武器の差でも負けてしまう。
それまでに、どうにかしないといけない。
死にたくなくても、奇跡は起こらないかもしれない。
殺されたくなくても、殺されてしまうかもしれない。
嫌だ、嫌だ…死にたくない、助けて…。
誰か―――――助けて!
【残り 30人】
最終更新:2012年01月01日 23:51