〈男性参加者〉
- 圷音遥(あくつね はるか)〈未来メール〉
- 叶野健一郎(かないの けんいちろう)〈五つの秘薬〉
- 谷澤劉生(たにざわ りゅうせい)〈脳内彼女〉
- 御堂ヶ崎洵(みどうがさき まこと)〈怪人カワリ〉
〈女性参加者〉
- 飛鳥かるま(あすか ―――)〈胡蝶の夢〉
- 吉良岬(きら みさき)〈分身鏡〉
- 高天有夢(たかま ありむ)〈巻き戻し時計〉
- 東名阪照(ひがしなさか てる)〈オン・デッドラインゲーム〉
〈主催者〉ヴェッターマスク
概要
圷音遥の携帯電話に、毎日一度届くようになった電子メール。
その日1日、遥の身に起きる最も大きな出来事が伝えられ、その顛末までを知ることが可能。
『運命に抗わなかった時』の未来のみがメールで届けられるので、遥の行動次第で未来を変動させることができる――のだが、二つ大きな問題点がある。
一つは、遥の行動が必ずしも良い結果をもたらすとは限らないこと。より悪い結果を生むこともあるため、実のところ遥に出来ることは『未来を知る』ことだけであり、完全な解決策は遥自身が決めなければならないのだ。
そしてもう一つは、予知するのは『最も大きな出来事一つ』のみということ。
例えば1日に何度も不幸が訪れるような日には対応できない。
遥はこの欠点に気付けず、飛行機事故を回避こそしたが空港からの帰り道に通り魔に刺殺された。
叶野健一郎が失業してホームレスになっているところで、黒服の老人から買った五粒の錠剤。
その効能は一切不明だが、彼は自殺の目的でこれを服用して『カリスマ』を得る。
一錠目は『カリスマ』。
二錠目は『センス』。
三錠目は『殺人』。
四錠目は『詐欺師』。
そして五錠目だけは彼が最初に願った『毒薬』が入っている。
カリスマ性で部下を集め、センスで作曲家としてデビューを決めた。
その後より莫大な儲けを得るためにライバル会社の人間を殺そうと考え、三錠目を飲んで殺人の才能を開花させられ、法廷では『詐欺師』として敵も味方も騙し尽くす。
が、最終的に口先八丁で逃れられない証拠を突きつけられ、最後の一錠を服用する。
しかしそれは毒薬で、五分もの間をもがき苦しみながら命の灯火は消えていくのだった。
彼が最期の瞬間に見た老人の姿は―――
引きこもりの青年・谷澤劉生が妄想で作り上げた『理想の彼女』。
最初は妄想の中で満足していた彼だが、その偶像を実際のものにすることに彼は躍起になっていく。
しかし作成出来るのは精々ディスプレイの中で写真を作る程度まで。
限界を知った谷澤――しかし彼は、その後すぐにとあるきっかけで引きこもりを脱する。
戻ったクラスに居たのはあの『理想の彼女』。
―――ただ、彼女もまた同じことを他人に対して思っていた。
『脳内彼氏』とそっくりなクラスの男子を見つめて微笑む彼女。
世界はいつしか、偶像を実現させるためのフィールドになっていたのだ――。
何てことのない田舎町・真昼谷町に突然囁かれ始めた噂話。
闇に紛れて人を斬る通り魔なのだが、その姿は目撃される度に違うものになっていくという。
好奇心旺盛な探偵気取りの御堂ヶ崎洵は、カワリの真相を暴くべくその痕跡を追い始める。
やがて夜の路地で出会ってしまった怪人カワリ。カワリは右の眼だけが赤く輝き、両目の焦点が合っていない、まさに怪談話の中に出てくるような容貌をしていた。
ナイフで斬られかけたところで抵抗を示した洵。
彼は無我夢中でカワリの喉に護身の為に持っていた果物ナイフを突き立て、刺す、刺す、刺す。
怪人カワリの真実に彼が気付くときには――御堂ヶ崎少年は、怪人カワリになっていた。
一定人数を殺した後に、誰かに殺されることで伝染する殺人魔――それが怪人カワリだ。
中学校三年生の一夏を、いつも病弱だった彼女は生まれて初めて目一杯遊び抜いた。
大好きな親友と、病弱なせいで迷惑をかけても笑って許してくれる友人に恵まれ、幸せな日々を過ごす。受験勉強も乗り切って、いよいよ明日からは新学期――次の日。
彼女は春の風を浴びながら病院のベッドで目を覚ます。
そしてかるまは思い出す――自分が、もうずっと入院生活にあることを。
もう永くないと明言され、親は医療ネグレクトをし、親戚からの援助のおかげで病院にいられること。
病弱な自分を気遣う友人はなく、学校では虐めがあったこと。
全てを思いだし、あの幸せが夢だったと知った彼女はそっと立ち上がる。
――数分の後。飛鳥かるまは、投身自殺をした。
こんにちは、私は鏡の向こうのあんただ――そう言って『彼女』は吉良岬の前に現れた。
姿も形も同じなのに、性格や口調は正反対。
鏡写しの少女と出会ってから、岬はつまらなかった人生に一つの喜びを見出だすようになる。
しかしある日、鏡写しの少女は岬の背中をナイフで貫いた。
彼女の目的は鏡の向こうの自分を殺して、成り代わること。
だが岬は笑った。それであなたが喜ぶならいいんですと、最期のその時まで――笑った。
訳が分からない――新年最初の1日が終わってくれない。
高天有夢は、祖母の家に親戚一同で泊まっていた。
楽しい1日を過ごして眠りに就くと、目を開けた時にはまた、新年が幕を開けていたのだ。
終わらない1月1日。時間にして百年以上を繰り返した時、ひょんなことから有夢は全ての元凶が祖母の家にある時計だと気付く。
嬉々として彼女はそれを破壊して、終わらない1月1日を終わらせた――
1月2日の正午。一軒の住宅にトラックが突っ込んで、帰省中だった少女がただ一人、命を落とす。
東名阪照。オンラインゲーム中毒の彼女はある日、とあるゲームへの招待メールを受け取る。
それは『オン・デッドラインゲーム』――敗北は死を意味するゲーム。
最後の一人まで殺し尽くさなければ生き残れない、そのルールに彼女は魅入られた。
照は昼夜を問わずゲームに熱中し、ついに全ての参加者を殺して生き残る。
ニュースでは、オンラインゲーム中毒者の突然死が相次いで報告されていた。
そこで照が手にしたのは、『オン・デッドラインゲーム』の管理者パスワード。
天使のように微笑んで、照は新たな招待メールの文面を考え始める――。
最終更新:2012年10月12日 16:35