アットウィキロゴ

オレオレ詐欺には気をつけて

「何故じゃ……何故儂のような権力者がこのような死地に……」
頬痩せこけた禿頭の老人は、自分の置かれた立場に対し、ひどく憤りを覚え、立ち並ぶ針葉樹にそのか細い拳をぶつけようとしたが、それが明らかに無意味で、自分にとってマイナスにしかならないことを悟り、すぐにそれをやめた。
だが、だからと言って彼の憤りが消え去ることはなかった。
両手に携えた屠殺に使われる斧と見間違うほど重く、鈍い光を放つブッチャーナイフを、思いっきり針葉樹に叩きつける。
老人の力はせいぜい知れているもので、針葉樹の樹体には小さい切れ目が走り、浅い溝が刻まれただけである。
彼、「錫森宰(すずもり つかさ)」は、今でこそ醜く老いた老人であるが、ただの老人ではない。
つい最近、隠居生活を始めるまでは、裏世界で多大なる権力を持っていた。
それこそ日本という小さな島国を丸々そっくり支配することもやろうと思えば出来るほど。
そして彼は、恐ろしく性格が悪く、サディストであることでも有名。
彼のような男が、当然このような理不尽な冷遇を受け付けるわけがない。湧き上がるのは主催者及び他の参加者への憎悪で、器の掏りきりいっぱいまで完全に満たされていた。
「ひゅふふ……まあええわい。」
樹体に刺さったブッチャーナイフをおもむろに抜き取ると、一人の老人は決意する。
参加者は皆殺しで、自身が優勝すると。錫森が、そう決意した直後のこと、彼のすぐ近くを行く人影を、彼はすぐに発見した。
幸いにもあちらは無害そうなメガネの若者。おずおずとした態度で、鬱蒼とした森林を歩く。
さらに幸いだったのは、木々のお陰で錫森の居場所が彼に露呈していないということ。
「駒に使うなら……あやつがええかのぉ」
錫森は、すぐに彼を殺すことは思い浮かばなかった。彼が幾ら権力を持っていようが、権力は形無き物。
この場では役に立つことはない。
故に錫森が思いついたのは、男を篭絡するという手段。
上手く言いくるめて、上手く自身の駒に仕立て上げる。それが最良の手段だと、錫森は気付いていた。
「おぅいそこの若いの。ちょっと待ってくれんかの」
精一杯、敵意を削いだ応対を彼は心がけた。
彼は、錫森の呼びかけに答え、振り向く。
「僕のことですか?」
やつれていると言ったほうが適当かもしれないほどに、痩せたメガネの男は、ゆっくりと錫森の下へと歩み寄る。
「いやいや……キミもあの阿呆みたいな奴らに拉致られた口じゃろ?どうじゃ。儂とともに奴らに一杯喰わせてやらんか?」
錫森は、彼の名前も聞くことなく、多少駆け足に話を進める。
「あの……失礼ですがあなたはどちら様で?」
「儂か?儂は錫森宰。一介の爺じゃ」
彼は、錫森の名を聞いてしばらく息を呑む。
それもそのはず。錫森は数ヶ月前まで日本を裏から掌握していた男だ。裏世界を多少知る人間ならば知らぬ者はいない。
錫森は、自身を知っている者と最初に会えたことを、表に出すことはなかったが、非常に喜んでいた。
裏世界から一線退いた身とは言え、未だ与える影響は大きく、彼が今死ねば国は確実に揺らぐ。
錫森は、この男が政府関係者かもしれないという憶測を立てていた。政府は彼にとって飼い犬も同然。
彼は自身の幸運に歓喜した。
「お前さんも、名乗ってくれんかの」
「あっ……はい。私は……」
「こういう者です。」
一発の銃声が、森の中に響いた。
撃ったのは男で、撃たれたのは錫森。
男が素早く取り出したコルトパイソンから放たれた凶弾は、錫森の右肩を完全に貫く。
老人である錫森には、それに耐えうるだけの体力はなく、醜く崩れ落ちるしか彼には出来なかった。
「うあっあああっっ!?」
彼は肩から崩れ落ちた。鈍い音がした。恐らく折れたのだろう。
それでも彼は、男から逃げようとする。醜く顔を歪め、醜く息を切らしながら、這い蹲って逃げようとする。
「何で儂が…………!何で儂が!儂がこんなっ」
「ワケを教えましょうか?ご老人。」

「あなたに運がないからです。」
放たれた鉛弾は、確実に錫森の脳天を貫き、大量の血液と脳漿で地面を濡らした。
「そう……私のような下衆に出遭ってしまうと言うことは……それこそ詐欺ですよ。」
気色の悪くねとねとした彼の笑い声が、少しだけ森に木霊した。


A:崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖
B:崖街街森廃平坂坂鉄浜
C:崖平森平湖湖砂坂浜
D:崖廃森森ス砂砂平坂浜
E:崖鉄平街廃平坂坂街浜
F:崖崖崖崖崖崖崖崖崖崖

現在地はC-4だヨっ!

【名前】鷺飼倫太郎(さぎかい りんたろう)
【状態】健康
【装備】コルトパイソン(4/6)
【道具】基本支給品一式、357マグナム弾(36)
【思考】 基本:騙し、殺しでやってく
1:何かいいなぁ……人殺しって
2:銃を使うのは軽率だったかもねぇ
【備考】
※鷺飼は錫森の支給品に一切触れずに移動しました。
※錫森の支給品はC-4に置きっぱなしとなっています
※未だ名簿を確認していません

【錫森宰 死亡】 【残り29人】

Buck:オープニング 時系列順で読む Next:ヤンデレって重い。思い続けているだけに
Buck:オープニング 投下順で読む Next:ヤンデレって重い。思い続けているだけに
GAME START 鷺飼倫太郎 Next:
錫森宰

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年09月24日 15:37
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。