同作のマスコットキャラクター的な存在。少女の願い事をひとつだけ叶えてくれる魔法の使者。
CV:加藤英美里
こちらの目論見通りなら、そろそろ視聴者の皆さんもキュゥべえの可愛らしさにほだされて
余計な警戒心を解いている頃合いなのだから、今になって過去の渾名を蒸し返すのはやめてほしいね!
───某脚本談───
概要
白くて耳長の可愛らしい姿。
イメージ通りに可愛らしい声だが、会話は口を動かさずにテレパシーで行う。
魔法少女の素質がある人間以外には姿や声を感じる事は不可能。
ビー玉のような赤眼で眉もなく、口も動かさないためその姿はまさに人形のようであり、その心の内を表情から読み取ることは困難。
口は開かないわけではなく一応機能しているようで、もらったお弁当を食べたりフライドポテトを貪ったりしている姿が目撃されている。
目に関しては7話のように偶に閉じている様子。一応OPのように眠る時は閉じる。
一人称は「僕」。作中男子とみなして茶化されたこともあるが、公式の性別は今のところ不明。
第8話からのあだ名は淫Qβ。
ボクと契約して、魔法少女になってほしいんだ
キュゥべえは魔女に対抗する魔法少女を増やすことを目的として活動しており、そのためか主人公たちに対し、ことあるごとに魔法少女になるための契約を持ちかける。
特にまどかにはかなりの執着をしている。
キュゥべえ自身から契約の強制そのものは出来ないようだが、日常だろうと非常事態だろうと、契約に結びつけることは忘れない。
その熱心さと巧みな話術は視聴者側が逆に感心するほど。
一方で、契約に関することや魔女と戦う使命などは説明してくれるが、自分の事は「魔法の使者」としか説明せず正体不明。
また魔法少女に関する重大事項やデメリットなどのリスクについては必要になるまで特に説明してくれない。
どうやら人間とは大分倫理観や価値観がズレているようだ。
実際、ベテランである佐倉杏子でさえ知らない重大な魔法少女の秘密を黙っていたりもしている。
本人曰く「説明を省略しただけ」「聞かれなかったから答えなかった」とのこと。まさに外道。
魔法少女になるための願い事は強いものであるほうが好ましいらしく、彼女たちが切実に何かを願わずにはいられない時にたまたまその場に居合わせることが多いようだ。
中には仕組んだ、もしくは予想されていたとしか思えないようなシチュエーションもあるのだが・・・
登場するたびに外見に反した悪辣さや人外さが目立つようになり、ほとんどの魔法少女から恨みをかっている上に8話で真の目的が明らかになり、もはやマスコットというよりラスボスに近い存在へと移り変わってきている。
また背中は開閉して一種の収納スペースのようになっており、穢れが溜まったグリーフシード(魔女のドロップアイテム)を処理する能力も有している。
漫画版では感情が顔に表れていたり、口を開けて喋っていたりと、アニメ版よりずっと可愛らしく描かれている。
当然、醜悪さも顔にでることになり……
/・・・わけがわからないよ\
ちなみになんでも願いを叶えてくれるが、本編ではそれが裏目や惨劇に終わってしまうことが多く、願いを叶えて幸せになれた魔法少女は今現在存在しなかったりする。キュゥべえの所為かどうかは不明だが。
との見解もつかの間、9話にて『魔法少女の『希望』から『絶望』への転移(魔女化)によって生じる大きなエネルギーを回収することが目的』という事実が発覚。
願いを叶える事そのものが絶望への序曲であり、その絶望はそのものキュゥべえの目論見であるという解釈でほぼ間違いないと言っていい。
ソウルジェムの秘密といい、キュゥべえとの契約とは「願いと引き替えに魂を売る」行為に他ならない。
そのため、作中の魔法少女達はたいてい皮肉な結末を迎えている。
一応擁護しておくと、世界のことを彼なりに思った上での行動ではある(詳しくは「目的」を参照)。
ただし、あまりに視点がマクロ過ぎる上に、相手側の事情は一切省みない(正確には「自分は手を貸すだけ、あとは本人たちが解決するべき」というスタンス)ので、巻き込まれる側は悲劇そのもの
それ故に二次創作では徹底的に嬲られ無残な目にあっている。
これぞ因果応報である。
「魔法少女かずみ☆マギカ」第5話で見せた勧誘手腕は、まさに悪魔。
評判
「存在からして怪しい」
「口開けて喋れ」
「勧誘の手口が悪徳業者」
「絶対黒幕」
「悪魔」
「悪いコエムシ」
「耳から耳が生えてる小動物」
「クッソ汚ねえ淫獣」
「営業マン」
「某国営放送の集金人に似てる」
「脚本製作者上絶対何か裏がある」
「むしろ脚本製作者そのもの」
「このアニロワ主催者!」
「ゴミクズ」
「死んで詫びろ」
「CVは若本規夫でよかったんじゃね?」
等散々な評価であり、概ね評判は悪い。
作中でもほむらから、
「人間の価値観が通用しない生き物」
「奇跡を売って歩いている」
などという言われ様である。
更には、後々他の登場人物からも
まどか「そんな風に思ってるなら、やっぱり貴方は私たちの敵なんだね・・」
さやか「どうして私たちに、こんな酷いこと・・」
杏子「どのツラさげて出てきやがったテメェ・・!」
と、魔法少女作品におけるマスコットに類を見ない嫌われようである。
下にもあるが、「QBを殴り隊」「吐き気を催す邪悪」というタグからも酷評なのは頷ける。
名前について
よく間違えられるが3文字目の「ゥ」は小さいウで、「べえ」は平仮名である。
なお、あまりにも入力しづらいキュゥべぇという彼の名の由来、本当の名前についてはこちら。
入力の仕方については下の表のとおり
ローマ字 [kyu][lu][カタカナ変換][be][e]
かな入力 [き][Shift+ゆ][Shift+う][カタカナ変換][へ][゛][え]
顔文字
キュゥべえを表す顔文字(?)として (◕‿‿◕) が良く使われるが、やや特殊な記号なので文字化けしかねず注意が必要。
Wikiに記入する場合はコピペではなく数値参照で (◕‿‿◕) と書いた方が良いだろう。
Wikiではこの数値参照で問題はない。しかしそこら中で張られており不快感を持つ人が多い顔文字なので、使わないほうがいい。
もう少し詳しく書くと ◕ と ‿ は日本語版Windowsで基本の文字コードになっているシフトJISに無く、Unicode(ユニコード)にしかない文字である(所謂ユニコード文字)。
つまりUnicodeに対応していないプログラムでは文字化けする。
ブラウザはまずUnicodeに対応してはいるが、使用する文字コードはWebページ側が指定するので、UnicodeでないWebページで(数値参照ではなく)コピペするとやはり文字化けする。
最近のブラウザはコピペしても送信の前に数値参照に変換してくれたりするので問題無い場合もあるが、過信しない方が良いだろう。
各話ごとのキュゥべえについて
全話のネタバレを含みますので閲覧には注意して下さい
第1話では、ほむらの攻撃から逃げながらまどかに助けを求め、彼女達に魔法少女の素質がある事を教え契約を迫った。
第2話では、自分が魔法の使者である事、そして魔法少女の使命や奇跡の説明をした上で契約を迫った。
第3話では、マミの死を前にし、迫る魔女からまどかとさやかを守る為に契約するよう迫ったが現れたほむらによって妨害された。
第4話では、「利己的な魔法少女のやり方を非難できるのは同じ魔法少女だけ」と一見正論に見える詭弁で誘導しつつも、
それでも恐怖から魔法少女になりたくないとする二人の前から去って行った。
……かのように思われたが、まるでタイミングを狙っていたかのように奇跡を欲していたさやかの前に現れ、さやかと契約した。
その後何故か杏子を煽る様な言動で後の戦いを引き起こした。
第5話では、さやかと一緒に行動している。現れた杏子と戦うさやかを止めたいと願うまどかに「君が契約すれば止められる」と迫る。
第6話では、まどかがさやかのソウルジェムを奪い投げ捨てた際、彼女たちに秘密にしていた驚愕の事実が明らかになった。
また、人間の価値観を「わけがわからないよ」と称したように異質な価値観を持っている事などが判明する。
第7話では、秘密を黙っていた事に激怒するさやかを軽くかわしつつソウルジェムに刺激を与えて痛め付けるなどして「魔法少女になった利点」をさやかに教えた。
因みに唯一契約を迫らなかった話である。
第8話では、ほむらと杏子の元を訪れ、さやかの穢れが予想以上に蓄積されている事を伝える。その後、さやかを探して夜の街をさ迷うまどかの前に現れ、まどかの魔法少女としての才能は桁外れで、「万能の神になれる」と説き、魔法少女になればさやかを救えると契約を迫る。
まどかも、それでさやかを救えるのならと契約に同意しようとするが、直前にほむらによって殺害されて阻止される。
しかし、まどかがその場を去った直後、何食わぬ顔で再び現れる。どうやら体の替えはいくらでもあるらしく、肉体が死んでも意識や記憶がそのスペアに移るだけで、本当の意味では死なないらしい。
ほむらもキュゥべえの正体と目的を知っており、彼の名前の由来でもある正体を明かした。
ちなみに、破損して使い物にならなくなった肉体は、新しい方が美味しそうに食べていた。歯があるのかどうかは不明。
第9話では、自身の目的、そして魔法少女とは何なのかをついに明かした。
さやかを助けようとする杏子に曖昧な言い方で希望を与え、無駄な戦いをするよう仕向けるなどまどかを契約させるための計画を着実に進行させている。
第10話では、まどかの死に涙を流し無力感に打ちひしがれる過去のほむらに言葉をかけ、契約させていた事が判明する。
前回『今後人類が自分たちの仲間入りをするための先行投資として魔法少女になってほしい』と言っていたにも関わらず、地球と人類を滅ぼすであろう魔女となってしまったまどかを産業廃棄物として放置しようとするなど、宇宙を救う気はあれど、人類を救う気など毛頭無いようだ。
第11話では彼らインキュベーターが有史以前から魔法少女を生み出すことで人類の進化が促進されたことが明らかにされた。その程度は彼らが介入しなければ人類は現在でも穴居人のままとされるほど。
しかしながら同時に要約すれば『家畜は保護された家畜であることに納得して家畜として死ね』という意味のことを言い放っている。
第12話ではまどかの『全時空上の魔女の存在を消滅させる』という願いに対してはさすがに驚きを隠せず「君は神にでもなるつもりかい!?」と声を荒らげていた。全話においてキュゥべえが本気で驚いたシーンはここだけであると言える。
その後、円環の理によって再編された世界においては唯一以前の記憶を保っているほむらと行動を共にしていて、一見すれば「きれいなキュゥべえ」にも見える。
しかし世界が再編されたことによってソウルジェムはグリーフシードに変化しなくなり、エネルギーを得る手段が魔獣を倒してチマチマ稼ぐしかなくなったためである。
つまり彼らインキュベーターは人間とは価値観が違うだけで悪ではなく、世界の再編により魔法少女と対立する必要がなくなったというだけである。
その証であるかのようにほむらが語った魔女化システムに対し「人間の感情エネルギーを収集する方法としては魅力的」と評し、ほむらから「貴方達はそういう存在だった」と言われている。
敏腕営業
キュゥべえの営業トークはまさに営業職の鑑である。
ちょっとしたことでも必ず契約に結びつける。(例:「あの二人の戦いを止めたいなら、君が魔法少女になればいい」)
とにかく褒める。(例:「君は比類なき魔法少女の才能を持っている」)
デメリットについては訊かれない限り説明しない。(例:「訊かれなかったからね」)
契約後に受けられる恩恵については、強い口調で説明しつつも言葉としては『おそらく』『だろうね』といった推測調にすることで、自分は嘘をつかず、相手には望んでいることが叶うのだと誤認させる。(例:杏子に無駄だと知りつつ曖昧な言い方で希望を持たせる)
執拗に契約を迫ったら一旦引いて様子を見る(あくまで引くポーズ)。(例:「僕としても無理強いはできないからね」)
本命の周囲の人物から攻め落とし、友人からも契約を誘わせる。(例:さやかを契約させ、まどかに対し嫉妬を煽って契約を持ちかけさせる)
契約が目的なので、契約を取ったらあとはクレームがあろうが何だろうが放置。(例:「僕は自分のエネルギー収集ノルマを果たしたし、あとはこの星の人間の問題」)
営業職を目指している方は、キュゥべえの営業スタイルを学ぶのも一つの手段だろう(たぶん悪徳営業になるが)。
目的(およびエントロピーについて)
増大する宇宙のエントロピーを引き下げるため、地球の第二次性徴期の女性の魂をソウルジェムという宝石に加工し、然る後に少女の絶望によりソウルジェムがグリーフシードに転化する(魔法少女が魔女になる)際に発生するエネルギーを回収すること。
エントロピーとは『曖昧さ』『乱雑さ』の度合いと考えればいい。
閉じた(外部からエネルギーが流入しない)系ではエントロピーが増大して物事が乱雑になっていく。
カップのコーヒーにそっとミルクを入れると、初めのうちは綺麗に分離した状態である。これを『エントロピーが低い』という。
しかし時間経過に伴ってコーヒーとミルクは自然に混ざって均一になる。これを『エントロピーが高い』という。
エントロピーが高い状態になったものはどれだけ待っても勝手にエントロピーが低い状態にはならず、エントロピーを低くするには必ず外部からのエネルギー流入がなければならない。
コーヒーではなくオセロの駒で例えるなら、膨大な数の駒を黒い面で統一した状態でテーブルに置き、テーブルを何度も叩く(これを時間経過とする)。
すると跳ね上がって白い面を出す駒が段々と増え、最終的には黒と白が半分ずつになる(無限個の駒を置いたテーブルを無限回叩く事で割合は1/2になる)。これがエントロピーの極大状態、つまり熱的死である。
熱的死を迎えた系はその中での熱の移動が行われず、つまりエネルギーを得ることができなくなる。
この状態になったオセロの駒を、テーブルを叩くこと(時間経過)のみで再びすべて黒にそろえることはできない。
しかし手を使って白い駒を裏返してやれば、簡単に黒にそろえる(エントロピーを低くすること)ができる。この『手による介入』が『外からのエネルギー』である。
熱の移動は水で例えるとわかりやすい。
室温に置いた氷水が時間経過とともに熱が水から氷に移動して氷が融けていくことはあるが、融けきった状態(熱的死)から水の一部の熱が逃げて氷ができることはない。
再び氷を作るには冷凍庫に入れる(外からのエネルギーを得る)ことが必要になる。
地球は太陽からのエネルギーが得られるためエントロピーは高くならない(例:単純な分子から長大なDNAが合成される等)。
しかし宇宙全体で考えれば『宇宙の外からのエネルギー』というものはないので宇宙のエントロピーは高くなっていく一方であり、キュゥべえが言うようにいずれ熱的死を迎えるであろう。
そこでキュゥべえらはソウルジェムがグリーフシードに転化する際に発生する力を『外からのエネルギー』として回収し、エントロピーを低くしようとしている。
こうしてエントロピーを引き下げようとしているキュゥべえらだが、もう少し穿って見ると彼らの科学の先進性がわかる。
エントロピー増大の法則が宇宙に適応されると理解しているということは、彼らの種族は少なくとも超ひも理論による『ブレーンワールド(膜宇宙)理論』を否定しているということになる。
ブレーンワールド理論では宇宙は高次元時空に浮かぶいわば膜であり、我々の宇宙の他にもいくつも膜宇宙が存在すると考える。重力子以外の素粒子は膜に固定されているためこの宇宙から飛び出すことはできないが、重力子のみは高次元時空や他の膜宇宙と行き来できるとされる。
つまりブレーンワールド理論が正しいとすれば、重力が『外からのエネルギー』になり得るのである。
よって、キュゥべえの種族は我々人間が探求し続けている『宇宙の姿』というものを正しく捉えていると考えられるのである。
ちなみに、現在の人類の科学による宇宙観によると、熱的死のほかに宇宙の終焉は以下のようになる。
(宇宙の膨張は収縮に転じないことが前提。宇宙を膨張させているダークエネルギーは空間そのものが持つエネルギーであるとされているため、空間が膨張しても薄まることはない)
銀河群(数個〜数十個程度の銀河の集団)や銀河団(数百個以上の銀河の集団)は互いの重力により引き合い、合体して超巨大銀河になっていく。
銀河群や銀河団同士の距離が大きすぎて重力よりも宇宙が膨張する力のほうが勝るため、超巨大銀河同士は離れていく。
銀河を構成する恒星は燃え尽き、大きさに従って白色矮星、中性子星、ブラックホールが残される。
恒星の材料である物質が尽きて新しい星が生まれなくなる(天の川銀河の場合、百億年以内と予測されている)。
残されたブラックホールが周囲の恒星の残骸などを吸い込み、さらに他のブラックホールと合体して大きくなっていく(天の川銀河の場合、銀河の構成物質の大多数がブラックホールに飲み込まれるのには10の23乗年かそれ以上の時間が必要とされている)。
飲み込むものがなくなったブラックホールが蒸発により縮小(空間そのものから対生成されてすぐに対消滅する素粒子のペアのうち、片方がブラックホールの重力によって捉えられる。そのため事象の境界線のすぐ外ではブラックホールから素粒子が放出されるように見え、対してブラックホールには捕らえた素粒子の片割れにより負のエネルギーが持ち込まれるため縮小していく)し、最終的にガンマ線や素粒子を放出して消滅する。
残された物質は陽子崩壊により消滅、最終的にニュートリノと陽電子になる(陽子一個の寿命は10の32乗年程度と見積もられている)。
こうして、10の100乗年を超える未来の宇宙は、広大な空間をたまに光子や電子、ニュートリノなどといった素粒子がごく稀に行き交うだけの暗く冷たい世界になる。
キュゥべえはこの宇宙の終焉も先延ばしにできるのだろうか?
まさ
最終更新:2012年08月10日 15:53