2つのUA272
記念すべき?!第1回目は、個人的に贔屓にしている日産ディーゼル(現UDトラックス)のフルフラットノンステップ
UA272を取り上げたいと思います。
UA272は、日デの最初のノンステップバスUA460の後継として作られた車両です。
富士重工が車体を装架したエンジン横置きのFタイプと、西工製でエンジン縦置きのNタイプの2つがありますが、
どちらもフルフラットの床面を実現した本格派ノンステップバスでした。
FタイプはUA460を踏襲してエンジンを車両最後部に横向きに搭載し、車両右後端のアングルドライブを介して駆動します。
走行に必要な機器類はエンジンの上等最後部に積み上げられ、デッドスペースとして割り切られています。
エンジンは先代より小型化された中型増トン用のMD92TAが搭載され、デッドスペースが減って座席が1列増えました。
さらには富士重工のボディーも改良され、窓下のモールがなくなるなどフラッシュサーフェス化されて非常にスッキリ
した印象になりました。
一方のNタイプは同じUA272ながら従来車に近い構造となり、アングルドライブを排したエンジン縦置き配置となりました。
エンジンもMD92ではなく、ワンステップやツーステップ路線車に搭載される水平ピストンのPF6HTAが左側にオフセットして配置されました。
Fタイプと異なりエンジンや補器類の上が客室スペースとなったことで座席はFタイプよりさらに1列増え、フルフラット
ながらデッドスペースのないスペース効率に優れたバスとなりました。
エンジンがPF6に変わったのは、垂直ピストンのMD92ではエンジン全高が高く、エンジン上に客室を設けられなかったからと推測しておきます。
一つ興味深い事に、Fタイプのドライブシャフトが右側を通っているのに対し、Nタイプでは左側を通っています。
最終更新:2013年01月07日 04:18