1巻「ペンキ仮面」
第1話~7話収録
一部編集済み。斜体は投稿者さんによる註。
第1話 ペンキ仮面
記念すべき第1話。ネームにすごく苦労した思い出があります。
1話目というのはキャラ紹介がメインになるので、それだけでページを食う訳です。
それに事件解決までやるとなると要素が多すぎて、ページ調整が本当に大変でした。
キャラ紹介の仕方は悩んだ挙句、読者視点キャラを置いて「そのキャラから見た スケット団」という紹介の仕方をする案に落ち着きました。
とにかく3人がバタバタやって、それにツッコんでいくといういくという展開。
それでそのキャラが実は犯人というオチだったら面白いかな、と。
1話目の読者 視点キャラって、読者からは主人公とか味方キャラとして認識されやすいので、 そこを逆手に取った形です。
そんな訳で、哲平は元々この話用に作られたキャラ。
結果的には彼が団には入ら ないという展開が読者へのいい裏切りになったようです。
しかし、初回ということもあって絵は正視に耐えない出来ですね…。
ボッスンやヒメコは今とはだいぶ違う顔をしてますし。
まあ絵柄に関してはあまり気にしないで描いていこうと自分で割り切っているところがあります。
これからもどんどん変わっていくだろうし、そういう事を自分 でも楽しんで行きたいし(だからあまりツッコまないように)。
内容的には、この回はすごく好きです。普段はふざけているけど、実はすごく熱くていいヤツ、というボッスンので。
第2話 エイプ・エスケイプ
1話目が推理要素の強い内容だったので、「この漫画は推理モノじゃないんスよ」 というアピールする目的もあって、単純なドタバタ劇をやりました。
とりあえず何かを追いかけて校内を走り回る、という発想から広げていった話です。
実は気を抜くとすぐ部室でダラダラくっちゃべってる話になりがちなので、2話目はとりあえず部室を出て走り回って来いと。
ボッスンのアクションシーンが見られる貴重な回になりました。
第3話 焼却炉の幽霊
何とかページ内に納めはしましたが、ちょっとセリフが多くて読みづらいですね。
小ネタ満載なので個人的には読み飛ばさないで読んで欲しいんですけど(笑)。
内容的には、スイッチにスポットを当てて彼の捜査を尾行しながら進める展開。
描いてていつも思うんですけど、スイッチってホント「おいしい」ですよね。
ボッスンも基本はボケキャラのはずなんですけど、変人が多く出てくるとツッコミに回らざるを得ないのが可哀相。
結城さんも描いてて楽しいキャラでした。こいつらの掛け合いになるとボッスンやヒメコが萎縮しがちになるのが面白かったです。
手品のトリックから発想を得た単純な話ですが、「ギャグと推理と変なキャラ」というこの漫画らしさが出てて、
3話目としては相応しい話かな、と個人的には思っています。
第4話 ペパーミント侍
担当編集の発案で「人気の出そうな男キャラを出そう」的な事から考え始めて何故かこんな話に…。
カッコイイ男キャラなんて描いたことないですからねぇ。
結局振蔵はこんなキャラになりましたが、一応戦うと強いやつではあるので、機会があればまた出てもらいたいものです。
第5話 伝説の鬼姫
「鬼姫と呼ばれていた過去を引きずるヒメコ」というテーマで作った話で、キャラの真理を描いた初めての回でもあります。
テンションが下がったヒメコを気遣って、ペロキャン食ってゲロを吐くというボッスンの体を張った優しさが気に入ってます。
日本一工業高校(ニッコー)の女ヤンキー3人のモチーフは、桃太郎の家来の犬、猿、雉。
今時の女の不良ってどんなんだ?と頭を悩ませた結果、あえて時代遅れネタをキャラ造形として利用することにしました。
あからさまに攻撃的な外見の不良って、今はもう居ないんでしょうかね。
第2話で金城先生がソフトボール部の顧問という設定になったので、この回の試合では地味に審判として出ています。
傷跡の絆創膏描きながら自分で笑ってました。
第6話 鬼姫に金棒
当初のネームでは、ヒメコが暴れて成敗!というオチになる予定でした。
でも、2話に分けたおかげでヒメコの気持ちを描くのにページを割ける事に。
その結果、ヒメコは踏み止まって暴力を振るわないという展開を見せました。前よりいい話になったと思います。
モモカも実は最初のネームではモモコという巨体の不細工キャラでした。
でも担当から、この際可愛い女の子に変えようよと提案されて生まれたのがモモカ。
クールビューティというキーワードで、ツンとした美人をイメージして作ったキャラですが、
頬を染めて照れたりと可愛い一面もあるので、それに釣られて普段の顔も段々幼くなってきてますね。
まあ大抵の場合、初登場時の顔なんてアテにならないという事で。
第7話 坂の上の王子様
かなり評判が良かった回です。
ファックスしたネームを読んだ担当が笑いながら電話をしてきて「面白い」と一言発したのを覚えています。
実はネームにはそれほど時間はかかってないんです。セリフもスルスルと出てきたし、かなりスムーズに進みました。
まあ部室でグダグダやってるだけの話ですしね。
だからネームを描いてるときは、「こんなんでいいのか?」という疑念があって、ウケるかどうかは全然分からないで描いていました。
結果的にはとても好評で僕も嬉しかったのですが、僕自身は他の回とそれほど差があると思ってなかっただけに、
これだけ好評だと「ああ、他の回を面白いと思っていたのは俺だけだったのか」と反省したり。色々勉強になりました。
さすがにこの時期に部活コントだけで終わらす訳にもいかないので、一応「伏線とオチ」という展開を(強引ですが)組み込んでいますが、
個人的にはその部分が結構気に入ってたりします。
浪漫は、「漫画の道具ばかりに例えるキャラ」と、「ベタな展開ばかりやってしまうキャラ」という2つのアイディアを合わせて出来たキャラで、
そうなると「少女漫画家志望か?」みたいなノリで出来ました。
ウザくてカワイイというキャラは描いててもなかなか楽しかったです。
なんか漫研の中でも浮いてそうなところがいいですね。変にオタクっぽくなくて。
ちなみに、僕は少女漫画は嫌いではないですが実はそれほど詳しい訳でもないんです。
なので、コンビニで適当に少女漫画雑誌を1冊買ってきて、トーンの貼り方などの参考にした覚えがあります。
最終更新:2009年08月30日 11:23