ようやくその姿を現した、蒼星石のマスター、川口高史。 しかし、彼が蒼星石に言った言葉は、予想外のものだった。 高史「お前にマスターと呼ばれる筋合いはない。」 蒼「えっ・・・・」 翠「お前、何言ってやがるですか!!」 高史「事実。」 翠「お前、ちゃんと頭冷やしてきたんですか!?」 高史「いやー、あいつに奇襲されてさー、それどころじゃなかったわ。」 蒼「じゃあ・・・なんでここに・・・?」 高史「あいつを潰すために決まってんだろ。」 司「ところで、蒼星石のマスターよ。」 高史「マスターじゃねぇっつってんだろうが。」 司「そろそろ会話にも飽きてこないか?」 高史「それもそうだな。 時間もないし。 とりあえず宣言しとくわ。 いまから一時間以内にてめーを潰す!!」 司「できるのか?貴様ごときに。」 高史「出来ないと思ってたら、んなこといわねぇよ!!」 高史は司馬懿に切りかかる。 しかし、司馬懿はそれをことごとくかわす。 司馬懿は一瞬の隙を突き、蒼星石に鉄の糸を伸ばした。 蒼「あっ・・・」 高史はすばやくその糸を刀で巻き取り、切り払った。 蒼「マスター・・・」 高史「邪魔だ!!どっかいってろ!!」 高史はそう叫ぶと、また司馬懿に攻撃を仕掛けた。 蒼「マスター・・・ 僕の事・・・嫌いになっちゃったのかな・・・」 翠「あの馬鹿人間、どこまでぶざければ・・・」 ?「二人とも、こっちこっち。」 翠「えっ?」 蒼「とにかく行こう、翠星石。 ここにいても、マスターの邪魔にしかならないよ。」 翠「・・・しょうがねぇです。」 翠星石と蒼星石は、呼ばれたほうへ向かった。 ?「よかった、二人とも無事だね。」 蒼「貴方は?」 ?「高史の・・・ちょっとした知り合いさ。 そうだね・・・「名無し」とでも名乗っておこうか。」 蒼「なぜここに?」 名無「蒼星石、君に頼みがあるんだ。」 蒼「頼み?」 名無「ああ。 君はさっき、高史に突き放されたよね。」 蒼「はい・・・」 名無「それでも、あいつを信じてあげられないかな?」 蒼「どういうことですか?」 名無「君は、あいつにとって何よりも大切な存在なんだ。 それは今でも変わっていないはずだ。」 蒼「でも・・・マスターは・・・」 名無「なら、今高史が言う言葉をよーく聞いてごらん。」 蒼「えっ・・・?」 高史「っかしいな・・・全然はがたたねぇ・・・ 何で初代と二代目倒せて、三代目倒せないんかね・・・ 俺・・・いつの間に本当の雑魚に成り果てたんかい・・・ だが・・・奴が攻撃目標変える前につぶさねぇとな・・・ あいつの犠牲になんのは・・・俺だけで十分なんだよ。 道連れにしてでも、こいつを潰す!!」 蒼「マスター・・・」 名無「今野が、決定的な証拠だ。」 翠「どういうことですか?」 名無「あいつは、「犠牲になるのは自分だけで十分」、そういったよな。 つまり、「あいつに蒼星石はやらせない」って言う意味なんだよ。」 蒼「マスターが・・・そんなことを・・・」 名無「君だって、高史と仲直りしたいと思ってるだろう。 だから、君の力で高史の希望を甦らせて欲しいんだ。 そうすれば、高史も君の元へ戻ってきてくれるだろう。 君も心の奥底で願っているはずだ。 「マスターとまた一緒になりたい」とね。」 蒼「・・・ありがとう・・・名無しさん・・・」 翠「ちょっと待つです! あいつの様子が変です!」 名無「しまった・・・時間切れが近い・・・」 蒼「どういうことですか?」 名無「あんなに体がぼろぼろなのに、体力が完全回復してるなんて考えられない。 何か特殊な薬を使ったに違いない。 だから宣言したんだよ。」 蒼「そ、それじゃあ・・・」 名無「残り・・・三分だ。」 蒼「そんな・・・!」 高史「やばい・・・ダメージが戻ってきやがった・・・」 司「やはり・・・薬を使っていたか・・・」 高史「悪いか?」 司「ふはははははははっ!! 形勢逆転だ!! これで終わりにしてやろう!!」 高史「断る!!」 高史は切りかかるが、一蹴されてしまう。 高史「げぼはっ!!」 司「ふん、愚か者めが。 完全に歯ごたえがなくなったな。 さて、そろそろ本題に入るか。 蒼星石、今度こそ貴様のローザミスティカをもらうぞ!!」 そして司馬懿は爪を構えた。 が、空から黒い羽が数本飛んできた。 それを見た司馬懿は、両手を下ろした。 司「おやおや・・・いらっしゃったんですか・・・水銀燈様。」 水「あんた私を舐めてるの? ただの人間風情の力を借りなきゃアリスになれないとでも? 蒼星石、私がじきじきに闘ってあげるわぁ・・・ あんたは邪魔だから消えなさい、さもないと吸い殺すわよ。」 司「水銀燈様の御命令ならば、逆らうわけにはいきませぬ。 ここはおとなしく引きましょう。」 そして司馬懿は退いて、蒼星石に向かった言った。 司「蒼星石、水銀燈様の前では、今の貴様は無力! おとなしく散るがいい! ふはははははははっ!!」 司馬懿は高らかに笑いながら、森の中へ消えた。 蒼「水銀燈・・・まさか君がいるとはね・・・」 水「私もよぉ・・・ 三代そろっておばかさぁんだわ・・・」 高史「ったく・・・厄介な奴が来やがったよ・・・」 水「あんたも邪魔よ・・・さっさと消えなさい。」 水銀燈はそういうと、羽を数十本、高史に向かって飛ばした。 蒼「マスター!!」 高史「くっ・・・!」 名無「ウインドシールド!!」 名無しが飛び出し、高史の前に立って羽を防いだ。 中断