蒼星石とお話@Wiki内検索 / 「さくらんぼ結べた?」で検索した結果
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さくらんぼ結べた?
さくらんぼが小さな口の中に入る。 控えめに動く顎にあわせて口内に広がる果汁に、蒼星石は顔をほころばせた。 「んっ美味しいね。」 彼女の笑顔に買ったかいがあった、とマスター。 自分の頬が緩むのを感じながら、彼もさくらんぼを1つ口に入れる。 口から飛び出すヘタを引きちぎろうとしたところで、それを制止するように蒼星石がマスターに話しをふった。 「知ってる…?さくらんぼのヘタ、口の中で結べる人って…キス上手なんだってさ…」 「聞いた事あるな」 「やってみる?」 じっと見つめる蒼星石に、マスターは答えの代わりにヘタを口に押し込む。 それを見て蒼星石は、種を吐き出すと、新しいさくらんぼを口に含んだ。 舌で曲げる、口蓋に押し当る、歯で噛み締めて固定する。 さくらんぼのヘタが結べたら、絶妙な舌テクニックを持つことになるな、 キスが上手なわけだ、とマスターは考える。 黙々とあごを...
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SS4
...一番長い日 選択肢 さくらんぼ結べた? アラシのよるに 薔薇乙女と過ごす雷の夜 ヒメタルアオイコ 手料理 ある暑い日の話 蒼星石が消えた日(※鬱注意) After the 梅岡 寒い夏の日 自作自演 お天道様 訪問者 上り坂と下り坂 サマーヒート 土用の丑の日 いらない子 蒼星石の怖いこと 雨の日は
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一日目~登別・12:25~(Zwei)
▼ 「な…なぜ君がここに…?」 「それはこっちのセリフだ…」 開演前、俺はちらりと見えた人影を追ってくんくんショーの舞台裏に来た。そこで俺は、そこに居るはずのない人物を目撃した。 その人物とは、家の近所のドールショップの店主であり、真紅達と激戦を繰り広げたドール・薔薇水晶の『お父様』でもある―― ――槐、その人だった。 そのあと何度か会っており、もう蒼星石達に危害を加えようとする様子はないようだが、登別にいるはずはない。 まさか、また何かたくらんでいるのか…? 「で、何でここにいんの?」 「…さっきまでの重いモノローグは何だったんだ?」 「おっと会話の成り立たないアホがひとり登場~質問文に対し質問文で答えるとテスト0点なの知ってたか?マヌケ」 「…ひどい言われようだな…君がここに居るということは、蒼星石も一緒か?…いや、ひょっとして他のドール達も…?」 「質問...
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一日目~一日目~登別・12:25~(Zwei)
▼ 「な…なぜ君がここに…?」 「それはこっちのセリフだ…」 開演前、俺はちらりと見えた人影を追ってくんくんショーの舞台裏に来た。そこで俺は、そこに居るはずのない人物を目撃した。 その人物とは、家の近所のドールショップの店主であり、真紅達と激戦を繰り広げたドール・薔薇水晶の『お父様』でもある―― ――槐、その人だった。 そのあと何度か会っており、もう蒼星石達に危害を加えようとする様子はないようだが、登別にいるはずはない。 まさか、また何かたくらんでいるのか…? 「で、何でここにいんの?」 「…さっきまでの重いモノローグは何だったんだ?」 「おっと会話の成り立たないアホがひとり登場~質問文に対し質問文で答えるとテスト0点なの知ってたか?マヌケ」 「…ひどい言われようだな…君がここに居るということは、蒼星石も一緒か?…いや、ひょっとして他のドール達も…?」 「質問...
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真紅の家出 かくれんぼ-2
翠「そう言えば蒼星石はどこに隠れてたんですか?」 蒼「えっ、なんでそんな事を聞くのさ?」 翠「せっかく頑張って隠れたのに翠星石が騒いだせいで見つかったなら申し訳ねえです。」 蒼「気にしなくていいんだよ、どうせすぐに見つかりそうな場所だったし。」 翠「本当ですか?気を使わなくてもいいんですよ。」 蒼「本当だよ。その・・・クローゼットの中だから。」 翠「また基本中の基本と言うか、蒼星石にしてはひねりの無い場所ですね。 あれですか、裏を掻いた作戦ってやつですか?」 蒼「ううん、本当はいい場所が無いか探してて入っただけなんだけど・・・」 翠「けど?」 蒼「なんか・・・マスターの匂いがするなあって思ったら、出られなくて、気付いたら時間で・・・」 翠「へぇ・・・。」 蒼「なんていうのかなあ、よく聞くけど寒い日になかなかあたたかい布団から出られない感...
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真紅の家出 かくれんぼ-1
マ「もーいーーかい?」 当然ながらしんとして返事は無い。 マ「もういいよね・・・・・・じゃあ探すからね!」 一応そう宣言してから行動を開始する。 どうすれば無駄なく探せるかと少し思案し、まずは寝室から調べてみることにした。 部屋にそっと入り、後ろ手にドアを閉める。 マ「・・・ビンゴかな。」 布団の上にある毛布の真ん中が不自然に盛り上がっているではないか。 マ「これは・・・誰か居るな?」 こんな可愛い隠れ方をするのは金糸雀か雛苺あたりか。 毛布の端をそっと掴むと、それに反応してか中からくぐもった声がした。 『こ、ここには誰も居ませんよ!』 その声の主が翠星石だったので少し驚いた。 マ「・・・・・・。」 呆気にとられているとまた声が聞こえた。 ...
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真紅の家出 かくれんぼ-6
銀「さあ、あんたら!なんとしても真紅を見つけ出すのよ!! 辺りの物は薙ぎ払い、どんなわずかな隙間も見逃すんじゃないわよ!!」 マ「やめて下さい。」 銀「いえ、いっそ火を点けていぶし出せば・・・」 マ「絶対にやめて下さい。」 銀「最優先事項は真紅の捕獲よ、誰一人邪魔はさせない!」 雪「世界中、噂になる位やりますか?」 薔「しかし・・・いたずらに場をかき回せば・・・真紅はそれに乗じるでしょう・・・。 探す範囲もかなり限られた今・・・決して得策とは言えない・・・違いますか?」 銀「むっ、一理あるわね。まあいいわ!どんなやり方でも良いから真紅だけは見つけるのよ!!」 それまでの我関せずといった態度から豹変した水銀燈が陣頭指揮を執る。 翠「我が身に危険が迫ったからとはいえ、極端から極端へと突っ走る奴ですねえ。」 蒼「ああなったら...
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真紅の家出 かくれんぼ-5
前回のまとめ:水銀燈を中華鍋で叩くとオギン姐さん(オーベル銀ちゃん)になる 銀「うー、まだ頭がズキズキするわぁ。」 マ「ご愁傷様。」 翠「翠星石を邪険にしたバチです。いい気味ですぅ♪」 銀「そう言えば、アレって誰が仕掛けたのよ。」 蒼「さあ・・・?」 ぶら下がったままの中華鍋を忌々しげに見ていた水銀燈がこちらをじろりと見る。 銀「まさかあなたの仕業じゃないでしょうね?」 マ「はぁ?」 銀「上手くいけば吊り上げられた奴と助けようとした奴の二人をいっぺんに捕まえられるじゃない。」 マ「いやいやいや!」 蒼「それは無いよ。マスターがそんな事のために誰かを危ない目に遭わせるとは思えない。 それにあんな仕掛けをする時間も無かったはずだろ?」 銀「むぅ、それはそうねぇ・・・。」 そこで今度は蒼星石の方を見る。...
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真紅の家出 かくれんぼ・裏【てのうち】
マ「夕ご飯だよー。」 床の掃除やその他の片付けも終わり、すがすがしい気分での夕食だ。 真「あら、随分と豪華じゃない。」 雪「王様かくれんぼの祝勝記念ですか?」 マ「ある意味『最後の晩餐』だからね。ついつい残りの力を振り絞ってしまった。」 そう、すがすがしさの一番の理由はそれだ。 ついに、ついにこの大所帯から解放されるのだ! 翠「お、ビュッフェスタイルですね。」 銀「へえ頑張ったみたいね、特別に褒めてあげるわ。」 マ「くっくっく・・・これで最後とも思えば、自ずと力も入ろうというものよ。」 真「そう、じゃあせっかくだから冷めない内にいただきたいわね。みんな来なさい。」 マ「・・・・・・。」 真紅はやけに大人しい。それが逆に気に懸かるのだが。 それとも単に諦めがついただけなのだろうか? 考えても分...
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真紅の家出 第十回
真「・・・CD、ぬいぐるみ、着ぐるみ・・・ふむ、一通り揃ってるわね。安心したわ。」 蒼「これは食玩のフィギュアだね。コンプリートしてる、流石だ。」 真「あなたは揃えられなかったの?」 蒼「いや、そもそも買ってない。揃うまでダブらせながら買い続けるのもなんかもったいないしね。」 真「ふうん、そんなに高い物でもないのに?」 蒼「いや、やはりマスターにはもっと有意義にお金を使って欲しいしさ。」 真「あらあら、私はとても意義深いと思うわよ?」 蒼「はは、真紅ほどに愛情を持ってればまた別なんだろうけどね。」 真「ふふっ、あなたにはもうくんくん以上に愛情を注ぐ存在が居るものね。」 蒼「な!もう、冷やかさないでよ!!」 その様子を横からじーっと見続けていた雪華綺晶が質問した。 雪「食玩というのは何ですか?」 蒼「ああ、さっき食べてたようなお...
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蒼星石派閥表
蒼星石にブツは ついてないよ派(公式派) ├薔薇乙女についてるはずが無いよ派(一般派) │ ├誤解は多いけど絶対に無いよ派(絶対信念派) │ │ ├外見こそらしくないけどしっかり女の子だよ(外観派) │ │ └実は薔薇乙女一の良妻賢母だよ派(内面派) │ ├JUMとくっつくから女の子だよ派(ヒロイン無視次元彎曲派) │ ├自分とレズるから女の子であるべきだよ派(蒼星石とレズりたい派) │ └確認したら自分で無いって言ってたよ派(確実派) │ └蒼は俺の嫁だからある筈無いよ派(大衆的妄信派) │ └きちんと確認したから分かるよ派(エロス派) │ └毎晩可愛がってるから分かってるよ派(絶倫過激派) └付いてようが付いていまいが蒼は大好きだよ派(覚醒派) 付いてるよ派(脱線暴走派) ├付いてるけどその蒼い子は本物かどうか疑わしいよ派(疑惑...
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みっちゃんとマスター、ちぐはぐなデート その3
マ「(な、ナース服だと!?)」 知らず知らずの内にマスターはその店のコアなコーナーに迷い込んでしまったらしい。 だが、ナース服を凝視するばかりのマスターはそのことにまったく気付いていないようだ。 固まったまま動かない。 マ「(こんなのまであるのか・・・)」 ナース服の隣には白衣まで・・・ マ「(ここで蒼星石とお医者さんプレイを想像したら俺の負けだ・・・!)」 頭を振って次に展示されてる服に目を移らせる。 マ「(ボ、ボンテージだと!?)」 ご丁寧にドールサイズのSMグッズまである。 俺は 1.駄目だった。ボンテージ姿の蒼星石とそのシチュが勝手に脳内で再生された。 2.蒼星石でそんな想像してはイカーン! 自分の中のふしだらな自分に喝をいれた。 rァ 3.僕、子供だからよ...
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サマーヒート
世間では夏休みと言った所だろうが、残念ながら俺に長期休暇という物は存在しない。 そんな中での一日の休みは、『貴重』という言葉そのものだった。 「ハハハ、ガキなんか暑い中で日焼けでもして黒くなっとけってんだ、バーローwwww」 「・・・マスター、そんな僻まなくても・・・」 海の日を過ぎた辺りから、毎朝毎朝外から聞こえてくる遊ぶ子ども達の大きな声。 それを聞きながら俺は蒼星石と遅めの朝御飯を摂っていた。 「ごちそうさまー」 「ちょっと待って」 席を立つのを蒼星石に止められる。 「マスター・・・今日もご飯残してるね。ちゃんと食べないと駄目だよ?」 ・・確かに蒼星石の言う通りだった。 毎朝完璧なる食事を用意する蒼星石。 今までそれを残すことは俺としては考えられなかったんだが、 「ここんとこ食欲がなくてね。食い切れないんだ」 「でも・・・」 心配そうな顔を...
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マナツノヒーロー
「あの子」の番外編だと思ってください。では投下 ブルーハワイが至高 タイトル「マナツノヒーロー」 8月12日、日曜日。炎天下真っ直中の狭い部屋でうなだれ続ける。横を向く事すら渋る首を鞭打って携帯に目をやる。 ―ただいまの時刻、12時36分、現在のワタクシ 暑い。この一言に尽きる。取れかけたカーテンは、しきりに貧相な姿のグウタラ王に対面しようとする活発な眩しい子供の侵入を許す。 「遊ぼうよ」と言わんばかりに顔を照らしたそれに背を向けると、背中がヒヤリとした。 ヒートアイランド+温暖化のコンビは、着実に俺の体力を奪って行く。これはたまらんと、眠ってしまおうと目をつぶったが、けたたましい蝉の鳴き声がそれすらも妨げる。 扇ぐと熱風を運ぶ団扇を放り投げると、グッタリと腕を下ろした。 東京の今日の気温、34°。額から流れ落ちる汗も拭う気力もない。蒸...
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操3
前回へ 例の毅然とした歩みのまま、 「それじゃ。又会いましょう」 真紅は私達の眼前から姿を消した。 今一つピンとこない真紅の言葉に疑問符を浮かべる私と違って、蒼星石は十分に其の意味を理解した様に見える。 どういうことなんだ、と蒼星石に尋ねると、夜になればわかるよ、という答えが返ってきた。 実際、夢の庭師である蒼星石がそういうのだから、きっとその通りに違い無い。 「あ、言い忘れた事があったのだけど、」 大して間を置かず真紅が引き戸縁から顔を出した。 「蒼星石。改めて、翠星石にも貴女の事をちゃんと伝えておくわ。 あの子、貴女が帰ってきたって知ったら、きっと泣いて喜ぶわよ?」 珍しく柔和な笑みがその顔に浮かんだな、かと思うと、再び、直ぐに廊下へ引っ込んでいった。 今度こそ帰ったのだろう、戸縁に切り取られた廊下の壁に微かに光が照り返ったのが見えた。 ...
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真紅の家出 かくれんぼ-3
蒼「翠星石、さっきぶつけた所は大丈夫?」 翠「う、あんな無様な姿は忘れて下さい!今度こそ鮮やかに見つけ出して名誉挽回です!!」 銀「ジェリドみたいに汚名を挽回しないといいわねぇ♪」 翠「うるさいです!」 マ「あ、ちょっと待ってて。先にまな板を片付けてくるから。」 銀「ちょうどいいわぁ、台所に行くなら飲み物を頂戴♪」 マ「えー?」 銀「何よ露骨に嫌そうにして。さっきまな板を借りた時に冷蔵庫が開いてたから閉めてあげたのよ? 生ものが傷まずに済んだ恩返し位したっていいんじゃないの?」 マ「え、戸が開いてたの?きちんと閉めたつもりだったけど・・・ありがとうね。」 銀「それもあちこちの戸がだったのよぉ?本当に感謝しなさぁい。 まっ、そこのところ分かったのなら飲み物よろしくぅ♪」 マ「はいはい。」 まな板を片付けて冷蔵庫へと向かう。...
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新婚の蒼星石とマスター、そこに乙レデス
蒼「ます・・・じゃなかった。あ、あなた、朝です。起きてください」 マ「やっとあなたって言えるようになってきたな。おはよう」 蒼「おはようございます。朝ご飯できてますよ」 マ「いただきます」 蒼「いただきます」 マ「もぐもぐ、いやしかし」 蒼「なんです?」 マ「やはり夫婦茶碗はいいな。『夫婦』って感じがする」 蒼「そ、そうですね・・・///」 蒼「あ、あ、マスター」 マ「?」 蒼「袖にご飯粒ついちゃってます」 マ「あら」 マスター、袖についたご飯粒を取る マ「ところで蒼星石」 蒼「はい」 マ「また、マスターって言っちゃったな?」 蒼「あ、ごめんなさい。つい習慣が抜けなくて」 マ「謝らなくていいけど。やっぱり夫婦なんだからマスターじゃなくて『あなた』の方が嬉しいなぁ」 蒼「は、はい。マスター ・・・あ!」 マ「可愛いやつめ」 マ「ずず・・・・ん。 これは・・・ダシがいつもと違う。 もしか...
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アイス
翠「アイスが食べたいです!」 早めの夕食後に翠星石が言った。 マ「アイス?今は無いよ。買ってくる?」 翠「それでいいです。待ちますから。」 マ「じゃあ行ってくるよ。ガリガリ君でもいい?」 翠「あんな不健康そうなイガグリ頭いらんです。」 マ「でも安い上に当たり付きだよ。」 翠「駄目ですっ!翠星石はハーゲンダッツが食べたいんです。」 マ「ハーゲンダッツ?なんでまた急に。」 翠「今日ネットとやらで見たのです。」 蒼「翠星石、いくらなんでもワガママだよ。」 マ「むー・・・まっいいか。たまには贅沢しようか。」 翠「やったです!」 蒼「ありがとうございます。」 双子がマスターを玄関先まで見送る。 マ「じゃあ今度こそ行ってきます。お留守番はお願いね。」 蒼「はい。」 翠「ちょっと待つです!」 マ「何?」...
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真紅の家出 かくれんぼ-4
マ「さあ、次はこの部屋だ。」 金「レッツらゴー!かしら。」 蒼「その前にいい?」 マ「何?」 部屋に入ろうとしたところに待ったをかけられた。 蒼「金糸雀はなんでそんなところに居るの?」 金「極寒地に住むエスキモーは!凍傷にかかった時! アザラシの体内に入って治したそうかしらッ!!」 胸元、僕の上着の中で金糸雀が自信たっぷりに答えた。 蒼「人形が凍傷になる訳無いだろ。」 間、髪を入れずに蒼星石の的確なツッコミ。 金「でも芯まで凍えたかしら。」 蒼「それは自業自得で、マスターも!それじゃあ探すのに邪魔でしょ?」 蒼星石の矛先がこちらを向いた。 マ「いやまあ・・・だけどそんなに重くもないし。」 金「ほら平気かしら。ぬっくぬくかしら♪」 蒼「そういう問題じゃなくって!」 ...
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シスターズ
マ:「たらいまー。」 今日は病み上がりということで半休使って早々に帰宅。 蒼:「マスター、おかえりなさい。」 雛:「おかえりなさ~い。」 マ:「お?」 これは珍しいお客さんというか。蒼星石と共に雛苺が玄関に出迎えにきてくれた。 マ:「これはいらっしゃい。雛苺。」 雛:「おじゃましてま~す。」 俺が靴を脱ぎ床に上がると二人が笑顔を浮かべながらそれぞれ俺の脇に寄り添ってきた。 ううーむ。状況がよくわからんが、とりあえず二人を伴い、玄関からリビングへ移動する。 リビングを見渡したが他の子達は来てないようだな。 マ:「雛苺だけ来たのかい?」 雛:「うん。ヒナだけよー。」 マ:「ほうほう。」 俺は蒼星石に鞄を渡しながら訊く。 マ:「雛苺だけとは珍しいね。なんかあったの?」 蒼:「うんとねぇ・・・、雛苺ったら真紅と喧嘩してね。しばらく...
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薔薇乙女も楽じゃない 4
前回までのあらすじ 朝起きたらなんと蒼星石になっていた! じじいの世話は出来ないので脱走、偶然飛び込んだ家は柏葉家だった! なんとか巴のおかげで桜田家に行くことが出来たのだが……? 「着いたよ。」 巴の声を聞いて、俺は鞄から飛び出した。 「ここが桜田家か……。」 なんでも巴は、ここにいる子に会いに来たらしい。 巴が手に持ってるのは不死家の袋だし、たぶん雛苺だろう。 じじい家に翠星石もいなかったし、どうやら既に桜田家に3体のドールがいると見て間違いないだろう。 巴がドアのチャイムを鳴らすと、わりとすぐにドアが開いた。それと同時に、何かが走ってきて、巴に飛びついた。 「トゥモエエエエエエエエ!」 「ふふ、いい子にしてた?雛苺」 雛苺か。抱きつかれた巴もまんざらでもないようだ。 「やあ、雛苺」 俺はできるだけフレンドリーに雛苺に声をかけた。 「あー、蒼星石!久しぶりなのー!」 ...
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うにゅー来訪者
雛苺がお昼過ぎに現れた。 蒼「どうしたんだい?こんな時間に。」 マ「遊びに来たの?僕らはこれからお昼だから今は無理だよ。」 雛「違うの、しばらくここに置いて欲しいの。」 マ「なんで?」 雛「ハンストなのよ。」 マ「ハンスト?なんでまた。」 雛「さっき翠星石がね、雛のおかず取ったの。なのにヒナが悪いって言うの。ヒナ抗議するの!」 蒼「それはまた・・・現場は見てないけどたぶん君は悪くないね。」 マ「だったらうちでご飯食べてけば?」 雛「それじゃハンストにならないの。」 マ「だって何も食べてない雛苺を放って自分達だけ食べられないよ。 ここで食べても黙ってれば分からないって。」 蒼「そうだね、翠星石については申し訳ないと思うし、お詫びって事で食べてってよ。」 雛「うゆ・・・秘密なのよ?」 マ「うん、秘密ね。」 蒼「口外し...
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双子のマスター - 天ぷら -
マ「ふーーっ、ただいまー。」 普段よりも遅めにマスターが帰宅する。 ドアの開く音を聞きつけたのだろう、出迎えに走って来る足音がした。 翠「お帰りなさいですぅ!」 マ「おや?翠星石が真っ先に出迎えてくれるだなんて珍しいね。どうもありがとう。」 そう言って翠星石の頭を撫でてやる。 翠「へへ、帰ってくるのが遅いから待ち遠しかったですよ。」 マ「へえ、どういった風の吹き回し?」 翠「早く夕飯を作ってくれです。」 マ「ああそういう事ね。納得。」 そこに蒼星石もやってきた。 蒼「お帰りなさいマスター。」 マ「うん、ただいま。今からご飯作っちゃうからね。すぐ出来るしお鍋でいいかな?」 翠「ええーっ、もう鍋には飽きましたよ。」 マ「だって野菜がたっぷりあるんだもん。味は変えるからさ。今日はキムチチゲでどう...
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真紅の家出 第五回
今日も今日とて我が家ではローゼンメイデンが大騒ぎをしていた。 すっかりと薔薇乙女のたまり場と化している。 銀「真紅ぅぅぅーーー!!」 真「あなたって名前の通りに沸点が低いのね。」 翠「しかも有毒なものを撒き散らすと。うまいこと言いますね。」 銀「お黙りっ!」 羽根がブチ撒けられる。 今ではすっかりいつもの光景だ。 マ「まったくもう、少しは落ち着いて欲しいものだ。」 箒で羽根を掃き取りながら言った。 金「喧嘩するほど仲が良いってやつかしら。」 マ「かもね。」 ちりとりに溜まった羽根をゴミ袋にあける。 蒼「マスター、羽根が!」 とばっちりで羽根が飛んできた。 マ「はい、いらっしゃい。」 そのままゴミ袋の中に迎え入れる。 マ「まったく、あまり散ら...
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時をかける麻生
TV『2ちゃんねる?たまに書き込んでますよ』 蒼「あ…この人…」 マ「ん?どうした?」 蒼「この人、お父様の友達だ」 本当かよ、いくら閣下とはいえ… マスターは信じられないといった様子で 蒼星石を見た。 蒼「僕がまだお父様の工房にいたころ、よく訪ねてきたんだ。 あの曲がり口は忘れようがないよ」懐かしそうに目を細める。 昔からへの字口だったのか、いやそんなわけあるか。 マ「他人の空似じゃないの。そんな昔に生きているなんて…」 蒼「それはそうなんだけど、でも、別人には思えないなぁ」 TV『千葉の3票があれば200票だった。だっはっはっはっは』 ジュン「思ったより健闘したな…」紅茶を啜りながらつぶやく。 隣にいる真紅も読んでいた本を閉じ、ティーカップに手をのばした。 真紅「あら、この人…お父様の工房によく来ていた人だわ」 ジュン「はぁ?何年...
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脳を鍛える大人のDSトレーニング
今日の仕事帰りに、DSと脳トレのソフトを買ってきた。 帰ってきたときに蒼星石も一緒にやると言ったので、 夕飯を食べた後にゲームを始めた。 「うわっ!俺60歳だって。」 「よし、貸してマスター、負けないからね。」 蒼星石は俺からDSを受け取ると、自信気にそう言ってゲームを始めた。 それから少しして、終わりを知らせる効果音が鳴った。 「どうだった?」 「・・・・60歳・・・・」 「なんだよ、負けないとか言っといて結局同じか。」 「ぼっ僕は別にいいんだよ!同じ60歳でも僕は実年齢よりずーっと若いんだから!!」 蒼星石は自分の年季を利用して強がった。 「そんなに強がんなって、レベル的には一緒なんだから。」 そのあと俺はいったんトイレに行った。 そして戻ってくると、蒼星石は必死でDSをプレイしていた。
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2/14
男「ただいまー」 蒼「おかえりなさいマスター」 蒼(失礼だとは思うけれど・・・気になるし・・・ええい!聞いちゃえ!) 蒼「ね・・・ねえマスター」 男「ん?なんだい?」 蒼「その・・・マスターは今日・・・あの・・・その・・・」 男「お、おいおいどうした。なんかあったのかい?」 蒼「・・・った・・・かな・・・?」 男「すまん、よく聞こえなかった」 蒼「・・・誰かからチョコ貰った?」 男「え?」 蒼「だーかーらー・・・その・・・女の人からチョコ貰ったり・・・とか・・・してるよね・・・」 男「うっ・・・痛いとこ付くな・・・ま、まあ一個な」 蒼(やっぱり貰ってるよね・・・僕があげるまでもないよね・・・あはは・・・はぁ・・・) 蒼星石はできるだけ笑顔でいようとする。ドールとしてそれが自分のとるべき行動として。 しかしそこは女の子。大好きなマスターに...
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真紅の家出 かくれんぼ-7
銀「残り3分ですって!?」 マ「約だけどね。」 銀「冗談じゃないわよ!」 真紅が逃げ切れば自分にも不利益があるためか水銀燈も焦っている。 蒼「時間は少ないけれど、探すべき場所も少ない。こういう時こそ落ち着かないと。」 金「探すべき場所ってどこ?」 マ「薔薇水晶や雛苺の話から考えると・・・」 [証言1] 薔「私は・・・ずっとあそこに隠れていました。・・・そうです、廊下のあちら側・・・。 真紅は私に例の足止めの取引きを持ちかけ・・・あちらに。・・・はい、戻って来てはいません。 私はずっと箱の中に潜伏していましたが・・・真紅と別れて以降に来たのは・・・あなた達だけです・・・。」 雪「つまり、今居る部屋より向こう側に居るわけですね。」 マ「そう。それと・・・」 翠「あっちですね。」 金「きっと一番...
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卵とうにゅー 後日談
雛苺と金糸雀が帰り、マスターの家はようやく静かになった。台所では蒼星石が夕食の用意をしている。 マスター「晩御飯なに?」 蒼星石「出来てからのお楽しみ。今日のは新作なんだよ」 新作料理と聞きマスターの期待は高まる。蒼星石の料理の上手さは折り紙つきだ。 ああ、毎日おいしいご飯が食べられるのっていいなあ……感慨にふけって完成を待つ。 蒼「出来ましたよ」 マ「どれ、どんな……」 ねじの切れた人形のように、動きを止めるマスター。食卓の上に並べられていたものは、およそ食物とは見分けがつかない。酸味のきいた異臭を放ち、形はグズグズ。 肉か魚かはかろうじて区別できるが、どのような調理法を用いたのかは見当もつかない。全ては茶色がかったクリーム色で塗りつぶされていた。 マ「あの、これは」 蒼「美味しそうでしょ?マスターの好きな乳酸菌をたっぷり使ってみたんだ。...
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初夢
マ「いやー、今年は良いお年始だったよ。みんなで集まって飲み食いして大騒ぎして、とっても楽しかった。」 桜田家から帰って来たマスターと蒼星石の二人がコタツでくつろぐ。 蒼「マスターったら大はしゃぎっだったよね。それにずいぶんと暴飲暴食しちゃって、胃腸のほうは大丈夫?」 マ「みんなで持ち寄ったおせち料理が美味しかったからね。ついつい食べ過ぎちゃったよ。」 蒼「でもお酒が入ったのもあってかすごく上機嫌だったよね。」 マ「お歳暮でもらった物らしいけどあれはいいお酒だった。やはりお酒では日本酒が一番好きだねえ。」 蒼「そんなに好きならお正月用に一本くらい買っておけば良かったね。」 マ「うーん、お酒自体は嫌いじゃないけれどみんなで集まった時くらいにしか飲もうと思わないからなあ。 今日のはやっぱりみんなでわいわいとやれたのが一番大きかったな。」 蒼「去年の年の...
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クリーム大福
マ「ただいまー」 蒼「お帰りなさいマスター」 マ「はい、おみやげ」 蒼「…また大福を買ってきたんですか?ほどほどにしないと体を壊しますよ」 マ「そんなこと言うなよ、今日のは新商品だ」 蒼「えっ新商品!?」 マ「食べたいだろう?」 蒼「う…そう言ってまた買ってくるつもりでしょう」 マ「いらないなら俺が全部たべちゃうぞ?」 蒼「あっだめ!」 マ「食 べ た い ん だ ろ ?」 蒼「ぅぅ…はい」 マ「素直でよろしい。じゃあいっしょに食べよう」 蒼「あ、小さい。これなら僕でも食べやすいな」 マ&蒼「いただきまーす」 マ「んむ、これは…」 蒼「真ん中に生クリームが入ってる」 マ「まるで蒼星石だな」 蒼「え?僕とこの大福、どこか似ていますか?」 マ「見た目は小さくてぱっとしなくても中身はとっても甘くて魅力的なところ」 蒼「み魅力なんて僕には無いですっそれに食べ...
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スノーレジャー その3
マ:「うし、遊ぶぜぇ…!」 雛:「遊ぶの~!」 金:「かしら~!」 蒼:「ふふ」 翠:「ひっひっひっ」 雛苺と金糸雀が我先にと雪原に駆けていった。 蒼星石はそんな無邪気な二人を眩しそうに見つめている。 蒼:「あ、マスター」 俺はひょいっと蒼星石を持ち上げて肩車した。 マ:「いくぜ」 有無を言わさずそのまま走り出す。 が、 ズボッ 足が雪に埋まる。 ズボッ ズボッ マ:「おお?」 思うように走れない。 なんてことだ。さすが豪雪地帯。 一方体重の軽い雛苺と金糸雀は足が埋まることもなく走り回っている。 ズボッ ズボッ 歩を進めるたびにどんどん脚が雪に埋まっていく。 マ:「う、動けん……」 そしてついに腰まで埋まってしまった。 まさかこんなに積もっていたとは。 ...
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Sな蒼星石との幸せな日常【8.お買い物(1)】
□Sな蒼星石との幸せな日常 【1.目覚めた蒼星石】 【2.マスターの誕生日】 【3.マスターの誕生日・夜】に続く。 【4.雨の月曜】 【5.雨の月曜・夜】 【6.突然の訪問者】 【7.突然の訪問者・夜】 【8.お買い物(1)】 翠星石に行為を見られた翌日、つまり昨日は仕事があまり手につかなかった。 まだ若いとは言え、限界まですれば相当体力を使う。 それに最近の蒼星石がどうにも気になる。 良くは分からないが、思い詰めている様な時がある気がする… 俺に迫ってくるのも無理しているんじゃないかとも思う。 気のせいであれば良いのだけれども。 人間不信なのがいけないのだろうか…最低だな、俺は。 そんな事を考え、もやもやとした気持のまま一日が過ぎる。 そして昨晩は俺の疲れを察してか、蒼星石が俺を求めてくることも無かった。 …… ……… 蒼「マスター、まーすーた...
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…てぇ夢を見たんだがどう思う?4
「蒼、アイスコーヒーお願い。ミルク付きで砂糖は無しね」 クーラーの効いた部屋でいつもの様に彼は蒼星石へ注文をする 「はい、わかりました」 従順な彼女は文句一つ言わず、むしろそれが誇りのように綺麗な顔に笑いの花を咲かせる 「はい、どうぞマスター」 氷とグラスの触れ合う音と共に、目の前に漆黒の液体が置かれる 「ありがとう」 ミルクを入れ、コーヒーをかきまぜる。そして丁度良い色合いになったら、口へソレを運びこ…「!」 何かに気づいた彼はコーヒーの入ったグラスを地面に叩き付けた 「ちっ…」 蒼星石は小さく下打ちをすると、人工精霊を呼びよせ鋏を召喚した 「まさか気付かれるとは…」 戦闘体勢に入る蒼星石。後ろへ2m程跳躍する 「ふん…こんな匂いのキツイミルクなどこの世には無いと思ったからな…。やはり毒か…」 彼もすかさず戦闘体勢に入る 「俺に...
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真紅の家出
真紅の家出 初回 真紅の家出 第二回 真紅の家出 第二回番外 (※オーベルテューレの内容を踏まえてください) 真紅の家出 第三回 真紅の家出 第四回 真紅の家出 第五回 真紅の家出 第六回 真紅の家出 第七回 真紅の家出 第八回 真紅の家出 第九回 真紅の家出 第十回 真紅の家出 第十一回 真紅の家出 第十二回 真紅の家出 かくれんぼ-1 真紅の家出 かくれんぼ-2 真紅の家出 かくれんぼ-3 真紅の家出 かくれんぼ-4 真紅の家出 かくれんぼ-5 真紅の家出 かくれんぼ-6 真紅の家出 かくれんぼ-7 真紅の家出 かくれんぼ・裏【てのうち】
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遊園地へ行こう4
遊園地入り口にて人間五人とドール五体が佇んでいる。 ドールは五体ともお揃いの地味な上着とズボンを着ている。 人間側はそれぞれ何の変哲も無い私服姿だ。 やっと着いた・・・・ なんかここまで色々あったが、我々一向はついに遊園地の目前まで来た。 しかし、ここからが本番なのだ。気を緩めることはできない。 俺は各人に入場チケットを渡しながら言う。 マ:「いいか、これからくんくんのショーが始まるまで時間がかなりある。 その間、遊園地のアトラクションで遊ぶわけだが。」 俺はドール達をジロリと一瞥する。 マ:「はぐれないように、各パートナーから絶対離れないこと! いいな?」 皆:「は~い!」 遊園地内を移動するにあたりドール一体につき人間一人が付く算段になっている。 また、組み合わせとなった者同士は決して離...
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七五三
マ「ええ、はいはい、分かりました。それでは十五日に。ええ。こちらこそお願いします。」 蒼「ただいま。」 マスターが電話で話をしているところに蒼星石が帰ってくる。 それに気づいたマスターが電話したまま目線だけ向けると首を縦に振って迎えの意思を表す。 マ「いえ、それではよろしくお願いします。はい、失礼します。」 手短に話を終わらせると電話を切る。 マ「おかえりなさい、蒼星石。」 蒼「ただいま帰りました、マスター。」 マ「ところでさ、急な話で悪いんだけど今度の十五日にお出かけしない?」 蒼「えっ、どうしてですか?」 マ「ちょっとしたイベントがある日なんだ。こっちはもうその日は休んじゃうことにはなったんだけど。」 蒼「あの、ごめんなさい。」 マ「あらら、無理?」 蒼「その日は、おじいさん達と七五三に行くことになって。」 マ「先約がある...
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お菓子作り
お菓子作り 「じゃあマスターお芋潰して。」 そう頼まれて俺は麺棒でサツマイモを潰し始めた。 蒼星石が一緒にお菓子を作ろうということで、 今日はスイートポテト作りに挑戦していた。 「よし、そのぐらいでいいよマスター。」 俺を止めると蒼星石は牛乳やらなんやらをボウルに入れた。 「今度は手で混ぜるよ、一緒にやろうね。」 そう言って混ぜ始めた蒼星石に応じて俺もボウルに手を伸ばした。 「あ、マスターほっぺに生地付いてるよ。」 さっき顔を掻いた時に付いたのだろう、それに気付いて蒼星石が声を掛ける。 「僕が取ってあげるよ、マスターちょっとしゃがんで。」 俺が少し腰を落とすと蒼星石は 「・・・ぺろっ・・・・」 俺の頬を一舐めした。 「手じゃまた付いちゃうからね、ふふっ・・・甘い。」 そんな蒼星石の様子を見つめていると 「ほら手が止まってる...
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雨宿り
今日は休日、蒼星石と二人でお買い物。本来ならばとても楽しい素敵な時間。 マ「え・・と・・荷物持つよ。」 蒼「平気だからいいよ・・。ありがとう・・。」 マ「あ、そう?・・・ごめんね。」 それなのに今日はギクシャクしてしまう。 さわやかなまでに真っ蒼に晴れ上がった空がかえって恨めしい。 こうなってしまった原因は分かっている。昨夜のアレのせいだ。 そう、あれは昨日の晩のこと、自分は募る想いをついに蒼星石に打ち明けることにした。 それに対する蒼星石の返答は……… 蒼「・・ありがとう、マスターの気持ちはとても嬉しいよ。でもね、・・。」 あえて感情を押し殺したように淡々と言う。 マ「僕が相手として不足だったら遠慮せずにはっきりと断ってくれればいいんだよ。 変に気を使ってくれないでも男らしくすっぱりと...
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第4ドール蒼星石の退屈(3)
一日がサプライズの塊だった日の夜。改まって俺は蒼星石を問い詰めることにした。 「なんでいきなり学校に来たんだ?つーか手続きはどうした?」 「何を言ってるんだいマスター?」 蒼星石はあくまでもとぼける。じゃあ今日のはどう説明すると言うんだ。まさか義姉さんの変装 じゃあないよな?このままでは埒があきそうにないので俺は蒼星石の後ろにすばやく回りこむ。 「とぼけるならこちらにも手がある。」 そう言うと俺は蒼星石の横腹を指でくすぐる。つい最近知ったことだが蒼星石は体中がすごく 敏感で、首筋・脇・脇腹のどこをくすぐっても弱いらしい。詳しくは知らないがこれを性感帯と言うのだろう。 「答えろよ。尋問はすでに・・・拷問にかわってるんだ。」 我ながらどこかで聞いたこともあるがかっこいいセリフを吐いたなと思った。このまま蒼星石の頬を舐めようと 検討したが脳内各部首脳会議の結果廃案された。 ...
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マッドサイエンティスト翠 後編
風が気持ちいい。さっきまでひいていた風邪が嘘かのようだ。 今ごろ蒼星石は翠星石に本当のことを吹き込まれて大変なことになっているんだろうな。 俺はというと家を飛び出して海岸の見える岡の上に来ていた。 「人生終わったよ」 「まだ始まっちゃいないさ」 「うわっ誰だお前!?」 「年上に対してお前はないだろうクソガキ。ぶち殺すぞ」 今のご時世に言ってはいけないことをさらっといってしまうこの人は誰なんだ。30前半のおじさんに見える。 実際そうなんだろうけど。 「いいかクソガキ。お前ごときが人生なんて語るな。俺みたいな若さで会社リストラされてから語れや」 なるほど。お気の毒に。見た目は子供、頭脳は煩悩の俺でもそれは理解できた。 「それより何でこんなとこにいる?」 「えーと、友達とケンカをしたんだ」 実際は違うがもっとも近い意味なのでそう答えておいた。 「ほう。とにかくケンカ...
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薔薇乙女七姉妹湯煙サスペンス一日目(壱)
前回へ さて、今日はいよいよ出発の日か・・・。 出かける準備、しないと駄目かな・・・駄目だよな。 蒼「マスター出かける準備できた?」 マ「はぁ・・・まだちょっと終わってない・・・。」 蒼「もう・・・ちゃんとやらないと遅れちゃうよ?」 マ「一つどデカイ心の準備があるんだよ・・・。」 蒼「あっそうか、マスターの準備はみっちゃんさん家に行くまで終わらないんだっけね。」 蒼星石がなにやらニヤニヤしている気がする。 マ「蒼星石まで笑わないでよ。ますます気が進まなくなる・・・。」 蒼「ごめんごめん、でも実際問題そろそろ時間が無くなっちゃうよ?」 マ「そうなんだけどさ・・・。」 蒼「中途半端にしか準備する時間が無いとバレバレでイタイと思うよ?」 マ「う・・・!分かった、もう行こう。蒼星石さん、お願いします。」 蒼「うふふ、OKだよ。...
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とくと味わって
翠星石が泊まりにきた翌朝、食事の後に双子は庭の手入れをしていた。 二人が一仕事終えて部屋に上がったとき、家の中には誰もいなかった。 翠「おや、あいつの姿が見えねえですね?」 蒼「これが置いてあった・・・。」 『 翠星石&蒼星石へ 二人がお庭のお手入れをしてくれている間にちょっと買出しに行ってきます。 お昼ごはんにはきっと美味しいものを食べさせてあげられると思うので、 楽しみにしていてください。 じゃあ仲良くお留守番よろしく。 P.S 蒼星石へ、数千円使っちゃうけれど勘弁してください。 』 翠「これは!高級食材の買出しですか!?大奮発ですね。」 蒼「まったく、食べたらなくなっちゃ...
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マスターに甲斐性が無いんじゃなくて蒼星石が甲斐甲斐し過ぎるだけ
自室にて。 チーーン 鼻をかみ、使い終えたティッシュをゴミ箱に・・・ 傍らにチラシで作られた紙製簡易ゴミ箱に気付く。 蒼星石が作ったものだ。折り方はマツさんから教わったらしい。 俺はそこにティッシュを投げ入れた。 マ:「・・・・。」 うーむ。 さる数時間前にて マ:「蒼星石、何作ってんだ?」 蒼星石が数多の牛乳パックを床に広げて何やら作業をしている。 蒼:「んーとね、牛乳パックが必要な分だけ揃ったから、座椅子作りに挑戦してるんだ。」 マ:「座椅子?」 牛乳パックで座椅子となっ? 蒼:「うん、この前テレビで作り方をやってたからメモしておいたんだ。 牛乳パックに被せるカバーももう作ったんだよ。ほら。」 蒼星石は嬉しそうにカバーを手にして俺に見せた。 蒼:「テレビだ...
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クーラーの番人
「あ~つ~い~!!」 汗でべとついたパジャマに扇風機を当てがいながら蒼星石を見る 「クーラ「ダメです!」 キツク言い放つ蒼星石。普段は無表情のくせに、こういう時ばかりは眉をつり上げる 「今月の電気代いくらか知ってます?」 蒼星石は数字を並べた。結構な金額だった 「でも暑いぃぃい~!!クーラァア!!フリーザ様ァァアア!!」 だだをこねる俺。だが蒼星石は依然として眉をつり上げたままそっぽを向いている 「頼みます!蒼星石さん!」 少しピクッとしたがまだダメなようだ だが反応があった以上、そこにつけ込まないワケにはいかない 「お願いします!蒼星石様!ご主人さま!蒼ちゃん!」 両手を合わせながら土下座をする とにかく頭を下げまくり土下座土下座 しまいには三点倒立まで決めこむと、つり上がっていた眉毛はハの字に...
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十五夜・陽
マ「ただいま。」 最近にしては珍しく、夜になっての帰宅だった。 蒼「お帰りなさい。今日は遅くまでお疲れ様でした。」 暗くした部屋の中、窓辺で夜空を見上げていた蒼星石が出迎えの挨拶をしてくれた。 月光を浴びながら振り向いた彼女は、普段にはない妖しげな美しさを醸し出しているようにも見えた。 マ「そうか、今日って中秋の名月ってやつだっけか。」 そう言えば周りの連中もなんか落ち着かないというか、やけにうきうきとした感じだった。 窓辺には月見団子のみならず、ススキやら水差しやらも置かれている。 すでにお月見のセッティングが万端に整えられているようだ。 マ「ずいぶんと本格的だね。ススキも用意してあるし、お団子もちゃんとこの台・・・・・・えーと・・・。」 蒼「三方(さんぼう)、でしょ。」 マ「そうそう、それそれ!」 三方の上には少し大きめの...
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蒼星石が責任を感じる必要はないのだわ
場面は「ロシアにはロシアンティーなんてものは存在しない」の直後から。 うう、まだ舌、ヒリヒリするや・・・ マ:「俺の味見の時はジャムちゃんと冷ましたのに、なんで自分の番だと冷ますの忘れるんだ?」 マスターは呆れ顔と笑い顔が半々の顔で僕を見ながらジャムパンを食べてる・・・。 蒼:「うう・・・、マスターが朝から変なことしてくるから・・・その、調子狂っちゃって・・・。」 マ:「俺のせいかよ。」 マスターはより一層顔をニヤニヤさせた・・・。なんだか悔しい。 蒼:「むう。」 マスターが悪いんだよ。朝からあんなことされたら、誰だって調子狂っちゃうよ。 あんなこと・・・・。 蒼:「・・・・・。」 冷静に思い出してみたら、なんだか無性に恥ずかしくなってきた・・・。 ぴちゃぴちゃ・・・ なるべく思い出さない...
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暴走ホワイトデー
蒼「何をごそごそとやってるの?お夕飯足りなかったかな。」 マスターが台所で何かしているのに気付いた蒼星石が話しかける。 マ「いや違う違う。ちょっとクッキーでも焼こうかと思って。」 蒼「クッキーを?なんでまた急に。」 マ「明日はホワイトデーだからね。いい機会だから久し振りに焼いてみようかなって。」 蒼「僕も手伝った方がいいのかな。何人分焼くの?」 マ「そうだなあ、真紅たちにあげて他に貰った女の子達にもあげて・・・十人分強くらいかねえ。」 蒼「へえ・・・結構貰ってたんだ。」 マ「義理という名のしがらみですな。正直くれなくてもいいんだけどねえ。」 蒼「だったら簡単に買って済ませちゃえばいいのに。」 マ「まあそうなんだけど・・・」 蒼「何か理由でもあるの?」 言いにくそうにしているマスターに質問する。 マ「まあちょっと恥ずかしいけど・・・好...
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9/10 一文字レスにて
190-218 蒼星石にうでまくりされながら一緒に皿洗いと洗濯をできるはず。 マ「普段皿洗いは蒼にやってもらっているけど、たまにはお手伝いしなくちゃね」 そう思って、こっそり皿洗いをすることにした。けど慣れない事なので、シャツの袖がずぶ濡れだ。 蒼「ああっ、マスター、お皿洗いは僕の仕事だよっ」 残念、結局すぐに蒼に見つかってしまった。 蒼「もう、袖を濡らしちゃって・・・うでまくりしないからだよ。」 仕方が無いなぁ、といった感じでそう言うと、蒼はいつも踏み台にしている椅子に登り、 蒼「はい右腕出して。こうやってちゃんと袖をまくらないと。はい左腕。だめだよマスター、わかった?」 マ「・・・はい」 まるで母親が我が子にするように、俺の両腕の袖をまくってくれた。 蒼「お皿洗いが終わったら、次はお洗濯を手伝ってくれるかな、マスター?」
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みっちゃんとマスター、ちぐはぐなデート その2
マ「しかたないなぁ、はい」 マスターはスプーンでパフェを一口分掬うと、みっちゃんの口元へ運んであげた。 あまりに飄々とマスターがそう応じたものだからか、少々みっちゃんは肩透かしをくらった ような顔になった。 マ「(いつまでも草笛さんに、いいように手玉にはとられんぜ)」 み「あ、ありがと」 みっちゃんは大人しくパフェを頬張った。 マ「どうだい?」 み「ん、美味しい」 翠「!! ダメ人間のやつ、みっちゃんにパフェ食べさせてるですぅ!」 蒼「!!」 目を見張る双子。 み「あたしだけ貰っちゃ悪いわね・・・はい」 みっちゃんは自分のスプーンでプリンパフェを一口掬い、マスターの方へ運んだ。 俺は rァ1.「お、サンキュー」ありがたく頂戴した。 2.「い、いや、いいよ」何となく恋人のふりに...
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