そんなイソンビンを狙ったのシャークス。
かつては彼を“併殺打製造機”“打てない・守れない・なぜ外さない”“桝渕すら打てない”と批判していた鮫田監督も打撃の成長には親指を立てる。
シャークスは、大津-選手としては終わってしまったとされる-に代わる正一塁手としてドッグス・イソンビンの獲得を打診し、4年10億という輝かしい未来を用意したのだった。
しかし、ドッグスは来日前から既に落ち目であった自分を選んでくれた球団だ。そして、自分がシャークスに行けば大津は出番を失うという現実。
シャークスとの試合では、いつも塁に出れば話しかけてくれた大津。
「よく見たな、ソン。やっぱりお前は良い眼を持ってるよ」
ホームランを打って一塁を走り過ぎる時は、肩を叩いてくれたこともあった。
そしてドッグス。
友の面目を保つため、そしてドッグスへの愛着から彼は大型オファーを蹴って、ドッグスで現役引退の花道を飾ろうと決意したのだった。
打撃は改善したが、スタメンの座は掴めなかった。こうなったら、もう自分の生き残る道は守備にしか残っていない・・・!
彼は大減俸を飲みドッグスと再契約。そして、この日から猛特訓が始まる・・・。
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