Survivin


Survivin は caspase の活性を阻害することによりアポトーシスを抑制する IAP 遺伝子ファミリーの1つです。Survivin は有糸分裂紡錘体にある微小管に関与し、ミトコンドリア依存性アポトーシスを抑制します。細胞死の制御に加え、細胞分裂においても重要性が示されており、その発現は細胞周期に依存して転写レベルでコントロールされています。Survivin 遺伝子の選択的スプライシングにより抗アポトーシス活性と細胞内局在の異なる survivin-2B と survivin-ΔEx3 を含む複数の転写産物が生成されます。正常な成人組織中の Survivin の発現は一部の細胞に限られていると報告されていますが、一方で Survivin の過剰発現はさまざまな悪性腫瘍にみられ、その発現は予後不良と相関しています。また、抗腫瘍ワクチン等、様々な抗腫瘍治療薬の標的としても Survivin が注目されています。
最終更新:2011年11月02日 19:59