既存市販薬剤における血管新生抑制作用の検討
口演(82-88) 肺・縦隔(2):化学療法と分子生物学
10月12日 第 5 会場 時間:14:10~15:10 Top へ 戻る
O_16
[ 83 ] 既存市販薬剤における血管新生抑制作用の検討 ー早期臨床応用をめざしてー
高橋 博人1), 斎藤 泰紀3), 藤村 重文2)
自衛隊仙台病院 外科1), 東北大 加齢医学研究所 呼吸器再建研究分野2), 国立仙台病院呼吸器外科3)
【目的】固形癌の増殖,転移はその血管新生能に依存している。血管新生をターゲットとして癌の治療に用いるべく多くの血管新生抑制剤が研究開発されているが、その多くは開発段階で臨床応用はなされていない。我々は,他の効能について臨床で既に投薬されている薬剤の中に血管新生抑制作用を併せ持つ薬剤を検討してきた。【方法】1.内皮細胞増殖試験 2.内皮細胞遊走試験;Wound Migration Assay法 3.管腔形成能試験 4.in vivo Matrigel plug assay 【結果】イミダゾール系抗真菌剤クロトリマゾール,ミコナゾール,エコナゾール,抗アレルギー剤トラニラスト,マクロライド系の抗菌剤エリスロマイシン,ロキシスロマイシン、葉酸拮抗剤TNP-351が血管内皮細胞の増殖,遊走および管腔形成能を抑制し,血管新生抑制作用を合わせ持つことが判明した。これらの薬剤はTNP-351を除き現在すでに臨床で投薬されている薬剤であり,長期投与が行われているものもあり、今後早期に血管新生抑制剤として固形癌の治療に応用できる可能性が高いと考える。
最終更新:2012年07月14日 02:02