Cancer stem cells (CSCs)
Sulfasalazine
永野 修・佐谷秀行
(慶應義塾大学医学部 先端医科学研究所遺伝子制御研究部門)
1.組織はまず幹細胞(自己複製が遅い)が分裂し前駆細胞(自己複製が早い)が作られ、その前駆細胞が最終分化の細胞まで分化する。
2.Dr.Joan BruggeのHypothetical model of DCIS progression
lobulesのepitheliumがhyperproliferation→anti-apoptosis→
EMT(Epithelial-Mesenchymal Transition)を起こし浸潤していく。
3.分裂した癌細胞のみの治療で、がん幹細胞やニッチが残っているといずれ再発を起こす。
→これからはがん幹細胞、ニッチを標的とした治療へ移行
4.がん幹細胞はさまざまなストレスに対して抵抗性が高い
CD44の発現は腫瘍の増殖や浸潤、転移と関連している
Breast ca. Prostate ca. head&neck ca. Colon ca. Pancreatic ca. Gastric ca.
6.CD44v(variant)による酸化ストレス抵抗性促進機構
CD44vは細胞膜表面においてシスチントランスポーター(xCT)を安定化させることで、細胞外シスチンの取り込みを増加させ、抗酸化物質グルタチオンの生成を促進する。その結果、酸化ストレスを回避できる。腫瘍細胞は増殖時や治療時において発生する酸化ストレスに抵抗性をもつ。
7.CD44vを標的としたがん幹細胞治療
CD44vを抑える→がん細胞内のグルタチオン量の低下→酸化ストレス上昇→がん幹細胞の死滅
8.xCT阻害剤スルファサラジン(商品名:サラゾピリン)
胃癌マウスで抗癌剤感受性が上昇
まとめ
①CD44vを発現しているがん細胞はGSH(還元型グルタチオン)が高く、酸化ストレスに抵抗性がある。
②CD44v(+)細胞はごく少数から腫瘍を形成する能力が高く、がん幹細胞様の性質をもつ。→再発や転移の起点となる
CD44v-xCTの機能抑制はがん幹細胞の機能を抑制し、再発や転移を阻害できる可能性がある。
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最終更新:2013年04月14日 08:28