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    カテゴリー名【フレッシュ:ラブとせつな】 レス番号 作品タイトル 作者 備考 ラせ1-1 【笑顔:Smile】 ◆BVjx9JFTno あの頃の私は、自分の心からも胸の痛みからも目を背けて、ただ無表情だった――。「せ~つなっ!二人でもう一度、プリクラ撮ろうよっ!」今度は私、ちゃんと笑えるかしら……。 ラせ1-2 「My First ....」 ◆BVjx9JFTno ひょんなことから、バレンタインデーにラブと三度目のプリクラ。一度目は、心を塗り潰していた。二度目は、ラブに助けてもらった。だから今度は、自分からこの想いを……。せつなのそんな決意が、思いもかけない小さな奇跡を生むことに!ラせ1-1から、しばらく後の二人。 ラせ1-3 【夜想曲:nocturne】 ◆BVjx9JFTno ピアノの調べが心に届き、激しい雨を降らせる。蘇る葛藤と痛みと喪失、そして雲間から射し込む一筋の光――。せつ...
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  • ラブとせつな【1】
    ラブとせつな【1】 レス番号 作品タイトル 作者 備考 ラせ1-1 【笑顔:Smile】 ◆BVjx9JFTno あの頃の私は、自分の心からも胸の痛みからも目を背けて、ただ無表情だった――。「せ~つなっ!二人でもう一度、プリクラ撮ろうよっ!」今度は私、ちゃんと笑えるかしら……。 ラせ1-2 「My First ....」 ◆BVjx9JFTno ひょんなことから、バレンタインデーにラブと三度目のプリクラ。一度目は、心を塗り潰していた。二度目は、ラブに助けてもらった。だから今度は、自分からこの想いを……。せつなのそんな決意が、思いもかけない小さな奇跡を生むことに!ラせ1-1から、しばらく後の二人。 ラせ1-3 【夜想曲:nocturne】 ◆BVjx9JFTno ピアノの調べが心に届き、激しい雨を降らせる。蘇る葛藤と痛みと喪失、そして雲間から射し込む一筋の光――。せつなが桃園家の家族にな...
  • フレッシュ:その他カップリング(サブキャラ含む)
    フレッシュ:その他カップリング(サブキャラ含む) レス番号 作品タイトル 作者 備考 他CP1 【Unreachable】 ◆BVjx9JFTno 美希&せつな。くせのない黒髪、長い睫毛、つややかな唇。全部すぐ手の届くところにあって、見ているだけでどんどん引きつけられて……。だけどどうしても届かない。大切な人が住まう、あの子の心の中にだけは。 他CP2 「After Round」 ◆BVjx9JFTno R18 美希&せつな。香りって、こんな不思議なものだとは思わなかった。私自身も知らないでいた欲望を、掻き立てる力があるだなんて。だけど、もしも昨日までの私だったら、きっと……。 他CP3 「甘えたい夜」 ◆BVjx9JFTno R18 美希&せつな。みんなと離れて泊りがけの仕事。寂しくたって、みんなに甘えたりするアタシじゃないのに。その時、赤い光がアタシの心の奥にまで届いて……。 他C...
  • フレッシュ:SSS(小ネタ、独白、掌編等)
    フレッシュ:SSS(小ネタ、独白、掌編等) レス番号 作品タイトル 作者 備考 SSS1 「出発前夜」 ◆BVjx9JFTno 大好きな部屋。大好きな家族。大好きな仲間――。この目に焼き付けて、ずっと覚えていたい。たとえ命を落とすことになっても、みんなに貰った抱えきれないほどの幸せは、この胸に抱いていくから……。42話『ラビリンスからの招待状!』決戦に赴くせつなの思い。 SSS2 「家路」 ◆BVjx9JFTno 寒くてコートの襟をかき合わせても、カバンの中の包みのことを考えると、自然に頬が緩む。プレゼントの包みは、今年から三つ。幸せと温もりが増えた我が家へ、さぁ帰ろう――。桃園家の心ぽかぽかのクリスマスを、あの人の視点で。 SSS3 「遅い目覚め」 ◆BVjx9JFTno 「一緒に笑い合う時間が無いのが、残念だ……」自分は気付くのが遅過ぎた。でもせっかく気付けたのだから、せめて最期は...
  • フレッシュ:複数キャラクター【1】
    フレッシュ:複数キャラクター【1】 レス番号 作品タイトル 作者 備考 複数1 「告解:Confession」 ◆BVjx9JFTno みんなと一緒にダンスをやってみようと決めた。クローバーの一員に迎えてもらった。でもこのままじゃ、私はあの人のレッスンは受けられない。だから……。26話『4つのハート! 私も躍りたい!!』後日談。 複数2 「Stay Together」 ◆BVjx9JFTno 「素晴らしい幸せが訪れます」あの時の占いはでたらめだったけど、もしも今占ったら、一体何が見えるのだろう? 水晶玉をイメージして集中するせつなに、見えてきた幸せな未来とは? 複数3 「自由ね、貴方たち」 ◆BVjx9JFTno みんなでいろんなところに行くのって楽しい。普段と違う場所だって、モデルとして、立ち居振る舞いは完璧にしてみせるんだから……って! あなたたち、何やってるの!? 唯一の常識人(...
  • 美希と祈里
    美希と祈里 レス番号 作品タイトル 作者 備考 美祈1 「Faithfully」 ◆BVjx9JFTno いつの頃からか、彼女の気持ちには気付いていた。だけど恋愛は男女でするものだって思ってた。でも、彼女があの男の子と親しそうに話しているのを見た時、胸の奥にチクリと何かが針を刺して……。 美祈2 「Faithfully@inori」 ◆BVjx9JFTno 小さい頃から、美希ちゃんに憧れていた。やがて憧れは、違う形に変化して――だけど、ひょっとしたらと思っても、言葉には出来なくて。そんなある日の放課後……。美祈1を、祈里の視点から。 美祈3 「pieces」 ◆BVjx9JFTno 好きって言ってくれたあなたの気持ちを、わたし、信じてる。だけど華やかな世界にいるあなたを見ていると、時々不安になるの。胸元のお守り代わりの小さなピースに、そっと手を触れてみる。だって、これはあなたとの……。...
  • SSS5
    「The Hermit.」/◆BVjx9JFTno 「余計なことをするな!」 ふたりを一喝し、 部屋に入った。 体に、力が入らない。 壁にぶつかり、 崩れ落ちる。 猛烈な痛み。 痛んでいるのは、多分 体だけではない。 残り2枚になった カードに、目をやる。 このカードの、力の源が 何なのか、わかった。 私の、苦しみ。 私が、苦しむほど、 その力は、増大する。 増大した力は、そのまま 跳ね返り、さらに私を苦しめる。 ナキサケーベの力が、 もっとも強くなるとき。 それは、多分 私の命に、関わるとき。 これも、メビウス様から 与えられた、試練なのだろう。 極限まで、力...
  • SSS3
    「遅い目覚め」/◆BVjx9JFTno 猛烈な風に、 流されている。 左手1本で残っている。 掴んでいるのは、 青い髪の、少女。 ついさっきまで、 闘っていた。 その少女が、 僕の手を掴んでいる。 意味がわからなかった。 なぜ、闘っていた相手を 助ける? 命を奪おうとしていた、 この僕を。 目の前の、 少女の瞳。 強い、希望の光。 あきらめない、光。 みなぎる強さを、 感じる。 倒しても、倒しても、 立ち上がってきた。 彼女だけじゃない。 プリキュアは、みんな そうだった。 あの世界の人間は、 みんなそうだった。 どれだけFUKOを浴びせても、 ...
  • 複数3
    「自由ね、貴方たち」/◆BVjx9JFTno 勢いよく吹き出る泡が、アタシの肌を刺激する。 やっぱりジャグジーって最高。 今日はみんなでスーパー銭湯に来ちゃった。 いろんなお風呂があって、つい長居しちゃう。 露天もあって、お風呂ロケの練習も出来るの。 これでお肌も卵みたいにつるつる。 湯上がり美人の完成だわ。うん完璧! ちょっとラブ! 露天に出るならタオルくらい巻きなさい! 開放感って何よ! バンザイポーズとかしないの! せつなも真似しないでいいから! え?日本の伝統?全然違うから! ブッキーも電気風呂で変な声出さないで! あらやだ アタシったら鼻血が。 あぁ気持ち良かった。 湯上がりさっぱりだわ。 湯上がりにはヨーグルトがいちばん。 おなかもきれいになって、体の中...
  • ラせ1-25
    「welcome back」/◆BVjx9JFTno 半ば無理矢理に、 夏休みを与えられた。 残ってる課題や仕事を挙げても、 任せとけの一点張り。 去年とは大違い。 すっかり、私は 子供扱い。 追い出されるように、 予定を組まれた。 私がいないと、 混乱するくせに。 でも、 ありがとう。 光が消え、目の前に 懐かしい空が広がった。 強い日差しに、 目を細める。 吹き抜ける風が 爽やかに体を撫でる。 つかの間のお別れをつぶやいた、 クローバーの丘。 街を見渡せる斜面に、 腰を下ろす。 雲が、やさしい日陰をつくり、 ゆっくり移動する。 1年前も、 こんな天...
  • SSS1
    「出発前夜」/◆BVjx9JFTno 明かりの消えた部屋。 夜目に慣れた目には、 このくらいでちょうど良い。 ずっと、部屋を眺めていた。 見慣れた風景。 丸いカーペット。 赤いカーテン。 お父さんの机。 引き出しを開ける。 学校で使ったノート。 「帰りにドーナツ食べよう!」 「寝てたら起こして!」 授業中に、ラブが横から書き込んだ文字が あちこちにあり、私は少し吹き出した。 犬のしつけ方を綺麗に書いてくれた ブッキーのノート。 美希がくれた、アロマの瓶。 お母さんの、ブレスレット。 引き出しを閉めかけ、 もう一度開いて眺める。 何度か繰り返し、ようやく 引き出しを閉めた。 ...
  • ラせ1-24
    「eve」/◆BVjx9JFTno 冷蔵庫を開け、 材料を確認する。 ボウルやフライパンの 状態を確認する。 食器棚を開け、 お皿を確認する。 手順を、口の中で 繰り返し確認する。 「もう、ラブったら、それ何回目?」 お母さんが、クスクス 笑っている。 だって、明日なんだもん。 落ち着いてなんか、いられない。 「大丈夫よ」 お母さんが、灰汁を取る スプーンの手を止め、私を見る。 「ラブの気持ちを込めれば、  きっとおいしく出来るわ」 「うん」 お母さんの言葉が、 あたしの力になる。 お母さんが鍋に向かい、 また灰汁を取り始める。 「お母さん、すごい手間だね」 「だっ...
  • SSS4
    「Fear」/◆BVjx9JFTno 怪現象のニュースは、 絶え間なく流れている。 うわさでは、世界が全て 誰かに支配されているらしい。 それを阻止するため、 プリキュアが闘っているそうだ。 その、プリキュアについても、 うわさが飛び交っている。 ラブと、せつなちゃんが プリキュアだったらしい。 そんな、バカな。 せつなちゃんはともかく、ラブなんて 跳び箱に突っ込んだりしてたじゃない。 ラブに電話するけど、 つながらない。 せつなちゃんも、同じ。 ラブと仲が良さそうな大輔君に 聞いてみた。 「さあね」と、一蹴された。 本当なんだろうか。 でも、現実に、 世界の各都市、そして日本も 怪...
  • ラせ1-41
    「幸せの交換」/◆BVjx9JFTno 手のひらほどの、 大きなハートの型。 溶かしたチョコレートを 流し込む。 冷蔵庫に、2つ並べる。 桃のドライフルーツを入れた、 あたしのチョコ。 いちごのドライフルーツを入れた、 せつなのチョコ。 せつなにとっては、 初めてのバレンタイン。 「私も、作るわ!」 目を輝かせたせつなを見て、 ちょっと、不安になった。 クラスでも、 せつなは大人気。 最近は、男の子達とも よく話している。 渡したい人、 出来たのかな... 何だか、聞きづらいまま 一緒に、キッチンに立っている。 「メッセージ、書く?」 「ええ」 コルネを準備する。 ...
  • ラせ1-15
    いっしょに年越し/◆BVjx9JFTno 深夜だというのに、昼間の 商店街並に、人が多い。 「これって、日本の伝統なの?」 「そうだよ!こうやって年を越すの!」 この世界に来て、 はじめての年越し。 家族で、神社に 詣でている。 一般の参拝客も、除夜の鐘を 鳴らせるとのことで、列に並ぶ。 鳴らしている人を見る。 結構、力がいりそうだ。 「一緒に鳴らそうよ!」 「ええ、頑張るわ」 鐘楼に上がる。 合掌し、心を落ち着ける。 綱を、ラブと私で持つ。 「2回、準備するからね」 「ええ、わかったわ」 「はいっ」 合図で、同時に綱を引く。 少しだけ。 撞き棒が、定位置より 少し前に戻る。 ...
  • ラせ1-12
    「幸せ記念日」/◆BVjx9JFTno ぎりぎりまで、弱火にする。 強火だと、すぐに焦げてしまう。 練り上げたものに、牛乳を少しずつ入れ、 かき混ぜながら温める。 「牛乳は、少しずつ入れてね」 「はい」 ラブと私で、お母さん直伝の ココアを作ることにした。 ゆっくりと、練ったココアを 溶かして、温める。 沸騰する寸前で火を止め、 カップに注ぐ。 やわらかい香りが 立ち上ってきた。 「わぁ、いい香り」 「わはー、もう待ちきれないよ!」 テーブルを3人で囲む。 カップに息を吹きかけ、 ひと口飲む。 ココアの優しい甘さと、 ミルクの風味。 体の中が、ふわっと 温かくなる。 「おいしい...」 ...
  • ラせ1-19
    「frozen」/◆BVjx9JFTno ふっと、 ため息が出る。 4つ並んだ、 味噌汁のお椀。 まただ。 ひとつ片付け、 3つのお椀に味噌汁を注ぐ。 すっかり、4組の食器が 普通になってしまった。 「おはよう」 「おっはよー」 お父さんとラブが、 食卓に入ってくる。 いつもの、朝ご飯。 「ラブは、最近お寝坊さんじゃないわね」 「うん!あたし、自分の出来ることを  精一杯やることにしてるんだ!」 精一杯、と言う言葉を ラブはよく口にするようになった。 部屋の掃除は、 毎日している。 片付けるものは 特に無い。 散らかす人が、いない。 几帳面な子だったから、 ...
  • 複数4
    「ブルンのチカラ」/◆BVjx9JFTno なあシフォン、聞いてくれるか。 今日の話やねんけどな。 兄弟から連絡があってな、またドーナツ食べ放題にしたるから 芸やって客集めてくれと。 ワイも男や。兄弟の頼みは二つ返事や。 そんで意気揚々と公園に向うたら、なぜかピーチはん、 パッションはん、ベリーはん、パインはんも居ててん。 何や、あたしらも手伝うからドーナツ食べ放題にさしてくれ言うて、 兄弟もノリノリで、じゃあ100人にさばいたら食べ放題にしたるわって。 そしたらまあ、やることがえげつないわ彼女ら。 ベリーはんがブルン呼んで、みんなに制服着せたってん。 ピーチはんはピンク、パッションはんは赤、ベリーはんは水色、 パインはんは黄色、それぞれの色と白のストライプで、 同じ色の帽子もかぶって、白のエプロン...
  • ラせ1-5
    「ひとり占め」/◆BVjx9JFTno 部屋の天井を、 ぼんやりと見ていた。 熱を測る。 38度5分。 病院で注射を打ってもらい、 薬をもらって家に戻ってからは、 部屋で寝ている。 部屋でずっと寝ているのは、 あたしの性に合わない。 みんなと一緒に居たいけど、 まず自分の体を治さなきゃ。 我慢我慢。 少し眠っちゃったみたい。 外はもう暗い。 かすかに、台所でお母さんとせつなが 話している声が聞こえる。 普段なら、みんなでわいわいご飯食べて、 テレビ見ながらせつなと一緒に笑って、 お部屋で寝るまでおしゃべりするのに。 何か取り残されたようで、寂しい。 風邪なんて、ひくもんじゃない。 ちょっと落ち込んでいると、 ...
  • SSS6
    「おすそ分け」/◆BVjx9JFTno 「せつな、その歌好きだね」 ラブに言われて、私は自分が 鼻歌を歌っていたことに気づいた。 少し照れくさくなって、 強めにテーブルを拭いた。 同じ歌を、今度はラブが 鼻歌で歌っている。 小さな声で、 合わせて歌う。 クリスマスを前にした、 クローバータウンストリート。 イルミネーションの、暖かい光。 街で流れる音楽にも、 鐘や鈴の音が多く聞こえる。 聞いているだけで、幸せになれそうな クリスマスソング。 その中で、ひときわ 心に残る歌があった。 歌の後ろで、ずっと 流れている、子供の合唱。 その部分の歌詞は、 よく聞き取れた。 ずしりと、心に響いた。 ...
  • ラせ1-13
    「仲直り記念日」/◆BVjx9JFTno 湯気で曇った鏡を見て、 冬が近づいてることを実感する。 バスタブに、体を沈める。 爪先と、指の先から、 じんわりと暖まっていく。 鼻まで、お湯につかる。 ゆうべの、あたしの言葉が 頭の中で、繰り返される。 「お母さんがせつなのこと、どれだけ  思ってるかも知らないで!」 あたし、何てこと 言っちゃったんだろう。 知らないわけ、無いじゃない。 パジャマに着替え、階段を上る。 せつなの部屋のドアが、 少し開いている。 すき間から、中を覗いてみる。 ベッドに、パジャマ姿の せつなが腰かけている。 手首を、何度も、 何度も、撫でている。 せつ...
  • ラせ1-20
    「thaw」/◆BVjx9JFTno ひと口、かじる。 思い出しながら、味わう。 「どうだ?」 「いい感じなんだけど、まだちょっと違うわね」 「そうか!やっぱりまだ調査が必要なんだな!  ホホエミーナ、我に力を!」 「ちょっと、また行くの?」 「調査だ調査。実際に食べて確かめる必要があるのだ」 あっという間に、ホホエミーナは 飛び去っていった。 もう。 何だかんだ言って、向こうに 長居するくせに。 サウラーと顔を見合わせ、 同時に肩をすくめる。 復興中の街。 広場に、芝生を敷き詰めた。 据え付けた、滑り台や砂場で はしゃぐ、子供達の声。 突然に、与えられた自由。 大人はまだぎこちないが...
  • ラせ1-17
    「昼下がり」/◆BVjx9JFTno ごまめ。 数の子。 黒豆。 お膳の中には、変わった名前の 食べ物が、たくさん入っている。 煮物の仕込みや、お膳への 盛りつけは、ラブと私で手伝った。 「あぁーやっぱり正月はこれだなぁ!」 お父さんが満面の笑みで、 お雑煮のお餅を伸ばす。 家族で、のんびりお正月。 座卓を囲み、みんなで おせち料理をつまむ。 お屠蘇という、薬酒を 縁起物として、いただく。 薬っぽさが少しあるが、 甘い味で、おいしい。 でも、さっきから何か 視界が回っている感じがする。 目が覚めた。 天井が見える。 テレビの音が、小さく 聞こえている。 少し、眠ってしまったようだ。 ...
  • SSS7
    「娘はライバル!?」/◆BVjx9JFTno 湯煎にかけたチョコレートが いい感じに溶けてきた。 少し、生クリームを入れる。 「ラブ、自分の型を用意して。  せっちゃんは並べるお皿をお願いね」 「はーい」 今年のバレンタインデーは 日曜日。 お父さんは、ゴルフの 練習場に行っている。 居ない間に、みんなで チョコレートを作る。 今年は、ひとつ多い。 多分、いつもよりも だらしない顔になるだろう。 何を作るかは、みんな 自分で決めた。 ラブは、ナッツいっぱいの チョコレート。 アーモンド、カシューナッツ。 くるみ、ヘーゼルナッツ。 「少し荒いくらいの方が、いいわね」 「うん、ありがとう」 ...
  • ラせ1-28
    生還の実感/◆BVjx9JFTno 湯冷めしないうちに、 布団にもぐる。 体は、まだ熱い。 天井を見つめる。 この部屋を出るときと、 変わらない風景。 アカルンを使って家を出たのが、 ずいぶん前のことのように思える。 帰って来ない、覚悟だった。 捕らわれた私を救ってくれたのは、 みんなの声。 ラブの声。 「思い出してよ。  せつなの、本当の気持ちを!」 生きて、帰ってきた。 緊張の糸が、ぷつりと 切れている感じがした。 途端に、恋しくなる。 ラブに、そばにいて欲しい。 そばに居たい。 抱きしめて欲しい。 抱きしめたい。 愛して欲しい。 愛したい。 ...
  • ラせ1-8
    「「One Last Time」」/◆BVjx9JFTno 今日で、私の命は終わる。 ナキサケーベのカードを使い切っても プリキュアを倒せなかった私は、 寿命を操作され、今日限りの命となった。 必要のない人間は、排除される。 私も、必要がなくなったということだ。 寿命を止められた人を、たくさん見てきた。 皆、一様に無表情だった。 死も、当然のように受け入れる。 私にも、その時が来た。 手紙を見た瞬間は、 激しく動揺した。 私が、必要のない人間となったこと。 存在する価値が無い人間となったこと。 しかし、任務を果たせなかったこと、 兵士として使い物にならなくなったことは、 この処遇を受け入れるには充分な理由だった。 やるだけのことは、やっ...
  • ラせ1-14
    思いやり記念日/◆BVjx9JFTno お風呂あがりのラブから切り出された話を聞いて、 思わず私は吹き出してしまった。 「どうしたの、お母さん?」 「...ううん、何でもないわ」 「変なの...」 ラブから相談されたのは、 ピーマンがおいしく食べられる、 料理の作り方。 ふたりで、色々と考える。 硬くて苦い感じをやわらげるため、 だし醤油で炒め煮にすることにした。 「せっちゃんは知ってるの?」 「ううん。まだ...」 「じゃぁ、明日の夕ご飯で、それ作りましょ」 「うん!あたし、頑張るよ!」 ラブがお風呂に入っている時に、 せっちゃんがやって来た。 相談されたのは、人参がおいしく 食べられる、料理の作り方。 ふたりで、色々と考...
  • SSS2
    「家路」/◆BVjx9JFTno 駅を出たところで、 強い北風に煽られる。 体が、寒さで縮む。 コートの襟を合わせ、 足早に家に向かう。 カバンの中には、 3つの包み。 会社の近くにある、専門店で 似合うものを、店員と一緒に考えた。 ざっくりとした、桃色と 赤のセーター。 そして、暖かいオレンジの 膝掛け。 今年は、プレゼントが ひとつ、多い。 プレゼントの数だけ、 渡すまでの微笑みが増える。 本当に、よく笑うようになった。 レストランで、初めて 会ったときの、彼女。 一度も笑ったことがないような ぎこちない表情。 何かを思い詰めているような瞳。 面白いことを言って盛り上げるの...
  • ラせ1-18
    「おうちでゆうごはん」/◆BVjx9JFTno 「タルト、シフォン、おいで!」 「おぉ、うまそうな匂いやなぁ」 タルトが、引き寄せられるように 入ってきた。 今日は、お父さんもお母さんも お仕事先の集まりで、出かけている。 夕ご飯を、ラブと私で作った。 タルトとシフォンも、一緒に食べよう。 食卓から、湯気が 立ち上っている。 「ラブとせつなの、スペシャルシチューだよ!」 「わぁ、こらあったまりそうやな」 「キュアー!」 たまねぎ、にんじん、じゃがいも。 とり肉、ほたて貝、ブロッコリー。 「いただきまーす!」 いっせいにスプーンを口に運んだ。 「わぁ...」 ひと口食べて、私は思わず声をあげた。 すべ...
  • ラせ1-2
    「My First ....」/◆BVjx9JFTno 「あれれれ」 ラブが、周りを見渡す。 バレンタインデーのせいか、 ショッピングモールは大賑わい。 「さっきまで、いたのに...」 美希と、ブッキーと はぐれた。 「ちょっと連絡してみるわ」 リンクルンを開いた途端、 美希からメールが入った。 「ちょっとブッキーとアクセサリ見るから  フードコートで合流しましょ」 メールを、ラブに見せる。 「じゃあ、あたしたちも、ぶらっとしよっか」 「ええ」 行き交う人たちの笑顔と、 笑い声。 子供たちの、はしゃぐ声。 みんなの、幸せを 体いっぱいに感じる。 「あっ!チョコの試食があるよ!」 ラ...
  • SSS8
    「début」/◆BVjx9JFTno 足が、細かく 震えている。 口の中が、 乾いている。 初めて立つ、舞台。 クローバーコレクションの バレンタイン特集。 タイアップしている雑誌の 読者モデルにも、声がかかった。 何度も、ため息をつく。 気分は、晴れない。 スタジオや、ロケ先で 写真を撮ってもらう。 それが、雑誌に載る。 そうやってきた。 今回は、違う。 たくさんの観客に、 生身でぶつかる。 今回の、モデルへの要求は、 「バレンタインチョコを渡すポーズ」 ちゃんと歩いて。 ちゃんとポーズして。 ちゃんとターンして。 間違えないようにすればするほど、 動きが硬くな...
  • ラせ1-23
    「少しだけ遠く」/◆BVjx9JFTno 昼下がりの、 気持ちいい風。 子供たちが、ボールを手に 遊んでいる。 同時に背伸びをして、 お互いに、くすっと笑う。 「すごいよせつな!  とっても気持ちいいよ!」 「嬉しいわ。  ラブにそう言ってもらえると。」 せつなに連れてきてもらった、 復興中のラビリンス。 四つ葉町をモデルにした、 広い丘。 草の香りが、鼻をくすぐる。 「ねぇせつな、あの建物、何?」 穏やかな広場に似つかわしくない 無骨な建物。 その形は、あたし達がここで 闘っていた時に、よく見ていた形。 はずみで聞いたことを、 後悔した。 しばらく返事をしなかったせつなが、 ...
  • ラせ1-4
    「GoodNight Kiss」/◆BVjx9JFTno 小さな土鍋の中が、くつくつと煮えている。 卵を回し入れ、軽く混ぜる。 刻んだネギと海苔を散らす。 「これでいいですか?」 「バッチリよ。せつなちゃん上手じゃない」 めずらしくラブが熱を出したので、 お母さんに教えてもらって、卵雑炊を作った。 土鍋と器を盆にのせ、ラブの部屋に入る。 「ラブ、ご飯食べる?」 「うーん...あんまり食欲ないかな...」 「私が作ってみたんだけど...」 「えっ?嘘!今の嘘!あー何かお腹すいちゃったー!」 額に濡れタオルを乗せ、辛そうにしていた ラブの声が1オクターブ以上あがる。 「ふーふーして!」 起きる気配も見せず、きらきらした目で私を見る。 食べさせてもらう気...
  • 複数6
    「一日の終わりに」/◆BVjx9JFTno 電車の振動が心地良い。 夕方のやわらかな日が、 車内を照らしている。 ラブは長時間の着せ替えで疲れたのか、 席に座るなり、眠り始めた。 後ろ向きに船をこいでいるため、 窓ガラスに後頭部をぶつけ続けている。 私と美希、ブッキーはそれを見て 声を殺しながら笑う。 我慢すればするほど、おかしさは倍増し、 私たちは涙をため、肩を叩き合いながら 声を出さずに笑い転げた。 ひとしきり笑った後、屈託なく笑えるように なった自分に、少し驚いた。 闘いの中で向き合った、 私の、ほんとうの気持ち。 幸せに、なりたい。 笑顔に、なりたい。 この時、私は管理国家ラビリンスの 民であることを、捨てた。 契約が切られるかのように、私の命は ...
  • 美祈4
    「I Miss You」/◆BVjx9JFTno 日曜日の、昼下がり。 いつもは、わたしか 美希ちゃんの部屋。 時々は、外で デートするけど。 お茶を飲んだり、 おしゃべりしたり。 お互いに、もたれかかったり。 でも、時々、どうしようもなく お互いが欲しくなることがある。 小さい頃から、 ずっと一緒。 引っ込み思案なわたしを いつも引っ張ってくれた。 あこがれが、いつから恋心に 変わったのか、忘れた。 ラビリンスとの闘いが終わり、 四つ葉町に笑顔が戻った後、 思い切って、告白した。 半分、あきらめていた。 でも、今までのわたしから 一歩だけ、踏み出すことが出来る。 そう思っていた。 ...
  • ラせ1-22
    「サプライズ!」/◆BVjx9JFTno 赤い光が消え、 景色が変わった。 私の部屋。 昼前の、少し強い日差しが カーテン越しに差し込んでいる。 ほこりひとつ、落ちていない。 いつも、お母さんが 掃除してくれているのだろう。 廊下に出る。 しんと静まりかえっている。 そっと階段を下り、 居間に向かう。 ガラス越しに、水色の エプロンが見えた。 ドアを開ける。 目があったラブに、 ぎゅっと抱きしめられる。 「せつなぁ!久しぶりだね!」 「ええ、元気そうね、ラブ」 抱き合ったのは、ほんの数秒。 「さ、積もる話は後にしよう!」 「そうね、私も手伝うわ」 久しぶりに、ピンクのエプロンを ...
  • ラせ1-16
    「罰当たり?」/◆BVjx9JFTno 「ようこそ、お参りくださいました」 頭を上げたその姿を見て、 自然に、ため息が出た。 清楚な、白衣。 あざやかな、緋袴。 凛とした、微笑。 湖水のように、澄んだ瞳。 きれいな黒髪が、 巫女装束に映える。 「わはー!せつな、超似合ってるよ...」 「ちょっと、完璧なんだけど...」 「ぜったい、似合うって信じてた!」 働いている最中なので、 無駄話もなし。 それどころか、あたし達にも 他の参拝客と同じように、 敬語で接してくる。 完全に、お仕事モードだ。 四つ葉町にある神社は、 初詣で大にぎわい。 せつなに、初詣期間の 助勤のお願いが来た。 せつなは、もちろん ...
  • 複数2-4
    「+3」/◆BVjx9JFTno 左足の前に、右足を交差させ くるりと、ターンする。 一番初めに、習ったこと。 子供たちが、目を輝かせながら 何度も、やっている。 子供たちとダンスあそびをすると、 最後はいつも、何か踊ってとせがまれる。 4人で踊っていた曲を、 ひとりで、踊ってみせる。 子供たちは、大喜びで 見てくれる。 でも、このダンスは、 4人で輝くもの。 ひとりで踊るたびに、 そう思う。 私は、ここを笑顔でいっぱいに することに、決めた。 人を笑顔にするために、 必要なこと。 それは、自分が とびきりの笑顔でいること。 人に幸せを感じてもらうために 必要なこと。 それは、自分が 幸せを感じていること。 目を閉じる。...
  • 他CP2
    「After Round」/◆BVjx9JFTno タコのナケワメーケを倒した後、 少しいい雰囲気になった美希と私は、 アロマオイルについて語り出した美希に 連れられて、美希の家に来た。 綺麗に片付いた部屋。 大きな鏡台。 たくさんある、大きな鏡。 「香りってね、とっても複雑なの」 美希がガラスビーカーを取り出しながら話す。 「オイルの性質によって、すぐに香りが消えたり、  すぐには香りが出ないけど持続したり。  色んなものがあるから、どう感じたいかをイメージして  オイルを混ぜるの」 ずらりと並んだオイルの瓶。 出来たオイルをアロマライトの皿に落とす。 しばらくすると、とても良い香りが鼻孔をやさしく撫でた。 「いい香り...」 「...
  • ラせ1-6
    「my mother」/◆BVjx9JFTno 夜空には、雲ひとつ無い。 星が瞬き、半円形の月が出ている。 今日は、家族で温泉旅行。 「温泉って...何?」 家族で話している時の私の一言で、 お父さんが奮発してくれた。 初めて入る温泉は、外でお風呂に入るということが ちょっと恥ずかしかったけど、体が芯から暖まり、 肌もすべすべになって、とても気持ちが良い。 ラブと背中の流しあいもして、ゆっくりと お湯につかりながら、色んな話をした。 私は何だか眠るのが惜しくて、みんなが眠った後も 部屋にしつらえてある縁側に座り、夜空を眺めていた。 「どうしたの?せつなちゃん」 声がして振り向くと、お母さんが起きていた。 私の隣に座る。 「何だか眠るのが惜しくて...」 ...
  • 複数10
    「雨のち紙テープ」/◆BVjx9JFTno ダブルの部屋なのだろう、 無駄に広い部屋だった。 ベッドに転がる。 いつも掲載させてもらってる、 ファッション雑誌の、クリスマスイベント。 読者のための集いなので、 読者モデルも、当然参加。 断るわけには、 いかなかった。 読者の女の子たちと一緒に 握手会や、記念撮影。 無難に、こなした。 気分が悪いことにして、 打ち上げを中座した。 宿泊予定のホテルに、 ひとりで戻る。 普通の、ビジネスホテル。 クリスマスイブに使うお客さんが 少ないのか、部屋の変更も簡単にできた。 他の宿泊客が、近くに 居ない部屋を、お願いした。 人恋しいのに、 人と会いたくない。 なぜかは、わかっている。 ...
  • SSS9
    「Peep」/◆BVjx9JFTno R18 暗い天井が、目に入った。 体を起こして、まわりを見渡す。 床にあるのは、布団だけ。 横で眠っているブッキーを起こさないように、 そっとベッドを降り、部屋を出る。 クリスマスパーティで、夜遅くまで おしゃべりにふけっていたアタシたちは、 もう遅いからと、みんなで泊まることにした。 ラブの部屋を、使わせてもらった。 アタシとブッキーが、ベッド。 ラブとせつなが、床に布団を敷いて。 一緒に、眠ったはずだった。 廊下に出る。 かすかに、隣の部屋から 声が聞こえる。 久しぶりに、せつなが 帰ってきたんだもんね。 まだ、おしゃべりが 足りないみたい。 ドアが、少しだけ...
  • 他CP4
    「AM6 00」/◆BVjx9JFTno 外に出た瞬間、 蝉の声に包まれた。 強い日差しがが照り始めているが、 空気はまだ涼しさが残っている。 深呼吸し、体を軽く伸ばしてから 走り出す。 帰ってきた四つ葉町での夏休みは、 眠る時間すら、もったいない。 朝の空気が、気持ちいい。 体が、徐々に軽くなる。 角を曲がる。 前を走る人影が 目に入った。 青のジャージ。 まとめた青い髪。 追いつく。 「おはよう、美希」 「あら、おはようせつな。どうしたの?」 「朝の空気が気持ちいいから、走ることにしたの」 「ラブは...って、どうせまだ布団の中でしょうね」 「ふふっ」 四つ葉町公園に...
  • ラせ1-21
    「without you」/◆BVjx9JFTno 「ふぅー、食べ過ぎたよー!」 ベッドに転がり、お腹を撫でる。 「もう、すぐ寝ると消化に悪いわよ」 せつなが、微笑みながら ベッドに腰を下ろす。 ダンス大会優勝のお祝いで、お母さんが たくさんのごちそうを作ってくれた。 「おいしかったねー!」 「ええ、すごくおいしかったわ」 曇りのない、せつなの瞳。 せつなは、自分の幸せを 見つけた。 それを叶えるために、 もうすぐ旅立つ。 「せつな、耳かきしてあげるよ!」 あたしの耳かきは、家族にも好評。 せつなも、お気に入り。 膝に、せつなの頭をのせる。 奥まで行かないように、 軽く耳かきを走らせる。 「気持...
  • ラせ1-29
    「おあずけ」/◆BVjx9JFTno 「せつな、大丈夫?」 「ええ...何とか」 玄関の掃除をしていたせつなが 天井のすすを取るために登っていた 脚立から、落ちた。 幸い、お尻から落ちたので 湿布を貼る程度で済んだ。 「こういうときに、アカルンで移動して  守ってくれればいいのに...」 つい、あたしは愚痴ってしまった。 「キィ?」 少しムッとしたような、アカルンの声が 聞こえたような気がした。 掃除も済み、あたしの部屋で せつなとお茶を飲む。 窓の外に、綿のような雪が ちらつき始めた。 「わあ、寒そうだね...」 「ええ...でも、ラブと居ると暖かいわ」 「せつな...」 せつなの髪に触れる。 さらりと...
  • 複数2-3
    「記念旅行」/◆BVjx9JFTno 「うわー!きれいー!」 「あったかーい!」 雪山が見える、露天風呂。 身を切るような寒さと、 ちょっと熱いくらいの温泉。 「気持ちいいわね」 「美希ちゃん、温泉ロケみたい」 「わはー広いー!泳げるよ!」 「ラブ!本当に泳がないの!」 ダンス大会の優勝を お父さん達がお祝いしてくれた。 一泊二日の、温泉旅行。 うちと、美希の家と、ブッキーの家。 みんなで、出かけている。 みんなの、笑顔。 みんなの、笑い声。 いつもより、オーバーだ。 みんな、わかっている。 この旅行から戻ったら、 私は、ラビリンスに帰る。 「いただきまーす!」 テーブルに、乗り切らない ほどの料理。 お父さん達は、さっそ...
  • 複数9
    「First Christmas」/◆BVjx9JFTno 加湿器の音が、 やけに大きく聞こえる。 静まりかえった部屋。 糸が擦れる音と、 息づかい。 黙々と、手を動かす。 「たはーっ!難しいぃぃ!」 「きゃっ!」 「わっ!」 「もう...急に叫ばないでよ!」 力が抜けたように、みんなが笑う。 「だいぶ、出来てきたね」 「やっぱり、ブッキーは上手だよねぇ」 「ううん、みんなもすごく上手になってるよ!」 「そ、そう...? 結構、練習したんだ...」 「ブッキーの教え方が、上手だからよ」 「ブッキー先生の、おかげだよ!」 ひとつひとつ、糸を重ねていく。 細かい棒の動かしかたも、 何とかサマになってきた。 家族に贈るクリスマスプレゼントを、 手編...
  • ラせ1-31
    「再会の夜」/◆BVjx9JFTno 少し熱めのシャワーを、 頭から浴びる。 火が灯ったように、 体が熱を帯びる。 ほとんど休みの日がなかった私を見かねてか、 半ば強引に、四つ葉町でのお休みを決められた。 ラブの部屋の鏡を通して、 手紙を送った。 喜ぶあまり飛び跳ね過ぎて、 ベッドの角に足をぶつけている。 思わず、笑みがこぼれる。 ラブのことは、鏡を通して ずっと見ていた。 目覚ましを何個もセットして、 一生懸命、早起きしていること。 頭を抱えながら、勉強も 頑張っていること。 ダンスの練習も、部屋で こつこつやっていること。 そして、時々、私の名前を呼びながら ひとりで、していること。 四つ葉町...
  • ラせ1-9
    「PM2 00」/◆BVjx9JFTno 四つ葉町のはずれにある、 クローバーの丘。 「この辺でいいよね!」 「ええ、眺めもいいわね」 敷物を拡げ、風で飛ばないように 四隅に荷物を置く。 今日はテスト後なので、 午前中で学校が終わった。 美希とブッキーは午後も学校があるので、 お弁当を作って、ふたりで外で食べることにした。 お弁当の蓋を開ける。 コロッケのサンドイッチ。 ラブのアイデアで、この間のコロッケを 縦半分に切って、刻んだレタスとあわせて サンドイッチにした。 「わあ、見違えるみたい!」 「でしょ!ラブとせつなの合作だよ!」 風に吹かれながら、 サンドイッチを口にする。 パンに薄く塗られた辛子と、ソースの ...
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