図書館シリーズ堂上×郁 1スレ101-104

1スレ目 101-104

おねがい(堂上×笠原)


一戦終わって、隣でくったりと身体を横たえていたる恋人の頭をゆっくり撫でていると、
恋人―笠原郁は突然がばっと上体を起こした。

「教官!!あの、教官の…、その、アレを口でしてもいいですか?」

「…はあ?急になにを言ってるんだ。おまえは」

「だって、いっっつも教官にイロイロされるばかりで、負けっぱなしで悔しいんですっ!」

「バカか貴様。勝ち負けじゃないだろう、そんなこと」

「わかった、負けるのが悔しいんですね?」

「はあ?!誰が負けるってんだ!?」

「じゃあ、了承してくれるんですか?」

「っ……歯は立てるなよ。それから無理だと思ったら、すぐにやめていいからな」

「はいっ」

…ん…チュ…んん…ぁん……んぁ…ん………

「もう、いいぞ…」

「んん…んぁ、え?」

問うように見上げる瞳が濡れていて、色っぽい。この表情は初めてだ。

「もうやめていい」

そう言うと表情が変わった。
―逃げるんですか?
そう、目が語っている。口も手も動きを止めないのは、続行の意思を示している。
初めてで口で受け止めるのはかわいそうだろうと助け舟を出したのに、
余計に頑なにさせてしまった。
―仕方ないか…言っても聞かないだろうしな
動く頭に片手を伸ばし、髪に指を絡める。

「…んう」

笠原は苦い表情をして、口の中にたまったモノを飲み込んだ。

「馬鹿っ!!飲まなくていいんだっ」

といってティッシュを大量に手渡したが、遅かったようでそれで口を押さえている。

「でも、飲み込んだほうが男の人はうれしいんですよね?」

―そんないらん知識をどこで覚えた!?

「…少なくとも俺は、おまえに無理はさせたくないし、つらそうな顔は見たくない。不味いだろ?」

「うーん、美味しくは…ないですね」

「口、ゆすいでこい」

こくんとうなずいて、手近にあったシャツを羽織ると笠原は洗面所に向かった。
―やっぱり、俺が一から教えてやればよかったな…
懸命に尽くしてくれようとする姿は愛しい反面、なにもそんなにあわてて覚えなくても、とも思う。
これまでに不満があったどころか十分満足しているし、少しずつ受け入れてくれるのがうれしかった。
―ゆっくり教え込みたいところだが…どう教えたもんだか
洗面所から戻ってきた笠原はシャツを羽織ったまま、ベットにあがってきた。

「大丈夫か?」

「はい、もう大丈夫です。ね、教官?気持ちよかったですか?」

「………ああ」

「よかったぁ、喜んでもらえて」

会心の笑みを浮かべる笠原の頭をくしゃりと撫でた。

「まあ、技術的には及第点ってとこだがな」

「えぇぇっ、合格じゃないんですか?」

「まだまだ、だ」

―その初々しいところがかえってよかった、なんて言ってやるものか

「んー、でも出たからあたしの勝ちですよね?」

堂上教官は、なんだか人の悪い笑みを浮かべてこう言った。

「笠原、1ゲーム取ったからといって試合に勝ったというわけではないだろう?」

「え、1ゲームって…」

「まあ、仮にも教官と呼ばれている俺が、負けたままで終わるわけにはいかんしなぁ?」

「なにそれ、ちょっ、んんっ…」

深く深く、ねちっこく口付けされながらあたしは負けず嫌いの教官に押し倒されてしまった。
―もう、この、クソ教官っ!!
―――ほんと、しかたのない人だなぁ
思わず顔が笑ってしまった。

タグ:

図書館堂郁
+ タグ編集
  • タグ:
  • 図書館堂郁
最終更新:2008年09月23日 22:50
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。