図書館シリーズ図書特殊部隊 1スレ116

1スレ目 116

Recapture 奪還


郁が良化特務機関に拉致された。
どこでバレたのか不明だが、明らかに女性隊員である郁を狙った手口で、
その卑劣な行いは図書特殊部隊の怒りに火をつけた。
玄田隊長自らが采配をふるい、奪還作戦が即座に組まれる。
居場所を突き止め、堂上が指揮する実働部隊が現場に向かう。
突入したした部屋には、服を破かれてうずくまる郁を囲む良化隊員がいた――

「貴様らぁっ!」

ぶち切れた堂上が、良化隊員をなぎ倒して郁に駆け寄る。
無残に破かれた服を掻き合わせて、郁が堂上を見上げた。

「何にもなかったんです!ただ服を破かれただけでっ!ほんと、なんにも…」

目を見開いてぽろぽろと涙を流しながら堂上に訴えるが、次第に声が小さくなり言葉にならない。

「笠原」

堂上が膝をついて郁を抱きしめる。

「もういい、わかった。もうしゃべるな」

「教官」

腕に力を込めると、緊張が解けたのか郁が身体を預けてきた。
こんなに細く柔らかかったのかと今更ながらに気づく。
そんな部下を守れなかった己の不甲斐なさと、
良化特務機関の下衆なやり口に改めて怒りが込み上げる。
郁の落とす涙で、肩の布地が滲んだ。

「よく頑張ったね、笠原さん」

ふわりと郁に毛布をかけながら、小牧が労った。

「怪我してるし、病院に行こうか。柴崎さんにも連絡してあるから」

いつもとかわらない口調に郁は心が少し落ち着いた。

「堂上、こっちは人手足りてるから笠原さんに付き添ってあげて大丈夫だよ」

目線で小牧に感謝する。
もう既に車をまわしてあるという。

「立てるか」

脇に手を入れ腰に腕を回し立たせようとすると、足元がおぼつかないようだった。

「ちょっとまて」

少し屈み、腰に回した腕を膝裏に入れ郁を抱き上げる。

「いくぞ」

小牧がなにも言わずにドアを開けた。

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最終更新:2008年09月23日 22:51
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