図書館戦争シリーズ郁×柴崎(百合) 1スレ554-562 その2

1スレ目 554-562 その2


あたしのものになって。今晩だけでいいから。
明日は、初めてのお泊りだなんて、
そんな嬉し恥ずかしな告白、聞かされるこっちの身にもなってよ。
せめて、あの人が触れる前に触れさせて。
だってずっと一番近くにいたのはあたしだもの。
勝手な言い分だということは判ってる。
だけど止められない。仕方ないじゃない。

何度も深く唇を重ねあう。
次第に、ふたりの吐息が混ざり合う。
「んっ……」
苦しげな甘い声は、自分のものか彼女のものか、もう判然としない。
自然と、郁の腕も柴崎の背に廻されていた。

柴崎は郁の背に腕をまわしてブラのホックを探った。
一緒に選んだ、うすい若草色の爽やかな花柄。ほんの少しだけレースのついた下着。
堂上教官より先にあたしが外させて頂きます。
「ね。練習よ練習。いいでしょ?」

腰から崩れるようによこたわった郁を見下ろす形で、柴崎は床に手をついた。
潤んだ目で見あげる郁の顔には、
さらりと零れる柴崎の髪が影を落としていた。
否、とも諾、とも言わない。戸惑いを浮かべた表情。

だけど、拒まれてはいない。
高潮した頬は、戸惑いながらもたしかに興奮と期待を告げている。

ブラをそっと押し上げて外す。
その下のやわらかな膨らみを弄られ、郁はビクンと身体を震わせた。
「…ぃ…やぁ……っ」
「嫌? 気持ちいいでしょ」
少年のようにすっきりとやせた胸は、それでも触れば張りのある弾力を感じる。
郁の部屋着をたくし上げ、柴崎は桃色の先端を口に含んだ。
声にならない喘ぎを聞きながら、ゆっくりと舌を遣う。
為すがままにされている郁の吐息が、次第に苦しげに途切れがちになる。


オンナだから。
どこをどう触られたら「イイ」かなんて、よく分かっている。
(あの人より気持ち良くさせてあげる――)
柴崎は、自分が羽織っていたワンピースタイプの部屋着も、
ボタンを外して肩口から大きくひろげてすべり落とした。
「ね。あたしのも外して?」
郁の上に覆いかぶさった体勢のまま柴崎がそう言うと、
言われるがまま下から手を伸ばし、
郁は戸惑いがちに柴崎のブラを探った。
……裸体くらい、いつもお互いに見ているはずなのに。
ほの白くきめ細かい肌をぎこちない手つきで撫で、
豊かな胸の質量を感じながら、郁はその冷たい肌が次第に熱を帯びるのを知った。

体温を感じながら、きつく抱き合って口づける。
誰と付き合って、誰に抱かれても、こんな幸せを感じた事はなかった気がした。

柴崎が下腹部をまさぐると怯えたように郁の腿がこわばった。
初めてなのだから、順当な反応。
「……脚をゆるめて。怖くないから。」
そっと、腿の外側をなぜる。
「痛くするまではしないわ。練習だし。ね?信用して。」
初めてのときに自分が言って欲しかった言葉を、
郁に言ってあげられる事が何だか嬉しかった。
この行為が練習なんてものじゃないことは、
もうお互いに判っているはずだったけれど。


は……、ぁ…
柴崎の行為を探るように息を詰めている郁の其処に細い指を沈めると、
温かくぬるりとした感触が伝わる。
と、初めて他人に秘所を許した郁は、
「ひ…ぁあっ……やぁ…――」
泣き声ともつかない喘ぎをもらして身を捩った。
その声で、もう止まらなくなる。
「これ以上奥には挿れないから、大丈夫よ」
水音をわざと立てながら、柴崎は感じ易い部分を優しく何度も掬い上げた。
ひきつった高い音で、郁の喉が震える。
「……はぁっ、ひ…あ…あんっ……あぁ…」
柴崎の指の動きに合わせて上下する胸を愛撫すると、
いやいやをするように、更に郁が身を捩る。

(や…もう、ガマンできない……っ…)
もっとゆっくり郁を気持ちよくさせる筈だったのに、
こんなにすぐ焦れてしまうなんて。
柴崎は性急に郁の両脚を割って腰をおとした。
自分の濡れた部分を、熱くなった郁のおなじ場所に密着させ、
「…あぁん……」
思わず声を洩らし、柴崎はきゅっと眉をひそめる。
抱かれる時にはいつも、「サービス」として心掛けていた喘ぎ声だけど。


細く括れた腰を、ゆっくりとこね回すように擦り付ける。
硬くなった敏感な芯が刺激されると、痛みとも快感ともつかない電流が、
郁の身体中に走っていく。
とろりと熱い蜜が混ざり合ってふたりの脚を伝っていった。
っ、あぁ、んぅっ……ん、ふ…ぁっ
柴崎が巧みに腰を遣うたび、快楽に抗いきれないように郁が小刻みに震える。
すらりと伸びた健康な腕が白い華奢な背に縋って爪を立てた。
力加減も忘れて喘ぐ郁の姿が更に柴崎の興奮を掻き立てる。

どこかたりない。もどかしい。痛みのない、快楽だけの、行為。
どうしようもないもどかしさが、余計に刹那の悦楽を増す。
やがて、
自身が蕩けそうな瞬間を迎え、柴崎は淫靡な音を立てながら
郁の上で激しく腰を震わせ、つよく打ちつけた。
「ゃ…あっ、し…ばさ…っ、あたし、もう…だめッ―――」
郁のその声を合図にするように、
ふたりは同時に達した。


荒い呼吸がおさまるまで絡みあったままベッドに横たわる。
ふぅっと大きく息をついてようやくぼんやりと目を開いた郁と、
一呼吸遅れて目を開けた柴崎の視線が合った。

「ぁあ――――……
 大好きよ、郁」
やっと言えた。
何度も心の中では言っていた言葉。
たったひとこと、どうしても口に出せなかった言葉。

―――あんたのことが大好きよ、笠原―――

          *

「使用済み」となってしまったおろしたての下着は洗濯に回されて、
次の日ぼんやりしたまま郁はチェストの中に豊富にある、
色気のカケラない(けど、とんでもなく彼女らしい)スポブラをつけて出て行った。

気付いたけど、言ってあげない。
せいぜい動揺していてよ。
ね。そのくらいの意地悪、許してね?


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最終更新:2008年09月25日 03:30
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