図書館戦争シリーズ堂上班+柴崎+玄田 1スレ760-762

1スレ目 760-762

アニメ版反省会

関東図書基地・図書特殊部隊事務室集まっているいつもの面々を前に、玄田が口を開いた

「アニメ版が無事に終了したということだが…いかんせん平均視聴率が3%ちょっとしか無かった。これは由々しき事態である!そこでだ、今日はアニメ版の低視聴率の原因究明および対策を話し合う」

「よろしいでしょうか?」

手を上げたのは柴崎だ

「やはり高視聴率の比較対照を参考にするのがいいのではないでしょうか?そこで同じノイタミナ枠で平均視聴率4.6%の記録を持つ『もやしもん』を参考にしたいと思います」

「いいんじゃない?背の低い男と背の高いヒロインっていうウチとの共通点もあるしさ」

小牧の余計な一言に

「背の低いってのは余計だ」

と不機嫌そうな堂上

「でも柴崎、参考っていってもなにするの?」

とこれは笠原

「そりゃ決まってるでしょ?視聴率を稼ぐ基本は『お色気』よ」

「お、お色気!?」

「おい柴崎!」

目を白黒させる笠原と声を上げる堂上を無視して柴崎は続けた

「『もやしもん』の女性キャラを見なさい。全編ヘソ出しボンテージとかゴスロリ服とかで体張ってるじゃない」

「ゴスロリの方は男じゃなかったかな」

とコレは小牧

「笠原、あんた1話から12話まで自分がお色気シーンやったっていう自覚ある」

「う、そ、それはぁ…」

「最初から教官にドロップキックだったしな」

とこれは手塚

「だってそれはそのぅ…」

「原作どおりだったら少しはあったんだけど、仕方ないよね」

と小牧

「あるかどうかはわからんが2期のためだ。やってみろ笠原」

「隊長、ちょっと待ってください!」

ここで堂上が止めに入る

「いくらなんでも視聴率=お色気ってのは乱暴すぎます!もっとほかに原因を究明すべきです」

「なんだ堂上、そんなに笠原のお色気は見たくないのか?」

ウッと詰まる堂上、若干目を泳がせつつも

「…人には適材適所ってもんがあります。笠原なんかにお色気やらせて視聴率が取れるとは思えません」

「あ、ひどーい教官!」

とむくれる笠原から微妙に目をそらし

「そもそもお前はやる気あるのか?」

と聞いた

「え、それは…あんまり…」

と口を尖らせる笠原に柴崎が耳打ちした

(2期が無いと堂上教官と付き合えなくなるわよ。それでいいの?アニメ版の最終回で満足できる?)

(う…)

と言葉に詰まる

「私も付き合ってあげるから。一緒にお色気要員、がんばりましょ?」

「う…うんわかった、やってみる…」

数十分後

「どうです?ゴスロリ服って初めて着たんですよ」

先に出てきた柴崎の黒ゴス姿に男性陣から

「おぉ~」

という声が上がった
元がお人形さんな顔立ちなので、こういう服を着ると本当のお人形さんのように見える

「服のせいでちょっと体系が見えにくくなるのが難点ですね。お色気を取るにはちょっと力不足かな?」

「いやいや大したもんだ。娘がいたら持ってかえってやりたいくらいだ」

玄田が豪快に笑った

「よく似合ってるよ。ねぇ手塚…手塚?」

小牧が傍らにいた手塚に声をかけるが、柴崎に目を奪われているのか返答も無い

「なに、手塚。じっと見ちゃって」

柴崎にそばに寄られて、上目遣いで迫られる

「…え、あ、いや…いいんじゃないか?うん」

気を取り直したように言った

「なかなかのもんだな」

とこれは堂上

「これだけで十分お色気担当できるぞ、柴崎」

「あら、そんなこと言わないで笠原のも見てあげてくださいよ。けっこうがんばったんですよ?私もあの子も」

そう言って柴崎は事務室のドアを開けた

「早く出てらっしゃい。みんな待ってるわよ?」

「でも柴崎ぃ…この格好はちょっと…」

となにやら気弱な声

「大丈夫よぉ、よく似合ってるわよ」

「で、でもぉ…」

「おい笠原」

堂上が声をかけた

「誰も期待してないから、無理しなくていいんだぞ」

むぅ、という声が聞こえ

「い…行きます!」

と気合の入った声とともに、笠原が扉の影から姿を現した
彼女のファッションは上から下まで黒一色で固められたボンテージファッション
飾りのついた首輪みたいなチョーカー、ヘソどころか鳩尾まで丸見えなホルタートップは背中とささやかな胸の谷間がはっきり見える
ヘソ下5センチのところで止まっているスカートの裾からは、これだけは誰が見ても美しいと思うであろう形のいい足が伸びている

「あ、あの、こういう服ってなんだか動きにくい…サンダルも踵が高くて歩きにくくて」

とまるで歯医者に連れてこられた子供のようにおずおずと皆の前に歩いてきた

「おぉ、悪くないんじゃないか?」

うんうんと玄田がうなずく

「思ったより似合ってるよ、笠原さん」

「なんだ、やればできるじゃないか」

と小牧と手塚

「ちょっと、胸張って…堂々としないと逆に恥ずかしいわよ」

「そんなこと言ってもさぁ…」

左手で胸を、右手を伸ばして足元を隠す笠原に柴崎が手を伸ばした

「ハイ、腰に手を当てて…背筋伸ばして…堂上教官、何か言ってやってくださいよ」

「あ…」

柴崎の言葉に思わず堂上のほうに目を向けた。
自分が高い靴をはいているからか、いつもより堂上の顔が低い位置にある
(あれ?教官、なんでそんなにしかめっ面なの?)
堂上の顔はいつにもまして仏頂面だ

「あ、あの~教官、いや堂上二正?な、なにかまずいことでも…」

なにやら不安になり、笠原は堂上に近づいた

「…お、おい待て笠原、俺に近寄るな」

と逃げ腰になる堂上

「やっぱりダメですか?アタシにお色気は無理ですか?」

「い、いや、だから近づくな!」

椅子やら何やらを跳ね飛ばして逃げる堂上だが、場所が悪かったか壁際に追い込まれてしまう

「アタシ、2期のためにもがんばります!だからどこが悪いかはっきり言ってください!」

「その前に離れろ!いや、離れてくれ!」

悲鳴のような声を上げて堂上は目をそらした

「直視できないくらいひどいって言うんですか~!」

「違うっつってんだろ!」

なにやら言いにくそうに堂上は頭をかいた

「お前、今日の靴はかなり高いだろ?だからそのぅ…」

「?」

「目の前に胸がくるんだよ!」

そう言われて自分の胸の先が堂上の鼻先5センチくらいまで近づいてることに気がついた

「だからって普通、教官に右フックをお見舞いするか?」

「スミマセン…」

医務室のベッドに腰掛ける堂上に説教され、笠原は椅子の上で小さくなっている。
服はまだボンテージのままだ
その様子を見てなにやらおかしくなる

「あのな笠原、本当に無理しなくていいんだぞ?」

ぽん、と頭に手を置いて堂上は言った

「無理してお色気要員になんかならなくていい、そもそも低視聴率だった理由がお色気だったとは思えん」

「そう…なんですか?」

「その前のノイタミナ枠で考えてみろ。ヒロインがコロポックルだったり汚部屋の住人だったりしただろ?それでもそれなりの視聴率だったんだから、お色気なんか出さなくても大丈夫だ」

「でも…」

ぐっ、と頭を撫でられる手の力が強くなった

「もし2期があるなら、もっと大変な目にあうんだぞ。お色気なんかよりそっちのほうを心配しろ」

大変なこと…いろいろ思い浮かんで笠原の顔は一気に赤くなった

「それとな…」

言いにくそうに堂上は顔を背けた

「その服、もう着替えろ。目のやり場に困る」

少し赤くなった教官の顔を見てうれしくなる笠原であった

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最終更新:2008年09月25日 03:34
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