1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 12:24:56.10 ID:KK/x9cxo0
―――朝 バス停
男「……」
少女「……」
男「……」
少女「お、おはようございます」
男「え?ああ、おはよう」
少女(九月になってからこの人とは毎日会うなぁ)
少女(こんな田舎のバス停を利用するの私だけだと思ってたけど)
少女(最近、引っ越してきたのかな?)
少女「……あ、バスだ」
男「……」
少女(まあ、どうでもいいか)
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 12:28:49.61 ID:KK/x9cxo0
―――朝 バス停
男(毎朝、会うな)
少女「……」
男(中学生か……ま、通学なら毎日会うよな)
少女「お、おはようございます」
男「え?ああ、おはよう」
少女「……」
男(びっくりした……急に挨拶された……)
男(そういえば怪しい人には挨拶しろって今の子は言われてるんだっけ……?)
男(俺、怪しいのか……)
少女「あ、バスだ」
男(普通だと思うんだけどなぁ)
少女「……」
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 12:33:01.64 ID:KK/x9cxo0
―――翌日 バス停
男「……」
少女「おはようございます」
男「あ、お、おはよう」
少女(毎日会ってるし……お話しないと変かな?)
男「……」
少女「あの」
男「え?なに?」
少女「今日も暑いですね」
男「うん。そうだね」
少女「……」
男「……」
少女(会話止まった……)
少女「バスだ……」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 12:36:17.47 ID:KK/x9cxo0
少女「……」
男(話しかけたいけど……変な人だと思われるよな……)
少女「あの」
男「え?なに?」
男(向こうから話しかけてきた……別に警戒されてないのか……?)
少女「今日も暑いですね」
男「うん。そうだね」
少女「……」
男(何か話題は……中学生ぐらいの女の子ってどんな話なら食いつくんだ……?)
少女「……」
男(バスが来ちゃったか……)
男(まあ、別に無理に話すことはないよな)
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 12:39:55.94 ID:KK/x9cxo0
―――翌日 バス停
男(今日は俺から挨拶するか……)
少女(あ……来た)
男「おはよう」
少女「おはようございます」
男(話題……)
少女(今日の小テスト自信ないなぁ)
男「あ、あの」
少女「はい?」
男「今日も暑いな」
少女「そうですね」
男(あ……昨日と同じじゃないか……)
少女(今のうちにちょっと予習しとかなくちゃ)
男「あ、バスだ」
少女(憂鬱……)
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 12:43:43.11 ID:KK/x9cxo0
―――翌日 バス停
男(よし)
少女(……なんだろう。やけに気合い入ってるけど……なにかあるのかな?)
男「おはよう」
少女「おはようございます」
男「今日は涼しいな。やっと秋って感じになった」
少女「そうですね。もう九月も後半ですし」
男「えっと……中学生なの?」
少女「え……?」
男(やば……・やっぱりこんなことを訊ねるのはまずかったか……)
少女(はぁ……高校生なのに……)
男(露骨に変な顔された……やっちまったか……)
少女(早く大人になりたいなぁ)
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 12:48:49.70 ID:KK/x9cxo0
男「……」
少女「……」
男(もう駄目だな……これからは挨拶だけにしよう)
少女(大人の人からは中学生に見えるんだ)
男(気まずいな……はぁ)
少女(どうしよう……訊こうかなぁ?)
少女(でも、変な子って思われそうだし……)
男(なんか視線を感じるぞ……もう変人扱いかよ……くそ)
男(女の子って敏感って聞くもんなぁ……童貞の挙動に)
少女(聞きたいけど……うーん)
男「―――バスだ」
男(今度から時間ずらすか)
少女「あ……」
少女(明日、聞いてみようかな?)
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 12:53:45.14 ID:KK/x9cxo0
―――翌日 バス停
少女「……来ない」
少女「どうしたんだろう?」
少女「この時間を逃すと二時間後にしかバス来ないのに……」
少女「寝坊かな?」
少女「あーあ……訊いてみたいのにぃ」
少女「大人の女性には何が必要なのかなぁ……」
少女「胸?彼氏?うーん……」
少女「大人の男の人ならきっと知ってると思うんだけどな」
少女「あ、バスだ」
男「はぁ……はぁ……間に合った!!」
少女(あ……今頃来た……遅いよ)
男「お、おはよう」
少女「おはようございます」
男(この時間ならぴったりか……よし、明日からはこの時間に出勤しよう)
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 12:57:21.41 ID:KK/x9cxo0
―――翌日 バス停
少女「今日も来ない……」
少女「もしかして、私って避けられてるのかなぁ?」
少女「なんか失礼なことしたっけ……?」
少女「まあ、いいか」
少女「また今までの状態に戻っただけだし」
少女「本でも読もっと」
少女「……」
男「あ、れ?」
少女「あ……」
男「バス、まだ来てないの?」
少女「え?はい。そういえば今日は遅いですね」
男「そうか……」
少女「おはようございます」
男「あ、お、おはよう」
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 13:01:42.96 ID:KK/x9cxo0
男(田舎のバスって遅れないって聞いたなのに……)
少女「あの」
男「え?なに?」
少女「少しだけ、訊きたいことがあるんですけど」
男「き、訊きたいこと?」
男(なんだ……・?)
少女(どうしよう……いざとなったら恥ずかしい……)
男(どうして見つめる……?)
少女(どうやって切りだそう……)
男&少女(困った……)
男「あ、バスだ……五分の遅れか……まあ、許容範囲か」
少女(あーあ、訊きそびれた)
男(助かった……)
少女(残念……)
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 13:06:15.44 ID:KK/x9cxo0
―――翌日 バス停
少女(よ、よし……今日こそ訊いてやる)
少女「あ……バスが……ううん……今日は訊くんだから」
男「よし、間に合った」
少女「おはようございます」
男「おはよう」
少女「……」
男(睨まれてるぞ……何かしたか、俺?)
少女(緊張してきちゃった……大人の人ってなんか……緊張する)
男(なんだろう?鬼気迫るような顔つきだけど……)
少女「あ、お先にどうぞ」
男「うん」
少女「……」
男(相変わらず誰も乗ってないな)
少女(いつも後ろに座ってるよね……この人)
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 13:12:27.63 ID:KK/x9cxo0
―――バス 車内
少女「……」
男(な、なんで隣に座ってきたの?!この子、いつもは前に座って……)
少女(勢いで座ったけど……どうしよう……緊張して横を見れない……)
男&少女(どうすればいいんだろう?)
男(これって……もしかして俺に好意を持ってるってことか?)
男(もっと話したいとか、そういう意志表示なのか?)
男(くそ……学生時代は女の子と殆ど話さなかったから、もうわかんねえ)
少女(絶対に変な子って思われた……)
少女(乗客私達以外に誰もいないのに)
少女(うぅ……でも、今更席を移動するのも失礼だし)
運転手「ここから道路が荒れているため、少し揺れます。お立ち上がりなさいませんよう、お願いいたします」
少女(はぁ……)
男(話しかけるべきか?)
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 13:16:56.13 ID:KK/x9cxo0
運転手「次は高校前―――」
男(結局、何も話さずこの子が降りるバス停に着いたか)
少女(もう……着くの早すぎ……)
少女「はぁ……」
男「あ……」
少女「え?」
男「い、いってらっしゃい」
少女「あ、はい。いってきます」
少女(……なんとも思ってないのかな?)
男(これからもっと話しかけてみようかな?)
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 13:18:33.89 ID:9oi3dDTw0
いいねぇ
この初々しさ大好き
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 13:20:11.56 ID:KK/x9cxo0
―――翌日 バス停
男「おはよう」
少女「おはようございます」
少女(いつもと変わらない……やっぱり私の考え過ぎかな?)
男「あ……いつも本読んでるよね?
少女「あ、はい。小説、好きなんです」
男「へえ……それはどんな本?」
少女「れ、恋愛小説です……」
男(まずい……引かれた!?)
少女(うぅ……なんだか恥ずかしい)
男「あ、ごめん。変なこと訊いちゃったね!!」
少女「え?いえ、そんなことはないです」
男「そ、そう?」
少女「は、はい」
35: 忍法帖【Lv=4,xxxP】 :2011/09/01(木) 13:21:09.44 ID:e65s1yYK0
俺‥‥明日からバスで通勤するわ‥
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 13:25:24.06 ID:KK/x9cxo0
男(……会話なくなったぁ……映画は何が好き?とか訊こうか……いやいや、ベタすぎるか)
少女(折角、向こうから話しかけてくれたのに……私が会話止めちゃった……)
男(どうする……勇気を出してみるか?)
少女(大丈夫……この人は別に私のことなんてなんてなんとも思ってないはず……)
男&少女「あの」
男「あ、な、なに?」
少女「え、いや、あの、なんですか?」
男「君からど、どうぞ?」
少女「いえ、貴方から」
男「……」
少女「……」
男(ダメだ……かみ合わない……)
少女(なんで遠慮しちゃったんだろう……私の馬鹿)
男「はぁ……あ、バスだ……」
少女(昨日のリベンジ……してみよう)
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 13:30:07.59 ID:KK/x9cxo0
―――バス 車内
男(また隣に……)
少女(また緊張してきちゃった……)
男「あのさ」
少女「な、なんでしょう?」
男「えっと、なんで隣に座るの?」
少女「え……あ、そ、そうですよね、変ですよね、すいません」
男「いや、別にいいんだけど」
少女「あ、私、やっぱり前の席に移動します」
男「あ、う、うん」
少女(やっぱり変な子って思われてた……はぁ)
男(しまった……隣にいてほしかったのに……)
少女(もういいか……無理しちゃ駄目だよね)
男(もったいないことしたな……)
運転手「ここから道路が荒れているため、少し揺れます。お立ち上がりなさいませんよう、お願いいたします」
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 13:33:11.33 ID:KK/x9cxo0
―――土曜日 バス停
少女「今日は来るのかな?」
少女「……」
少女「本でも読もう」
少女「……」
少女「来ないかな?」
少女「……」
少女「……土曜日だし、来ないよね」
少女「……」
少女「……うーん……まだかな?」
少女「あれ?」
少女「なんで私……」
少女「あ、バス来た」
少女「そっか。土日はお仕事お休みか……」
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 13:37:49.46 ID:KK/x9cxo0
―――日曜日 バス停
男「うーん……」
男「流石にあの子はいないな」
男「部活でもしてるなら、会えるかなぁって思ったけど……」
男「ま、そんなうまい話はないよな」
男「……」
男「あの子……俺のことどう思ってるのかなぁ」
男「ただのバス停で会う、お兄さん……」
男「おじさんはないだろうけど……」
男「お、バスが来たな」
男「さてと、今日は町を散策しないとな」
男「引っ越ししてきてからろくに出歩いてなかったし」
男「どこにいこっかなぁ」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 13:42:41.20 ID:KK/x9cxo0
―――バス停 高校前
男「―――いかん。これじゃあ、ストーカーじゃないか……?」
男「ま、いいか。会うわけないし」
男「ふーん……向こうがあの子の通ってる……」
男「あ、れ?高校しかないぞ……?」
男「中学校とかは……周辺には見えないな……」
男「ってことは……あの子、高校生だったのか……!?」
男「あちゃぁ……かなり失礼なことを言ってたのか……」
男「でも、嫌われてるわけじゃないよな……隣に座ってくるぐらいだし」
男「そうか……自分は高校生ですってアピールしようとしてたのか、あれは?」
男「そうか。そうか。なるほどね。俺ってば好意をもってくれてるとか、変な勘違いしてたな……あはは」
男「はぁ……バスは一時間後か……周りには何もないし……」
男「待つしか、ないのか……」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 13:46:15.23 ID:KK/x9cxo0
女子高生「それでね、もうあの先生がさぁ」
少女「えー、それホント?」
女子高生「マジマジ」
少女「あはは」
男「……」
少女「……」
女子高生「え?なに?知り合い?」
少女「う、ううん。知らない」
男(な……!?)
少女(言っちゃった……ごめんなさい)
男(なんだ……やっぱりか……だろうと思ったけど……童貞だしなぁ俺)
女子高生「あ、でさぁ」
少女「う、うん」
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 13:52:06.39 ID:KK/x9cxo0
―――バス 車内
男(どこで降りよう……)
少女(あの人……どこに行くんだろう?)
女子高生「ねえねえ、また明日から練習きつくなりそうじゃない?」
少女「あ、うん。そうだね。顧問の先生、戻ってきたし」
女子高生「もうやだよね。あの人の球出しきっついもん」
少女「うんうん」
男(テニス……バレーボール……日焼けはしてないから、室内競技か……)
運転手「次は―――」
男(お……ここで降りよう。飲み屋街っぽいし)
少女(あ……あの人はここで降りるんだ……どうしよう)
女子高生「ん?どうかしたの?」
少女「あ、私、本屋さんに寄って行こうと思ってたから、今日はここで降りるね。ごめん!」
女子高生「え?う、うん。わかった。じゃあ、また明日ね」
少女「うん!」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 13:58:44.14 ID:KK/x9cxo0
―――街
男(ふうん……けっこう色々あるなぁ……田舎でも駅周辺はやっぱり店がおおいな)
少女(家がこっちなのかなぁ……?)
男(ん……おぉ……ここは……)
少女(あ、路地にはいちゃった……走らなきゃ)
男(はぁ……ここで童貞卒業するのも一つの手かなぁ?)
少女(なんだろう……ここ?変なお店が並んでる……)
男(ま、そんな勇気もないのが俺だけどな……)
少女(なんのお店を見てたんだろう……?)
少女(ピンクサロン……?マッサージ?60分……2万円?)
少女(そっか……疲れてるんだ……社会人だもんね)
少女(あ……!?)
少女(見失った……)
少女(また明日だね……帰ろう……バスは2時間後かな?)
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 14:03:01.83 ID:KK/x9cxo0
―――月曜日 バス停
男「おはよう」
少女「あ……お、おはようございます」
男「今日も本を読んでるんだ」
少女「あ、はい」
男「お、同じ奴?」
少女「え?」
男「あ、いや……また恋愛小説かなって」
少女「あ、いえ。これは違うんです……」
男「違うんだ」
少女「はい」
男「良かったら見せてくれる?」
少女「だ、だめです!!」
男「あ、ごめん……」
男(踏み込み過ぎたか……もうわかんねえ。誰か、教えてくれ……)
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 14:08:53.58 ID:KK/x9cxo0
少女(……いや、見せても問題ないじゃない……なんで……私……)
男(向こうから話しかけてくれるのを待つか……)
少女(あ……そうだ。昨日、知らないっていちゃったこと謝らないと……)
男(会話も以前として続かないし……)
少女(目を合わせてくれない……)
男(目を合わせられない……)
少女(やっぱり今ので気分悪くしちゃったんだ)
男(話題……話題……ダメだ。何言っても会話を続けられる自信がない)
少女(―――ううん、ダメ。ここで逃げてたらもうお話できない)
男(―――いや。嫌われてるわけじゃない。思い切って話そう)
男&少女「―――あの!」
男「あ……」
少女「えと……」
男「く……ふふ」
少女「あ……あはは」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 14:14:05.87 ID:KK/x9cxo0
男「俺からで、いい?」
少女「はい」
男「えっと、ごめん」
少女「え?」
男「あの……君のこと中学生って言ってしまったから……気にしてると思って」
少女「あ……」
少女(そんなこと気にしてたんだ……優しいのかも)
男「それだけ」
少女「じゃあ、私もごめんなさい。昨日、咄嗟に「知らない」なんて言っちゃって……」
男「あ、ああ。いや、気にしてないから……」
男(良かった……そうか、友達の前だから恥ずかしかったのか……)
少女「あ、あと……これ、どうぞ」
男「え?本?読んでもいいの?」
少女「はい……別に隠すような本じゃないんで……さっきは急に言われて、驚いちゃって……」
男「そ、そう……じゃあ、ありがとう」
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 14:19:36.98 ID:KK/x9cxo0
少女(き、気がつかないよね?)
男「これって……マッサージの本?」
少女「は、はい」
男「え?夢は整体師とか?」
少女「あ、いえ。その……お父さんが最近、疲れ気味みたいなんで……マッサージしてあげようかなぁって」
男「へえ……」
男(すげえいい子だ……俺もこんな娘が欲しいな……童貞だけど)
少女(き、気づいてないよね……昨日、後をつけちゃったこと……大丈夫、だよね……)
男「肩揉みのところを読んでたんだ」
少女「は、はい。それなら簡単そうだったんで」
男「そっか。偉いね」
少女「い、いえ。そんなことは」
男「はい。ありがとう。お父さん、きっと喜ぶと思う」
少女「そ、そうでしょうか?」
男「そりゃ、娘がマッサージしてくれるなんて嬉しいと思うけど?」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 14:25:40.05 ID:KK/x9cxo0
少女「でも……本を読んでるだけじゃ……よくわからなくて」
男「今日ぐらいお父さんで試してみれば?」
少女「あ、あの……よかったら、肩を揉ませてくれませんか?」
男「お、俺?!」
少女「い、いやなら、別に……」
男「あ、いや……じゃあ、やってもらってもいい?」
少女「は、はい。すいません……変なことお願いしちゃって」
男「いや……俺も最近疲れ気味だったから。悪いね」
少女「いえいえ……そんな」
男「じゃ、頼むよ」
少女「は……はい」
男(やべえ……手に汗かいてきた……)
少女(ひぃ……言わなきゃよかった……心臓が……爆発しそう)
男(俺、汗臭くないよな?大丈夫だよな?)
少女(私、汗臭くないよね?……くんくん……うん、多分、平気、だと思いたい……)
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 14:29:31.33 ID:KK/x9cxo0
少女「うぅ……」
男「あ、あの」
少女「は、はい!?」
男「えっと……言いにくいんだけど」
少女「は、はい?」
男「全然、揉まれてる気がしないっていうか……」
少女「あ、すいません!こ、こうですか?!」
男「いだだだだ!!!骨!!骨を押さえてる!!!」
少女「すいません!!」
男「あはは……結構、握力あるね……部活ってなにやってるの?」
少女「卓球を……」
男「へえ……そっか卓球か……なるほどね」
少女「すいません……」
男「気にしないでいいから。―――あ、バスが来たよ」
少女「そ、うですね」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 14:35:00.33 ID:KK/x9cxo0
―――バス 車内
男(隣には座ってくれないか……ちょっと残念)
少女(酷いことしちゃった……)
男(でも、ああして肩を揉んでくれたってことは、少なくとも嫌いじゃないよな)
少女(嫌われてなきゃいいけど……)
男(そう言えば……一番最初に話しかけられたとき、あの子、何か言いたそうだったな……)
少女(マッサージ……これからもっと勉強しよっかな)
男(明日ぐらい訊いてみようかな……?いや、それは踏み込みすぎか……?)
少女(でも……もうマッサージなんて受けてくれないかも……)
男&少女(どうしよう……)
男(ま、また訊きたかったら言ってくれるよな)
少女(うまくなればいいだけ……お父さんで練習しよ)
運転手「ここから道路が荒れているため、少し揺れます。お立ち上がりなさいませんよう、お願いいたします」
少女「はぁ……」
男「ふぅ……」
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 14:51:05.34 ID:KK/x9cxo0
―――火曜日 バス停
男「おはよう」
少女「お、おはようございます」
男「またマッサージの本読んでるの?」
少女「は、はい」
男「そっか。お父さんにはしてあげたの?」
少女「……はい」
男「歯切れ悪いね」
少女「あはは……痛がってました」
男「そ、そうか……」
少女「マッサージの才能、無いんだと思います」
男「いや、まだ始めたばかりじゃないか」
少女「でも……」
男「大丈夫だって。あ、バスが来たな」
少女(早くうまくなりたいなぁ)
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 14:55:56.29 ID:KK/x9cxo0
―――水曜日 バス停
少女「……」
男(真剣だ……俺が来たことに気がついてない……)
少女「……ぶつぶつ……」
男(……なんか言ってる)
少女「ここ……を……もん……」
男(イメージトレーニングかな?)
少女「は!?いやいや!!無理無理!!」
男「―――ふふ」
少女「え!?あ……!!」
男「あ、おはよう」
少女「も、もう!!いつから居たんですか!!」
男「今、来たとこ。それより、何が無理なの?」
少女「え!?いや……別に……」
少女(背中のマッサージするときに裸になってもらうとか……無理無理……背中は却下で……)
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 14:59:44.44 ID:KK/x9cxo0
―――木曜日 バス停
男「おはよう」
少女「あ、おはようございます」
男「今日も相変わらず読んでるね」
少女「は、はい」
男「少しは上達した?」
少女「は、はい……少しだけ」
男「そっか……」
男(どうする……揉んでくれって言ったら気持ち悪がられるよな……)
少女(疲れてるんだろうなぁ……肩を揉んであげたいけど……)
少女(揉ましてくださいなんていったら……気持ち悪がられそうだし)
男&少女(迷う……)
男「あ、バスが来たね」
少女「そうですね……はぁ」
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 15:04:04.26 ID:KK/x9cxo0
―――金曜日 バス停
少女(今日は言ってみよう。昨日、お父さんにも上手くなったって言われたし)
少女(お、おし)
少女「……」
少女「あれ?」
少女「こないなぁ……寝坊かな?」
少女(……なんで私……)
少女(そういえば……なんで私……あの人のこと待ってるのかな?)
少女(マッサージだって……別にしてあげることは……)
少女(なにしてんだろ……私)
少女「あ、バス来ちゃった……」
少女「あの人……今日はこなかったなぁ」
少女(なんだろう……なんか、寂しい?)
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 15:08:48.09 ID:KK/x9cxo0
―――土曜日 高校前
少女「今日も会えなかった……」
少女「二日も会えないのは……喋りかけてから初めてかも……」
女子高生「おっす!どしたの?」
少女「あ、ううん。なんでもないよ?」
女子高生「そう?」
少女「うん」
女子高生「さてと、部活にいきますかぁ!」
少女「そうだね」
女子高生「はぁ……でもさ。毎日部活ばっかりだと干からびそうだよね?」
少女「どういうこと?」
女子高生「いや、やっぱりさ。高校生なんだから恋愛の一つはしたいでしょ?」
少女「う、うん……そうだね。でも、好きな人なんていないし」
女子高生「馬鹿ねえ。好きな相手なんて、付き合ってから判断したらいいの。とりあえず付き合う。デートする。で、あ、好きかもって思うわけ」
少女「そ、そうなの?」
最終更新:2011年09月10日 23:27