90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 15:13:33.76 ID:KK/x9cxo0
―――女子更衣室
女子高生「そんなもんだって。恋愛小説みたいな恋は出来ないんだしさ」
少女「それはそうだけど……」
女子高生「とりあえず告白するっていうのも手だね」
少女「とりあえずって……そんなの相手に悪いんじゃない?」
女子高生「男っていうのは好きですって言えば勝手に惚れてくれるんだって」
少女「えー?」
女子高生「男は馬鹿だからね。その言葉だけでホイホイついてきちゃうもんよ」
少女「ふうん」
女子高生「アンタは結構ルックスいいんだから、もっと高望みしたら?」
少女「え?」
女子高生「例えば……先輩に告るとかさ!」
少女「や、やめてよ!!」
女子高生「もうそんなんじゃあ、高校生活が灰色になるよ?」
少女「うぅ……そうかなぁ?」
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 15:19:08.54 ID:KK/x9cxo0
女子高生「あ、そうだ。一回、先輩とデートしてみたら?」
少女「えぇ!?」
女子高生「うん!そうした方がいいよ。そんな奥手じゃいつまでたっても彼氏なんて出来なしさ」
少女「それは……そうかも」
女子高生「先輩って今はフリーみたいだしさ。デートぐらいなら受けてくれるって!」
少女「でも……私は別に……」
女子高生「デートしたら好きになるかもしれないでしょ?」
少女「そうかなぁ?」
女子高生「そうだって!言いにくいなら、私が取り持ってあげるよ!」
少女「ええ!?やめてよ!」
女子高生「大丈夫だって。先輩、優しいし。それになによりイケメンじゃーん!」
少女「いや、だから……」
女子高生「じゃあ、今日言ってみよ?ね?」
少女「あ、いや……でも」
女子高生「はいはい!デートぐらいで尻ごみしないの!―――さて、練習にいこっか」
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 15:23:49.17 ID:KK/x9cxo0
―――夕方
女子部員「おつかれー」
男子部員「マック行こうぜ」
男子部員「いいねー」
女子高生「あ、せんぱーい!!」
少女「ホントにやるの!?」
先輩「ん?なんだ?」
女子高生「あ、先輩。明日、暇ですか?」
先輩「え?うん。別に予定はないけど?」
女子高生「じゃあ、この子と部活の後でデートしてくださいよぉ」
少女「ちょっとぉ!!」
先輩「え……どうして?」
女子高生「この子、1回もデートしたことないらしくて……それでまあ、社会勉強をかねて」
少女「だからぁ!!」
先輩「ふうん……俺は構わないけど?」
95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 15:28:46.60 ID:KK/x9cxo0
女子高生「やったじゃん!」
少女「えぇ!?」
先輩「でも……俺とデートしたいの?」
少女「え……それは……その」
女子高生「もう……別に固く考えないで二人で遊ぶって思えばいいでしょ?」
少女「でも……」
女子高生「別にさ、付き合うわけじゃないじゃん」
少女「そうだけど……」
女子高生「何事も経験だって。それに好きな人、いないんでしょ?」
少女「そ、そうだけど」
女子高生「ならいいじゃない。ほら、自分でいいなって」
先輩「……」
少女「……あの、じゃあ、明日……」
先輩「……うん。わかった。じゃあ、明日な」
少女(なんだろう……胸の奥がズキズキする……嫌な気分……)
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 15:33:14.45 ID:KK/x9cxo0
―――日曜日 バス停
男「ふー……3連休も今日で最後か……金曜日は友達とも会えたし……ま、よかったかな」
男(でも……なんか虚しかったなぁ)
男(物足りないっていうか……)
男(あの子……どうしてるかな……)
男(って……何を言ってんだ……別にあの子は俺のことなんて……)
男(俺のことなんて……俺のこと……どう思ってんのかな……)
少女「あ……」
男「あ……お、おはよう」
少女「おはよう、ございます……」
男「今日も部活?」
少女「はい」
男「そっか。大変だね」
少女「……いえ」
男(なんだ?なんかよそよそしいな……)
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 15:39:15.08 ID:KK/x9cxo0
―――バス 車内
少女(なんでだろう……すごく嬉しかったのに……今は会いたくなかった……)
少女(苦しい……)
男(あれから結局一言も話してくれなかったな……)
男(なんかあったのかな……?)
男(まあ、年頃だし色々あるんだろうけど……なんかなぁ)
少女(はぁ……どうしたらいいのかなぁ……何か話したかったのに)
少女(今日はどこで降りるんだろう……?)
男「あ……」
少女(あ……!!目が合っちゃった!?)
男(俺のこと気にしてるのかな……?それとも……)
少女(はぁ……もういや……なんでこんな気持ちにならなきゃいけないの……?)
少女「早く降りたい……」
男(俺、嫌われたのか?)
運転手「ここから道路が荒れているため、少し揺れます。お立ち上がりなさいませんよう、お願いいたします」
107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 15:45:26.40 ID:KK/x9cxo0
運転手「次は、高校前―――」
少女「……」
男(あ……)
少女(いってらっしゃいって言ってくれないのかな?)
男(なんて声をかけたら……)
運転手「……」
少女(馬鹿……)
少女「すいません、降ります」
運転手「停車いたします。ご注意ください」
少女(いってきます……って言いたかったのに)
男(いってらっしゃいって言えなかった……)
運転手「ドアが閉まります」
少女「……」
男「……」
運転手「発車します。ご注意ください」
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 15:49:43.14 ID:KK/x9cxo0
―――女子更衣室
女子高生「今日だね!やったね!!」
少女「う、うん……」
女子高生「なに?嬉しくないの?先輩ってかなり競争率高いから自慢になるよ?」
少女「いや……別に自慢したいわけじゃ」
女子高生「もう可愛いんだから、もっと自信もたなきゃ、ね?」
少女「う……うん」
女子高生「ほらほら、もういくよ?」
少女「あ、待ってよ」
少女(嫌なわけじゃない……先輩は面倒見もいいし……優しいし……きっと彼氏になってくれたら嬉しいと思う)
少女(だけど……なんだろう……違う……先輩はなんか違う……)
少女「もう……わかんない」
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 15:54:41.25 ID:KK/x9cxo0
―――街
男「さてと……どこに行こうか……」
男「今日は雑貨とかそういうお店を探してみるか」
男「本とか電化製品もいるときがあるだろうしなぁ」
男(ふう……はぁ……やっぱり俺、あの子になんか言ったんだろうな)
男(ああいう年頃は、何気ない一言で傷つくし……・)
男(俺もそうだったしなぁ)
男(はぁ……まあ、いいか)
男(彼女いない歴が人生とイコールで童貞の俺が、高校生の女の子と仲良くなれるわけねえんだし)
男(そうだよ……どうせ無理だったんだ)
男(変な期待してたんだな……俺)
男(はぁ……すげえ泣きたい……)
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 15:59:03.01 ID:KK/x9cxo0
―――正午 高校 体育館
部員「「お疲れさまでしたー」」
先輩「あ、ちょっと」
少女「あ、はい?」
女子高生「おお。ガンバ!」
少女「もう……」
先輩「校門のところで待ってるから」
少女「は、はい」
先輩「バスに乗り過ごすと大変だから、遅れないようにな」
少女「わかり、ました」
先輩「……」
少女「……なにか?」
先輩「いや。じゃあ、楽しみにしてるから」
少女「あ、はい」
少女(私は……どうなんだろう?楽しみ、なのかな?)
114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:03:34.97 ID:KK/x9cxo0
―――校門
少女「お、お待たせしました」
先輩「じゃあ、行こうか。そろそろバスも来るし」
少女「は、はい」
先輩「どこか行きたいところってある?」
少女「え、いえ……別に……」
先輩「そっか。じゃあ、俺が行きたいところで構わない?」
少女「あ、はい。勿論です!」
先輩「そっか……じゃあ、そうだなぁ」
少女(はぁ……なんでこんなにも悪いことしているような気分に……)
先輩「とりあえず駅前まで行こう」
少女「は、はい」
先輩「……」
少女「な、なにか?」
先輩「なんでもないよ。ほら、行こう」
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:07:53.48 ID:KK/x9cxo0
―――街
先輩「喉乾かない?」
少女「はい。少し」
先輩「じゃあ、喫茶店にでも行こうか」
少女「はい」
先輩「確かこっちにスタバがあった気がするけど……」
少女「……」
男「はぁ……なんか目的なく歩くのって疲れるな……」
男「お……スタバがある……」
男「田舎でもあるもんなんだな……」
男(ここで休憩してから帰るか)
店員「いらっしゃいませー」
男「すいません、えっと―――」
118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:13:10.68 ID:KK/x9cxo0
―――スタバ
先輩「どれにする?奢ってあげるよ」
少女「え……そんな悪いですよ」
先輩「これぐらいはいいって。ほら」
少女「えー、でも」
男(あ……あの子だ……)
男(そっか……今日はデートか……)
男(はは……モテない男ってこういう場面に遭遇しやすいよな……笑えないけど)
少女「えっと……」
先輩「うん」
男(アイツ……かっこいいな。可愛いあの子にはピッタリだ……)
男(もう出ようか……)
少女「じゃあ―――あ」
男(まずい……見つかった!?……って、別にいいか。関係ないない)
少女(な、んで……こんなときに……こんなところで……あの人が……?!)
121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:18:09.40 ID:KK/x9cxo0
先輩「どうかした?」
少女「あの!ここ出ましょう!!」
先輩「どうして?」
少女「そ、れは……」
先輩「どうかしたの?」
少女「だって……」
男(はぁ……帰ろう……まだ半分残ってるけど……もういいや)
男(あんなカッコいい奴を彼氏にできるなんて……あの子はやっぱり性格もいいんだろうなぁ)
少女「あ……」
先輩「どうしたの?」
少女「い、え……」
先輩「場所、変えようか?」
少女「あ、こ、こで、いいです……すいませんでした」
先輩「そう」
少女(別に……あの人に見られても……関係ないよ……うん……だって、あの人は私のことなんて……なんとも思ってないんだから)
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:23:22.66 ID:KK/x9cxo0
先輩「はい、お待たせ」
少女「あ、すいません」
先輩「さてと……これからどうしようか?」
少女「えっと……そうですね……」
先輩「……どこか行きたい?」
少女「え?いえ……別に、ないです」
先輩「―――嘘でしょ?」
少女「―――え?」
先輩「行きたいところ、あるんだろ?」
少女「で、ですから……別に」
先輩「でも、行きたくてうずうずしてる。俺のことなんてどうでもいいって思ってる。違う?」
少女「そんなことありません!!」
先輩「本当に?」
少女「だって……先輩とデートなんて……光栄というか……」
先輩「でも……全然、楽しそうじゃないよね?」
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:25:47.97 ID:Mtpb+JCB0
先輩イケメンすぎる
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:26:33.98 ID:BLsyMNmv0
これが本物のイケメンだよな
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:28:39.72 ID:KK/x9cxo0
少女「いえ!楽しいです!」
先輩「どうして俺とデートしようって思ったの?」
少女「え、それは……」
先輩「どうせ、あの子に無理矢理なんだろ?」
少女「……」
先輩「はぁ……そういうの迷惑なんだけどな」
少女「すいません」
先輩「もういいよ。―――帰る」
少女「あ……」
先輩「まだ何か飲むなら、奢るけど?」
少女「いえ……」
先輩「あっそ。じゃあ、また明日。部活で」
少女「は、い……」
先輩「……ふん」
少女(私って……本当にだめだな……)
134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:34:49.11 ID:KK/x9cxo0
―――駅前 バス停
男「えっと……帰りのバスは……うへぇ……・1時間以上もあるな」
男(まあ、しょうがないか……休憩時間が大幅に減ったしな)
男「あー!!もうなんか、どうでもよくなったぁ!!」
男(本当に……どうでもいい……)
先輩「……帰りのバスは……あと10分か」
男(あ……こいつ……は!?)
先輩「丁度いいな」
男(なんであの子と一緒じゃないんだ……!?)
男(この野郎……って、今日はもうデートが終わりってだけだろうな……)
男(デートしたことないからわかんねーや、あははははは)
男「はぁ……」
先輩「―――何か、飲みます?」
男「え?」
先輩「コーヒー飲み損なってたでしょ?実は見てました」
140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:40:10.60 ID:KK/x9cxo0
先輩「すいません。奢って頂いて。頂きます」
男「どーぞ」
先輩「……失礼ですけど。あの子とお知り合い、ですか?」
男「え?い、いや……別に」
先輩「でも、貴方を見たとたんに店を出たいって言いだしたんですよ」
男「そうなのか……偶然じゃないか?」
先輩「で、貴方が出た後に彼女は諦観した……まるで浮気現場を見られたかのように」
男「だから……他にも客はいただろう」
先輩「でも、あの子の視線は貴方しか見てなかった。俺には一切、向けてくれなかったんです」
男「そんなバカな……」
先輩「本当ですよ」
男「……」
先輩「きっと貴方のことが好きなんですね。彼女は」
男「そんなわけない。俺と彼女は……毎朝、バス停で会うだけで……なにもない」
先輩「会うだけ?へえ……そうですか」
145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:44:50.94 ID:KK/x9cxo0
男「な、なんだ?」
先輩「会うだけ……毎朝会うだけ……」
男「そうだ」
先輩「それがどれだけ俺にとって羨ましいかわかりますか?」
男「え……?」
先輩「……ずっと、期待してた」
男「お、い……」
先輩「いつかデートできたらいいなって……ずっと……」
男「……」
先輩「俺、貴方のこと大嫌いです」
男「な!?」
先輩「すいません。初対面なのに。でも、今、俺は凄く怒ってますから」
男「君は……もしかして……」
先輩「1時間と言わず、彼女がここにくるまで何時間でも待っていてください。―――絶対に彼女を泣かせるな」
男「君……」
147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:46:09.24 ID:YjBwvEE40
先輩・・・
148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:46:11.19 ID:AohEq54u0
かっこいいな…
155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:50:28.81 ID:KK/x9cxo0
先輩「バスが来ましたね―――では、失礼します」
男「待ってくれ」
先輩「なんですか?」
男「俺は……彼女に相応しくないって思うんだ……君みたいなカッコいい同年代の男のほうが」
先輩「―――おい」
男「ぐ……!?な、胸倉をつかむ……ぐぇ?!」
先輩「それ以上、俺を馬鹿にしてみろ。殴るぞ」
男「ぐ……だが……」
先輩「同じ学校、同じ部活……あんたよりも時間はいっぱいあった」
男「……!?」
先輩「それでも負けたんだ……今更……どうやって彼女の心を向けさせられるんですか……」
男「あ……」
先輩「教えてくださいよ!!どうやったら、彼女は俺に振り向いてくれるんですか!?」
男「……それは」
先輩「失礼しました……。―――でも、彼女は貴方を待っている。だから、貴方はここで彼女を待つべきです」
165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:57:06.83 ID:KK/x9cxo0
男「分かった……待つよ。待って、どうするかは分からないけど」
先輩「……大丈夫ですよ」
男「え?」
先輩「何もしなくても、勝手に言葉はでてきます」
男「……」
先輩「深く考えないほうがいいと思います」
男「そ、そうなのか?」
先輩「ひょっとして……彼女、できたことないんですか?」
男「え!?い、いや……学生のときに一人だけいたしなー」
先輩「はいはい」
男(見透かされた!?)
先輩「貴方はいい人だ。そして、彼女も優しい。だから、何もしなくても自然と上手くいきます」
男「そ、そうか?」
先輩「ええ。隣にいるだけで大丈夫ですよ。二人なら。……それでは。コーヒー、ごちそうさまでした」
男「あ、ああ……」
172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 17:04:20.40 ID:KK/x9cxo0
―――午後6時 駅前 バス停
少女(すっかり暗くなっちゃった……)
少女(明日からバスの時間変えなきゃ……)
少女(もう、あの人に会っちゃ駄目……)
少女(もう……会えない……やだな……)
少女「ぐす……えと……帰りのバスは……」
男「―――あの5分」
少女「え……?」
男「あと……5分だ」
少女「あ……あ……」
男「もう次が最終だ。これに乗れないと、帰れないだろ?」
少女「は、はい……」
男「ほら、来たよ。乗ろう」
少女「……」
運転手「……・お忘れ物のないようにお降りください。次の発車は6時5分です」
180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 17:08:33.39 ID:KK/x9cxo0
―――バス 車内
運転手「お乗りの際は足元にご注意ください」
男「……俺は後ろに座るけど」
少女「わ、たしは……前に座ります」
男「そうか……」
少女(何を話せばいいかわからない……)
男(どうやって話しかければいいのかわからない……)
運転手「発車します。ご注意ください」
少女(だって……私は……)
男(どうしたら……)
少女「はぁ……」
男「……」
運転手「……」
185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 17:12:04.70 ID:AohEq54u0
運転手ももやもやしてたんだろうなwww
188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 17:15:14.86 ID:KK/x9cxo0
運転手「次は、高校前です―――」
少女(もうすぐ……着いちゃうな)
男(あと20分ぐらいか……)
少女(はぁ……もう……どうして待ってくれてたの……私は……別の人と……)
男(どうしてなにも言ってくれないんだ……俺は……君のことを……)
運転手「あの」
少女「え?」
運転手「そろそろ、席を移動してもらえませんか?」
少女「え?どうしてですか?」
運転手「その席、ちょっとガタがきててちょっと危ないんですよ」
少女「そ、そうなんですか?」
運転手「ええ。すいません。できれば、中ほどの席に移動してください」
少女「わ、わかりました」
男(あれ、こんなところで立ち上がって……どうするんだ?確か、そろそろ……)
運転手「―――ここから道路が荒れているため、少し揺れます。お立ち上がるお客さまを支えてください。お願いいたします」
194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 17:17:20.76 ID:CgpIsCJN0
188
運転手かっけえええええええええええええええええええ
189: 忍法帖【Lv=27,xxxPT】 :2011/09/01(木) 17:16:07.82 ID:idRcslIe0
運転手キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!
192:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 17:16:31.84 ID:1LgNgNMT0
この運転手…できるな…
196:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 17:18:27.97 ID:KK/x9cxo0
男「え!?」
少女「―――きゃぁ!?」
男「危ない!!!」
少女「―――あ」
男「だ、いじょうぶ……?」
少女「は、はい……すいません……」
運転手「安全のため、どうかお座りください」
男「す、座ろうか……」
少女「は、はい……」
男「あ……あのさ」
少女「は、はい?」
男「着いたら、少しだけ話さないか?」
少女「は、い……か、構いません」
男「良かった……」
運転手「急停車にご注意ください。次は―――」
197:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 17:20:00.52 ID:YjBwvEE40
運転手策士wwwwwww
207:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 17:26:02.90 ID:KK/x9cxo0
―――バス停
運転手「足元にご注意ください……発車します」
少女「着きましたね」
男「隣に座ってくれる?」
少女「はい」
男「あのさ……き、訊きたいことがあるんだけど」
少女「な、なんですか?」
男「ここで初めて挨拶して……えっと、次の日ぐらいかな?なんか言おうとしてなかった?」
少女「あ……」
男「あれ……気になってたんだ」
少女「あ……それは……あの……」
少女(そんな小さなことまで気がついてたんだ……でも……)
男「言えない?」
少女(今更……どうやったら大人の女性に見えるようになりますか、なんて……恥ずかし過ぎていえないよぉ)
男(やっぱり、突っ込みすぎた……?)
217:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 17:33:55.18 ID:KK/x9cxo0
少女(でも……訊いてみたかったことだし……遠まわしに訊けば……)
少女「あ、あのですね……」
男「うん」
少女「えっと……私ってその子どもっぽいじゃないですか。背も低いし……胸もないし」
男「……うん」
少女「でも……どうにか努力してこう……もっと年相応に見える方法はないですかねって訊こうと思って」
男「それを俺に?」
少女「大人の男性なら知ってるかなって思ったんですけど」
男「あー……」
少女「ど、どうですかね?」
男「そうだな……」
少女「やっぱり……無理ですか?」
男「いや……そうじゃないよ」
少女「……?」
男「……俺は、そういう風に背伸びをしたり、お父さんのためにマッサージを覚えようとしたりする懸命な君が……綺麗だって思う」
223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 17:38:51.71 ID:KK/x9cxo0
少女「え……」
男「外見で言えば、確かに幼く見えるけど。でも、君ががんばろうとしている姿は魅力的だった」
少女「それって……褒めてないですよね?」
男「あー、そうかな?」
少女「体よく逃げます」
男「えー?そうかな?」
少女「そうです……もっと、ちゃんと言ってください」
男「な、なにを?」
少女「私は貴方のことが……好きなんだと思います」
男「え……?!」
少女「でも、まだ分からないんです。この気持ちがただの憧れなのか……年上の男性に対するただの憧れかもしれません」
男「……」
少女「だから、気付かせてください。私の気持ちが……恋なんだって」
男「それは……どうしたら……いいのかな?」
少女「―――貴方は私のこと、どう思っているんですか?」
230:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 17:42:24.48 ID:KK/x9cxo0
男「そ、れは……」
少女「お願いします……」
男「……」
少女「……」
男「……す、き……だ」
少女「え?」
男「すき、だ……」
少女「聞こえません」
男「好き、だ」
少女「もう一度、お願いします」
男「聞こえただろ!?」
少女「……お願い」
男「好きだ……間違いなく、俺は君のことが好きだ……」
少女「……嬉しい。やっぱり……これは恋でした」
男「そ、そう……」
247:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 17:47:56.83 ID:KK/x9cxo0
少女「あの……肩、揉ませてくれませんか?」
男「え?」
少女「上手くなったんです。させてください」
男「そうだな……今日はなんだか肩がこったし……お願いします」
少女「お願いされます」
男「お……確かに……これは……」
少女「どうですか?」
男「うん……きもちいい……ふう……あー、いいねえ」
少女「ふふ……あ、バイト料、きっちり頂きますからね?」
男「ええ!?そんな!?」
少女「当たり前です。高校生の女の子にタダで肩揉みさせるなんて、あり得ませんから」
男「わ、わかった。いくらだ?」
少女「―――そうですね。じゃあ、携帯電話の番号とアドレスでいいですよ?」
男「え……?」
少女「ほらほら、ちゃんと支払ってくれたら、今度から無料で肩揉みしてあげますから、ね?」
268:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 17:53:15.31 ID:1LgNgNMT0
\ _,,-‐'"ヽ. ∧ _∧ /
_ \ノ\ ヽ ト、 /∧´・ω・) /∧_∧
../ jjjj. \. ヽ_(⌒) _,,.. -‐'"ノ /ノ >‐个 、../ ( ´・ω・)
/ タ {!!\ `7⌒/'フ >,ノ--―‐‐' ̄ /_‐'´ \ / `ー、_
ノ ~ `\ ∨ ∨ >ミ .//' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ
`ヽ. ∧_∧ , ‐'` \ { { / { 、 ノ、 | _,,ム,_ ノl
\ `ヽ(´・ω・`)" ノ/ \∧∧∧∧∧/ /\ ̄ ̄ ̄ (;;゚;;) ̄ ̄旦 ̄\
`、ヽ. ``Y" r < 壁 >/◇◆\_________\
i. 、 ¥ ノ < 殴 >\\◇/◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆\
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★壁殴り代行始めました < 感 行 > ∧__∧ __________
ムカついたけど壁を殴る < !!!! > __( ´・ω・` ):!::. :. . .....:::=≧=‐- 、
壁を殴りたいけど殴る壁 < > _/ .:ヽ :i::::::::/: /:::':.. .:..,. ''. :: `ヽ
壁殴りで鍛えたスタッフが /∨∨∨∨∨\-'´;.:.、... .: .:i :i::/: .:::..:,.‐''". . .:、 :.
モチロン壁を用意する / ∧_∧ \ノ:. ..\. ヽ: , -‐''´ ..::: .. : .::l . :.
スタッフがあなたの家/ (´・ω・`) _、_,,_,,,. \ ` ヽ、::/ .:::、:.. .. . :. .::i ...:
家の壁を無差別に/ /´`''" '"´``Y'""``'j ヽ. .\ :i::. . .::`''‐-=、ヽ、.:.. .:: :ノ
1時間\1200~ / { ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l. \ :|: . .:: :.::::::::::::/゙"ヽ、:.:::´::.
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年中無休!!!/ ヽ、, ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/ \ . . . .. .. .:.::..:.:::::::::::|::. .::i ..:::
269:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 17:54:09.91 ID:vpzQSW650
最近やけに壁殴り繁盛してんな
270:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 17:55:04.18 ID:KK/x9cxo0
―――日曜日 バス停
少女「もう、つきま、したよ……どこ、に……いるんですかっと」
少女(初デートで待たせるなんて……もう)
少女(バーカ……)
男「はぁ……はぁ……!!」
少女「あ……♪」
男「ごめん!何を着ていっていいかもう悩んじゃって!本当にごめん!!」
少女「遅いです!」
男「ごめんって……」
男(あぁ……いきなりやってしまった……人生初デートがぁぁ)
少女(うぅ……なんだか顔が熱い……目線を合わせられない……)
男&少女(困ったなぁ……)
男「今日は、あの、なんでも言うこときくからさ、機嫌直してくれよ」
少女「……ふーんだ」
男「あぁぁ……。あ、バスだ。ほら、乗ろうか?」
286:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:00:42.07 ID:KK/x9cxo0
少女「……」
男「なあ、ごめんて」
運転手「……」
少女「別にもう怒ってません」
男「いや……だからさ」
少女「ふんだ。私は違う席に座ります」
男「あ!もうすぐ―――」
運転手「ここから道路が荒れているため、少し揺れます。お立ち上がりなさいませんよう、お願いいたします」
少女「きゃぁ!?」
男「危ない!!―――ほら、もう……ん!?」
少女「ん……ふふ……キスしちゃった」
男「あ……ああ……」
少女「大好きです……このまま抱きしめていてください」
男「おぉぉ……わ、わかった……」
運転手「―――このバスはただ今、冷房を強めております。しばらく、そのままでお待ちください」
おしまい。
319:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:09:08.83 ID:Sh0J3OK+0
286
乙カレー様んした。
これから田舎から東京へ出張いてくるよ。
ありがとう!
288:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:01:06.76 ID:hSqndf1Q0
運転手はニヤニヤが止まらないだろうな
そんな仕事がしたい
292:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:02:33.33 ID:bDgw5OkM0
俺が運転手だったら崖に突っ込んでる
293:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:02:34.51 ID:DuNx71xc0
乙。たまにはいいよな、こういうの。
295:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 18:02:46.19 ID:G3kDV3KH0
なぁ、田舎に住めばこんな体験出来んの?
最終更新:2011年09月10日 23:33