3話 擬似姉弟
はぁ、どうした物かな。
どうして殺し合いなんかしなきゃいけないのかな。
僕こと、本庄忠朝は、同じく殺し合いに巻き込まれた知り合いの女性、伊藤文子さんと一緒に草原を歩いていた。
「スタート地点が近くて良かったわ……」
「そうですね……一人きりじゃ不安でした」
僕と伊藤さんのスタート地点は程近く、すぐに合流する事が出来たのは幸運だったと言えるだろう。
「寒い……」
「そりゃ、バニーガールの格好では寒いですよ」
寒がる伊藤さん。無理も無い、伊藤さんは肌の露出の多いバニーガールの格好をしている。
確かに伊藤さんはカジノでバニーガールとして働いているけどどうして殺し合いの中でその格好なのか。
「昨日、と言うか拉致される前、確かにパジャマに着替えたんだけどなぁ。
気が付いたらこの格好よ。誰か着せたのかな……」
「うーん、まあ、僕も学校の制服いつの間にか着てますし……」
僕も伊藤さんも気が付いたら服が変わっていた、いや、着替えさせられていた、という状況。
誰が? どうやって? 気になる事は多かったけどそれを深く考えても仕方無いだろうな。
重要なのは僕達が殺し合いに巻き込まれてしまった事と、下手すれば死ぬと言う事。
「これからどうしよう」
「取り敢えず一度、どこかに落ち着きましょう。あっ、ほら、あそこにホテルっぽい建物有りますよ」
遠方にホテルらしき大きな建物を見付けた僕は、指を差して伊藤さんに教える。
「ホテル? ハッ、忠朝君いやらしい事考えて……」
「ません!」
「あらそう?」
考えて欲しかったのかな。
まあ確かにいつ万一の事になるのか分からないからそういう事しちゃいたいなーってのは有るけど。
いや決してホテル見付けたのはそういう気持ちとかじゃ。
「とにかくあそこで休みますよ」
「はーい」
とにもかくにも僕と伊藤さんはホテルに向かって歩みを進めた。
◆◆◆
知り合いの忠朝君に早く合流出来て本当に良かったと思う。
一人きりで居たら不安で、怖くて、心が張り裂けてしまいそうだから。
忠朝君も私と同じで殺し合いに乗っていないようで安心した。
でも私の方がお姉さんなんだし、しっかりしないとなぁ。きっと忠朝君だって怖いに決まってる。
しかしバニーの格好だと潮風がとても冷たい。
海が近いみたいだから風ちょっと強いのよ。
それにしても一体誰がどうやって着替えさせたのかな……いや、着替えさせたのは十中八九、拉致した奴らだろうけど。
裸見られた? うわ。
早い所、忠朝君とホテルに行って休もう。
――――ああ、もし出来るのなら、万一の時に備えて、忠朝君と「コト」に及んじゃいたいな。
【明朝/E-2ホテル周辺の草原】
【本庄忠朝】
状態:健康
装備:不明
持物:基本支給品一式、不明支給品
現状:殺し合いはしない。伊藤さんと行動。ホテルへ向かって休みたい。
備考:現在伊藤文子と共にE-5ホテルへ向かっている。
【伊藤文子】
状態:健康
装備:不明
持物:基本支給品一式、不明支給品
現状:殺し合いはしない。忠朝君と行動。ホテルへ向かって休みたい。
備考:現在本庄忠朝と共にE-5ホテルへ向かっている。
《キャラ紹介》
【本庄忠朝】
読み:ほんじょう ただとも
年齢:16
性別:男
種族:竜人
特徴:灰色と白の身体、白髪、女性的な身体付き。学校制服のブレザー着用
職業:高校生
備考:優しいが気弱。それでいて女性的な身体付きの為よくからかわれ、挙句同性に犯されかけた過去を持つ。
近所に住むバニーガールの女性、伊藤文子と親密になっている。
【伊藤文子】
読み:いとう あやこ
年齢:19
性別:女
種族:人間
特徴:金髪の美人、露出の多いバニーガール姿
職業:カジノのバニーガール
備考:怖がりながら明るい性格。近所に住む竜人少年本庄忠朝と親密になっており、一緒にTVゲームや性交を行っている。
年下と接する時は年上だからしっかりしなければと思いつつも甘えてしまう。
最終更新:2015年12月29日 23:40