SIDE:K

???「はぁ…はぁ…」
息を切らす少女。

ビシっ!

少女に鞭が振るわれる。
指導員「そこ!あまいぞ!まだ、戦いは終わっていない!」
???「うわぁぁ!!」
少女は声を上げ果敢に眼の前の訓練用の人形に攻撃を仕掛ける。

~~~

少女は床に就く。少女には両親がいなかった。街の路地裏でごみをあさり、ぎりぎりの生活を送る日々。そんなある日…

「なんてかわいそうな子でしょう。私たちのところに来れば何不自由ない暮らしをさせてあげましょう」

白い装束に身を包んだ数人の人物が彼女を保護した。連れてこられた場所で彼女を待っていたのは何不自由ない生活だった。
ただ1つを除いては…

1日に数時間の戦闘訓練。

それが不自由のない生活に課せられる唯一の不自由だった。
少女は今の生活を失わないために努力した。少女は見てきた。努力しないことによってここから追放された子供たちを…

以前のような生活には戻りたくはない

その一心で少女は戦闘訓練を続ける。
訓練を続けた少女は他の子たちとは比べ物にならないほどの力を得た。それは元々の才能だったのかもしれない。周りの大人たちでも歯が立たないほどの力を得た。だが少女はここを出ることをしない。それは少女がここ以外での生き方を知らないからだ。

~数年後~

ドガガガガ!!

少女がいる施設が襲撃された。全身を武装した襲撃者たちは瞬く間に施設の白装束たちを取り押さえていく。
突然の状況に驚く少女。だが日頃の鍛錬の成果か少女は襲撃者たちに攻撃を仕掛ける。その攻撃は鎧を纏った襲撃者たちでさえ、倒される。そして…

施設の者たちは全て取り押さえられた…少女を除いては…

少女「ふぅ…ふぅ…」

襲撃者たちを威嚇する少女。その殺気になかなか近づけず距離を取る襲撃者たち。
???「僕がいこう」
襲撃者たちの後ろからスーツに身を包んだ男が前に出てくる。
少女「がぁぁ!」
少女は男に襲い掛かる。
???「くっ!なんの!」
少女の攻撃を受け止める男。
少女「うわぁぁ!!」
少女は続けて攻撃を仕掛ける。
???「ぐっ!」
少女の攻撃にひるむ男。
襲撃者「隊長!」
襲撃者たちは銃を構える。
???「やめろ!」
スーツの男は銃を構えた襲撃者たちを抑止する。
???「はぁ!」
スーツの男は少女を抑え込み完全に無力化する。
少女「くそっ…」
今まで負けたことのなかった少女は初めて負けたスーツの男に屈服する。
???「これでおとなしくなってくれるかな…よかったよ…」
スーツの男は少女を抱きかかえるように抱え上げる。もう少女に抵抗する気はないようだった。
襲撃者「隊長!その少女は…」
???「僕が保護するよ…君たちはこの施設を完全に制圧してくれ」
少女「私より…強い…」
少女はスーツの男を見ながら口にする。
???「そんなことはないよ。君はまだまだ発展途上だ。これからもっと強くなれる!」
少女「本当?」
???「僕は嘘はつかないよ」
少女「じゃあもっと強くなる!」
???「ふふふ。そうだね。じゃあ僕が君をもっと鍛えてあげよう!そういえば君はなんていうんだい?」
少女「名前はない…」
???「そうか…名前はないのか…じゃあ君は…」
少女の戦いぶりを見てスーツの男は魅了されていた。その幼くも美しい戦闘スタイルに。
???「可憐(かれん)…」
少女「ん…?」
???「君は今からカレンだ。カレン…苗字は有り体なのでネティスなんてどうかな?」
少女「カレン…ネティス…」
???「そう。カレン・ネティス。君の名だ」
カレン「わかった!お前の名前は!」
???「お前って…」
少女の言葉遣いに戸惑うスーツの男。
ネオ「僕はネオ。これからよろしくねカレン」
カレン「わかった!」
EGO隊員「隊長!施設の制圧完了しました!」
ネオ「ご苦労。では任務完了だ。撤収する」
EGO隊員「了解!その少女は…」
ネオ「僕が引き取るよ」
カレン「よろしくな!ネオ!」
ネオ「まったく…」
ふ~と息をつき言葉を繋げるネオ。
ネオ「よろしく。カレン君」

少女がいた施設は身寄りのない子供を利用したテロを行う組織の施設だった。それを突き止めたEGOが襲撃してきたのであった。
EGOのネオに引き取られた少女はカレン・ネティスという名前を手に入れ、EGOの隊員として生きていくことになる。
彼女はこれから様々な事件に巻き込まれていくであろう。その中にはとてもつらい出来事もあるかもしれない。
だが彼女はそれをも乗り越え未来へと進んでいくだろう。そう、その名のように可憐(カレン)に…

SIDE:K(カレン)   Fin

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最終更新:2017年05月22日 21:19