アポロン「くそ…」
全身に傷を負い、ボロボロの状態のアポロン。その後ろに倒れるキノたち。
アポロン「よもやこれほどの力をもつとは…」
ボロボロになったアポロンの前には1人の人物が立ちはだかっている。
？？？「…」
アポロン「ぬぉぉ！！」
息も絶え絶え、エクスペリエンスを手にその人物に斬りかかるアポロン。
ガキン！
衝撃音と共にエクスペリエンスが砕ける。
アポロン「なに！？」
？？？「終わりだ…」
男の拳による一撃がアポロンの腹を貫く。
アポロン「ぐはっ…。これまで…か…」
？？？「……」
体に大きな風穴を開けられ息絶えるアポロン。
？？？「…」
アポロンを仕留めた人物は遠くを見据える。そしてそのままその方向へと立ち去っていった。
～ＥＧＯ本部・入り口付近～
？？？「アポロンたちとの連絡が途絶えたわ…」
紫の髪を持つ女性が告げる。
？？？「奴らでも倒せないほどの力をもったか…」
緑色の長髪の男は状況を危惧する。
紫髪の女「あれの発動までにはあと30分はかかるわよ」
緑髪の男「アポロンたちがやられてしまったのなら…奴がここに到着するまでおよそ15分…」
紫髪の女「残り15分…奴を足止めできなければ…」
？？？「その役目は俺が引き受ける」
短髪の赤髪の男が二人の会話に割って入る。
緑髪の男「お前がやってくれるか…ならば部隊の物をまわそう」
赤髪の男「その必要はない。あちら側に行ってからの戦力は少しでも多く残しておくべきだ。俺が1人で奴の相手をする！」
紫髪の女「…そう。でも、無理はしないでね」
赤髪の男「あぁ。俺も必ずあちら側にいく」
緑髪の男「頼んだぞ。では我々はＭＤＳシステムの準備に取り掛かる。予定時刻は今から３０分後だ！必ずお前もこい！」
赤髪の男「任せておけ！」
紫髪の女と緑髪の男はその場を後にした。その場に残る赤髪の男。
赤髪の男「さて…」
集中する男。
赤髪の男「俺も覚悟を決めるか、こいつがな！」
～～～
そしてその時は訪れる。
ピピピ！
赤髪の男が装着する通信機に反応がある。敵が接近している合図だ。
赤髪の男「来るか！」
ゴゴゴ！
凄まじい轟音と共に彼の前にアポロンを倒した男が現れる。
赤髪の男「ここから先へは行かせん！」
赤髪の男は腰に装備した武器を取り出す。それを両手で構える。
赤髪の男「いくぞ！」
両手に装備された武器。それはトンファーだ。トンファーを構え男に立ち向かう赤髪の男。
？？？「無駄だ…俺には勝てん」
男はトンファーを両手で掴み受け止める。
赤髪の男「なに！？」
ギギギ！！
凄まじい握力でトンファーが握られる。その力によりトンファーが握りつぶされそうなほどだ。
赤髪の男「ちっ！やらせはしない！」
バン！バン！
トンファーから銃弾が発せられる。仕込み銃だ。その銃弾は男の手に風穴を開ける。
？？？「ぐっ！」
ひるむ男。手に込めていた力が緩む。
赤髪の男「この隙！逃さん！」
ガン！ガン！ガン！
赤髪の男はトンファーによる連撃を男に仕掛ける。
？？？「ぐぅ！」
ひるむ男。その隙を赤髪の男は逃さない。
赤髪の男「終わりだ、こいつがな！」
バン！バン！バン！
激しい連撃の後に撃ち出される銃弾。その銃弾は男の体を撃ち抜く。倒れる男。
赤髪の男「終わったのか…」
倒れた男を見据え安堵し、肩の力を抜く赤髪の男。だが…
？？？「くくく…」
赤髪の男の予想とは裏腹に不敵な笑みを浮かべ、立ち上がる男。
キュゥゥウン！
男の体の傷がふさがっていく。
赤髪の男「なっ！？」
？？？「結果は必然…どうあがこうと変わりはしない！」
ドゴォン！！
赤髪の男に向かって突進する男。凄まじい衝撃と共にＥＧＯ本部の扉が破壊される。吹き飛ばされる赤髪の男。
赤髪の男「がはっ！」
口から血を吐き、倒れる赤髪の男。
？？？「無駄だ。もうお前はお終いだ」
赤髪の男「はあ…はぁ…」
ボロボロの体で、息も絶え絶え立ち上がる赤髪の男。
赤髪の男「俺はあきらめん！最後までな！」
？？？「お前たちでは新たな生命になりえん！ここで朽ちるのみだ！」
赤髪の男「うぉぉぉ！」
トンファーを振るう赤髪の男。
ガキン！
その一撃が男の体に直撃する。
？？？「なに！？」
赤髪の男「はぁぁ！！」
バン！バン！バン！
仕込み銃による銃弾が男の右腕へと放たれる。
？？？「ぐうぅぅ！！まだこんな力が…！」
男の右腕が仕込み銃の攻撃により吹き飛ばされる。
赤髪の男「その右腕もらったぞ！」
？？？「ぐぅ！ぬぉぉ！」
ギュルルル！
男の切れた腕の部分から触手が生える。それは形を変え、新たな右腕を形成する。
赤髪の男「自己再生だと！？」
？？？「ぬぉぉぉ！！」
バキバキバキ！
男の体が変異していく。その体は先ほどよりも一回り大きく鎧に身を包んだ姿に形を変える。
赤髪の男「もはや人ではないか…それはもともとかもしれないがな…」
？？？「消えろぉ！」
バコン！！
男の胸部を覆う鎧が展開する。
ギュウゥゥン！！
そこに激しい光が集中していく。
赤髪の男「チラッ」
時間を確認する赤髪の男。
赤髪の男「残り時間１２０秒…さらに奴は不死身の体を持つ…だが…」
鎧に身を包む男を見据え赤髪の男は決意を固める。
赤髪の男「ここで勝負を決める！はぁ！」
地面を蹴り上げ、空高く舞い上がる赤髪の男。
？？？「バカめ！空中では軌道を変えられまい！終わりだぁ！」
ドシュゥゥン！！
鎧に身を包んだ男の胸部から粒子を圧縮したレーザーが赤髪の男へ向かって発射される。
赤髪の男「終わりはしない！こいつがな！」
ボン！
赤髪の男はトンファーのブースターを稼働させる。それにより空中で軌道を変え、レーザーをぎりぎり避ける赤髪の男。
？？？「なに！？」
赤髪の男「このまま、いかせてもらう！」
ドゴォン！
推力を利用し強烈なトンファーによる一撃を男にくらわす。
？？？「ぐっ！！」
態勢を崩す男。
赤髪の男「これで決める！コード・『轟迅(ごうじん)』！！」
キュィィン！！
赤髪の男が持つトンファーが光り輝く。それを構え鎧の男に突撃する赤髪の男。
？？？「やらせるか！」
男は両手を突き出す。その両手から無数の光の弾が赤髪の男に向かって放たれる。
ドバババ！！
赤髪の男「ぐっ！」
ドン！ドン！
赤髪の男に撃ち込まれる光の弾。
ブシュ！！
赤髪の男の体から血が噴き出る。だが赤髪の男の攻撃は止まらない。
ガキン！
赤髪の男の一撃により鎧の男の胸部を覆う鎧が砕ける。
？？？「ぐっ！だが、この程度！まだ！」
赤髪の男「いいや！これで終わりだ！」
ブゥゥゥン！
突如2人がいる部屋が輝き始める。
？？？「なに！？」
赤髪の男「ジャスト３０分だ。俺はこの世界から決別する！お前ともな！」
？？？「なん…だと！」
赤髪の男「燃え行く本部と共に消え失せろ！」
？？？「いかせるかぁ！」
鎧の男は赤髪の男へと襲い掛かる。
赤髪の男「ブースト！！」
ドシュウゥゥン！
赤髪の男の掛け声とともにトンファーのブースターが稼働する。勢いよく手を離れたトンファーが鎧の男の胸部へと撃ち出される。そのまま鎧の男の胸部へ突き刺さるトンファー。
？？？「がはっ！！」
鎧が砕けた胸部へとダメージを受け、ひるむ男。
赤髪の男「行きがけの駄賃だ…いただいて行くぞ！ヘレティス５！そしてさらばだ！」
キュィィン！シュン！！
赤髪の男は光に包まれ姿を消した。
ヘレティス５「ぐぅっ！ゲイン・ブレイズゥゥゥ！！！」
激しくこだまするヘレティス５の咆哮。その直後…
ドゴォォン！！
激しい爆発と共に、爆炎に包まれ炎上するＥＧＯ本部。
戦いはこうして終わりを迎えた。それは終わりであり始まり…
新たな火種が世界に巻き落とされる。
to be continued
最終更新：2017年07月06日 06:19
