飛行戦艦ゲネシス!ウルズたちの拠点へ!

~飛行戦艦ゲネシス~
ウルズ「こっちだ。」
ボロボロのウルズに案内される十也と結利。案内された先には扉がある。

バシュン!

扉が開く。そこは艦長室だった。

シュウ「おや?ウルズ…大丈夫ですか?」
ウルズ「大丈夫に見えるか?」
シュウ「失礼。そうは見えませんでしたね」

そこにいたのはシュウだった。
結利「えっ…」
結利の表情から驚きの感情が見て取れる。
十也「どうした結利?」
結利「い、いや何でもないよ…」
そういう結利だがその言動からは平常ではないことが伝わる。
シュウ「あなたが天十也ですか。それと…」
結利の方をみるシュウ。
シュウ「あなたは結利さんですね?」
結利「は…はい…」
ぎくしゃくと返事を返す結利。
十也(どうしたんだ結利の奴…)
シュウ「私はこの飛行戦艦ゲネシスの艦長を務めさせていただいているシュウといいます。よろしくお願いします」
十也「こちらこそ!ウルズのおかげで助かったぜ!」
シュウ「ウルズの戦友であるあなたを助けることができてよかったです」
ウルズ「おいシュウ。俺は今回の戦闘でだいぶパーツが傷んでしまった。これの修復にどれくらいかかる?」
シュウ「そうですね」
ウルズの体を見回すシュウ。
シュウ「ざっと見た感じでは1週間ほどはかかるかも知れませんね」
ウルズ「1週間…そんなにか…」
シュウ「えぇ。一刻も早く治したいならば今すぐメディカルルームに入ってください」
ウルズ「そうさせてもらう…」
十也「だったら俺も手を貸す!今のお前のダメージでは歩くのも大変だろう」
ウルズ「すまないな」
十也はウルズに肩を貸し、部屋を後にした。館長室に残された結利とシュウ。
結利「……」
シュウに対し警戒した眼差しを向ける結利。
シュウ「おや?どうかしましたか?」
結利「なんで…」
シュウ「?」
結利「なんでここに…この時代にいるの?柊(シュウ)!!」
その言葉は結利がシュウと知り合いであることを意味する。
シュウ「随分と私に対して嫌悪的な態度をとるのですね結利。両親が居なくなった今、私とあなたは唯一の血縁だというのに」
結利「父さんが残した未来に協力しなかったあなたのことなんて兄貴だなんて思っていない!」
シュウ。彼はなんと結利の兄だったのだ。来未 柊(なび しゅう)。それが彼の本名だ。
オリジンの襲撃により犠牲になった来未博士。その意思を継ぎ、オリジンを倒すために過去へと飛んだ結利。彼女には納得できないことがあった。来未博士たちが残した未来。それに協力しなかった柊。
シュウ「結利。あなたにはわからなかった事情が多々あるのですよ」
結利「事情?そんなもの言い訳にしかならないよ!柊ほどの力があれば何とかできたんじゃないの?」
シュウ「そうですね。その可能性もあったかもしれません。ですがそうならなかった。それが事実です」
結利「…」
黙り込む結利。シュウは昔からそうだ。自分が何を言っても通用しないのは分かっている。だが父が死亡した件については言わずにはいられなかったのだ。
結利「わかったよ…」
これ以上シュウに対して問い詰めるのは無駄だと思う結利。この男には私が何を言ってもしょうがない。
結利「でも柊がなんでこの時代にいるのかだけは教えてよ」
シュウ「それは私がここに来た方法ではなく理由ということですね?」
結利「そういうこと。」
柊ならばなんらかの手段を用いてこの時代に来ることも可能だろうと思う結利。だから結利が知りたいのはこの時代に来た方法ではなく理由なのだ。
シュウ「それはただの興味本位です。」
結利「もう元の時代に戻れないかもしれないのに?」
シュウ「それでもです。元の時代にはもう私が興味を惹かれるものはありませんでした。ですがこの時代は違います。私のいた時代にはないものが溢れている」
結利「つまり…自分自身の欲求を満たすわけってこと?」
シュウ「えぇ。最初はそのつもりでした」
結利「最初は?」
シュウ「私も仲間をもって考え方が変わりました。彼らと共に事件の解決に尽力していくつもりです」
結利「柊…」
確かに以前のシュウならだれかと共にいることなどなかった。ましてや誰かのために戦うことなんて考えられなかった。
シュウの変化を感じる結利。
結利「柊のこと…信用していいの?」
シュウ「えぇ。今の私はあなたたちの力になることを約束します」
結利「本当に?」
シュウ「私は約束は守りますよ。今の私は結利たちの力になることを約束します」
結利「だったら…今の柊を信じるよ。個人的な感情でいがみ合っている場合でもないしね」
シュウ「えぇ。助かります」
結利「私もメディカルルームに行ってくるね」
部屋を出る結利。
シュウ(まさかこのタイミングで結利に再開するとは思いませんでしたね。ですが結利は他の者に自身が未来から来た存在と隠している様子…なら私との関係も他人のふりというのが妥当でしょうね。身の上が明かされると何かと動きづらくなるので心配していましたが問題なさそうですね)

~飛行戦艦ゲネシス・メディカルルーム~
十也「ここがメディカルルームか」
ウルズ「助かったぜ十也」
ベッドに横になるウルズ。
十也「ん?」
奥から女性が出てくる。その女性はうつろな雰囲気を醸し出している。
十也「あなたは…確か?」
昴「…」
ウルズがクリュセルスから連れて行った女性だ。
十也「この感じ…まだ治ってないんだな」
ウルズ「あぁ…」
昴「…」
昴はメディカルルームを後にする。
ウルズ「人間の感情を治す手段…それはまだ技術的に無理だそうだ」
十也「そうなのか…」
今の技術で無理ならばあきらめる他ないのかもしれない…。だが…
ウルズ「ネオは今の技術レベルをはるかに超える技術を持っていた。その手掛かりを掴めれば昴も元に戻せるかもしれない」
ウルズはあきらめてはいなかった。
十也「そうだな!ネオにできたんだ!俺たちにだってできるさ!」
ウルズ「ふっ!お前がそういうと本当に何とかなる気がするな」
十也「あぁ!なんとかなるさ!」
ウルズ「じゃあ俺はしばらく休ませてもらう。連中の正体がわかるまでお前はしばらくこの艦にいた方がいいぞ」
十也「そう…だな」
メディカルルームを出る十也。
十也「…」
何やら考え込む様子の十也。
十也(俺のことを襲ってきた奴ら…EGO特殊部隊って言ってたな。だけどそんな奴らR部隊の他に聞いたことがない。それになんでEGOの隊員の俺が狙われるんだ?)
それに他にも気になることがある。
十也(ケビン・ロダス…あいつは俺のことをヘレティス2と呼んでいた。)
それは十也が元いた世界での名前。こちら側の世界の人物がその名で呼ぶのには違和感を覚える。
十也(ネオに関連する連中なのか…?だとすれば辻褄が合う気もするけど…)
使っていた武器からもその可能性が高そうだ。奴らは普通の武器とは違うエネルギーの武器を使っていた。
十也(ここにいれば安全なのかもしれないけど…)
結利「十也!」
結利がメディカルルームの前へとやってくる。
十也「結利…」
結利「これからどうするの?しばらくはここにいた方が安全そうだけど…」
十也「そのことなんだが…」
結利「ん?」
十也「いったんミストラルシティ支部に戻ろう。」
結利「えっ!?EGOが襲ってきたんだよ!わざわざ捕まりに行くようなもんじゃあ…」
十也「俺を襲ってきた奴らはEGOではない気がする…いろいろと腑に落ちない点があるんだ。」
結利「そうなの?」
十也「それにカレンさんが俺たちのことを見放してEGOに襲撃させるとは思えない(カレンさんが知らされていない可能性もあるけど…)」
結利「そういわれると…そうだね」
十也「だから一回ミストラルシティ支部へ戻ろう。カレンさんに確認してみるべきだ」
結利「わかった…じゃあこの戦艦の進路をミストラルシティに向けてもらうようお願いしよう!」
十也「そうだな」
十也と結利は再び館長室へと足を進めるのであった。

~???~
???「まさかケビンがやられるとはな」
???「そうね。敵にヘレティスシリーズがいたとはいえ、こちら側の戦力を甘く見すぎていたかもしれないわね」
???「ヘレティスシリーズ…また我々の前に立ち塞がるか!」ギリッ!
歯を食いしばる男。その表情からは憎しみの表情が伝わる。
???「だけどあちら側のようにはなっていないみたいね」
???「あぁ。だがいつそうなるかわからない以上、今のうちに始末をつけねばなるまい」
???「でも厄介ね。ヘレティス1とヘレティス2。二人とも例の戦艦にいるみたいだわ」
???「ヘレティス1を襲撃した部隊を全滅させた奴がいる戦艦か…」
???「彼らでは厳しい相手ね」
???「所詮人形ということか…」
???「あら?その言い方は解せないわね…」
???「ふん。だが通用しなかったのは事実だ」
???「だったら人形ではなく彼に直接行ってもらいましょうか?」
???「いや…それは避けたい。部隊の者を直接動かすのは奴が来てからだ」
???「…そうね。全員そろってからが本番ね。でもどうするの?」
???「物資にも限界がある。予定を変更し、こちら側の拠点を確保する」
???「拠点の確保…それには賛成ね。でどこを?」
???「奴の出現予定地点に近い場所を狙う。」
???「となると私たちが来た場所に近い場所ね」
???「そうだ。この世界でいうグリフ大陸。そこに拠点を構える!」

to be continued

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最終更新:2017年07月30日 17:23