~EGOグリフ大陸支部~
???「私たちの提供したあれの調子はどうですか?」
モニカ「本部から提供されたあれはすごいですね!あれがあればだいぶ戦力が増強されると思います」
モニカと会話する女性。
???「それは良かったです。私たちカミナ工業をこれからもよろしくお願いします。では」
そういうと女性は部屋を後にした。
リヴァーレ「カミナ工業…技術面では目を見張るところがありますね」
モニカ「えぇ。あれだけのものを製造するなんて…そしてEGOの本部にそれをマーケティングし、納得させる。あの女社長…かなりのやり手ですね」
リヴァーレ「ヒルデ・カミナ…末恐ろしい人物ですね」
モニカ「わざわざ自ら出向いてここまで挨拶に来るなんて、営業面でも抜かりないわね」
リヴァーレ「ですがEGO本部は試験的に採用したカミナ工業製のあれをグリフ大陸支部にまわした…」
モニカ「確かにあれは優れたものだと思うけれど…本部的にはあまり面白くないのかもしれないわね」
リヴァーレ「そうですね。EGO内にも技術開発部門は存在しますし、外部の民間企業が開発した製品に後れを取るのが面白くない者もいるやもしれません」
モニカ「そんな中でEGOに製品を売り込めたということは彼女を推す人物がいるのでしょうね」
リヴァーレ「それもかなり高い地位の人物ですね」
モニカ「えぇ。といってもこれ以上詮索するつもりはないけれど…」
リヴァーレ「そうですね。本部内のいざこざを詮索しても疲れるだけです。」
モニカ「私たちはこのグリフ大陸を守るのが仕事!本部から渡されたあれもそのための力となる。だったら使わせてもらいましょう!」
リヴァーレ「そうですね」
~EGOグリフ大陸支部・入り口~
EGO隊員「ん?」
門番を担当している隊員の元に男が立ち寄ってくる。
???「…」
男の姿はEGOの隊員のようだがその服は黒くその点だけが普通のEGOと違っていた。
EGO隊員「おまえ…どこの支部の者だ?」
男に問う隊員。
???「俺は…」
ザシュン!
EGO隊員「えっ…」
隊員は自分の腹部を確認する。そこに突き刺さるエネルギーの刃。それは隊員の体を貫通している。
EGO隊員「なっ…」
???「我々がこのEGO支部を占拠させてもらう!こちら側の拠点としてな!」
EGO隊員「ぐふっ…」
倒れるEGO隊員。
???「隊長。どうしますか?」
隊長と呼ばれる男はあたりを見回す。
???「まずは長官室を目指す!我々第2隊がここを占拠するのだ!いくぞ!」
???「はい!」
男たちはEGOグリフ大陸支部の中へと入っていくのであった。
ビービービー!!
警報が鳴り響くEGOグリフ大陸支部。
モニカ「何事ですか!」
リヴァーレ「何者かがここに襲撃してきたようです」
モニカ「襲撃!?EGOの支部を襲撃してくるなんて…」
クリュセルスでの事件を思い出すモニカ。
モニカ「そんなことはさせません!各員襲撃者の対処を!」
リヴァーレ「了解しました」
~EGOグリフ大陸支部・通路~
EGOグリフ大陸支部から帰ろうと通路を歩くヒルデ。
ビービービー!
突如支部内に鳴り響く警報。
ヒルデ「この警報…襲撃者?EGOの支部に襲撃を仕掛けるような輩がいるなんて…ちょっと面白そうね」
そういうと彼女は不敵な笑みを浮かべながら通路を歩いて行った。
~EGOグリフ大陸支部内部~
ババババ!!
支部内に鳴り響く銃声。
グリフ大陸支部の隊員と黒い服に身を包んだ部隊の激しい戦闘が繰り広げられていた。
EGO隊員「はぁ…はぁ…」
黒い部隊員「所詮はこの程度!」
黒い部隊員は見たこともない武器を使う。エネルギーの剣と盾。それに苦戦し、劣勢を強いられるEGO隊員。
黒い部隊員「この様子ならここの制圧も容易そうだな」
EGO隊員「くっ…このままでは…」
隊員があきらめかけたその時!
ピピピ!!
隊員の持つレーダー端末が反応する。
EGO隊員「これは…」
友軍反応を示すものがかなりのスピードでここに近づいてきている。まるで車かバイクででもここに向かっているかのようだ。
EGO隊員「このスピード…いったい…」
黒い部隊員「ここは通らせてもらう!」
エネルギーの剣を構える黒い部隊員。
黒い部隊員「死ねぇ!!」
エネルギーの剣が振り下ろされる。
EGO隊員「うわあぁぁ!」
???「レールライフル発射」
ガキン!
黒い部隊員の持つエネルギーの剣に銃弾が放たれる。
黒い部隊員「なっ!」
衝撃で弾かれるエネルギーの剣。
EGO隊員「今のは!?」
???「対象を発見。これより任務を遂行する」
EGO隊員の前に現れたのは駆動鎧(パワードスーツ)に身を包んだ人物だった。
EGO隊員「これは…」
友軍反応の正体はこの駆動鎧だったのだ。だがその正体は隊員にもわからない。
黒い部隊員「駆動鎧か…だが!」
手に持った銃からエネルギーの剣を再び展開する黒い部隊員。
黒い部隊員「所詮はこちら側の技術!我々の力の前には!」
駆動鎧へと攻撃を仕掛ける黒い部隊員。
???「よほどの自信だな。気に入らんな」
長い2本のバーが付いたライフルを構える駆動鎧。
???「このグリフ大陸支部を落とせると思うな。レールライフル発射」
ジジジ!
2本のバーの間で強力な電磁波が発生する。その直後!
バン!
ライフルから発射される銃弾。その銃弾は電磁波により加速し、発射される。その初速は肉眼では捉えらえないほどだ。
黒い部隊員「速い!くっ!」
黒い部隊員がエネルギーの盾を展開するよりも早く着弾するレールライフル。
黒い部隊員「がはっ!」
倒れる黒い部隊員。
???「お前の…お前たちはいったい何者だ?何の目的でここを襲撃してきた?」
黒い部隊員「ふっ…」
不敵な笑みを浮かべる黒い部隊員。その直後!
カチッ!ドゴォン!!
自爆する黒い部隊員。その姿は跡形もなく消え去る。
???「自らの証拠を跡形もなく消しさるか…これではこいつらの正体を掴めそうもないな」
EGO隊員「あの…」
駆動鎧に近づくEGO隊員。
???「なんだ?」
EGO隊員「あなたは…?」
???「そうか…お前たちにはまだ話していなかったな。これはグリフ大陸支部に試験的に配属された駆動鎧だ。俺は…」
ピピピ!
駆動鎧に通信が入る。
モニカ「スパーダ3(スリー)。敵の隊長格と思われる者が現れたわ。至急そちらに向かってちょうだい」
???「了解」
モニカ「それと調子はどうかしら?」
スパーダ3「問題ない。スパーダ3シェリング・マーノの稼働状況に問題は見られません。カミナ工業の技術には恐れ入りますね」
モニカ「了解しました。引き続き任務を遂行してください」
スパーダ3「了解」
スパーダ3と呼ばれる駆動鎧はその場を後にした。
EGO隊員「あれはいったいだれだったんだ…」
~EGOグリフ大陸支部・司令室手前通路~
黒い部隊員「隊長!この支部の司令室を掌握します!」
黒い部隊長「あぁ。ここを制圧すれば我々のこちら側での拠点が…」
スパーダ3「そうはさせん」
侵入者たちの背後にスパーダ3が現れる。
黒い部隊長「駆動鎧…」
スパーダ3「対象を発見。これより攻撃行動に移る」
銃を構えるスパーダ3。
黒い部隊員「粒子(マテリアル)シールド展開!」
エネルギーの盾を構える黒い部隊員。だがスパーダ3はお構いなしに銃を発射する。
スパーダ3「レールライフル」
バン!
凄まじい速度で発射される銃弾。
黒い部隊員「ぐあぁ!」
黒い部隊員が弾き飛ばされる。
スパーダ3「お前がこいつらを率いるリーダーか」
黒い部隊長「…そうだ。俺はEGO特殊部隊アサルト・シャドー第2隊隊長ケビン・ロダスだ。」
スパーダ3「EGOだと?何を言っている?」
この男は頭がおかしいのだろうか…EGOにアサルト・シャドーなどという部隊は存在しない。
スパーダ3「EGOの支部を襲撃するテロリストが…わけのわからないことを」
ケビン「この支部は我々が制圧する!」
手に持った銃からエネルギーの剣が展開される。
スパーダ3「その技術…報告にあったクリュセルスにいたD・Eヒューマンの…」
ケビン「いくぞ!」
エネルギーの剣を構えスパーダ3に攻撃を仕掛けるケビン。
スパーダ3(近接攻撃…このスパーダ3は中・遠距離戦闘に特化した駆動鎧。接近戦では不利だ)
ガキン!
レールライフルで攻撃を受け止めるスパーダ3。だが…
ジジジ…ギン!
レールライフルがエネルギーの剣により切断される。距離を取るスパーダ3。
ケビン「見た感じお前の駆動鎧は射撃支援型。近接戦闘では足も出まい!」
スパーダ3「くっ…(奴はこちらの駆動鎧の特徴を掴んでいる。だが何故だ…地球では駆動鎧の普及はそこまで進んではいない…カミナ工業製の特殊な駆動鎧のタイプを見わけるとは…)」
ケビン「見たところその銃以外に武器もない…終わりだな!」
レールライフルを切断されたスパーダ3に手持ちの武器はない。ケビンの言うとおりだ。
ケビン「死ねぇ!」
エネルギーの剣を構え再びスパーダ3に襲い掛かろうとするケビン。
スパーダ3「仕方ない…」
ケビン「はっ!生きることすらあきらめたか!」
スパーダ3「EXモード解除承認を!」
モニカへと通信するスパーダ3。
モニカ「了解。スパーダ3。EXモード承認!」
スパーダ3の内部モニターに文字が表示される。
『ロック解除』
スパーダ3「EXモード」
バコォン!!
ケビン「なんだ!?」
スパーダ3の駆動鎧が体から外れ、変形していく。
ガキン!ガキン!
そしてそれは巨大な銃…いや大砲のような形へとなる。
ケビン「駆動鎧が変形しただと!?」
駆動鎧が巨大な大砲へと変形し、その中に入っていた人物が姿を現す。
リヴァーレ「スパーダ3シェリング・マーノEXモード。バスターキャノン」
それはグリフ大陸支部の副長官。
リヴァーレ・シュトレードであった。
リヴァーレ「重金属砲発射!」
ケビン「そんなでかい大砲!当たりはしない!」
バスターキャノンを避けようとするケビン。でかい銃から発せられる弾など最初から射程からはずれてしまえば当たることはない。
バシュゥゥン!!
だがケビンの予想とは裏腹にバスターキャノンから発せられたのは細かい金属の銃弾だ。無数の金属の細かい銃弾がケビンを襲う。
ケビン「散弾だと!?」
ババババ!!
ケビンの体に無数の散弾が突き刺さる。
ケビン「がはっ…」
膝をつき、その場に倒れるケビン。
リヴァーレ「お前の判断不足。それが敗因だ。」
ケビン「そうだな…だが…!」
カチッ!
リヴァーレ「まさか!」
ドゴォン!!
衝撃音と共にケビンが自爆する。
リヴァーレ「自爆したか…」
駆動鎧に身を包み間一髪防御したリヴァーレ。
リヴァーレ「敵の隊長格まで自爆するとはな…これで敵の手がかりはなしか」
~EGOグリフ大陸支部内部~
ヒルデ「どうやら襲撃者さんたちとの戦いは終わったみたいね。さて私は帰るとしましょうか。ん?」
なにかを見つけるヒルデ。
ヒルデ「これは…ふふふ。面白くなりそうね」
グリフ大陸支部の襲撃者たちはリヴァーレたちによって退けられた。だが彼らの正体を掴むための手がかりは何も得られなかった。
1つわかったことは彼らがEGO特殊部隊と名乗っていたということだ。その名は…
~???~
???「拠点の確保に失敗したか…こちら側の戦力を甘く見ていたな」
???「こちら側とはいえ、EGOに直接戦闘を仕掛けるなんて…」
???「遅かれ早かれ戦わなければならない相手だ。我々の目的のためにはな」
???「そう…でも作戦は失敗してしまったわ。これからどうするの?拠点を確保できなかった以上、物資には限りがあるわ」
ピピピ!
男たちの元に通信が入る。
???「通信だと?襲撃に向かった部隊は全滅のはず…」
???「怪しいわね…でるの?」
???「あぁ。もしかしたら生き残りがいたのかもしれない」
ピ!
通信に出る男と女。
ヒルデ「始めまして」
???「お前は…?」
見知らぬ女性が通信してきたのに警戒する男。
ヒルデ「警戒しなくてもいいですよ。EGOにはこの通信機のことは伝えてないですから。私はヒルデ・カミナ。カミナ工業の社長を務めているものです」
???「通信機が破壊さずに残っていたようね…」
本来なら自爆の際に通信機もすべて破壊されるはずだった。なんらかの不手際によってたまたま通信機が破壊されなかったようだ。
???「わざわざ通信してくるとは我々に何の用だ?」
ヒルデ「あなたたちの力になれないかと思って連絡したのだけれど」
???「どういう意味だ…?」
ヒルデ「EGOに攻撃を仕掛けるほどの過激な存在のあなたたちならうちの商品を買ってくれるかと思ってね」
???「なるほど…」
相手は商売相手として連絡をしてきたわけだ。
ヒルデ「取り急ぎ必要なものがあればすぐに送るわよ」
???「いいだろう…だがお前のことをすぐに信頼するわけにはいかない」
ヒルデ「そうでしょうね。そのままあなたたちをEGOに売り渡す可能性もあるものね」
???「よくわかっている」
ヒルデ「だから最初はあなたたちの信頼を得るための初回サービスよ。あなたたちが必要な物資を供給させてもらうわ」
???「そうか。ならばそれを持って契約という形にさせてもらう。必要な物資をまとめてこちらから連絡する」
ヒルデ「えぇ。お互いにいい商売相手となれることを期待してるわ」
ヒルデからの通信が終了する。
???「あの女…信頼していいの?」
???「信頼する必要はない。お互いにwinwinの関係性が保てそうならば利用し合うだけだ。こちらとして願ってもない機会だからな」
???「それもそうね。拠点の確保に失敗した以上、可能性があるなら利用するべきね」
???「そうだ。向こうもそのつもりだろうからな」
~カミナ工業本社・社長室~
ヒルデ(思わぬ偶然でいい商売相手が見つかったわ。EGOと彼ら…そのどちらとも商売を行えれば、わが社の売り上げはだいぶ上がるわね)
戦闘用品を主に商売の売り上げとしているカミナ工業。謎のテロリスト集団に商品を売り込むことができれば、大きな売り上げを得ることができる。
ヒルデ(このチャンス…逃がさないわよ)
to be continued
最終更新:2017年08月04日 23:25