カリナン公国の激戦!

~カリナン公国~
ヌアザ「いくぞ!」
ヌアザは剣を鞘に納めた状態で構える。
トニー「はぁ!」
拳で鞘付きの剣を受け止めるトニー。
トニー「鞘で攻撃だなんて…手加減しているつもりですか?」
ヌアザ「どうかな?」
きゅっぱ「その余裕…こんどこそ打ち砕いてやるよ!」
手を銃の形に構えるきゅっぱ。
きゅっぱ「トリガーオン!」

バン!

きゅっぱの指から粒子の弾丸が発射される。
ヌアザ「くらいはしない!」
距離を取り回避しようとするヌアザ。
トニー「逃しません!」
トニーはヌアザに足払いを掛ける。
ヌアザ「ぬっ!」
態勢を崩すヌアザ。
きゅっぱ「もらったな!」

キン!

きゅっぱ「なに!?」
態勢を崩しながらも鞘で弾丸を受け止めるヌアザ。
トニー「あの状況から即座にガードするなんて…この人かなりできますね…」
ヌアザ「この程度の連携で私を倒せはしない。はぁ!」
鞘付きの剣を地面へと突き刺し、前へと振り切るヌアザ。その衝撃が地面を伝い衝撃波を発生させる。
きゅっぱ「くっ!」
衝撃波を避ける2人。
ヌアザ「はぁ!」
ヌアザは続けて何発も衝撃波を放つ。
トニー「くっ!『ライトニング・ボルト』!」

ドゴォン!

雷で衝撃波を砕くトニー。
トニー「光の速さなら衝撃波を捉えられます!このままいきます!『ライトニング・ボルト』!」
ヌアザに向けて放たれる雷。

ドゴォン!

だがヌアザはそれを容易くかわす。
トニー「そんな!?」
ヌアザ「その技は見切った」
きゅっぱ「ちっ!やはりこいつ前に戦った時よりも反応速度が上がっていやがる…」
ヌアザ「月日を重ね、人間も進化したとはいえ我々の域までは達することはできない。それが限界だ」
きゅっぱ「前も言っていたがお前のその言い方…まるで自分が人間ではないかのようだな…」
ヌアザ「ふっ!我々をお前たちのような人間と同類だとでも思っていたのか?おこがましいな」
きゅっぱ「じゃあ…お前たちはいったい何なんだ?」
ヌアザ「それを知りたければ私を倒してみることだな」
きゅっぱ「ちっ…簡単に口車には乗りはしないか…」
トニー「だったら実力行使です!『ライトニング・ボルト』!」
雷を落とすトニー。
ヌアザ「それは見切ったといったのが聞こえていなかったか?」
トニー「雷だけならダメでも…これならどうですか?」
ヌアザに接近し拳を打ち出すトニー。
ヌアザ「拳術と雷の連撃か…だが!」
トニーの拳を避け、雷をも回避するヌアザ。雷はトニーへと直撃する。
きゅっぱ「トニー!」
ヌアザ「自滅したか…愚かな」
トニー「それはどうですかね?」
ヌアザ「なに!?」
雷の中からトニーがヌアザへと攻撃を仕掛ける。
トニー「はぁ!」

バン!

トニーの拳がヌアザの腹部へと直撃する。その一撃に吹き飛ばされるヌアザ。
ヌアザ「っ!先ほどまでとはまるで速さが違う…何をした」
きゅっぱ「これは…」
トニーは雷を身に纏っていた。これこそがトニーの奥の手。
トニー「『ライト・リアイランス』。雷を自身の身に纏うことで私の力を最大限に発揮する奥の手です!」
ヌアザ「先ほどまでとは比べ物にならない力と速さ…面白い!」
鞘付きの剣を構えトニーへと突撃するヌアザ。
トニー「行きます!」
それを迎え撃つトニー。

ガキィン!

ドン!

凄まじい衝撃音があたりに響く。
ヌアザ「ぐはっ!」
吹き飛ばされるヌアザ。
きゅっぱ「すごい…トニーのやつ、あいつを圧倒していやがる」
ヌアザ「これほどとはな…」
トニー「はぁ…はぁ…」
押しているはずのトニーの息が切れている。
きゅっぱ「トニーのやつ…あの技はそうとう体に負担がかかるみたいだな」
トニー「さぁ!観念しなさい!」
ヌアザ「ふっ」
トニーの発言に不敵に笑うヌアザ。
トニー「何がおかしいんですか?」
ヌアザ「お前が勝った気でいることだ!」
ヌアザは鞘を腰につけ、その剣を鞘から抜こうとする。

ギギギギ!!

凄まじい金属音があたりに響く。
きゅっぱ「やばい!」
きゅっぱにあの時の記憶がよみがえる。以前の戦いで見たヌアザの剣の威力。あれは想像を絶するものだった。あれを放たれればひとたまりもない。
きゅっぱ「逃げろトニー!あの剣を抜かれたら終わりだ!」
トニー「…」
トニーは冷静に状況を分析する。
トニー(あの剣…即座に抜くことはできなそうだ…だったら!)
間合いを詰めヌアザの眼の前に移動するトニー。
きゅっぱ「トニー!」
トニー「彼女が剣を抜く前に倒す!これなら!」
ヌアザ「どんな攻撃だろうと!」
トニー「はぁぁ!!」
両手を前に構え突き出すトニー。その手に体中を覆っていた雷が集中していく。トニーの手の中に雷の球体が作り出される。
トニー「貫け!『ライトパルスウェイブ』!!
雷を凝縮した高密度の光球がトニーの手から放たれる。それは剣を引き抜くために無防備となっているヌアザの体へと直撃する。

バチチチチ!!

ヌアザ「がっ!」
凄まじい電撃がヌアザを襲う。その光はあたり一帯の光を奪うほどの凄まじい光を放つ。
ヌアザ「ぐぐぐ…」
ヌアザの体から湯気が立ち上がる。体中の水分が蒸発してるのだ。
ヌアザ「がはっ!!」

ドサッ!

体から湯気を放ち倒れるヌアザ。
きゅっぱ「トニーのやつ、やりやがった!」
ヌアザが剣を抜く前に倒すことに成功したトニー。
トニー「なんとか…なりました」

ドサッ!

倒れ意識を失うトニー。彼も全力を出し切り体の限界を迎えたのだ。
きゅっぱ「よくやったなトニー。大したもんだよ」
ヌアザ「まさか…私が人間に…」
きゅっぱ「なに!?」
ヌアザは全身にやけどを負い水膨れになったような状態で立ち上がる。
きゅっぱ「こいつ…まだ!」
あれだけの攻撃をくらい生きているヌアザに驚くきゅっぱ。
ヌアザ「甘く見すぎていたようだ…私をここまで追い詰めるとは」
きゅっぱ「ちっ!」
戦闘態勢をとるきゅっぱ。
ヌアザ「その男…トニーとか言ったな。」
トニー「私は…」
トニーが息も絶え絶え目を覚ます。
トニー「トニー・ダイヤモンド…です」
ヌアザ「そうか…私の名はヌアザ。トニー・ダイヤモンド…その名…覚えておくぞ」
ヌアザはそういうと姿を消した。
きゅっぱ「ちっ!逃げやがったか」
トニー「すいません…あとは頼みます…」
再び意識を失うトニー。
きゅっぱ「あぁ。あとは任せな」
トニーを抱え歩いていくきゅっぱ。
きゅっぱ「ヌアザとかいうあの女…あれだけの攻撃をくらっても倒れないなんて…いったいあいつは…」

~~~

スライ「はぁ…はぁ…」
メルト「くっ…」
ボロボロのスライとメルト。その前に立ちはだかるのは…

ダグザ「どうした?その程度か?」

棍棒を手にしたダグザだ。
スライ「こいつ…」
メルト「まったく歯が立たないですよ…」
ダグザ「人間にしてはよくやる方だが…俺に戦いを挑んだのは間違いだったな」
スライ「くそっ!」
ダグザ「さ~て。お前たちほどの人間をただ殺すのはもったいないな。ってわけでこいつで!」

ドン!

どこからともなく大きな釜を取り出すダグザ。その大きさは中に人がすっぽり入れそうなほどだ。
スライ「なんだあれは?」
ダグザ「さ~て!」
釜の口を二人に向けて構えるダグザ。
ダグザ「お前たちならいい素体になりそうだ!」

ゴゴゴゴ!!

釜からものすごい勢いで吸引される2人。その吸引に抗うほどの力は2人には残っていなかった。
スライ「うわあぁぁ!」
メルト「きゃあぁぁ!」
2人は釜の中へと吸い込まれてしまう。
ダグザ「これでいいのが造れそうだな。んっ?」
何かを感じるダグザ。
ダグザ「まさか…ヌアザとルーのやつ…撤退しやがったのか。ちっ!しょうがねぇ!」
その場から姿を消すダグザ。

こうしてカリナン公国を襲撃してきた3人はいなくなった。だがそれと共にスライとメルトもその姿を消したのであった。
敵の手中に落ちた2人。彼らの運命は果たして…

to be continued

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最終更新:2017年08月22日 00:05