邂逅する敵

~EGOミストラルシティ支部・長官室~
ガーランド「さて…EGOはどうでるか…」
長官室の椅子にたたずむガーランド。
ゲイン「支部の一つが占拠されたとなれば連中も大慌てだろう」

ピピピ!

ガーランド「なんだ?」
ガーランドにアサルト・シャドーの隊員から通信が入る。
AS隊員「ミストラルシティ内に侵入者です!女2名に男1名!映像をそちらに送ります!」

ブォン!

長官室のモニターに映し出される映像。
ゲイン「ん?この男…」
男に見覚えがある様子のゲイン。
ガーランド「知っているのかゲイン?」
ゲイン「グリフ大陸でヘレティス2と戦った時に見かけたやつだ」
フリアーデス「それなら確かここのデータに…」
パソコンをカタカタとうちだすフリアーデス。
フリアーデス「あったわ」
モニターに映し出される男たちの情報。
ガーランド「トゥアハ・デ・ダナン…」
ゲイン「ヘレティス2の持つ槍を狙っている連中か…」
ガーランド「なるほど…奴らの狙いはヘレティス2か…ならばちょうどいい」

~ミストラルシティ~
ダグザ「この街…何か様子がおかしいぜ」
ブリギット「そうですね…何やら静まり返った様子…」
ダーナ「ルーとヌアザの魂の反応は確かにこの街から出ています…なにかあるやもしれませんね」
AS隊員「とまれ!」
3人の前に現れるAS隊員たち。
ダグザ「なんだこいつら?」
ブリギット「我々の邪魔をする気ですか?」
AS隊員「我々の隊長がお前たちに話があるそうだ。ついてきてもらう」
ダグザ「突然現れて何を言ってやがる?俺たちは今忙しいんだ。お前たちのようなのにかまっている暇は…」
ダーナ「いいでしょう」
ダグザ「なっ!?ダーナ!」
ブリギット「ダーナ神!今はルーとヌアザの魂を確保するのが先決では?」
ダーナ「そうですね。ですが少しばかりこの方たちのお話も聞いてみようではないでしょうか」
ダグザ「ダーナがそういうならば仕方がない」
ブリギット「わかりました」
ダーナ「では行ってみましょうか」

~EGOミストラルシティ支部・会議室~
AS隊員に会議室に通されたダーナ達。
ガーランド「よく来てくれたな」
会議室にはガーランド、フリアーデスの2人が待っていた。
ダーナ「私たちに用があるというのはあなたですか?」
ガーランド「そうだ。私はEGO特殊部隊アサルト・シャドー総隊長ガーランド・ヴォーゲル。」
ブリギット「EGO…たしか今の時代の世界を守る警察機構」
ダーナ「書物に書いてあった情報ではそうでしたね」
ブリギットとダーナはアイラッド村にいる間、多くの書物に目を通していた。今の時代の情報も多く取得している。
ダーナ「それでそのEGOの方が私に何の用ですか?」
ガーランド「お前たちはヘレティス2の持つ槍を狙っているそうだな」
ダグザ「ヘレティス2?だれのことだ?」
フリアーデス「天十也よ」
ダグザ「天十也…そいつは我らの至宝を持つ男」
ブリギット「お前たちの言っているのは我らの至宝ブレオナクのことだな」
ガーランド「槍の名までは知らないがな」
ダーナ「天十也の持つブレオナクはもともと我々の持つ至宝。それを返してもらおうとしてるにすぎません」
フリアーデス「あら、そう。それにしては力づくに見えるのだけれども」
ブリギット「方法は問題ではない」
ガーランド「そうだな。力なきものが滅びるのが世の常だ。強者たり得なければ、敗者となるのみ」
ダーナ「そうですね。その点についてはあなたと意見が合いそうです」
ガーランド「ふん。本題に入ろう。我々と組まないか?」
ダーナ「EGOとですか?」
ガーランド「いやEGOが味方になりはしない。この拠点も我々が占拠しているに過ぎない」
ダーナ「話が見えませんね?あなたたちはEGOの方なのでしょう?」
ガーランド「我々はEGOでありEGOではない」
ダーナ「よくわかりませんが…あなたたちと私たちが組むことでなにかメリットがあるのでしょうか?」
ガーランド「お前たちの目的は世界を支配することなのだろう?」
ダーナ「えぇ。その通りです」
フリアーデス(ここにあったトゥアハ・デ・ダナンの情報通りね…でもまさかこんな少人数で本気で世界を手に入れるつもりなのかしら?)
ガーランド「ならば少しでも戦力は多いに越したことはないはずだ」
ダーナ「そうですね。ですがなぜあなた方は私たちに協力するつもりなのでしょうか?」
ガーランド「それは我々の目的に合致するからだ」
ダーナ「ではあなたたちも世界の支配を望んでいるのですか?」
ガーランド「あぁ。世界を支配するのには戦力が必要だからな。そのためにお前たちに協力してもらおうというわけだ」
ダーナ「なるほど。ですがあなたがたも世界を支配するつもりならば私たちのような存在は邪魔になるのでは?」
ガーランド「そうかしれないな。だがそれは世界を支配してからのこと。」
ダーナ「なるほど。世界を支配するまでの共闘関係というわけですか」
ガーランド「察しがよくて助かるな。世界を支配するまでは敵の数は少しでも少ない方が助かる。トゥアハ・デ・ダナンと我らアサルト・シャドーがことを構えるのはそのあとでも構わんだろう」
ダーナ「そうですね。今の世界は私たちの想像以上の戦力がいるようですし…それも悪くはありませんね」
ガーランド「例の鎧人形たちか」
ダグザ「ちっ!俺の人形どもを奪いやがって…いったいどこのどいつだ!」
ブリギット「あの鎧人形たちについては不明な点が多すぎます。現状ではその正体は不明としかいえませんね」
ダーナ「それもありますが能力者…厄介な存在ですね」
ガーランド「そうか…お前たちのいた時代には能力者は存在していなかったそうだな」
ダーナ「えぇ。おかげでだいぶてこずっているのが現状ですから。あなたたちとの共闘を受けましょう」
ガーランド「そうか。我々としても助かる。これからの方針を決めるのにもいったん落ち着いてから再び話し合いの場を設けよう」
フリアーデス「支部内の部屋を自由に使ってくれてかまわないわ」
ダーナ「わかりました。では」
会議室を後にするダーナ達3人。
フリアーデス「思った以上に素直に応じてくれたわね」
ガーランド「奴らの意思決定はあのダーナとかいう女にゆだねられているようだな」
アサルト・シャドーとの共闘についてほかの2人はまったく口出しをしてこなかった。
フリアーデス「そうみたいね。でもその方が余計な手間が省けて楽でいいんじゃないかしら?おかげでこうも簡単に共闘関係を結べたのだから」
ガーランド「そうだな。だがそう一筋縄ではいかないやもしれんぞ」
フリアーデス「いつ後ろから刺されるかわからない状態での共闘…ね」
ガーランド「奴らは自らの力を過信している節がある。能力者のことを危惧はしているが大した脅威とは思っていないかもしれん」
フリアーデス「それだけの力を持っているということかしら。何か隠し玉でもあるのかしらね?」
ガーランド「さあな。だが奴らが人間のことを甘く見ているのは確かだ。我々のこともいつでも切り捨てる駒としてちょうどいいと思ったのかもしれんな」
フリアーデス「随分となめられたものね」
ガーランド「ふん。重要なのは本懐を遂げること。そのために利用できそうなものは利用させてもらう。それはお互いさまというわけだ」

~EGOミストラルシティ支部・通路~
ブリギット「よかったのですかダーナ神?あのような人間と共闘関係など…」
ダーナ「かまいません。私たちのいた時代より人間の力が進化しているのは事実。世界を支配するのにかかる手間を減らすのに彼らの戦力を利用させてもらいましょう」
ダグザ「所詮は人間。どこまであてになるかわからないがな」
ダーナ「対してあてになどしてませんよ。ですが今の私たちの力では少々力不足であるのは否めません」
ブリギット「そうですね。ですがそれもブレオナクを取り戻すまでの辛抱」
ダグザ「そうすれば奴らにも用はないというわけか」
ダーナ「えぇ。そのためにもこの地に飛ばされたルーとヌアザの魂の回収を急ぎましょう」

トゥアハ・デ・ダナンとアサルト・シャドーに交わされた共闘契約。だがそれは互いに相手を信用しきってはいないかりそめの共闘契約。
それぞれの目的のために動き出す彼ら。共闘する敵にEGOは無事ミストラルシティ支部を奪還できるのだろうか。

~???~
???『…』
何もない暗闇の中にたたずむ白髪の少女。十也にレーヴェンズと名乗った少女だ。
???『記憶…あの人は…』
目を閉じ考え込む少女。
???『そう…器の記憶…わかりましたの』
少女がゆっくりと目を開く。
???『今度こそ…お迎えに上がりますの』

to be continued

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最終更新:2017年10月08日 22:28