~グリフ大陸とミストラルシティをつなぐ橋~
ヌアザ「はぁ!」
鞘つきの剣を振り下ろすヌアザ。
ガキン!
それを駆動鎧の腕で受けとめるリヴァーレ。
リヴァーレ「鞘に収められた状態での剣での攻撃…生身の人間相手ならいざ知れず、そんな攻撃で駆動鎧の装甲には届かん!」
銃を構えるリヴァーレ。
リヴァーレ「レールライフル!」
ジジジ!
銃に取り付けられた2本のバーの間で強力な電磁波が発生する。
バン!
高速で打ち出される銃弾。それはヌアザの左腕を打ち抜く。
ヌアザ「ぐっ!」
左腕を負傷し距離をとるヌアザ。
リヴァーレ「左腕を負傷し、右腕のないお前にもう攻撃手段はない。お前の負けだ」
ブリギット「くくく」
その光景をみて笑うブリギット。
リヴァーレ「何がおかしい?」
ブリギット「人間というのは浅はかなものですね。目の前の事実だけを鵜呑みとする。その本質に気づけない」
リヴァーレ「どういう意味だ?(トゥアハ・デ・ダナンの片腕の女ブリギット。奴はその剣を引き抜くのに時間がかかる代わりに一度引き抜けば強大な力を振るうという情報はあった。そのために必要な腕にダメージは与えた。そしてこの状態でやつにそれだけの隙を与えるつもりはない)」
十也たちの戦いからヌアザの情報を知っていたリヴァーレ。今の状況でヌアザが自分に対抗できるとは到底思えない。
ブリギット「どうしますヌアザ?」
ヌアザ「…こいつの相手をするという言葉に代わりはない」
ブリギット「でしたら私は距離をとらせてもらいます。巻き込まれるのもいやなので」
リヴァーレ「なにをする気だ…」
ヌアザは鞘つきの剣を腰につけると一瞬目を閉じる。
ヌアザ「はぁ!」
そして目を見開いたと思うと次の瞬間!
カッ!
あたり一面が光に包まれる。
リヴァーレ「何も見えん…なにが…」
その光が収束していく。収束した先にはヌアザの姿があった。だがその姿は先ほどまでとは違った。
リヴァーレ「あれは…」
ヌアザのないはずの右腕が存在している。銀色に光り輝く右腕だ。
ヌアザ「銀の腕(アガートラム)」
ブリギット「これで勝負は決まりましたね。今のヌアザに勝てはしない」
ヌアザは光り輝く銀の右腕で剣に手をかける。
ドゴオォォォン!!!
次の瞬間光が一直線に放たれる。
ヌアザ「銀の腕(アガートラム)を開放した私はクレイヴ・ソリッシュを抜くのに手間がかからん。といってももう塵芥とかしてしまったか…」
ブリギット「あの一撃を受ければ消えてなくなったでしょう。私たちの相手はたいしたことなかったですね」
「スパーダ3シェリング・マーノEXモード。バスターキャノン」
どこからか聞こえる声。
ヌアザ「なんだ?」
前方を確認するとそこにはリヴァーレの姿があった。
ヌアザ「あのタイミングで避けたというのか!?」
リヴァーレ「重金属砲発射!」
バシュゥゥン!!
無数の金属弾がヌアザへと向け発射される。
ヌアザ「だが…無駄だ!」
シュン!シュン!シュン!
クレイヴ・ソリッシュを軽々と振るヌアザ。その斬撃から放たれる光の衝撃波がすべての金属弾を破壊する。
リヴァーレ「これほどの力を持つとはな…」
ヌアザ「さっきはどのような手品を使ったか知らぬが、もうぬかりはしないぞ」
リヴァーレ(シェリング・マーノもエネルギー切れ…万事休すか)
ヌアザ「消えろ!」
ドシュン!
クレイヴ・ソリッシュの光の衝撃波がリヴァーレへと放たれる。
リヴァーレ「くっ…!」
ドゴォン!!
爆発とともに炎が舞い上がる。
ブリギット「あの機会鎧ごと死んだようですね」
ヌアザ「所詮は人間。最後の悪あがきだったな」
「あまり人間をみくびらないでほしいですね」
ヌアザ「だれだ!」
シュン!
ヌアザの前に現れたのは駆動鎧だ。だがそれは先ほどまで相手をしていたリヴァーレの纏っていた駆動鎧と違い小さく頭にウサギを思わせる耳のようなものもついている。そしてその白い駆動鎧はその手にリヴァーレを抱えていた。
ブリギット「新手ですか」
???「大丈夫ですかスパーダ3?」
リヴァーレ「もうしわけありませんスパーダ1。シェリング・マーノは全壊。やつらに大したダメージを与えることもできませんでした」
スパーダ1「気にする必要はありません。生きていてくれただけでいいのです。あなたはさがってください。彼女の相手は私がします」
リヴァーレ「了解しました。御武運を」
ヌアザ「新しい機械鎧が出てきたか。だがなんであろうと銀の腕を開放した私の前には無力だ」
スパーダ1「たしかにあなたのその力は恐ろしいわね。でも私も負ける気はないわ!スパーダ1ラピッド・コニリアいくわよ!」
ヌアザへと突撃するスパーダ1。
ヌアザ「直線的な動きで!自ら死ににくるようなものだクレイヴ・ソリッシュ!」
ドシュン!
光の衝撃波が放たれる。
スパーダ1「アクセル!」
シュン!
スパーダ1の姿が消える。
ヌアザ「なに!?」
スパーダ1「こっちよ!」
一瞬にしてヌアザの背後に姿を現すスパーダ1。
ヌアザ「ちっ!」
ドシュン!
ヌアザはスパーダ1に向かって剣を振るい衝撃波を放つ。だがまたもやそこにスパーダ1の姿はない。
スパーダ1「遅い!」
ヌアザ「くっ!」
ドシュン!
光の衝撃波を放つがまたしてもスパーダ1によけられてしまう。
スパーダ1「はぁ!」
ヌアザの懐に瞬時に移動したスパーダ1の拳がヌアザへと打ち込まれる。
ヌアザ「んっ…軽い!そんな攻撃!」
クレイヴ・ソリッシュを振り下ろすヌアザ。
スパーダ1「くっ!」
シュン!
一瞬にして距離を取るスパーダ1。
ヌアザ「どれだけ早かろうと攻撃が軽ければ意味がないな」
スパーダ1「そうね(スパーダ1ラピッド・コニリアは高機動特化型の駆動鎧。相手をかく乱できてもこれだけの強敵が相手では攻撃が通用しない。それは対駆動鎧戦での試験でもわかっていたこと!)」
ヌアザ「いつまで逃げているつもりだ?逃げていても勝機はないぞ」
スパーダ1「そうね。だったら勝機を掴み取るのみよ!」
再びヌアザへと突撃するスパーダ1。
ヌアザ「無駄なことを」
ドシュン!
クレイヴ・ソリッシュから光の衝撃波が飛ばされる。
スパーダ1「『ロック解除』。EXモード」
シュン!
ヌアザ「また姿を消したか。次はどこに…」
スパーダ1「ここよ!」
その声は近くから聞こえる。
ヌアザ「どこだ」
あたりに姿は見えない。だがヌアザが自身の剣に眼をやると…
ヌアザ「なっ!」
ヌアザの振るった剣の先端に足を置き、そこに立つスパーダ1の姿があった。だがその姿はさきほどまでと違い全身が黒色になっている。
ヌアザ「剣先に!」
スパーダ1「さぁ!逃げ回るのはおしまいよ。ここからが私のターンよ!アクセラレイジング!」
ヌアザの周りを高速で回転するスパーダ1。その姿はまるで分身でもしているかのような早さだ。
ヌアザ「は、はやい!だがクレイヴ・ソリッシュ!」
ドシュン!
ヌアザの剣戟は当たらない。
スパーダ1「無駄よ。今の私を捉えることはできないわ。放熱板全開放!」
バゴン!
スパーダ1の全身の装甲が開く。
ダダダダ!
先ほどよりも高速で回転するスパーダ1。
スパーダ1「はぁ!」
スパーダ1の拳がヌアザへと打ち込まれる。
ヌアザ「ぐふっ!」
スパーダ1「さっきまでとは違うわよ!加速の乗ったこの攻撃うけきれはしない!まだまだいくわ!」
ダン!ダン!ダン!
超高速で繰り出される連撃がヌアザへと打ち込まれる。
ヌアザ「がはっ!」
スパーダ1「たぁ!」
スパーダ1のキックにより空中へと放り出されるヌアザ。それを取り囲むように無数のスパーダ1が現れる。だがそれは高速移動により数が増えたように見えるだけだ。そんなことを認識する余裕もないヌアザ。
スパーダ1「はぁぁぁ!」
ドガガガガ!!
スパーダ1による高速の連劇が空中で無防備な状態になったヌアザへと打ち込まれる。
スパーダ1「これで!」
スパーダ1は足を大きく振り上げ踵おとしの体勢をとる。超高速による加速をのせた踵おとし。それは想像を絶するような威力をたたき出すであろう。それが今繰り出されようとしていた。
スパーダ1「終わりよぉぉぉ!」
ガン!
ヌアザ「ぐふっ!」
ヌアザの腹部へと直撃するスパーダ1の踵。そしてスパーダ1は踵にそのまま全加速度を加えたまま地面へと一直線へと落ちていく。
ドゴォォォン!
あたりに響く衝撃音。
ヌアザ「が……」
あまりの衝撃に意識を失うヌアザ。それがこの攻撃の凄さを物語っている。
スパーダ1「ふぅ…」
シュィィン!
スパーダ1の黒い装甲が白へと戻っていく。
スパーダ1「これがグリフ大陸支部の力よ」
ブリギット「まさか銀の腕を開放したヌアザを倒すとは…」
この状況に驚くブリギット。
ブリギット「ならば私が戦うしかないようですね」
スパーダ1(ラピッド・コニリアの残バッテリーは少量…EXモードも使えない)
???「おいこいつはどういうことだ?」
ブリギットの背後から現れた男はこの状況を見て驚く。
ブリギット「
ダグザ…きたのですか」
ダグザ「ヌアザのやつが伸びてやがるとはな」
スパーダ1(敵の増援…本格的にまずいですね)
ダグザ「この鎧やろうがヌアザのやつをやったのか」
スパーダ1「くっ…(体勢を立て直すためにもここは…)」
???「なんだか大変なことになっているみたいだな」
スパーダ1の背後から声が聞こえる。
ダグザ「なんだぁ?」
???「僕たちが眠っている間にこんなことになっているなんてね」
???「はぁ…起きて早々こんなハードそうな戦いなんて…気が滅入りますぅ」
???「僕たちが暮らしていた街がピンチなんだ。そんなことをいっている場合じゃないだろう?」
???「それはそうですけど…」
???「あいつらにはいろいろと世話になったからな!いままで眠っていたせいか体の調子もなんだかいいきがするし!」
???「それは気のせいかもですけど…なんにしても僕たちが力になるべきですからね!そのためにここにきたんですから!」
スパーダ1のピンチに現れた4人の人物(男3、女1)。果たして彼らはいったい…
to be continued
最終更新:2017年12月11日 21:19