~EGOミストラルシティ支部・2階~
ナル「思わぬ来訪者だったね」
にろく「だがやつらのおかげで先に進むことができた」
突如現れたレーヴェンズにより
ダーナたちを引きつけ2階へと進んだ一同。
メルト「あいつらいったい何なんでしょう?」
きゅっぱ「あたしらが知るかよ」
トニー「まったく見当もつきませんね」
結利「でもあの女の子は十也とウルズのことを知っていたみたいだったよね。2人は何か知らないの?」
十也「俺には見当もつかない」
ウルズ「…あの白髪の女。あいつのことは知っている」
十也「えっ!?ウルズの知り合いなのか?」
ウルズ「十也。お前も忘れているだけで知っているはずだ。あいつは…」
フリアーデス「あら?ここまで来たのね」
通路を進む十也たちの前にフリアーデスが姿を現す。
にろく「アサルト・シャドーか!」
フリアーデス「そうよ。私はEGO特殊戦闘部隊アサルト・シャドー技術開発長
フリアーデス・ブルーナイト。あなたたちをここで食い止めるのが今の仕事ね」
トニー「たった一人でですか?」
フリアーデス「そうね」
たった一人で十也たち全員を相手にするとはそれだけの自信があると言うことなのか。
ウルズ「こいつの相手は俺がする。みんなは先へ進んでくれ」
左腕を失い負傷しているウルズが名乗りを上げる。
十也「そんな状態で大丈夫なのか?」
ウルズ「こいつには聞きたいこともある。俺にやらせてくれ」
結利「でも一人でなんて…」
きゅっぱ「しょうがないねぇ」
ウルズ「きゅっぱ…」
きゅっぱ「あいつを取り戻すんだろ?あたしも残るよ。あんたらはとっとと敵の大将を倒してミストラルシティを取り戻しな!」
にろく「わかった。お前たちを信じるぞ」
きゅっぱ「まかせな!」
十也「頼んだぞウルズ」
ウルズ「あぁ」
ウルズときゅっぱを残し先へと進んでいく十也たち。だがフリアーデスは十也たちを止めようともしない。
ウルズ「お前の役目は俺たちを先へと進めないことだったんじゃないのか?」
フリアーデス「そうね。でもあなたたちはどうせ彼には勝てはしないわ」
きゅっぱ「あんたたちの大将のことかい?」
フリアーデス「そうね。そして私個人としてはあなたと話をしてみたいと思っていたのよヘレティス1」
ウルズ「俺と?」
フリアーデス「えぇ。それにあなたも彼女のことが気になるでしょう」
ウルズ「昴は無事なのか!?」
フリアーデス「そんなに心配しなくても大丈夫よ。彼女は丁重に扱わせてもらっているわ」
きゅっぱ「なんで敵であるあんたらが昴を丁重に扱っているんだ?」
フリアーデス「彼女は特別なのよ。私にとっては」
ウルズ「どういう意味だ?」
フリアーデス「言葉通りの意味よ」
その意味を理解できないウルズときゅっぱ。だがそんなことはお構いなしに話を続けるフリアーデス。
フリアーデス「彼女は精神に何らかの異常をきたしている様子だったわ。それがどうしておきたのかはわからないけれどもそんな彼女をヘレティス1、あなたは看病していた」
ウルズ「なぜそんなことがわかる?俺が看病していたなど…まさか!」
フリアーデスがそれを知っているとすれば、ウルズたちと接点がない彼女が知る手段は限られている。それはすなわち…
きゅっぱ「あいつが話したのかい?」
フリアーデス「そうよ。彼女…
葵夜昴から聞いたわ」
ウルズ「昴は言葉も発せないような状況だったはずだ。それがどうして…」
フリアーデス「簡単なことよ。異常をきたしているのなら治療すればいい」
きゅっぱ「昴を治療したってのかい!?」
シュウにもできなかった昴の精神治療をフリアーデスが行ったというのだろうか。
ウルズ「お前の能力か?」
フリアーデス「能力?私は能力なんてもっていないわ」
きゅっぱ「じゃあどうやって…」
フリアーデス「あなたたちとは技術力のレベルが違うということよ」
ウルズ「それだけの技術を持っているっていうのかよ…」
テロリスト組織がそんな技術を持っているなんて考えられない。だがアサルト・シャドーの使用している武器は確かに現代の技術では考えられないほどのものばかりだ。その点からもありえないことではないのかもしれない。
きゅっぱ「やはりあんたらはN…ネオの残党なのかい?」
ネオが使っていた謎の技術。アサルト・シャドーが使っている武器などはそれに近いものがある。
フリアーデス「ネオの残党?なにをいっているのかわからないわね」
フリアーデスの言葉からは嘘を言っているようには思えない。本当にネオとは関係がないようだ。
ウルズ「ジャーデとは関係ないってことか…」
フリアーデス「ジャーデ?」
ウルズの言葉に反応するフリアーデス。
フリアーデス「ジャーデ・フォーティア…こちら側にもいたのね」
きゅっぱ「こちら側?どういう意味だ?」
フリアーデス「その意味はあなたたちにはわからないでしょうね」
ウルズ(ジャーデ・フォーティアを知っているだと…この世界には奴はいない…それを知っていると言うことは…もしやこいつらは…)
ウルズ「その言い方…まるで別の世界から来たような言い方だな」
フリアーデス「へぇ。こちら側のヘレティス1はあたまが切れるようね」
ウルズ「その返答…やはり」
何かを確信するウルズ。
ウルズ「1つ言っておくぞ。この世界にヘレティスシリーズは存在しない」
フリアーデス「なるほど…つまりあなたも…」
フリアーデスも何かに気づく。
ウルズ「そうだ。だがこれでお前たちの正体が読めたぞ!」
フリアーデス「だからと言ってどうなるものでもないでしょう」
ウルズ「それもそうか。だがいいさ。お前を倒して昴を返してもらう!」
フリアーデス「あなたが私の知るヘレティスシリーズならなおさらね。あなたは危険な存在。排除させてもらうわ」
銃を構えるフリアーデス。
きゅっぱ「こいつらの正体がわかったのかいウルズ?」
ウルズ「あぁ多分な。だがそれを話すのはここを切り抜けてからだ」
きゅっぱ「そうだね」
フリアーデス「切り抜けられると思っているのかしら?私はそんなにやさしくはないわよ」
ダダダダ!
フリアーデスの持つ銃から銃弾が放たれる。
ウルズ「御雷(ミカヅチ)!!」
バギョォン!!
右手を構えフリアーデスの銃弾を受け止めるウルズ。
フリアーデス「マイクロ波発生装置。便利なものね」
ウルズ「そいつはどうも!」
そういいながらウルズはその右手をフリアーデスに向けて突きつける。
ウルズ「昴を治療してくれた礼だ。死なない程度の出力にしてやるよ!」
バギョォン!!
ウルズの右手から放たれる御雷。だがそれは粒子ブレードにより防がれる。
フリアーデス「もう勝った気でいるのかしら?」
ウルズ「そんな武器じゃあこの御雷は防げないぜ!」
フリアーデスの持つ粒子ブレードの発生装置部分が熱を帯び、膨張していく。
フリアーデス「仕方ないわね」
ジャキン!
突然フリアーデスの背中から何かが展開される。そして次の瞬間!
ザシュン!
ウルズ「なっ!」
ウルズの右腕が切断される。
きゅっぱ「ウルズ!」
フリアーデス「これでもうあなたは攻撃手段がないわね」
ウルズ「くっ!なんだあれは?」
フリアーデスの背中から(正確には背中につけてある装置から)伸びた6本の可変式のアーム。その先端から粒子ブレードが展開されている。
きゅっぱ「まるで蜘蛛みたいだね…。どうするウルズ?」
両腕を失ったウルズ。それに加えてきゅっぱもウルズもここまでの戦いで体力も限界だ。
ウルズ「こいつはマジでやばいかもな…」
~EGOミストラルシティ支部・1階~
ダーナ「キリがありませんね」
いくら倒しても無限かのように沸いてくるレーヴェンズ。
ダーナ「やはり頭をたたくしかありませんか
ダグザ、
ブリギット、ルー」
ブリギット「はい。精霊石(リア・ファル)!」
手に持つ石を掲げるブリギット。その石から炎が発生する。その炎は白髪の少女を燃やし尽くそうとするかのように少女に襲い掛かる。
???「あたりませんの」
炎を避ける少女。
ルー「こっちだ」
ルーがブレオナクを手に少女へと切りかかる。
???「あぶないですの」
しかしその攻撃も軽やかに避ける少女。
ルー「ふっ。開けブレオナク」
バコン!
ブレオナクの4枚の刃が開く。
ガキン!
???「あっ…」
4枚の刃にはさまれ拘束される少女。
ルー「やれダグザ」
ダグザ「はいよ」
ヌアザの剣を構えるダグザ。
ダグザ「切り刻んでやるぜ!」
剣を振るうダグザ。剣から放たれる衝撃波が少女に向かい飛んでいく。拘束された状態の少女に成す術はない。
???「仕方ありませんの」
バシュン!
ルー「なんだ!?」
ブレオナクが弾き飛ばされる。
ダグザ「なに!?」
ダグザの放った衝撃波が少女の目の前で壁に阻まれているかのように止まっている。
スッ!
少女が体を逸らし、衝撃波の軌道から外れると衝撃波はそのまま前方へと飛んでいき壁へとぶつかる。
???「そういえばこういう力もありましたの」
ダーナ「能力者というわけですか。ますます厄介ですね(それにこいつらには私の力も効かないようですし…ただの人間ではないということですか)」
???「今度はこちらから行きますの」
ふわっ
地面から少女の足が離れ、空中へと浮く。
鎧人形「…」
鎧人形の一体が少女の元に近づいてくる。その鎧人形に手をかざす少女。
ギュルルル!!
鎧人形の姿が変わっていく。それはだんだんと小さくなり、少女の身長を超えるほどの長さの刀身を持つ日本刀を思わせる細身の剣へと姿を変える。それを手にとる少女。
???「いきますの」
少女は日本刀のような剣を手にダーナたちへと空中を舞いながら迫ってくる。
ブリギット「精霊石(リア・ファル)!」
ゴォォォ!!
ブリギットの持つ石から放たれる炎。だがそれは少女には届かない。少女の前に壁でもあるかのように防がれてしまう。
???「ききませんの」
ガキン!
少女の長刀による攻撃がブリギットのバリアにより阻まれる。
ブリギット「お前の攻撃も効きはしない」
???「そうでもありませんの」
ギギギ!!
ブリギット「なんです!?」
ドン!
バリアごとブリギットが吹き飛ばされる。そのまま壁へと打ち付けられるブリギット。
ブリギット「がはっ!」
ダグザ「くそが!クレイヴ・ソリッシュ!」
剣を振るうダグザ。
ダグザ「ぐっ!」
だがやはりその攻撃は少女には届かない。どんなに力をこめようとも少女に刃が届かない。
???「無駄ですの」
ルー「はぁ!」
ルーが少女の背後から攻撃を仕掛ける。だがそれも見えない壁に防がれるように少女に届かない。
???「どれだけこようと…」
バチン!
吹き飛ばされるルーとダグザ。
???「あなたたちを倒してお兄様たちを追わせていただきますの」
ダーナ「私たちの力が通用しないとは…(あれをやるしかないか…だが今はまだ私の理想のタイミングではない…)」
~EGOミストラルシティ支部・3階~
十也「ここに奴らのリーダーがいるはずだ!」
そこは通信司令室。ここならミストラルシティ全ての状況を把握できる。
バン!
部屋の扉を開ける十也。
結利「あれ?」
ナル「だれもいない…」
そこはもぬけのからだ。人一人いない。
メルト「局長室にもだれもいませんでした!」
にろく「やつらどこにいったんだ…」
トニー「う~ん…」
ピピピ!
十也たちのもつ通信機に通信が入る。ツバメからだ。
ツバメ『みんな無事ね?敵の親玉。あの駆動鎧がEGOミストラルシティ支部の屋上に現れたわ!敵はそこよ!』
十也「屋上!わかった!」
こうして十也たちはEGOミストラルシティ支部の屋上へと向かう。アサルト・シャドーの隊長が待ち受けるそこへ。
決戦の地。そこで十也たちはアサルト・シャドーを倒し、ミストラルシティを救えるのだろうか。
to be continued
最終更新:2017年12月30日 12:06