~十也たちが3階に突入する数分前~
ガーランド「例の鎧人形たちが現れたか…」
レーヴェンズにより各地点で戦闘を行っているアサルト・シャドーの隊員たちは劣勢を強いられている。
そしてここEGOミストラルシティ支部内にもレーヴェンズが進入してきている。
ガーランド「ここを拠点にしてわれらの目的を達成しようと思っていたがそううまくはいかなそうだな。世界はこうも異邦人を拒むとでもいうのか…。いや違うか。我々の能力者に対する認識が甘かったのかもしれんな」
ピピピピ!
ガーランドの持つ通信機に通信が入る。
ゲイン『ガーランド!』
それはゲインからだ。
ガーランド「無事だったかゲイン」
ゲイン『なんとかな。もうすぐEGOミストラルシティ支部に到着する』
ガーランド「そうか。ならば一階にトゥアハ・デ・ダナンがいる。そいつらを連れ屋上へと来い」
ゲイン『どういうことだ?』
ガーランド「あの鎧人形たちは私たちが思っている以上に厄介かもしれん。トゥアハ・デ・ダナンの連中を相手に押している」
ゲイン『ちっ!わかった』
ゲインからの通信が切れる。
ガーランド「能力者に鎧人形…それとヘレティスシリーズ」
フリアーデスの戦闘での会話を聞く限りあのヘレティス1は…。
ガーランド「となればヘレティス2も同じと考えるのが妥当。こちら側でも我々の邪魔をするかヘレティスシリーズ。だがまぁいい。あれほどの力をヘレティス1、ヘレティス2からは感じない。ならばMDSシステム…アーヴァへイムで奴らを屠るだけだ」
そういうとガーランドは屋上へと向かっていった。
~EGOミストラルシティ支部・1階~
???「あなたたちを倒してお兄様たちのところへ」
ダーナ「やるしかないのですね…」
ボフン!!
突如煙幕で周辺が満たされる。
ダーナ「これは…」
ゲイン「屋上へいくぞ。ついて来い」
煙幕の中に現れたゲイン。彼に従いダーナたちは屋上へと進んでいく。
~EGOミストラルシティ支部・2階~
フリアーデス「おしまいね。ん?」
攻撃を仕掛けようとするフリアーデス。だが通信が入り、その手が止まる。
フリアーデス「なるほど。でもあなたは危険な存在ここで排除させてもらうわ」
フリアーデスの6本の可動式アームがウルズを襲う。
ザシュン!
可動式アームから展開された粒子ブレードが貫くそれは…
鎧人形「…」
レーヴェンズの鎧人形だ。突如現れた鎧人形がウルズをかばうようにフリアーデスの粒子ブレードに串刺しにされている。
フリアーデス「こいつら!もうここまで来たの!」
ウルズ「なんで俺を守るような…」
ギュィィン!
空間がゆがみ白髪の少女があらわれる。
???「お兄様はやらせはしませんの」
ウルズ「お前…なんでここにいやがる!いやそれ以前になんで生きている!あの時お前は確かに…」
???「それは私にはわかりませんの。私は器。そしてお兄様も同じ器ですの。新たな生命…それの」
ウルズ「何を言って…」
フリアーデス「しょうがないわね…」
フリアーデスはウルズと白髪の少女が言い合いをしているうちに先へと進んでいった。
きゅっぱ「ウルズ!あいつが…」
ウルズ「ちっ!今はこいつよりも昴のほうが先だ!いくぞきゅっぱ!」
ウルズときゅっぱはフリアーデスを追うようにして先へと進んでいく。
???「逃がしませんのお兄様」
~EGOミストラルシティ支部・屋上~
バン!
屋上へと続く扉を開ける十也たち。
ガーランド「来たか」
そこには駆動鎧に身を包んだガーランドとアサルト・シャドーの隊員たちが待ち受けていた。
ナル「アサルト・シャドー!」
結利「ミストラルシティは返してもらうよ!」
ガーランド「今となってはここに興味はない。だが」
十也に目をやるガーランド。
ガーランド「ヘレティス2!お前は始末する!いずれ我々の大きな壁として立ちはだかる前にな!」
十也「くっ!『ブラスト・リンカー』!」
鎧を纏う十也。
十也「グラニ!いくぞ!」
機械の馬に跨る十也。
トニー「私たちは周りの敵の相手を!」
ナル「そうだね」
メルト「やりましょう!」
結利「うん!」
にろく「相手はアサルト・シャドーの大将だ。気をつけろよ十也」
十也「あぁ!」
ガキン!
ガーランド「いい反応だな」
いつの間にか十也との間合いをつめ十也に手刀を浴びせるガーランド。それを十也はグラムで受けとめる。
十也「こいつ…早い!だけど!」
ガーランド「ぬっ!」
グラムの反重力装置の力でガーランドの力を押し返す十也。
十也「くらえ!」
グラムによる突きの一撃がガーランドに繰り出される。
ガーランド「遅い!」
グラムの剣先を掴もうとするガーランド。だが反重力装置の力によりガーランドの手はグラムを掴むことができない。
ザシュン!
ガーランド「なっ!」
アーヴァへイムの腹部に突き刺さるグラム。
十也「どうだ!」
ガーランド「浅い!この程度!」
ガッ!
グラムの柄の部分を掴むガーランド。
ガーランド「ふん!」
十也「うわっ!」
グラムごと吹き飛ばされる十也。
十也「グラニ!」
吹き飛ばされた十也を乗せるようにグラニが飛んでくる。
ガーランド「いい機械馬だな。だが時間もない。終わりにしてくれる!」
キュィン!
アーヴァへイムの目が怪しく光る。
ガーランド「MDS(マイクロ・ディメンジョン・シフト)システム起動!」
ヴン!ヴン!
アーヴァへイムが分身し増える。
十也「あのときの!」
ガーランド「ヘレティス2。お前を排除する!」
分身したアーヴァへイムが十也へと襲い来る。
ガキン!
その攻撃をグラムで受け止める十也。だがアーヴァへイムは一体だけではない。次々と遅い来るアーヴァヘイム。
十也「ぐっ!」
ガーランド「確実にしとめる!」
ガシン!
十也の両手両足を掴むように4体のアーヴァヘイムが動きを封じる。
十也「やばい!」
ガーランド「この一撃で!」
数体のアーヴァヘイムが一斉に抜き手を構える。
ガーランド「死ね!ヘレティス2!迅王手(じんおうしゅ)!!」
ザシュン!
何体もの抜き手が貫く。だがそれは十也の体ではなかった。
ウルズ「ぐっ!」
ウルズの両足が多数の抜き手により貫かれる。
十也「ウルズ!」
ウルズ「なんとか間に合ったな…」
その場に倒れるウルズ。
十也「大丈夫かよ!そんな体で!」
両腕を失い、いまの攻撃で両足に深刻なダメージを負ったウルズ。
ウルズ「大丈夫…といえばうそになるが。」
フリアーデス「ヘレティス1。ヘレティス2を庇い致命傷を負うなんてばかね」
屋上へと到着していたフリアーデス。
ガーランド「来たかフリアーデス。あとは…」
ゲイン「俺たちだろう」
ゲインとトゥアハ・デ・ダナンが裏口から屋上へと到着する。
ガーランド「これで役者はそろったな」
???「わたしたちも混ぜていただきたいですの」
白髪の少女が鎧人形たちを引き連れてその場に現れる。
ガーランド「招かれざる来訪者どもめ!ここで始末してくれる!」
ゴゴゴゴ!!
アーヴァヘイムの全身を覆うように怪しい光が包む。
ガーランド「リミット解除!コード・『轟塵(ごうじん)』!!」
ヒュン!
一瞬にして白髪の少女の前に移動するアーヴァヘイム。そのまま少女へと攻撃を仕掛ける。
ドン!
???「あら?」
ガーランドの攻撃は少女に直撃する。
ダーナ「あの壁をすり抜けれるというのですか…これがMDSシステム」
ガーランド「はぁぁ!!」
分身しながら攻撃を仕掛けるガーランド。
ドン!ドン!
???「うっ!」
少女にダメージが蓄積されていく。
ガーランド「地獄へ落ちよ!」
分身した無数のアーヴァヘイムが少女に対し抜き手を構える。
ザシュン!
無数のアーヴァヘイムの抜き手が少女の体を貫く。そしてアーヴァヘイムの分身は消え一体に戻る。
???「あっ…」
少女の体に無数の穴が開く。常人なら死亡するほどの。
ガーランド「終わりだな」
???「いいえ。まだですの」
抜き手により貫かれた少女の体の穴が塞がっていく。
ガーランド「なんだと!」
???「今度はこちらの番ですの」
長刀を構える少女。
???「今のは危なかったですの。でもいい攻撃でしたの。そしてこれはお返しですの」
ブン!
長刀をアーヴァヘイムに向けて投げつける少女。
ガーランド「そんなものあたらん!」
軽々避けるガーランド。
???「あら?でもこれはどうですの?」
少女の周辺に集まってくる鎧人形たち。それは姿を変え、長刀となる。少女を取り囲むように無数の長刀が並ぶ。
バシュン!
無数の長刀が一斉にアーヴァヘイムに向かって飛んでくる。
ガーランド「MDSシステム起動!」
ヴン!
分身しながら攻撃を避けるガーランド。ガーランドに当たらなかった無数の長刀は地面へと突き刺さる。
ガーランド「無駄だったな」
???「いいえ」
ギュルルル!
地面へと突き刺さった長刀たちが姿を変え、鎧人形となる。
ガッ!
鎧人形たちがアーヴァヘイムを捕まえる。
ガーランド「なんだと!」
???「これであなたは動けませんの」
ふわっ
宙に浮きゆっくりとガーランドの前に近づいてくる少女。そして長刀をその手に持つ。
???「おしまいですの」
フリアーデス「そうはさせないわ」
6本の可変式アームから粒子ブレードを展開し少女へと切りかかるフリアーデス。だがその攻撃は見えない壁に阻まれてしまう。
フリアーデス「くっ!」
???「結果は必然。変えれませんの」
長刀を天高く掲げ、そこから振り下ろす。
ブン!
ガガン!
???「あら?思ったよりも硬いですの」
長刀による一撃はアーヴァヘイムの頭部に損傷を与えたがそこで刃は止まった。
ガーランド「ふん!」
鎧人形たちを振りほどくガーランド。
ゲイン「大丈夫か?」
ガーランド「あぁ。だがアーヴァヘイムのMDSシステムに損傷だ」
フリアーデス「これ以上は厳しそうね」
ガーランド「やむを得まい」
シュウウン!
屋上に突如飛行戦艦が出現する。
十也「あれは!?」
ウルズ「
シュウの戦艦…ではなさそうだな」
ガーランド「各隊員は廃棄しろ」
フリアーデス「わかったわ」
ボン!
突如アサルト・シャドーの隊員たちが自爆し始める。
きゅっぱ「なにが…」
トニー「なんで自爆なんか…」
フリアーデス「彼らは人間じゃないのよ。私たちの造った任務を遂行するための人造人間。いくらでも代替が利くわ」
ナル「そんな…だからって」
ウルズ「自分たちの痕跡を残さないためか…だがお前たちの正体はわかったぞ!」
ガーランド「なに?」
ウルズ「お前たちはこの世界の人間じゃない!なんでここに来たんだ!」
ガーランド「ふん。いいだろう。ヘレティス1お前の言うとおりだ。我々はこことは別の世界でEGOに所属していた。そしてこの世界へと転移してきた」
にろく「十也やウルズのような平行世界から来たってことか…」
ウルズ「俺の予想が正しければアサルト・シャドーは俺たちがいた世界…そこから来たはずだ」
ガーランド「やはりヘレティスシリーズ。お前たちは我々のいた世界から来たのか…世界を超えてまで我々の邪魔をするか」
ウルズ「?お前たちと接点はないはずだ…何をいっている」
フリアーデス「おしゃべりはここまでね。準備ができたわ」
ガーランド「そうか。MDSシステム起動!」
バシュン!
アサルト・シャドーの面々とトゥアハ・デ・ダナン。そして先ほど現れた飛行戦艦が一瞬にしてその場から消える。
十也「逃げられたのか…?」
???「邪魔者は消えましたの。ではお兄様たち」
十也とウルズに近づいてくる白髪の少女。
ウルズ「お前も奴らアサルト・シャドーとこちら側に来たのか?」
???「何を言っているんですの?」
少女はウルズの質問の意味がわからないようだ。
ウルズ「お前が生きている自体が俺には信じられない。お前はあの時俺が…」
十也「そうか!思い出したぞ!」
白髪の少女。それは十也の記憶の片隅にいた。自分が元いた世界での記憶。そう彼女は…
十也「ヘレティス6(シックス)!」
ウルズ「十也も思い出したか…そうだこいつはヘレティス6。俺はティスシスと呼んでいた」
ティスシス「それがわたしの名前…ですの?」
少女は自信の名前すらわかっていないようだ。
ウルズ「だがこいつは俺が殺したはずだ。なんで生きている?」
ティスシス「私は…器(うつわ)ですの」
ウルズ「器だと?」
ティスシス「お兄様たちなら器として新たな生命になりえますの」
十也「なにを言っている?」
ティスシス「私と一緒に来ていただきますの」
ウルズ「わけのわからないことを!おまえについてなどいくか!」
ティスシス「なら力づくでも」
ナル「そうはさせないよ」
ティスシスの前にナルたちが立ちはだかる。
ティスシス「邪魔をしないでいただきたいですの」
にろく「そうはいかない」
ティスシス「そうですの…でしたら日を改めますの。今日は疲れましたの」
ギュィン!
空間が歪み姿を消すティスシスと鎧人形たち。
十也「アサルト・シャドーにヘレティス6。俺が元いた世界の奴ら…この世界で何がおきているんだ」
判明したアサルト・シャドーの正体。そしてレーヴェンズを率いる少女ヘレティス6。
平行世界からの使者たちがこの世界で行おうとしていることとは…
to be continued
最終更新:2017年12月31日 01:59