図書館での戦い!ナルVSダーナ!

ダーナ「どうです?」
ガーランド「これが力というものか。これならば奴らにも後れを取らんだろう」
ゲイン(この力でへレティスシリーズを…)
ダーナにより能力を発現したガーランド達。
ガーランド「フリアーデス。お前の得た力はどういうものだ?」
フリアーデス「まだわからないわ。うまく発動しないみたいね」
ダーナ「能力とは想いの力。すなわち個々人の願いや思いが具現化したもの。自身の願いに気づけねばそういうこともあるやもしれませんね(書物の受け売りですがね…)」
ガーランド「そうか。まぁいい。そのうち発現するだろう」
ダーナ(原理を理解してしまえば強制的に能力を発現することも可能でしたね。だが逆を言えばシャカイナ…その力はそれだけ強大なものだったということですか。死してなおこれだけの力をもたらすとは…それとも死んんだことで逆に力が強まったのでしょうか。いわゆる怨念…のようなものですか)
怨念。それは何かに対し執着することで生まれる。ダーナはその点に疑問を持つ。
ダーナ(だとすればその念は何のために?何に向けたものだったのでしょうか。そして人間に力を与えて何をするつもりだったのか…。今となってはまったくわからないことですがね)
いくら考えても答えが出ないことだ。無駄なことを考えるのをやめるダーナ
ダーナ「ガーランド」
ガーランド「なんだ?」
ダーナ「個人的に興味があり行ってみたいところがあるので少しここをでます」
ガーランド「こんな時にか?」
ダーナ「えぇ。近くまで送迎していただければあとは私一人で向かいます。ダグザたちはこちらに置いていきます」
ゲイン(監視のようなものか…)
ガーランド「いいだろう。力を与えてもらった礼だ。場所はどこだ?」
ダーナ「モゴラ大陸西部。メルディアシールへ」


~魔道都市メルディアシール~
ナルはとある場所へと向かっていた。
メルト「高鳴(ガオミン)さま!どこにいくんですか?」
とある事件によりメルディアシールへと戻ってきていたメルト。彼女はナルと行動を共にしていた。
ナル「あそこだよ」
ナルが指さす場所は図書館だ。
メルト「うっ…あそこですか」
先の事件によりそこにあまりいい思い出がないメルトは入りたがらない。
ナル「僕は調べ物をしてくるからメルトはここで待っていてくれ」
メルトを図書館の入り口に待たせナルは図書館へと入っていくのであった。


~魔道都市メルディアシール・ミスカトニック図書館~
魔道都市内に存在する巨大な図書館。そこで彼は書物に目を通す。
ナル「…」
真剣な面持ちでページをめくるナル。
ナル(この文献の通りなら…。でもそんなことがありえるのだろうか…)
ナルが手にしていたのは魔道の歴史について記述されている本だ。
ナル(まてよ。彼女はあれを持っている可能性が高い。もし彼女があれを持っているというのならそれも可能なのかもしれない。でもそうだとしてなんで今になって彼女が現れたんだ…)
文献に記された情報からは推測できることが限られている。
ナル(これ以上は直接彼女に聞いてみないとわからないな。僕の推測が正しければ彼女は…。)
自身の持つ白の魔導書を見つめるナル。だがその時あたりに違和感を感じる。
ナル「なんだ…」
異様に静かだ。図書館内にはたくさんの魔導士がいるのにまるで誰もいないかのように。
ナル「音が…しない?いやこれは…!」
自分以外の図書館内の魔導士たちの動きが止まっている。まるで石像のように。
???「魔道はこれほどまでに研究が進んでいるのですか。時代の流れは素晴らしいですね」
一人の女性が本を読んでいる。その女性は…
ナル「ダーナ!?なんでここに!」
ダーナ「あなたに用がありまして」
トゥアハ・デ・ダナンのリーダー、ダーナだ。彼女がナルの目の前にいる。彼女は読んでいた本を棚に戻す。
ナル「いったいお前がここに何の用だ!周りの魔導士たちに何をしたんだ!」
ダーナ「彼らに害はありませんよ。私がここに来た目的はあくまであなたですから。あなた原初の魔導書を持っていますね?」
ナル「原初のの魔導書…僕の推測は当たっていたみたいだね…やはりお前は!」
ダーナ「これだけの資料があるならば…」

シュン!

ナルの眼前からダーナが消える。
ダーナ「魔道の歴史ですか。なるほど」
ナルの背後でナルが先ほどまで読んでいた本を読んでいるダーナ
ダーナ「これでわたしのことを調べたのですか」
ナル「くっ!いつのまに!」
ミストラルシティでたたかった時と同じだ。瞬間移動。気づいたら奴は移動している。宝剣を構えるナル。
ナル「お前は…魔導士なのか?」
ダーナ「…そうですね。いまさら隠す必要もないですし。もうあなたは私の正体について見当がついているようですからね」
ナル「じゃあやっぱりお前は…」
ナルの中でダーナについての疑問がつながっていく。
ナル「黒の魔道でお前の仲間の魂を引きはがした後、再び魂を引きはがした奴らが現れた時におかしいとは思ったんだ…。魂を戻す。そんなことは普通の魔導士や能力者にはできない。生と死。生命をつかさどる魔道。黒の魔道は禁忌の魔道だ」
ダーナ「禁忌の魔道。人の命を介する黒の魔道は使用を禁じられた。ですがそれをあなたが使えるというのはなにやら特別なようですね。例えば…原初の魔導士の子孫であるとか?」
ナル「そのとおりだよ。僕は原初の魔導士の一人グレートノウムの孫だ」
ダーナ「ほぉ。原初の魔導書の一つ『虚無』の魔導書を造ったグレートノウムですか。でしたらあなたが持っているのは白の魔導書ということですね」
ナル「そいうことだね。僕のことは話したよ。次は君に質問に答えてもらうよ!」
ダーナ「その義務はありませんね」
そうダーナが言った直後。またあの現象が起きる。


ダーナ「シャボン玉に魔道術を仕込んだ罠ですか…」
ダーナがなにかに弾かれ後ずさっている。
ナル「また一瞬にして時間がすすんだ感じだ…。でもうまくいったみたいだね」
ダーナ「魔道による自動防御壁ですか。考えましたね」
ナル「おまえの力の正体はわからないがこれなら!」
ダーナ「甘く見られたものですね。この程度では…」
ナル「わかっているさ。だから!」
宝剣の剣先を地面に向けるナル。

ブォン!

地面に魔法陣が浮びあがる。
ナル「これで!」
魔法陣に対し宝剣を突き刺そうとするナル。
ダーナ「させませんよ」



次の瞬間ダーナは体を押さえていた。
ダーナ「な、なに…」
ナル「また意識が飛んだね。でも予想通りだ」
地面の魔法陣は消えている。
ダーナ「今のは…」
ナル「この魔法陣は伝達魔道だ。通信連絡用のね。そしてあなたがダメージを受けているということは彼女の攻撃が成功したということだ」
ダーナ「彼女だと?」
ナル「そうさ。図書館の外に待機させておいたメルトに攻撃魔道を打たせた。それがあなたに当たったのだろう」
ダーナ「まさか…私の力を見破ったとでもいうのか?」
ナル「正確にはわからなかったさ。でもあなたの力に範囲があるのではないかと予想した。そうしたら予想の通りだったというわけだ。この図書館外にはあなたの力は及んでいないみたいだね」
だがメルトは今頃図書館の外で急に魔道を使ったおかしな奴として取り押さえられているだろう。それはあとで助けに行くとして。
ダーナ「だが力の範囲が分かったとして…」
ナル「そうだね。でも今のであなたの力を確信した」
ダーナ「なんだと?」
ナルの能力『マスタープルーフ』。それは結果を導く。今までの状況からしてダーナの力を推測するナル。
ナル「度々飛ぶ意識…最初は時を止めているんじゃないかと思ったよ。でも魔道の力でそんな人知を超えることができるとは思えない。でもここで戦っているときに気づいたんだ」
図書館内の時計を指さすナル。
ナル「僕の意識が飛んでいるときにも時計の針は進んでいる」
時を止めているなら時計の針も進まないはずである。だが意識が飛んで戻った後、時計の時間は進んでいた。
ナル「これが示すのはつまり!」

ビシッ!

ダーナに対し宝剣の剣先を向けるナル。
ナル「あなたの力は僕たち人に対して作用している。僕たち人間の意識を止めていたんだ!一定範囲内の人間の意識を止める。それがあなたの力だ!」
ダーナ「さすがは博識と謳われたグレートノウムの孫といったところですか。その通りです。私の生み出した魔道は一定範囲内の人間の意識を止める。距離が遠ければ遠いほど有効時間は長い」
ナル「だから図書館の魔導士たちは石像のように固まっているんだな」
ダーナ「ですがわかったところで対処できなければ意味がない。無駄なことです」
ナル「それはどうかな?至処里来(ダオジーリーライ)・聚合(ジューヘイ)!」

バシュン!

図書館内の魔導士が全員ナルのそばへと集まる。そして魔導士たちは意識が戻り我に返る。
魔導士A「高鳴(ガオミン)さん!何が…」
ナル「説明する時間はない。これで…意識共有(イーシーフェンシャン)!」

キュィン!

ダーナ「なんだ?」
魔導士B「なるほど…」
魔導士C「そういうことですか」
魔導士たちは瞬時に状況を理解する。
ナル「みんなに僕の記憶を数分前からつなげた。これでみんなに説明する必要もないね」
魔導士たちはそれぞれに武器を取りダーナへと構える。ダーナの前には数十人はいようかという魔導士たちが立ちはだかる。
ナル「さぁどうだ?」
ダーナ「これだけの数の魔導士を相手にするのはさすがに不利ですね。少々あなたがたの力を甘く見ていたようです」
ナル「捕らえる前に1つ聞いておく。お前は原初の魔導士なのか?」
ダーナ「それは確認する必要がありますかね?」
ナル「原初の魔導士。それは7つの魔導書を作り上げた7人の魔導士。その中に黒の魔道を極めたとされる女性の魔導士がいた」
ダーナ「…」
ダーナはナルの話をおとなしく聞いている。
ナル「だが黒の魔道は生命を操る魔道だった。その力の危険性を重くみた魔導士たちは黒の魔道の使用を禁じた。だがその女性魔導士はそれに反対した」
ダーナ「その結果、その魔導士は追放された」
ナル「…やはりあなたが」
ダーナ「そう。あなたの考えている通りです。私は原初の魔導士の1人」
魔導士A「原初の魔導士だって!?」
魔導士B「そんな…それにしては若すぎる…」
ナル「黒の魔道の力か」
ダーナ「えぇ。そうです。肉体は器に過ぎない。魂こそが自身をなすのです」
ナル「肉体を乗り換え、魂を定着させているのか!」
ダーナ「そういうことです。おしゃべりがすぎましたね。今日は引きあげます」
ナル「逃げる気か?」
ダーナ「原初の魔導士の力を甘く見すぎでは?次に会うときはあなたの原書をいただきます」
ナル「待て噶玛达娜!」

シュン!

ナル「ダーナがいない!」
時計を確認するナル。
ナル「時間が進んでいる…やられた」
ダーナに逃げられてしまった。だが得るものもあった。
ナル(ダーナの正体は原初の魔導士だった。黒の魔道を生み出した彼女ならあれを持っているはず…必ず彼女からあれを手に入れなければ…)

原初の魔導士の1人が生きていたという事実にメルディアシールでは大混乱が起きる。しかもそれは禁忌の魔道を扱う魔導士。
この事態にメルディアシールはダーナ率いるトゥアハ・デ・ダナン討伐に向け大きく動き出す。


~アサルト・シャドー飛行戦艦内部~
ダーナ「魔導士たちがあれほどの力をつけているとは誤算でしたね」
ダグザ「どうするんだ?」
ダーナ「MDSシステムが見つからない以上、私もそろそろ全力で行く必要がありますね」
ダグザ「とうとうやるか」
ダーナ「えぇ。黒の魔導書の力を戻しましょう」

to be continued

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最終更新:2018年01月07日 22:01