『鏡の館の怪異』

鏡の中は本来現実世界に追従するだけの世界。その世界で自我はなく、ただただ連れ立って動くのみ。
能力発現者の美羅は死の際、鏡に向かって手を伸ばした。その鏡が呪われた鏡とも知らずに。
その後彼女は鏡の中に閉じ込められてしまう。食べ物は必要としない。そのかわり人の魂を欲する。特に鏡文字の人物を…
喫茶かざぐるまの元へ『自然に囲まれた静かな屋敷に宿泊した客が消失する』というタレコミがあった。
それには屋敷の名前、場所と電話番号が書かれているのみで差出人などは不明。
  • 屋敷『美羅の館』
山奥の僻地にあり敷地内に咲く大量の美しい花(不知火の花)を一年中見ることが出来る屋敷。知名度は低く地元の人間でも一部しか知らない。
主人は客人をもてなすこと大の趣味であらゆる人間を招待しているらしい。
◆導入
その日、PLは周囲に咲く美しい白い花に感動しながら屋敷の荘厳な扉を開く。時刻は朝。
(屋敷へは車などで移動。描写としては、麓からはとても徒歩ではたどり着けない様な距離)
屋敷は三階建ての木造の建物で築数十年は経過している様に見える。
玄関から中に入ると石造りの土間の先に木造の床が続いていて壁際に下駄箱がある。
下駄箱は全部で九つ。ネームプレートのような所にPLの名前が書かれたものと、もう一つ”タナカサチ様”と書かれているものがあり、それ以外は空白となっている。
下駄箱の中は広く複数の靴を収納できる作りで、扉の内側に”101号室”と書かれたタグが付いた鍵が掛けられていた。
扉の外側には鍵穴が付いていて中に入っている鍵でロックすることが出来る。
{タナカサチの下駄箱には鍵が掛けられていて開かない。それ以外は開き中に鍵が入っている}
★扉に部屋番号は書かれていないが消去法でタナカサチは303号室だと分かる。
★この時点で他の部屋の鍵も入手することが可能
以降PLは自由行動。(普通は部屋に行く)どの部屋に入ってもデスクの上にメモが置いてある。
一日に朝、昼、夜の三回行動出来る。寝ない宣言などにより午前0時まで起きていると特殊時間(鏡面世界)帯になりさらに三回行動できる。その後、就寝か一回行動するかを選択できる。
朝→昼→夜→(寝ない場合:特殊1、2、3→深夜)→朝→昼…
夜以降は月明りのみで薄暗いため調査に-補正。光源使用宣言で補正無し。
ただし特殊時間はライトなどを「点ける」ことは出来ない。
朝、昼、夜行動前に食堂に行って料理を食べるかどうかをPLに尋ねる(行動回数は消費しない)
料理を食べない場合、どこにいても『食堂の方からとても食欲をそそる匂いが漂ってくる。PLはPOWに成功しないと誘惑に負けて料理を食べてしまう。食べなければ空腹の影響で能力値にマイナス補正がかかるかもしれない』といった表現でKPはPLに食事するように促す。
どうしても食べない場合、抵抗ロールの成功値を下げていく。食事をせずに旅館から帰った場合はシナリオ終了で。それだと面白くないので魅了効果の影響など適当な理由で無理やり食べさせるのもあり。一度食べれば十分。何度食べてもPLに(種寄生以外の)デメリットは無い。
PLが所持しているスマホや時計などの日付表示は”訪問した日”以降進まないようにする。

〇マップ
≪一階≫ Urd ウルド【過去】
  • 玄関外敷地
  • 玄関(下駄箱)
  • 大浴場
  • 101客室
  • 102客室
  • 103客室
  • ↑階段
≪二階≫ Verdandi ヴェルダンディ【現在】
  • ↓階段
  • 食事室
  • 調理室
  • 201客室
  • 202客室
  • 203客室
  • ↑階段
≪三階≫ Sculd スクルド【未来】
  • ↓階段
  • 301客室
  • 302客室
  • 303客室
  • 倉庫
  • 書斎
【シナリオ内日数イベント簡易表】
  • 過去四日目
ティンダロスの猟犬に襲撃される。ロストエンド。
  • 過去三日目
過去移動就寝前にティンダロスの猟犬の気配を感じる(警告)
203号室に正気を失っているタナカマコトが存在している
タナカマコトのノートを読める
  • 過去二日目
203号室にタナカマコトの死体がある。
タナカマコトのノートを読める
  • 過去一日目
203号室に肉片がある。
  • シナリオ開始日(一日目)
303号室にタナカサチが宿泊している。
203号室に血痕がある。
  • 未来二日目
303号室にタナカサチが宿泊している。
特殊時間内にタナカサチがいる。
  • 未来三日目
203号室にタナカサチが宿泊していて、不知火の種嘔吐イベントが発生する。
未来移動就寝前にティンダロスの猟犬の気配を感じる(警告)
  • 未来四日目
ティンダロスの猟犬に襲撃される。ロストエンド。
【一階の部屋・共通】
過去に移動する部屋
ベッド、デスク、クローゼット、大きな古時計があり壁には絵が飾られている。
絵に関して素人が描いたような不出来なもので、腰が曲がり杖を突いている女性が描かれている。
絵の裏には英語で文字が書かれている。妄想成功か時女神の書籍を見た後なら読める
Urd / itsuya IKUHABA
デスクの上には一枚のメモが置いてある『ご宿泊ありがとうございます。当旅館が誇る美しい自然の景色と料理をご堪能ください。尚、朝食7時・昼食13時・夕食18時の時間に二階食堂にてご用意しております。冷めないよう上記の時間にお越しいただきますようお願いします』
メモの裏には館の内部図が書かれている(PLに旅館マップ情報開示)
【二階の部屋・共通】
時間移動しない部屋
ベッド、デスク、クローゼットがあり壁にはアナログ時計と絵が飾られている。
絵に関してまぁまぁ上手かろうという程度で、特に特徴のない女性が描かれている。
絵の裏には英語で文字が書かれている。妄想成功か時女神の書籍を見た後なら読める
Verdandi / itsuya IKUHABA
デスクの上には一枚のメモが置いてある『ご宿泊ありがとうございます。当旅館が誇る美しい自然の景色と料理をご堪能ください。尚、朝食7時・昼食13時・夕食18時の時間に二階食堂にてご用意しております。冷めないよう上記の時間にお越しいただきますようお願いします』
メモの裏には館の内部図が書かれている(PLに旅館マップ情報開示)
【三階の部屋・共通】
未来に移動する部屋
ベッド、デスク、クローゼットがあり壁には絵が飾られている。デスクの上にデジタル時計がある
絵に関しては目を離せなくなるほどの魅力的なもので、小さな女の子が描かれている。
絵の裏には英語で文字が書かれている。妄想成功か時女神の書籍を見た後なら読める
Sculd / itsuya IKUHABA
デスクの上には一枚のメモが置いてある『ご宿泊ありがとうございます。当旅館が誇る美しい自然の景色と料理をご堪能ください。尚、朝食7時・昼食13時・夕食18時の時間に二階食堂にてご用意しております。冷めないよう上記の時間にお越しいただきますようお願いします』
メモの裏には館の内部図が書かれている(PLに旅館マップ情報開示)
【玄関】
1日目昼【タナカサチとの出会い①】発生
下駄箱があり各部屋の鍵を入手できる
【大浴場】
男女分かれている浴場
【101号室】
PLが最初に泊まる部屋
【102号室】
PLが最初に泊まる予備部屋(どうしても分かれて宿泊したいPLがいた場合の予備)
【103号室】
特になし
【201号室】
時間移動したPLが目覚める部屋
【202号室】
時間移動したPLが目覚める予備部屋

【203号室】
  • 過去三日目【過去の犠牲者③】発生
瀕死のタナカマコトと出会う。正気を失っていて会話をすることが出来ない。
『喰われる、喰われる』と体を震わせながら呟き続けている。
  • 過去二日目【過去の犠牲者②】【まさかこんなところで】発生
タナカマコトの死体を発見する。目星で体の内側を何かが這いずっているのに気づく。
タナカマコトの日記を読むことが出来る。
この部屋で寝ると花に捕食される
  • 過去一日目【過去の犠牲者①】【まさかこんなところで】発生
死亡したタナカマコトが不知火の花に捕食されている。
タナカマコトの日記があるが血塗れで読むことが出来ない。
この部屋で寝ると雛に捕食される
  • シナリオ開始日(一日目)
鍵がかかっている。玄関にある鍵を使用することで解錠できる。
床を目星、または過去で肉片を見ている場合うっすらと血痕を発見できる。
  • 未来二日目
特になし。血痕は消えている。
  • 未来三日目
【タナカサチとの出会い④】発生
【食堂】
1日目食事時間【タナカサチとの出会い①】発生
数人が座れるテーブルが複数置かれた部屋
奥に扉があり調理室に続いている。
食事時間にその場所にいると目の前にいきなり料理が現れる。
【調理室】
調理器具(鍋)や冷蔵庫がある
冷蔵庫には普段見慣れた食材のほかに不知火の種がある。
袋に入れられた得体のしれない複数の小さな種を見つける。
それはよく見ると脈動していてとても気味が悪い。
鍋の中には種を煮込んだ料理が入っている。
妄想成功で旅館の食事にこのようなものが入っていたことを思い出す
袋を開けるとPLに反応した複数の(1d10)不知火の種が襲い掛かってくる。
鏡面世界では肉塊は脈動していない。袋を開けても反応しない。
【301号室】
特になし
【302号室】
鏡面世界で動き続けているデジタル時計がある。
壊せば中から書斎の鍵を入手できる。 
【303号室】
1日目朝【タナカサチとの出会い①】発生
2日目昼・夜【タナカサチとの出会い②】発生
2日目特殊時間【タナカサチとの出会い③】発生
3日目【タナカサチとの出会い④】発生
【倉庫】
本棚や金槌、鋸などの工具類が置いてある。
工具類はデジタル時計を壊すときに使用する。
本棚には北欧神話:時女神に関しての書籍とミラーワールドに関する書物、植物図鑑がある。
◆北欧神話:時女神に関しての書籍
Verdandi ヴェルダンディ【現在】
Sculd スクルド【未来】
Urd ウルド【過去】
ノルン三姉妹について書かれている。概要省略。
読み終わると本から一枚のメモが落ちてくる
『止まるんじゃねぇぞ。俺は止まんねぇからよ。お前らが止まんねぇ限り、その中に俺はいるぞ』
裏を見ると『俺は止まんねぇからよ』『その中に俺はいるぞ』の文字がはっきりと写っている。
【さらに】
この屋敷はおかしい。夜中を過ぎるとある時計だけが時を刻み続けている。
◆ ミラーワールドに関する書物
この世界には鏡面世界が存在し、鏡の中にはもう一人の自分が存在している。
しかし鏡面世界の彼らには自我が存在していない。我々の動きに追従するだけなのだ。しかし、稀に、我々と鏡面世界の住人が入れ替わる事象が生じることがある。現実世界に現れた鏡面世界の住人は、やはり自我がないため、鏡面世界に迷い込んだ我々と同じ動きをするだろう。厄介なのはそのまま死んだ場合だ。鏡面世界の住人は現実世界の我々が死ぬと消えるのだが、入れ替わり状態の際にはこの世界に残存する。そして純然たる悪意に染まった自我を持つのだ!なんたる脅威!だが安心してくれ、残存した彼はあれがないと長くはいきていられない!そうあの…
続きは乱暴に切り取られている。
さらに調査→帯に「あなたの周りにいませんか?突然悪意に染まった誰かが!」と書いてあるのがわかる。
◆植物図鑑
不知火の花は本来赤い花であることがわかる(彼岸花のような)。
しかし怪異が存在する白く変色するのだとか。と手書きで書き足されている。
◆時をかける少女の考察
角度が大事。1日はひとつじゃない。
【帯】
この屋敷はおかしい。一回で寝ると、私の腕時計の日付か前日になった。三階で寝ると腕時計の日付は翌日となった。二階で寝ると日付は変わらなかった。それから夜通し二回で過ごしてみたら、目眩に襲われ時計が完全に壊れてしまった。
【書斎】
1日目夜【タナカサチとの出会い①】
鍵がかかっていて入れない。書斎の鍵を使うと入ることが出来る。【エンディングへ】発生
扉は鍵を使う以外では何をやっても開けることはできない。
〇イベント発生
【時間移動】
★発生条件:二階層以外の部屋で宿泊した翌日
起床し部屋の内装、または出た際に寝る前と宿泊した部屋、階層が違っていることに気付く。
目が覚めたPLは妄想成功で、違和感に気付く。『ベッドの感触、同行人、自分の荷物、寝る前と同じ状態であるのに何かが違うような違和感がある』
部屋を目星または時計や絵を宣言によりそれらが寝る前とは変わっていることに気付く。
部屋を出たPLは(目的地が食事室なら)しばらく廊下を歩いた後ハッと気が付く。
食事室はもう目の前にあることに。
【不知火の開花】
★発生条件:一日経過
睡眠中であれば悪夢を見る。体力‐1
起きているなら体の中を何か別の生き物が蠢いている不快な感覚に襲われる。体力‐1不知火の花による体力の消費は雛を駆除するまで回復することが出来ない。
【過去の犠牲者①】
★発生条件:過去一日目203号室部屋の前を通る(強制聞き耳)
『グチュ、グチュ』という音が聞こえる。それは203号室の中から聞こえる。
203号室で何かの肉片(たなかまこと)を見つける。妄想成功で人間の肉だと判別できる、調査で腐っていないことに気付く。
目星で肉片の周辺に何かが這いずったような跡が複数あることに気付く。
血だまりの中にノートのようなものを発見するが、血まみれで書かれている内容は判別できない。
【過去の犠牲者②】
★発生条件:過去二日目203号室に入る
ベッドの横に人が倒れているのを発見する。
死んでいるのを確認する
死体を目星、医学などで詳しく調べようとすると皮膚の内側を何かが這いずっている事に気付く
死体のそばにノートを発見する。中を見ると日記のようだ。
『この屋敷に来て正解だった。仕事で疲れた体が癒されていくようだ。たっぷりと休みは取って来たし、思い切って携帯電話の電源も切り仕事の事は忘れてのんびりしよう』
『今日は恥ずかしい思いをした。宿泊している部屋を間違えて他の客の部屋に入ってしまった。まさか三階と二階を間違えるなんて。しかしあの部屋の客、やけに顔色が悪かったな。やはりこの屋敷は疲れた人間がよく利用するんだろうか』
『さすがに景色にも見飽きてきたし、料理も毎回同じような肉を出されて飽きてきた。予定より早く帰ろうかと思い家内に迎えを頼もうとしたが、そういえばここ圏外だったな。どうしたものか』
『今日は何日だったろうか?数日間圏外の場所で電源を切っていたせいか、携帯電話の時計が狂ってしまったようだ。日付が進まない。こんなことなら腕時計をしておくんだったな』
『必要になるまで気にしなかったが、今までここで働いている人間を見たことが無い。屋敷の使用人に車で麓まで送ってもらおうと思ったがなかなか会うことが出来ない』
『どうなっているんだこの屋敷は。一日中使用人を探しても会うことが出来ないなんて。食事は毎回時間通り出て来るのに調理室はいつも無人。気が付いたら目の前に料理が並んでいる。私は夢でも見ているのか?』
『何日この屋敷にいるのか分からなくなってきた。そろそろ頼んでいた迎えが来てもいい頃だ。足が悪い私は車でもないとこの山の中から帰れないのに』
『だめだ。不安のせいか寝るたびに恐ろしい夢を見てしまう。誰でもいいからはやく来てくれ』
『寝るのが怖くてずっと起きていると、一日がとても長く感じる。夜とはこんなにも長かったのか』
『はやく、明日に。あしたになれば迎えが』
『だめだ、もう、ねないと、ねむい、ねたくない、こわい』
捜せばタナカマコトが所持していた携帯電話を発見できるが、壊れていて起動しない。
【過去の犠牲者③】
★発生条件:過去三日目203号室に入る
ベッドの側で俯き体を抱えて座っている人がいる。
近づいてもPLには反応せず体を震わせながらブツブツと何かをつぶやき続けている。
妄想では完全に正気を失っている状態であることが分かる。
調査では体力が極限まで下がっていて非常に危険な状態であると分かる。
近くにノートがあり読むことが出来る。
【まさかこんなところで】
★発生条件:過去1・2日目の203号室で寝る
寝ている間に、タナカマコトから開花した不知火の花に寄生される(ロスト)
【開花(自分)】
★発生条件:PLの体力が0になった時点で発生。
『体の中で蠢いていた感覚が突如、まるで皮膚の下を激しく根が蠢くよう様な強烈な不快感に変わったかと思うと体のあちこちから皮膚を食い破り白い花の様な何かが飛び出してくる。激痛に倒れ伏したあなたは見てしまう。食い破られた皮膚から見える自分の中にそれらが大量に存在し、今もまさに血肉を吸い取りその花を凛とさせる様子を。もう助からない。あなたは理解した瞬間意識を失った。』 ロストエンド
【開花(他人)】
★発生条件:自分以外のPLまたはNPCの体力が0になった時点で発生。
『突如、PLが悲鳴を上げ、その身のものと思われる血を撒き散らしながら倒れた。
何が起こったのか理解できずにいたあなたはやがて気付いてしまう。PLの体から
白い花の様な何かが肉を食い破り飛び出してきていることを。そして傷口の中には大量の同じものと思われる花がウネウネと蠢きながら頭を覗かせている。PLが喰われている。そう理解した時にはもはや生きているような気配は無く、ただそこに肉片があるだけだった。』
開花した不知火の花はPLを気にせずに食事し続ける。成長がが終わるとどこかへ立ち去っていく(屋敷周辺に定住する)。攻撃した場合、何匹か(1d100)が反撃してくる。
不知火の花の戦闘ステータス
HP3 SIZE1
【ティンダロスの猟犬】
★発生条件:過去四日目、未来四日目に到達する
部屋で寝ていた場合、PLはとてつもない悪臭を感じ目を覚ます。
元を辿ろうと部屋の中を見渡すと、辺りは青い霧のようなものに包まれていた。
部屋の隅の方に一際濃い霧と、おそらくそこから発せられているだろう悪臭に気が付く。そこに何かの影が見え、目を凝らそうとした瞬間、そこにいた何かが自分の顔に向かって跳びかかってきた。PLは反応する暇もなく意識を失ってしまう。ロストエンド
【ティンダロスの猟犬(警告)】
★発生条件:過去三日目、未来三日目にそれ以上先の時間に移動しようとする
寝ようとすると、この世のモノとは思えない不快な臭いを感じた気がした。
【タナカサチとの出会い①】
★発生条件:一日目タナカサチと出会う
食事時間であれば食堂。朝は303号室。昼は玄関外敷地。夜は書斎前にいる。
『こんにちは。私は新聞記者のタナカサチと言います』
『数日前からこの屋敷に滞在している夫を迎えにきました』
『でも探しても夫がどこにもいないんですよねぇ。困りました』
書斎前:書斎の扉に聞き耳を立てているタナカサチがいる
『…屋敷の方を探してるんですけど誰一人見てないんです。客室以外は見て回ったんですけどね。後はここぐらいなんですけど、ノックしても反応ないし、鍵がかかってて開きません。でも、何か物音はするんですよ』
PLにとって何回目の接触であっても一日目であればこのイベントが発生する
PLが書斎に調査すると、かすかに何かの音が聞こえる(クリティカルなら人の声)
【タナカサチとの出会い②】
★発生条件:未来二日目タナカサチと出会う
食事時間であれば食堂。朝は203号室。それ以外は303号室でイベント。
『こんにちは。昨日は結局誰にも会えませんでしたよ。とりあえず、今日もう一日探してみて居ないようであれば一度帰ろうと思います』
『そういえば、不思議な事がありまして』
『私昨日は303号室で寝たはずなんですが、起きたら203号室にいたんです。手持ちの鍵も203号室のものに変わっていて。さっき玄関でもう一度303号室の鍵を借りて部屋を調べてみたらやっぱり中の絵とか時計とかが昨日と同じもので今日の203号室とは違いました』
『何が起こったのかよく分からないんですが、他にお客さんもいないようですし今日はもう一度303号室で寝てみようと思います。203号室の鍵は下駄箱に戻してネームプレートも差し替えておきました。勝手なことしてますけど、やっぱり気になるじゃないですか』
『寝てる間に誰かが私と私の荷物を移動させた・・・なんて有り得ないと思いますが、一応警戒して今日はちょっと夜更かししてみようかな、なんて。』
PLに対し警戒はしていないが、姿を見せない屋敷の人間の事は怪しんでいる。
朝のみ203号室から303号室に荷物を運んでいる祢子と出会う。
【タナカサチとの出会い③】
★発生条件:未来二日目特殊時間内でタナカサチと出会う
基本的に303号室にいる。
『いったいどうなっているんでしょうか?部屋でスマホを弄っていたら急に何の反応もしなくなって、パソコンも起動しない。部屋にあるデジタル時計も止まってるし。電磁波か何かで電子機器が壊れたのかと思ったんですが、隣の部屋を見たら何もおかしなところは無かったので、やはりこの部屋に何かあるのかもしれません』
PLが部屋を調べようとすると
『調べるのは構いませんが、私の私物には触らないようにしてください』
『隣の部屋の鍵は私が持っています。必要ならどうぞ』
祢子の腕時計はデジタル表示。特殊時間中は動いていない。
※隣の部屋を見たら何もおかしなところは無かった→タナカサチは時間停止に気付いていない為隣の部屋のデジタル時計は動いているのが当たり前だと思っている。他の部屋は見ていない。
【タナカサチとの出会い④】
★発生条件:未来三日目203号室でタナカサチと会う
体調不良を訴えていて1日中部屋にいる。部屋を訪ねると話を聞ける。
朝・昼『また気が付いたらこの部屋にいるし、もうわけがわからない』
『なんだか気分が悪くて、体を動かすのがつらいのでしばらくこの部屋で休もうと思います』
『とりあえず手持ちの携帯薬で効きそうなやつを飲んでみました。この状態で山道を運転するのは危ないので明日まで帰るのは様子を見ます』
体調不良について詳しく『内臓をかき回されるような不快感・全身のだるさ』
夜のみ、苦しそうな表情で話していたタナカサチが当然嘔吐し始める。吐しゃ物には花の根の様な何かがウネウネと蠢いていて、それは間違いなくタナカサチの口から吐き出されたものだと分かる。
タナカサチは悲鳴を上げて気を失ってしまう。
出てきた根っこはしばらく動いた後、人気のないところに向かって去っていく。
襲い掛かっては来ないが、攻撃すると倒せる(特に意味は無い)
【鏡面世界】
★発生条件:夜になっても寝ないと宣言した場合
三階層以外の部屋では時計の音、部屋の外や三階層の部屋では虫の声など0時丁度になると環境音が一切しなくなり無音状態になる。
そして世界の左右が全て逆転する。
部屋の中(1、2階層)『外から聞こえていた虫の声や風の音、時計の針が動く音が突然聞こえなくなった。時計を見てみると秒針も、おそらく長針も0時丁度で停止している。
スマホは画面が消えている場合は点かない。付いている場合は画面が固まったまま動かない。
以降、PLが触れば動くものはあるが水道や電気などは使えなくなる。
特殊時間として3回まで行動できる
特殊時間中は旅館の外に出ることが出来ない。旅館全体が時間の狭間に閉じ込められているため、無理に出ようとすると不知火の花らに寄生される。(ロスト)
【動き始める世界】
★発生条件:特殊時間行動終了後
PLが何をしていたとしても瞬間的に目の前の景色が変わり、午前0時にいた場所へと戻っているこのタイミングで時間移動が発生する。
未来か過去の部屋にいた場合は現在の部屋(201号室)に移動している。
左右逆転が元に戻る。
【止まんねぇからよ】
★発生条件:302号室のデジタル時計を調べる。
この時計に表示されている時間は進んでいる。
特殊時間は夜中0時(デジタル表示上は12:00)から12時間後の0時(これも表示上は12:00)
特殊時間中の探索回数に応じて時間を進ませて情報を教える。
この時計にはAMやPMなどの表示は無い
時計を持って振るなどすると、内部に何か異物が入っている事が分かる。
耐久値(3)を削りきると中の書斎の鍵を手に入れることが出来る。
【エンディングへ】
★発生条件:書斎の鍵を使用し部屋に入る
部屋の中には奥の壁際に横長のデスクがあり、その前に椅子に座った人の姿が見える。
左右には本が隙間なく並べられた本棚がある。
PLが声をかけるか進もうとすると座っていたものは立ち上がり、こちらにゆっくりと振り向く。
振り返った人物の姿は、まるで10代の少女の様な幼さでありながらも異様な、異質な雰囲気をしていた。
妄想成功でPLは直感的に理解してしまう。これは人ではない何かだと。
『お客様、申し訳ありませんがここは立ち入りをご遠慮ください』
そう言って部屋から出るように促してくる。
時間移動、鏡面世界、不知火の花、自分の正体などそれっぽいキーワード※1を含み問いかけると
『なるほど。気付いてしまわれたのですね。それでここに来たと』
少女は一瞬考える動作をしたのち本棚から一冊の本を抜き取り、PLへ向き直ります。
『ここまで来た褒美だ。その体に巣食う異形を取り払ってやる。それがすんだら旅館から立ち去るがいい。なかなか楽しませてもらった』
そういった後、手に持った本を開き言葉とは違う何かをつぶやき始めます。
少女が”不知火の花の駆除”をPLに詠唱
しばらくおとなしく待っていると少女は本を閉じ『お疲れ様でしたお客様。お帰りはこちらです』
と言って部屋の出口から屋敷の玄関へとPLを促しながら先導していきます。※2
その時、デスクの側に大きな姿見の鏡があることに気づく。
さらによく見ると少女の姿のみ映っていないことがわかる。(彼女は鏡面世界の住人)
鏡を壊そうとすると少女は庇うように妨害しようとする。
少女(嘉神美羅) hp15 size2
スキル①2/6鏡面仕上げ:相手のダイス二つを自分のといっしょにする
スキル②5/12鏡面結晶:自分が受けるダメージは代わりに相手が受ける
鏡を破壊すると少女の魂は浄化される。
※1 キーワードを言わない場合、不思議な力で部屋の外へと押し出される。
少女の詠唱を攻撃行為だと思うPLもいるかもしれない。その場合は少女と戦闘。
少女の持っていた本を調べると”不知火の花の駆除”するための呪文を【魔導】なら覚えることが出来る。
鏡を破壊せずに旅館から出た場合【エンディング(生還)】発生
鏡を破壊して少女の魂を浄化した場合【エンディング(浄化)】発生
※2 少女に促されるまま旅館を出た場合玄関の扉は固く閉ざされ中に戻ることはできない
【エンディング(生還)】
★発生条件:寄生している不知火の花を駆除し旅館から脱出する
いつもの日常に戻れます。不知火の花を掻き分けながら進む。
旅館の外に出て車でしばらく走っているとやがて電波を受信できるところまで来ていた。スマホの日付を見てみると、それは屋敷を訪れた日付になっていた。
あの屋敷で確かに過ごした数日間は何だったのか。PLはもはや知ることは無い。
【エンディング(浄化)】
★発生条件:悪魔の鏡を破壊し寄生している不知火の花を駆除し旅館から脱出する
生還ルートとの違いは、少女の魂を浄化すること。不知火の花が枯れ落ちていくことに気づく。
後日屋敷の使用人(鏡面世界に囚われていた)からPLへお礼と事情を教えてもらえる
少女の祖父である先代の主人が無くなり、旅館を受け継ぐことになった。
祖父は骨董品集めが趣味で悪魔の鏡も祖父が手に入れたもの。
ある日流行り病に倒れそのまま死んでしまった。
死に際彼女は悪魔の鏡に手を伸ばし「生きたい」と願ってしまう。
悪魔の鏡はその願いを受け入れ彼女の魂を鏡面世界に引き込んだのだ。
鏡面世界に住まうものとなった少女は、使用人達も同じように鏡面世界に引き込み(その体ごと)、現実世界では目に見えない使用人として動くこととなった。
アイラッド村のそばにあったことが遠い要因となり屋敷内の時間がループするようになった。詳細は謎。
鏡が無くなった屋敷は次の主人を待つこととなった。
補足
※屋敷内と外の時間
過去や未来に変わっているのは屋敷内だけで外に出ると現実時間に戻ります。
例えば未来のタナカサチを屋敷の外に連れ出した場合その時間にはそこに存在していないので消失します。
※特殊時間中に書斎突入
時間停止中でも少女は動いていて会話もできます。
『なかなか楽しませてもらった』のタイミングで時間停止解除。

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最終更新:2018年01月11日 22:42