山林の戦い!トニーVSヌアザ!

~アイラッド村へと続く山・入口~
十也「ここか…」
山の麓に到着する十也たち。そこには2人の人影が見える。
ウルズ「十也。来たか」
昴「全員そろったんだね」
それはウルズと昴の2人だ。
十也「ウルズ!と昴!本当にもとに戻ったんだんな。良かった」
ネオにより精神が破壊された状態の昴が正常に戻っているのをこうして実際にみることができ、安堵する十也たち。
昴「改めてあいさつさせてもらうよ。私は葵夜昴。こうしてまともな状態でみんなに会うのは初めてだね」
スライ「良かったな。でもなんで精神状態が回復したんだ?」
昴「それは…アサルト・シャドーのフリアーデスが治してくれた」
にろく「アサルト・シャドーが…なぜ奴らが…」
敵であるアサルト・シャドーが昴を回復させ何かしらのメリットがあるのだろうか。
昴「多分フリアーデスの独断だと思う。だからこそ私はあいつの真意が知りたい。なんでわざわざ私を治すようなことをしたのか」
ウルズ「そのことについてはひとまず置いておこう。今はこの山を抜け、アサルト・シャドーとトゥアハ・デ・ダナンを倒のが先だ」
ナル「そうだね。ウルズ、昴。先行して偵察した感じ、なにかつかめたかい?」
ウルズ「あぁ。奴らアサルト・シャドーの隊員たちを山の中に配備していやがる。そいつらをどうにかしないとアイラッド村には行けそうもないな」
ツバメ「だったら戦力を分ける必要がありそうね」
ツバメは即座に状況を理解し、それに合わせた戦術を提案する。
ツバメ「まずこの山を越え、アイラッド村へと向かう。そこには敵の主力が待ち構えているはず。ダーナの相手はナルが必要ね。そしてそのサポートにはにろくがいたほうがいいと思うわ」
メルト「私は?ナルさまとは離れ離れですか!」
ツバメ「メルトには他の役割があるわ」
メルト「そんなぁ~」
ショックを受けるメルト。だがツバメはそんな彼女を気にも留めない。
ツバメ「そしてアサルト・シャドーの駆動鎧。あれの相手だけど…」
MDSシステムを有するアーヴァヘイム。それを倒さなければ勝利はない。
ウルズ「あいつの相手は俺がする!」
名乗りを上げるウルズ。
ウルズ「奴らは俺がいた世界からやってきた。そのケジメをつけさせてくれ」
十也「だったら俺も!」
結利「十也…」
十也「俺もウルズと同じだ。奴らと決着をつけたい」
ツバメ「わかったわ。あれの相手は十也とウルズに任せるわ」
トニー「私たちは同中のフォローですね」
きゅっぱ「そうだね」
各々の役割を把握し決戦に備える一同。
ツバメ「各地で出現するレーヴェンズの対処でEGOの援軍は期待できないわ。私たちでやるしかない」
ここに集まった11人。その人数でアサルト・シャドーとトゥアハ・デ・ダナンを対処しなければならない。
ナル「いこう!この戦いに決着をつける!」
にろく「そうだな」
十也「そしてレーヴェンズをどうにかしないとな」
それぞれの思いを胸に一同は覚悟を決め、山へと歩みを進めるのであった。

~アイラッド村へと続く山~
山道をすすむ一同。そんな彼らの前にアサルト・シャドーの隊員たちが立ちふさがる。
結利「ここは私たちが!」
メルト「どうにかします!」
きゅっぱ「あたしも戦うよ!」
昴「ここは任せて!」
ツバメ「みんな任せたわよ」
結利、メルト、きゅっぱ、昴の4人がアサルト・シャドーの隊員たちを相手にし、先へと進む一同。そして山の中腹へと差しかかった一同の前に現れる人影。それは…
ヌアザ「ここまで来たか」
ブリギット「ここから先へは行かせません」
立ちふさがるヌアザとブリギット。
スライ「シャイニーマジック!」

カッ!!

辺り一面を激しい光が包み込む。その光に目を瞑るヌアザとブリギット。目を開けた2人の前にいたのは…
スライ「お前たちの相手は」
トニー「私たちです!」

~アイラッド村・入口~

仲間たちにより山を抜けアイラッド村の入口へとたどり着く十也たち。
ウルズ「だれかいるぞ!」
村の入り口付近にいる人影。それは…
十也「ルー!」
ルー「ここまできたか…」
十也「お前は…ブレオナクを返してもらうぞ!」
ルー「無駄なあがきだ。だが相手はしてやる」
槍を取り出すルー。
十也「グラニ!」
十也の呼びかけに応じるように機械の馬グラニがやってくる。

バシュン!

グラニから剣が排出される。それを手にする十也。
十也「いくぞルー!」

ガキン!

激しくぶつかり合う十也とルー。
ツバメ「ここは十也に任せて今のうちに先に進みましょう」
にろく「あぁ」
ウルズ「任せたぞ十也」
ナル「ここからは慎重にいくよ。ダーナの力の範囲内には入るわけにはいかないからね」

~アイラッド村へと続く山~
トニー「たぁぁ!」
トニーの拳がヌアザへと打ち込まれる。

ガキン!

それを鞘付きの剣で受け止めるヌアザ。
ヌアザ「遅い!」
トニー「だったら!『ライトニングボルト』!」

ドゴォン!

空から落雷がヌアザめがけて降ってくる。
ヌアザ「くっ!」
ヌアザは咄嗟に鞘付きの剣を天に翳し、雷を受けた瞬間地面へと打ち込んだ。それにより雷を地面へと逃しダメージを抑えることができたのだ。
トニー「やりますね。だけどまだです!『ライトニングボルト』!」
再び雷を落とすトニー。
ヌアザ「当たりはしない!」
ヌアザはそれを回避する。
トニー「当たりませんか…」
ヌアザは避けながらもトニーとの距離を詰める。
ヌアザ「くらえ!」
鞘付きの剣を振り下ろすヌアザ。
トニー「このタイミングなら!『ライトニングボルト』!」

ドゴォン!

トニーとヌアザ。2人に対して雷が降り注ぐ。
ヌアザ「ぐっ…!」
雷を浴び、その場に膝まづくヌアザ。対してトニーはピンピンしている。
ヌアザ「自分ごと雷を落とすとは…」
トニー「問題ありません。私には雷は効きませんから!」
自身の能力の影響か雷などに対して耐性があるトニーにはダメージがない。
トニー「このまま決めさせてもらいます!」
拳に力を込め、態勢を整えるトニー。
トニー「行きます!果倉部流正拳突き!」

ドン!

力を込めた一撃がヌアザへと打ち込まれる。その一撃により倒れるヌアザ。
トニー「やりましたか…?」
ヌアザ「くっ…」
だがヌアザはトニーの予想に反し立ち上がる。
トニー「これだけのダメージを受けてもまだ立ち上がりますか…!」
ヌアザ「どれだけ肉体にダメージを受けようが我々は倒れはしない。体が動かなくなるまではな」
トニー「ナルの言っていた魂の器ですか…」
トゥアハ・デ・ダナンはダーナを含め魂の存在となっている。肉体は仮初の器でしかない。
トニー「ですが…私たちにできるのは肉体を破壊し、魂を剥離させることだけ…。できることをやるしかありませんね」
ヌアザ「私たちを倒す気でいるか…思い上がりだな」
トニー「あなたのダメージは常人ではもう戦えないほどです。おとなしく降参してください」
ヌアザ「ふっ。我らトゥアハ・デ・ダナン。その力を舐めるなよ!はぁ!」

カッ!

トニー「なんです!?」
まばゆい光が辺りを包む。そして…
トニー「あれは…なんです?」
ヌアザに輝く銀色の右腕がついている。
ヌアザ「銀の腕(アガートラム)。これで貴様を屠る」
銀の右腕で鞘に納められたクレイブ・ソリッシュを引き抜くヌアザ。
トニー「あの剣!簡単にぬけないはずじゃあ…」
ヌアザ「この銀の腕(アガートラム)があれば造作もないことだ。いくぞ!」

ザシュン!

次の瞬間!剣戟による衝撃波がトニーへと飛ばされる。
トニー「わっ!」
態勢を崩しながらも回避するトニー。
ヌアザ「まだまだだ!」

ザシュン!ザシュン!

続けて衝撃波を飛ばすヌアザ。
トニー「このままでは…『ライトニングボルト』!」

ドゴォン!

雷が降り注ぐ。だがそれはヌアザに対してではなくトニー自身にだ。
ヌアザ「血迷ったか」
雷が降り注いだ直後、その地点にトニーの姿がない。
ヌアザ「どこに行った?」
トニー「ここですよ!」
ヌアザの死角へと一瞬で移動するトニー。
ヌアザ「なっ!」
その姿は雷を纏い雷神を想像させるような姿へとなっていた。
トニー「『ライトリアイランス』。これで!」
トニーの雷を纏った拳がヌアザへと打ち込まれる。

ガキン!

トニー「なっ!」
ヌアザ「多少素早くなろうが銀の腕(アガートラム)があれば対応できない速さではない」
トニーの拳はヌアザの剣に受け止められてしまう。
トニー「ライトリアイランスの反応速度についてくるなんて…」
ヌアザ「この間合い…決めさせてもらう!」
剣を構えるヌアザ。
トニー(ライトパルスウェイブを使えば…でも防がれればもう打つ手が)
辺りを見回すトニー。
トニー(あれ…これは…)
いつもと違う。何かが見える。この違和感は…。
ヌアザ「消えろ!」

ザシュン!

クレイヴ・ソリッシュによる一撃がトニーへと放たれる。その一撃はトニーへと直撃する。
ヌアザ「体を裂かれ絶命したか…」
勝利を確信し背を向けるヌアザ。だが…
トニー「まだですよ」
トニーの声が聞こえる。確かにクレイヴ・ソリッシュの一撃が直撃したはず。
ヌアザ「なんだと!?」
トニーの姿を確認するヌアザ。するとその体が黒い何かに覆われている。
ヌアザ「なんだそれは!」
トニー「砂鉄の鎧です」
よく見るとトニーの体に直接砂鉄がついているわけではなくライトリアイランスによる雷の上に砂鉄がびっしりとくっつき覆っているのがわかる。
ヌアザ「そんなもので!このクレイヴ・ソリッシュを防いだだと!そんな馬鹿な!」

ザシュン!

再びクレイヴ・ソリッシュを振るうヌアザ。するとトニーの体を覆っていた砂鉄が集まっていき剣の太刀筋上へと並ぶ。

バラバラ!

剣戟を受け散っていく砂鉄。だがすぐにまたトニーの体を覆うようにくっついていく。
ヌアザ「一点に集めることで攻撃を防ぐだと…」
トニー「そうです。そして攻撃を受けながらも散らばることで衝撃を吸収できます」
ヌアザ「そんな芸当が…」
トニー「あなたのおかげです。あなたが最初の雷を地面へと流してくれたことでここ一体の地面は電荷が上昇したようです。そしてこれは偶然かもしれませんが今まで私には見えなかった電気の流れが見えるようになったのです」
ヌアザ「戦いの中で進化したというのか」
トニー「そうかもしれません。おかげであらたな力の使い方が思いつきました」
電荷の流れを視認し、帯電物質を扱えるようになったトニー。強敵との戦いが彼の力を覚醒させたのか。
ヌアザ「だが守るだけでは!」
トニー「そうですね!じゃあそれだけじゃあないっていうところをお見せします!」

ザザザザ!!

トニーの体を覆う砂鉄が右手に集まっていく。

ガキン!

真っ黒に覆われる右手。
トニー「これで行きます!」
ヌアザ「必殺の一撃か…いいだろう受けて立つ!」
トニー「はぁぁ…」
黒く染まった右手に力を込め、正拳突きの構えをとるトニー。
ヌアザ「この一撃で!」
クレイヴ・ソリッシュを振るうヌアザ。だがその瞬間!

パァン!!

空を切る音が山中にこだまする。
ヌアザ「な…」
トニーの目にもとまらぬ正拳突きを受けその場に倒れるヌアザ。
トニー「黒雷正拳…というところですか」

フッ!

ライトリアイランスを解除し、砂鉄が地面へと落ちていく。
トニー「この剣…回収しておいたほうがいいんですかね…」
ヌアザの手にもつ剣を触ろうとしたその時!

ガッ!

ヌアザがトニーの足をつかむ。
トニー「なっ!まだ!」
ヌアザ「クレイヴ・ソリッシュは…わたさん…」

ボロ!ボロ!

ヌアザの体が朽ち果てていく。
トニー「これは…」
ヌアザ「肉体の限界…か。だが魂があれば…」
トニーをつかんでいた腕も朽ち、次第に足も朽ちていく。
ヌアザ「次に会うとき…貴様を…」

???『次は…ない。その魂は…わが供物と』

ヌアザの頭に声が響く。
ヌアザ「な…んだ?これは…」

???『倫理を超えた存在…魂は排除する…そして人間も…』

ヌアザ「こいつは…もしや…く…」
体が朽ち落ち、塵と化すヌアザ。
トニー「やった…んですか?」
最後のヌアザの独り言は一体何だったのだろうか。疑問に思いながらもクレイヴ・ソリッシュを拾おうとするトニー。

シュン!

トニー「えっ!」
クレイヴ・ソリッシュが一瞬にして消えてしまう。
トニー「これは確か…トゥアハ・デ・ダナンの!」
ダグザだ。彼は他のメンバーの四至宝を自身の手に納めることができる。
トニー「スライやみんなは無事なんでしょうか…」
ヌアザを倒したトニー。だが他のメンバーも戦いを続けている。
安堵している暇はない。次なる戦いに向けてその場を駆け出すトニー。

ついに始まったアサルト・シャドーとトゥアハ・デ・ダナンとの最終決戦。
十也たちは彼らに打ち勝つことができるのだろうか。

to be continued

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最終更新:2018年01月17日 19:19