強襲アーヴァヘイム！ - ANEW STORY RECORDABLE

～アイラッド村～
十也「お前は！」
十也の前に現れた駆動鎧に身を包んだ人物。
ガーランド「まさかゲインを倒すとはなヘレティス２」
アサルト・シャドーのリーダーガーランドだ。彼が十也の前に現れる。
十也「ゲインから聞いたぞ。お前たちの目的！」
ガーランド「そうか。闘争による世界の進化と掌握。それが我らの理想の世界」
十也「そんなことはさせない！」
ガーランド「ならば俺を止めてみることだな」
十也(ゲインとの戦いで全力を出し切った今…どうすれば…)
もう鎧を出す力も十也には残っていない。
ガーランド「ゲインとの戦いで力を使い果たしているようだな。ならば一思いに！」

ボゴォン！

突如鎧人形たちが飛んでくる。だが鎧人形たちはだれかにやられたらしく身動き一つしない。
ガーランド「なんだ…」

「レーヴェンズまで出てくるなんてね」

十也の聞き覚えのある声が聞こえる。この声は…
十也「きゅっぱ！」
きゅっぱ「やっとアイラッド村についたとおもったらたいへんなことになっているね」
結利「十也！無事だったんだね」
メルト「この鎧人形たち倒しても倒してもわいてきますよ」
昴「きりがないね」
きゅっぱたち４人だ。彼女たちが山道を抜け、アイラッド村へと来たのだ。
ガーランド「女子供がいくら増えようと」

「あんまりあまくみないほうがいいですよ」

きゅっぱたちの後ろから一人の女性が姿を現す。
十也「キノ！なんで？」
キノ「とある人物から頼まれてね。あなたたちがピンチだと」
ガーランド「その自身打ち砕いてやろう！」
貫手を構え、キノへと接近するガーランド。

バチチ！！

ガーランド「なんだ！？」
ガーランドの攻撃を何かが阻む。
キノ「僕の『オートプロテクト』の前にはどんな攻撃も通用しない」
ガーランド「そうか。だがこれならどうだ」

ヴン！

一瞬にして姿を消すガーランド。
キノ「えっ？どこに」
ガーランド「こちらだ！」
キノの背後に移動するガーランド。そのまま貫手を構えキノへと突き出す。
キノ「『オートプロテクト』は僕の意思とは関係なしに攻撃を防ぐ」

ジジジ！

バリアを貫通するガーランドの攻撃が迫る。
キノ「そんな！？」
ガーランド「その命。もらった」
結利「フリント・スラッシャー！」
フリント・ブレードを連結させブーメランのように飛ばす結利。
ガーランド「ぬっ！」
それを右腕を構え受けとめるガーランド。

ガキン！

ブレードがアーヴァヘイムの腕に当たった瞬間！刀身が外れる。

ボゴォン！

爆発が起き、アーヴァヘイムが爆発に包まれる。
結利「よし！」
ガーランド「刀身が外れ爆発する仕様の剣か。面白い武器だな」
結利「えっ？」
結利の後ろから聞こえる声。振り向くとそこにはフリント・スラッシャーを手にしたアーヴァヘイムの姿があった。
ガーランド「その身で味わうがいい」

ブン！

フリント・スラッシャーを結利にむけて投げつけるガーランド。
きゅっぱ「トリガーオン！」

バン！

きゅっぱの指先からエネルギーの銃弾が放たれフリント・スラッシャーへ直撃する。それによりフリント・スラッシャーの軌道が変わり、地面へと直撃する。
結利「あ、危なかった」
キノ「『オート・プロテクト』をすり抜けるなんて…」
ガーランド「MDSシステムは空間転移のみならず、次元転移をも可能とするシステム。それを搭載したこのアーヴァヘイムの攻撃を防ぐことなどでできん！」
昴「これはやばそうだね」
十也「俺たちでこいつに勝てるのか…」
がーランド「俺の能力『リベンジ・カウンター』が加わればもう止められる者はいない！」
十也「ウルズが言っていた奴か…」
一度受けた能力を無効化する能力。それがガーランドの能力だ。
十也「成す術なしか…」
ガーランド「絶望とともに我らの理想の礎となれ！」

ボボン！

鎧人形たちが赤く膨張しながら十也たちの目の前を舞う。直後

ボン！

爆発する鎧人形たち。
十也「これは…」
ウルズ「鎧人形たちの相手をしていたらお前と会えるとはな」
十也「ウルズ！」
十也たちの前に現れたのはウルズだ。

ブオン！

それと同時に無数の鎧人形たちが現れる。
キノ「くっ！」
結利「レーヴェンズ！」
きゅっぱ「邪魔ばっかりしやがって」
メルト「やるしかないですね」
レーヴェンズたちと交戦するキノ、結利、きゅっぱ、メルト。
ガーランド「ヘレティス１。おまえも倒されに来たか」
ウルズ「それはこっちのセリフだ」
昴「ウルズ！」
ウルズに駆け寄る昴。
ウルズ「昴」
昴「私もこいつと戦うよ…いや戦わなければならない！」
フリアーデスとの約束を果たすためガーランドに立ち向かう昴。
十也「ウルズ…」
十也の雰囲気から状況を理解するウルズ。
ウルズ「お前は力を使えないんだろ。下がってろ。こいつの相手は俺が…俺たちがする！」
ガーランドに立ち向かうウルズと昴。
ガーランド「我らの邪魔となりえるヘレティス１。お前自ら来てくれるとはな。探す手間が省けたぞ」
ウルズ「ほざいてろ！」
昴「私たちがお前を…アサルト・シャドーを倒す！」
ガーランド「ヘレティスシリーズと捕虜の女。お前たちごときでこの俺を倒すだと？笑わせる！」

ヴン！

一瞬にして昴の背後へと移動するガーランド。
ウルズ「なに！？」
ガーランド「まずは捕虜の女。お前からだ！」
貫手を構えるガーランド。
昴「私ば…！」

キュィン！

昴の左目が輝く。

ガッ！

アーヴァヘイムの貫手を躱し、その腕をつかむ昴。
ガーランド「なんだと！」
昴「いまだよ！ウルズ！」
ウルズ「あぁ！」
右手を構えるウルズ。
ガーランド「あの高周波をくらうわけにはいかんな」

ヴン！

アーヴァヘイムの姿が消える、一瞬にしてウルズたちと距離を取り遠くに佇んでいる。
ウルズ「MDSシステムか」
ガーランド「あの女…(アーヴァヘイムの攻撃を捕らえただと…なんらかの能力か。だが一度くらった以上『リベンジ・カウンター』で無効化できる)」
昴「空間転移はやっかいだね」
ウルズ「どうやってやつの動きを捉えたんだ昴？」
先ほどのガーランドの空間転移からの攻撃を昴が躱したのが不思議でならないウルズ。
昴「私の能力さ(フリアーデスが私に託してくれた…)」
ウルズ「お前の能力？」
昴「そう…」

ヴン！

ウルズ「昴！後ろだ！」
ガーランド「今度こそもらったぞ！」
上から手刀を振り下ろすガーランド。

キュィン！

昴の左目が輝く。それと同時に手刀を躱す昴。
ガーランド「なんだと！？」
昴「ウルズ！今だよ！」
ウルズ「あ、あぁ！くらえ！御雷！」
アーヴァヘイムに向けて右手を構えるウルズ。
ガーランド「それはくらわん！なに…くっ！」

バギョォン！

御雷を両腕を交差し受け止めるガーランド。

ビキビキ！

アーヴァヘイムの装甲にダメージが入っていく。
ガーランド「装甲展開！」

ガキン！

アーヴァヘイムの肘部分が開き、そこから粒子ブレードが展開される。
ガーランド「ふん！」

ブン！

ウルズ「うぉ！」
粒子ブレードを強引に振るい、ウルズを弾き飛ばすガーランド。
昴「ウルズ！」
ガーランド(空間転移が正常に起動しない…損傷を受けたわけでもなく…もしや！)
ガーランド「ふふふ…そいうことか」
不敵に笑うガーランド。
ウルズ「なんだ…？」
ガーランド「ヘレティス１。おまえがそうだったのか」
ウルズ「何を言っている？」
ガーランド「MDSシステムはジャーデ・フォーティアが造った次元転移システムだ。その安定稼働のためには生体コアが必要だとなっていた」
ウルズ「ジャーデだと！？あいつが…」
ガーランド「ジャーデが死んだことでその生体コアの正体はわからず、どんな人間を試しても次元転移が安定稼働することはなかった。だがその謎が今解けた！」
昴「それって…」
ガーランド「あちら側の世界に生体コアはいなかったのだからな。ヘレティス１！お前がMDSシステムの生体コアだ！」
ウルズ「俺が…」
ガーランド「ジャーデが自分の造ったヘレティスにMDSシステムのコアを用意していたとは。考えてみれば当然か」
ウルズ「俺が生体コアだと…」
ガーランド「次元転移を安定させるためにお前を捕らえてMDSシステムと連結させる！」
両手を近づけるガーランド。

ゴゴゴゴ！

その手の中に粒子が圧縮されていく。
ガーランド「粒子光弾！」

バババ！！

圧縮された粒子の球が無数の光の球となってマシンガンのようにウルズと昴に襲い掛かる。
ウルズ「くっ！」
両手を交差しガードするウルズ。
昴「ちっ！」
昴は無数の光の球を避けようとする。
昴「うっ！」
だがとても避けられる量ではなく光の球を被弾し、倒れる昴。
ウルズ「昴！」
昴の前に盾となり構えるウルズ。
ガーランド「その女。人間の動きの限界以上はできないようだな」

バババ！

ウルズ「くっ！このままでは…」
粒子光弾により身動きをとれないウルズ。動けば昴が狙い撃ちされてしまう。
ガーランド「おまえに近づけばMDSシステムが誤作動する危険があるのでな。このまま決めさせてもらうぞ」
ウルズ「奴に近づければ…」
さきほど御雷を放った時ガーランドは空間転移で逃げなかった。あれは逃げなかったのではなくできなかったのであろう。
ウルズ(おれがコアだというのに関係しているはずだ。奴に接近できれば勝機はある！)
ウルズ「こなくそ！」
ガードしていた態勢を解き、昴の盾になるように前へと進んでいくウルズ。

バババ！

無数の光弾がウルズへと容赦なく襲い掛かる。

バン！バン！

ウルズの体にダメージが入っていく。
ウルズ「うぉぉ！！」
走り出すウルズ。

ボン！

ウルズの仮面へと直撃する光の弾。仮面の一部が壊れそこから顔がのぞかせる。
ガーランド「自ら命を捨てるきか！？」
ウルズ「ぐっ！」
全身ボロボロになりながらもガーランドへと近づいていくウルズ。
ガーランド「くっ…！」
光の弾を飛ばすのをやめるガーランド。
ウルズ「はぁ…はぁ…やはり…な」
ボロボロの姿でなんとか立っているような状態のウルズ。
ウルズ「俺は…殺すわけには…いかない…だろ」
ガーランド「ふん。だがそんな状態でなにができる。もう動くのも精いっぱいだろう。自らつかまりに来たようなものだ」
ウルズ「ふっ…」
ガーランド「なにがおかしい…？」

グン！

なにかにアーヴァヘイムの足が引っ張られる。
ガーランド「これは…ワイヤーだと！？」
昴「足元がお留守だよ！」
いつのまにか移動していた昴がアーヴァヘイムの足にワイヤーをひっかけていたのだ。
昴「チャクラム用の超硬質繊維ワイヤーだ！」
自動巻き機能が付いたワイヤーを近くの木にとりつけ引く昴。
ガーランド「空間転移で！」
ウルズ「もう…遅い！」
ウルズとの距離が詰まる。
ウルズ「昇華機構解除！」

バシュン！

ウルズの体が金色に輝く。
ウルズ「足は動かなくても腕の一本ぐらいなら動かせる！」
右手に力を込めるウルズ。
ウルズ「御雷！」

バギョォォン！！

ガーランド「くっ！」
咄嗟に防御しようとするガーランド。しかし…

ガガガ！

ガーランド「なんだ！？アーヴァヘイムがいうことを聞かん！？」

ピーピーピー！

アーヴァヘイム内のモニターに警告が表示される。
ガーランド「電子回路系統に異常だと！？」

ガッ！

アーヴァヘイムの頭部を掴み御雷を直接照射するウルズ。
ウルズ「これも昇華機構の力か。通常よりも御雷の威力が段違いだ！」
ガーランド「高周波のパワーが上がっているとでもいうのか！ぬぉぉ…！！」

ボコボコ！

アーヴァヘイムの頭部が膨張変形していく。
ウルズ「終わりだ！アサルト・シャドー！」
ガーランド「そんな…この俺が！俺の理想がぁぁ…！！」

ドゴォン！

爆発四散するアーヴァヘイム。その中から姿を現すガーランド。
ガーランド「まだ…だ…MDSシステムが…あれば」
ウルズ「これは…」
ガーランドの服は焼け、上半身は裸の状態だ。その右胸に何かの機械が埋め込まれている。
昴「まさか…それがMDSシステム」
ウルズ「自分の体に埋め込んでいたのか…」

トン

MDSシステムに手を当てるウルズ。
ウルズ「これがあるから世界を超えてお前たちが現れた。こんなものは必要ない」
ガーランド「な…にを」
ウルズ「俺がコアだというのならおれの思った通りに転移できるはずだ。お前ごとMDSシステムを消し去る！」
昴「どうするの？」
ウルズ「MDSシステム！空間転移だ！宇宙へ！」
ガーランド「や、やめろぉぉ…」

ヴン！

ガーランドが姿を消す。
ウルズ「これで終わりだ…」

シュゥゥン！

ウルズの体が元の色に戻る。

ドサ！

その場に倒れるウルズ。
昴「ウルズ！」
ウルズに駆け寄る昴。
ウルズ「これ以上は…戦えそうにないな」
昴「私も厳しいかもね…」
ガーランドとの戦いで多大なダメージを負った二人。特にウルズのダメージは深刻だ。
十也「ウルズ！昴！」
そんな２人のもとに鎧人形たちを退けた十也、きゅっぱ、結利、キノ、メルト、スライ、トニーが駆けつける。
ウルズ「なんとかな…だがティスシスを追わないと」
十也「ティスシス？あいつがここに？」
ウルズ「あぁ。ダーナから黒の魔導書を奪って逃げていった」
きゅっぱ「レーヴェンズ…何をする気なんだい」
スライ「とにかくいくしかないか」
ウルズを背負うスライ。
結利「昴は私が」
結利は昴を背負う。
ウルズ「先にナルたちが追っているはずだ」
十也「いこうみんな！」
一同は逃げたティスシスを追うためにアイラッド村の中を進んでいくのであった。

to be continued