真実の行方

ジェイド「我が魔剣レーヴァテインの前にはあなた方の能力は無意味です。さぁ道を開けなさい!」
トニー「あんな能力どうやって戦えば…」
十也「あきらめちゃだめだ!この戦いを止めるには俺たちがここで引き下がるわけにはいかない!」
ジェイド「聞き分けのない方々だ。ならば僕の魔剣の前に沈め!」
襲い来るジェイド。
十也「うぉぉ!!『アクセル・アサルト』!」
十也は高速の攻撃を繰り出す。しかし
ジェイド「そんなものレーヴァテインの前には無力です!はぁぁ!」
ジェイドの一撃が十也を襲う。
十也「ぐぁぁ!!」
倒れる十也。
トニー「十也!」
ジェイド「仲間の心配をしている暇はないぞ!」
トニー「えっ!?」
トニーに振り下ろされる魔剣。あまりの攻撃の速さに受け身をとるのも間に合わない。
強烈な一撃に倒れるトニー。
ジェイド「これで終わりですね。僕は目的を達成する。こんなところで止まるわけにはいかない。」
ジェイドは倒れた十也たちには目もくれず謁見の間を目指そうとする。だがなにか後ろに違和感を感じた。
ジェイド「なんだ…」
振り返るとそこには鎧もボロボロになりレーヴァテインにより槍も消滅した十也が立っていた。
ジェイド「あの一撃をうけてまだ立ち上がれるとは…信じがたいですね…」
十也「…」
ジェイド「なんだ?こいつ…意識が…」
突如十也がジェイドに突撃する。
ジェイド「は、早い!レーヴァテイン!」
魔剣が十也の鎧に直撃する。しかし十也の鎧は消えない。
ジェイド「なっ!?」
ジェイドの首をつかみ持ち上げる十也。
十也「…」
ジェイド「ぐ、やはり…こいつ意識がない…。無意識で動いて…いるのか。ぐぁぁぁ!!」
ジェイドの首を絞める力が強まる。ジェイドは魔剣を十也に向けて振り下ろし続ける。しかし十也にはまったく効果がない。
ジェイド(なぜだ…僕のレーヴァテインが効かないなんて…そんなことあるはずがない…)
ジェイドを壁に放り投げる十也。
ジェイド「ぐはぁ!」
口から血を出し崩れるジェイド。
ジェイド「この僕がまったく手も足もでないなど…。なんなんだこいつ…」
十也は右手を上に掲げる。右腕には光り輝く痣がある。そしてその手には高濃度のエネルギーが集束されていく。
ジェイド「『コート・オブ・ブラスト』とかいったな…こいつの能力。高速移動…こいつの力はそんなものじゃあない…いままで数多の者と戦ってきた僕には…わかる」
動きをとれないジェイドに十也は突撃する。そしてその右手に集束したエネルギーをジェイドにぶち込む。
ジェイド「こいつは…疾風(ブラスト)なんかではない…災厄(ブラスト)だ…」
強大なエネルギー弾をぶち込まれたジェイド。その体はエネルギーの奔流にのまれ光へと消えていき、消失した。
ジェイドを倒した十也はそのまま崩れ落ちるようにして倒れた。

~ラウズレイ王宮・謁見の間~
ティム「ようやく会えましたね。ディサイブ・ラウズレイ。」
ディサイブ「ティム…お前がここに来たということはラインハルトは…」
ティム「迷いのある騎士など…私の敵ではない。」
ディサイブ「ラインハルト…」
ティム「さぁ…覚悟を決めろ!ディサイブ!」
ディサイブ「お前と戦う前に一つ聞きたい…」
ティム「なんだ…」
ディサイブ「なぜおまえたちは私を討とうとするのだ!その目的はなんだ!」
ティム「まだ…しらをきるか。その答えは…お前が一番分かっているだろう!騎士狩りの犯人ディサイブ!」
ティムから発せられた衝撃の言葉。ジェイドとティムが見た騎士狩りを行っていた人物…それはなんとディサイブだったのだ。
ディサイブ「私が…騎士狩りを行っていた…だと?なにをいっているんだティム!」
ティム「貴様がいくら…とぼけようと無駄だ!私たちはその姿を…目撃しているんだからな」
ディサイブ(どいうことだ…ティムの言葉には嘘は感じられない…。一体なにが…)
ディサイブは自分が犯人ではないと知っている。それは自分が一番分かっている。だが、だからこそティムの発言の本気度が腑に落ちない。
ディサイブ「私は犯人ではない。わかってもらえないのか…」
ティム「命乞いなど…無駄だ。これ以上この国を…貴様のおもちゃにはさせない!」
魔剣アロンダイトを構えるティム。
ディサイブ「そうか…やるしかないのだな。私はここで倒れるわけにはいかない。ティム!お前を止めて見せる!」
ティム「やる気になったか…今まで貴様にやられていった者たちの無念…ここで晴らす!」
ディサイブ「聖国を守りし賢者!その力を我に授けよ!『ジ・ラウザー』!」
ティム「その能力はシュルツ・セイバーに能力を預ける力。それで何が…できる!」
ディサイブ「『ジ・ラウザー』にはこのような使い方もできる!我が眷属の力をこの手に!聖槍ゲイボルグ!」
ティム「それは!アーガンの!」
ディサイブ「ゲイボルグよ!我が眼前に立ち塞がるものを貫け!」
ゲイボルグを投合するディサイブ。その槍は無数の槍となりティムを襲う。
ティム「魔剣『アロンダイト』!」
アロンダイトの能力により無数に分かれたゲイボルグを食らう。
ディサイブ「さすがだな、ティム。」
ティム「ほめていただいた礼に…貴様の命をいただく!」
襲い来るティム。
ディサイブ「聖鎌アダマス!」
アダマスの能力は認識地点に攻撃を行うもの。その力で攻撃するディサイブ。
ティム「無駄だ!」
魔剣アロンダイトにはどんな攻撃も食べられてしまう。
ティム「終わりだ!」
振り下ろされるアロンダイト。
ディサイブ「私は…こんなところで死ぬわけにはいかない!真実を知るために!最強の騎士!その力を我が手に!『聖剣エクスカリバー』!」
ティム「なに!?」
エクスカリバーの一太刀で迎撃されるティム。
ティム(エクスカリバー…ラインハルトの能力。奴は今までエクスカリバーの能力を一度も発動させていない…あの剣の能力はなんだ…)
ティム「だが…私の魔剣の前には…!」
再び襲い来るティム。
ディサイブ「ティム…お前にエクスカリバーの能力を教えてやろう。この剣は想いの剣!使用者の想いを具現する剣だ!私の想いはティム!お前を止めることだ!『聖剣エクスカリバー』!」
ティム「なんだと!?」
ティムの魔剣アロンダイトが粉々に砕け散る。エクスカリバーの能力がティムの戦う意思を破壊したのだ。
ディサイブ「ティム!これでお前は私を倒すことはできない!」
ティム「くそっ…」
戦うための力魔剣アロンダイトを破壊され戦意を喪失したティム。
ディサイブ「これで…」
そのとき謁見の間の扉が開いた。そこから現れたんのは…
ラインハルト「ご無事でしたか!殿下!」
ディサイブ「無事だったか!ラインハルト!」
ラインハルト「えぇ!」
ラインハルトがディサイブとティムのもとへと歩み寄る。そしてティムのほうを見るラインハルト。
ティム「ラインハルト!?」
戦意を喪失し呆然としていたティムはここで初めてラインハルトがここにいるのに気付いた。そしてそのおかしさにも…
ティム「なぜ…お前右腕がついて…ぐふっ!」
ティムの心臓をラインハルトの剣が貫く。
ラインハルト「せっかくお膳立てしたのですから、もうちょっと奮闘していただかないと意味がないでしょう。まったくつかえませんねぇ」
ディサイブ「ラインハルト!おまえ!何を!」
ティム「ぐふっ!そ…うか…わかっ…たぞ」
ラインハルト「ほう?まだ生きているとはさすが騎士ですね。しぶといしぶとい!」
ティム「で…んか…お逃げ…くだ…さい…こいつが…」
ラインハルト「だまれ!役立たずが!」
ティム「ぐはっ!」
ラインハルトの剣が深く突き刺さる。ティムは息絶えた。
ディサイブ「何をしている…ラインハルト…」
ラインハルト「いやー。役立たずな騎士を始末したまでですよ」
???「で、殿下…」
謁見の間の入り口から声が聞こえる。体をはいずりながら右腕を失ったその男は部屋に入ってきた。その男は
ラインハルト「そいつは私では…ありません…」
ラインハルトだった。目の前にもラインハルト。ラインハルトが2人!どういうことだ?
ラインハルト?「おやおや?まだ動けるとはなかなかどうして…」
ディサイブ「ティムを刺したお前!いったい何者だ!」
ラインハルト?「本物が来たのでは仕方がありませんね。では本当の姿をお見せしましょう…」
ラインハルト?は手を顔にかざす。かざした手をよけるとそこには別の顔が…
ディサイブ「私と…同じ顔!?」
ディサイブ?「これが私の本当の姿。ディサイブ・ラウズレイ。あなたの双子の兄ですよ。」
ラインハルト「殿下に兄弟などいない!」
ディサイブ?「あぁ。そうですか。では」
再び手をかざす男。
騎士?「これが本当の姿です!」
そこには意識不明の重体のアーガンを連れてきた騎士の姿が。
騎士?「私があなたがたにジェイドとティムの襲撃を知らせなければ大変でしたねぇ」
ディサイブ「お前はいったい?」
騎士?「私は私ですよ。」
ラインハルト「さっきの殿下と同じ姿…まさか」
騎士?「おや?気付きましたか。そうです。私が騎士狩りを行っていたのですよ。そしてそれをジェイドとティムに目撃させた。」
ディサイブ「貴様が…」
ディサイブから凄まじい気迫が発せられる。
騎士?「いやー。なかなかうまくいかないものですね。私の予定通りにはことは進みませんでしたね。」
ディサイブ「ここから生きて帰れると思うな!」
騎士?「おぉ、怖い怖い!ですが私は今あなたと戦うつもりはありません。あなたが真実を知りたければミストラルシティきなさい。そこで私はまっていますよ」
ラインハルト「おまえの目的はなんだ!何のためにこんなことを!」
騎士?「すべてはミストラルシティでお教えしましょう…ふふふ…。ではさらばです。真実を求めるものよ。」
そういうと騎士?は姿を消した。
ディサイブ「くそ!ミストラルシティ…そこにやつが…」

すべては謎の男によって引き起こされた陰謀だった。謎の男は言葉を残し姿を消した。ミストラルシティで待つと。

~翌日・ラウズレイ王宮・謁見の間~
レオン「シュルツ・セイバー№4レオン・ケーンズ。ただいま戻りました」
ディサイブ「ごくろうだった。」
レオンは近隣国の遠征に出ており、今日戻ったのであった。
レオン「申し訳ありません。俺がいない間にそんなことになってるなんて…くそっ!」
ラインハルト「気にするな。」
右腕を失ったラインハルトはレオンを気遣う。
レオン「師匠は無事なんですか?」
ディサイブ「案ずるな」
謁見の間に車いすに乗ったアーガンが入ってくる。
レオン「師匠!」
アーガン「私は大丈夫だ。ただしばらくまともには動けそうにないがな」
ラインハルト「では…殿下…」
ディサイブ「うむ。レオン!」
レオン「はっ!」
ディサイブ「私とお前はこれよりミストラルシティへ向かう!」
レオン「殿下みずからですか!?」
ディサイブ「あぁ。この国を混乱に陥れた犯人。奴を追う。」
ラインハルト「国のことは心配するな。私とアーガンがいる。お前は殿下をお守りすることに集中しろ。」
レオン「はい!わかりました!」
ディサイブ「ではいくぞ!」
レオン「はい!」

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十也「なんかわからないうちに決着がついたみたいだな」
トニー「そうですね」
スライ「俺たちが倒れている間にことが終わってしまってたからな」
十也たち3人は己の力不足を痛感した。世界にはこんな強いやつらがまだまだいるんだ。
それぞれの想いを胸にミストラルシティへと帰国する3人。

ラウズレイ王国での大事件はこうして幕を閉じた。謎の男を追ってディサイブたちはミストラルシティへと向かう。
そこではいったいどんな真実が彼らを待ち受けているのだろうか。

to be continued

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最終更新:2016年09月15日 21:16