激闘!アングルフVS謎の男

~レムリア大陸~

ブロローー

レムリア大陸を進む複数のトレーラー。

キキィ!!

急ブレーキをかけ止まるトレーラー。その前には人影が見える。

ガチャ!

トレーラーの扉が開き中からEGOの隊員が出てくる。EGOの隊員は人影へと近づいていく。
EGO隊員「おい!急に出てきたら危ないじゃないか!」
隊員の前の男は黒いローブに身を包んでいた。ローブによりその顔を確認することはできない。
EGO隊員「おい!聞いているのか?」
ローブの男「……」
ローブの男は隊員の声に応答しない。
EGO隊員「おい!」

ガッ!

男の肩を掴むEGO隊員。その時!

ババババ!!

無数の弾丸がトレーラーを襲う。
EGO隊員「なんだ!?」
ローブの男「奇襲成功。これより作戦行動に移る」
ローブの男は手とうを放つ。

ガッ!

EGO隊員「がはっ…」

ドサッ

その場に倒れ気を失うEGO隊員。
ローブの男「対象はトレーラーのどれかにいるはずだ。対象を発見次第拘束する!」

~トレーラー1号車~

ゴゴゴゴ!!

突然の銃撃により揺れる車内。
ガドゥ「なにが起きているのです?」
EGO隊員「何者かにより襲撃されたようです」
ガドゥ「EGOを狙ってのテロ…よほど命が惜しくないと思えますね」
EGO隊員「確認されている敵は1人。それと姿は見えませんが後方から敵の銃撃が確認されています。多数の銃撃から複数の狙撃手がいると思われます」

ピピピ

ガドゥの持つ通信端末に連絡が入る。オウリギンからだ。
オウリギン『何者かによる襲撃だ。ガドゥ、お前の部隊も準備をしておけ』
ガドゥ「命知らずのテロリストなど我々が出るまでもありませんよ」
アルバド「その考えは驕っているな」
ガドゥの隣で話を聞いていたアルバドが口を挟む。
アルバド「敵の戦力が未知数である以上、慢心はするべきではない」
ガドゥ「なんですって?」
アルバド「敵の編成。それを見て疑問に思うべきだ」
モニターに映し出されている周辺状況。そこにはトレーラーの前に敵が一人映し出されている。
アルバド「敵は1人で前線に出ている。それだけの自身があるということだ」
EGO隊員「大変です!」
声を上げる通信兵。
EGO隊員「敵一人に次々と隊員たちが倒さされています!このままでは!」
ガドゥ「ちっ…」
アルバドの予想した展開となり少し面白くないような顔をするガドゥ。
アルバド「やはりな。俺も準備に入る。アングルフとAISの調整を頼む」
ガドゥ「わかりました。まぁいいでしょうAISに戦闘データを取らせる機会が増えたと思えば」
ガドゥは気を取り直し準備に取り掛かるガドゥ。
アルバド(EGOと知って敵は攻めてきているのか?だとしても敵の狙いはなんだ…)

~トレーラー3号車~
EGO隊員「各隊員は劣勢を強いられている模様!」
前線で1人で次々と隊員たちを倒していくローブの男。そしてその後方からの援護射撃は隊員たちを狙いすましたように打ち抜いていく。
EGO隊員「ですが妙です」
オウリギン「なんだ?」
EGO隊員「隊員たちはすべて無色化されている模様。敵はわざとこちらの戦力を殺さずに無力化しているのでしょうか?」
倒された隊員たちは致命傷は受けておらず、全員気絶などにより動きをとれない状態にされているようだ。
オウリギン「器用な敵だな。(それとも…)」
考えをめぐらすオウリギン。
オウリギン(何らかの理由により敵は隊員たちを殺すわけにはいかない可能性が…)

「テロリストとは無謀な連中ですね」

オウリギンの背後に突如現れた人物。スーツに身を包んだ彼がたたずむ。
オウリギン「このような奇襲をかける人物。一人心当たりがある。」
スーツの男「ほう。それはだれでしょう?」
オウリギン「裏で手を引くのが好きなやつだ。だがこの状況…私の予想が正しければお前の出番だ。ほかのものでは奴に勝つことはできないだろう。その時はまかせたぞ」
スーツの男「えぇ。お任せください」
そういうとスーツの男は姿を消した。
オウリギン「敵は間違いなく能力者クラス。私も準備をしよう」

~レムリア大陸・EGOトレーラー周辺~

ローブの男「はぁ!」

次々とEGOの隊員たちを徒手格闘で倒していく男。
ローブの男「このままトレーラーへと侵入する!」
トレーラーへと向かい走る男。だが次の瞬間!

ダダダダ!

男へ向かって無数の銃弾が放たれる。
男「くっ!」
それを器用に回避する男。
アルバド「今の攻撃を回避するか」
駆動鎧アングルフに身を包んだアルバドが男の前に立ちはだかる。
アルバド「UW(アルティメット・ウェポン)B(ブレイド)モード」
手に持った大型の銃が変形し巨大な剣となる。
アルバド「接近戦で!」

バシュン!

アングルフのブースターを使い、急速に男との間合いを詰めるアルバド。

ガキン!

男は手に持ったナイフでその攻撃を受け止める。だがナイフでは巨大な剣を受け止めることなどできるはずもなく…

パキィン!

砕けるナイフ。そのまま男へとUWを振り下ろすアルバド。だが…

スゥゥ…

男はその太刀筋を見切ったかのようにスレスレでUWを避ける。
アルバド「なに!?」
ローブの男「見えているぞ。お前の動き!」
ローブの男は腰から何かを取り出す。

ポン!

それを空中へと投げる男。次の瞬間!

カッ!!

あたりを閃光が包む。
アルバド「なに…これは閃光弾か!」
アングルフのセンサーが光に包まれ、周囲の状況を確認することができない。男を見失うアルバド。
ローブの男「もらった!」

ガン!

頭部に何かを突き付けられるアングルフ。
ローブの男「対駆動鎧用の硬圧弾だ。ゼロ距離で受けてみろ!」

バコン!

だがその銃弾はアングルフには命中しなかった。
ローブの男「なんだと!?」
アルバド「これは…」
アングルフが銃弾を回避したことにアルバドも驚く。だがその理由はすぐに判明した。ガドゥからの通信が入ったからだ。
ガドゥ『AISによる操作補助を発動しました。あなただけでは荷が重そうですからね』
アルバド「余計な真似を。俺の命令外でAISに勝手をさせるな」
ガドゥ『それはあなた次第です』
アルバド「ふん。仕切り直しだ!」
閃光弾による光が収まり男を視認できるようになるアルバド。
ローブの男「今の一撃を避けるとはな」
アルバド「テロリストめ。お前の命運は尽きた。これで終わりにする」

ガキン!

UWが変形し巨大な銃となる。
アルバド「UWR(ランチャーモード)!」

ダダダ!!

無数の弾丸を放つアルバド。
ローブの男「その攻撃は当たらない」
弾丸を放ちながらローブの男へと間合いを詰めるアルバド。男の眼前へと迫った瞬間!

ガキン!

UWを変形させ大型の剣とするアルバド。
アルバド「はぁ!」
男へとその剣を突き刺すように振るうアルバド。
ローブの男「それも当たらん!」
男はその攻撃も回避する。
アルバド「ふっ!」
不敵な笑みを浮かべるアルバド。直後!

ガシン!

UWの剣部分が変形するように半分に割れその状態ではさみのように男を掴む。
ローブの男「なっ!」
アルバド「もらった!」
半分に割れた剣の間にはランチャーモードの銃身が見える。
アルバド「これで!」

ダン!

遠くから突如放たれる弾丸。それはアングルフへと直撃する。それにより態勢を崩すアルバド。
アルバド「これは…敵の狙撃手か?」
だがアルバドはローブの男を放さない。

ダン!ダン!

次々とアングルフへと向かって放たれる銃弾。それはアングルフの装甲へとダメージを与えていく。だが…

ビキビキビキ!

その装甲は徐々に修復していく。
ローブの男「自動修復だと…」
アルバド「いくら撃とうが無意味だ。お前が助かる未来はない」
ローブの男「ならば…」

ジャキ!

小銃を構える男。
アルバド「そんなもの効きはしない」
アルバドはランチャーモードの引き金を引こうとする。
ローブの男「ここだ!」
それに合わせたように男は銃弾を放つ。

ダン!

次の瞬間!

ドゴォン!

アングルフのUWが爆発し、その衝撃で吹き飛ばされる2人。煙を吹き壊れるUW。男を挟んでいた剣部分は放れ、解放される男。
アルバド「なんだと…何をした」
ローブの男「お前が銃弾を放とうとした瞬間にその銃口に銃弾を撃ち込んだ。その衝撃で銃口内部で爆発した銃弾がその武器を破壊した」
アルバド「そんな芸当…はっ!」
男のローブは今の衝撃で焼けきれその顔半分が露になっていた。その蒼い瞳をみたアルバドは確信した。
アルバド「そうか…レイジおまえか」
レイジ「……」
ローブの男。その正体はレイジだということを知るアルバド。だが同じく今の衝撃でアングルフの装甲も破壊され、その顔の一部が表に出ていたアルバドもその正体を知られる。
レイジ「アルバド隊長…あなただったんですね」
アルバド「…なぜおまえがテロリストのまねごとをしている?」
レイジ「隊長…あなたは今のEGOに尽くすのですか?」
アルバド「それがお前のEGOへのテロ行為の理由か?」
レイジ「世界中への侵略…こんなものは正義ではない!」
アルバド「ならばお前の正義。信念を見せてみろ」
レイジ「あなたはあくまでもEGOとして戦うんですね。ならば…」
ローブを脱ぎ捨て、両腰からナイフを取り出すレイジ。
レイジ「アルバド隊長…いやアルバド!おれはお前を倒す!」
アルバド「見せてみろ!お前の力を!」
アングルフの腕部の装甲が開きそこからナイフが出てくる。

ガキン!

衝突する2人。
アルバド「EGOに歯向かうというのならばお前でも容赦はしない」
レイジ「今のEGOに正義はない!」
アルバド「それを決めるのはおまえではない!」

ビキビキビキ!

アングルフの装甲が修復していく。
アルバド「テロリストであろうが警察であろうが勝利したものこそが正義となるのだ!」
レイジ「ぐっ!」

バキン!

ナイフが折れ、吹き飛ばされるレイジ。そのまま地面へと強く体を打ち付ける。
アルバド「歴史がそれを語っている。革命は成功してこそ革命となるのだ。成功しない革命はテロでしかない」
レイジ「くそ…」
アルバド「お前の『狼の眼(ウォルフス・アーケ)』も限界のようだな。もう俺の攻撃を見切る力もない」
EGOの隊員たちもアルバドの元へと駆け寄ってくる。取り囲まれるレイジ。
アルバド「お前の負けだレイジ」

ヴァイス「レイジ!」

ヴァイスがレイジの元へと遠方から走ってくる。
アルバド「やはり狙撃手はヴァイスか。能力による複数射撃で多数の狙撃手がいるように見せかけていたようだな。だがタネが割れれば大したことはない。たった2人で襲撃など無謀な行為。冷静なお前らしくなかったな」
レイジ「アルバド…おまえは言っていたな。敵の戦力が未知数である以上、慢心はするべきではないと」
アルバド「なに?」
レイジ「その言葉。お前にそっくりかえすぞ」

ボゴォン!!

レイジを中心に周囲の地面が陥没する。
アルバド「なんだ!?」

ゴゴゴゴ!!

地面の下で黒い球体があたりを呑み込むように回転している。

バシュン!

レイジはトレーラーへ向けアンカーを打ち込む。
レイジ「慢心したお前の負けだ」
アンカーを巻き取りトレーラーへと飛んでいくレイジ。
アルバド「うぉぉ…!!」
EGO隊員たちとアルバドは黒い球体へと引き込まれていく。
アルバド「こ、これは…」

「間一髪でしたね」

レイジの隣に科学服に身を包んだ男が立っている。
アルバド「お前は…!」
シュウ「ですが作戦通りとも言えます。自身が敗北した時のパターンまで作戦に組み込むとは。御見それいりますね」
レイジ「お前の力があってこその作戦だ」
シュウだ。彼の能力により一転窮地に陥るアルバド。
シュウ「さぁこれであとは本丸を討ち取るだけですね」
ヴァイス「狙いはあの男…オウリギン!」
レイジ「新長官を倒す!」
シュウ「えぇ。行きましょう」
3人はトレーラーの中にいるであろうオウリギンを探すため歩みを進める。
アルバド「く…!このままでは」
ガドゥ『アルバド!AISの自動操縦で…』
AISが破壊されそうなことで通信でもわかるくらい取り乱すガドゥ。
アルバド「無駄だ。自動操縦に切り替えたところでこれからは逃げられん」
ガドゥ『なんとかならないのですか!』
アルバド「俺もこんなところで死ぬ気はない。だが…」
自身を引きずり込もうとする黒い球体はその回転を止める気配はない。
ガドゥ『あなたの娘がどうなってもいいのですか?』
アルバド「!」
はっとするアルバド。自身がこうまでして戦っている理由。それは娘のため。それを再確認したアルバド。
アルバド「そうだ。あきらめるわけには!俺はチカを!」

バシュン!

アングルフのブースターを稼働させるアルバド。だが強烈な引力によりそれも意味をなさない。
アルバド「くそぉぉぉ!!」
AIS「……」

ビキビキビキ!!

ドゴォン!!

シュウたちの背後で巨大な爆発が起きる。
シュウ「あの駆動鎧が壊れたのですかね」
レイジ「アルバド…」
ヴァイス「親分…じゃあね」
レイジとヴァイスが思いにふけた直後!

ドドドド!!

黒い球体により陥没した地面から強大な炎が舞い上がる。
レイジ「なに!?」

ゴゴゴゴ!!

その炎の中に何かの姿が見える。
ヴァイス「なにあれ!?」
シュウ「あれは…駆動鎧ですか?」

バシュン!!

炎が消え去りその中から現れたのは全身が機械の駆動鎧。だがそれはアングルフとは似ても似つかぬほど姿が違う。
レイジ「なんだあれは?」
ガドゥ『素晴らしい!この瀬戸際でAISが進化した!ハハハハハ!!』
アルバド「作戦は続行だ。テロリストをせん滅する!」

to be continued

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最終更新:2019年01月31日 21:56