龍を超える力!タウガス解放戦決着!

~EGOタウガス共和国支部・長官室~

ボゥ!!

龍静の体を包み込む炎。それはまるで自身の生命エネルギーが湧き出しているかのようだ。
黄龍「六壬秘呪(りくじんひじゅ)だと?なんだそれは!?」
自身の知らない六壬神拳の技に戸惑いを隠せない黄龍。
龍静「師匠より承りし六壬神拳の秘奥義。その力とくとみよ!はぁぁぁ!!」

ダン!

龍静が地面を蹴った瞬間!その姿が消える。
黄龍「なっ!どこにいった!?」
龍静「こっちだ黄龍!」
黄龍の背後から聞こえる龍静の声。龍静は目にもとまらぬ速さで一瞬のうちに黄龍の背後に移動していた。
龍静「たぁぁ!!」

ドン!

龍静の手刀が黄龍へと放たれる。
黄龍「ぐっ!」
それにより体勢を崩す黄龍。
龍静「いくぞ!」
黄龍の体に両手をつける龍静。
龍静「白虎咆哮(びゃっこほうこう)!」

ドゴン!

黄龍の体へ放たれる衝撃波。その衝撃で黄龍は吹き飛ばされる。

ドン!

壁へと打ち付けられる黄龍。
黄龍「くっ…なぜおまえが白虎咆哮を使える…おまえに金神の適正はなかったはず」
龍静「六壬神拳の秘奥義、天神昇華。この技は自身の肉体を活性化させ強制的にすべての六壬を使えるようにする。これで君を止める!」
黄龍「全ての六壬を使えるだと…ばかな!はぁぁ!」
黄龍は構えを取り龍静へと攻撃を仕掛ける。
黄龍「朱雀天翔拳!!」

ボゥ!

黄龍の両腕を覆うように巨大な炎の翼が展開される。その炎の翼が龍静へと振り下ろされる。
龍静「玄武剛盾!!」
両手を構え炎の翼を受けとめる龍静。
黄龍「水神の力だと…。まさか本当に六壬すべての力をつかえるのか」
龍静「井の中の蛙大海を知らず。それがおまえの敗因だ」
黄龍「いい気になるな!まだ私は負けたわけではない!はぁぁぁ!!」
深く息をつき構え,右手の指2本を立て印を切る黄龍。
黄龍「六壬神拳の奥義!これならば!」
黄龍の足元に魔法陣が出現する。その魔法陣は光となって黄龍の右腕へと収束していく。
黄龍「くらうがいい龍静!!」
龍静「応龍暴拳…六壬神拳の奥義…以前はそれにやられたが今の僕は黄龍!君を超える!はぁぁ!!」
両手を構え集中する龍静。
龍静「天神昇華によりすべての六壬を修めることができたことで僕もこの技を使える」
右手の指2本を立て印を切る龍静
黄龍「まさかお前も!?」
龍静「応龍(おうりゅう)は今黄龍(おうりゅう)となる!!」

ボシュゥゥ!!

龍静の体を覆う炎が龍静の右腕に集中していく。その右腕を覆うように炎が燃え盛る。
龍静「これが六壬神拳の真の奥義!!黄龍爆拳(おうりゅうぼうけん)だ!」
黄龍「くっ!応龍暴拳!!」

ドゴォン!!

二人の右腕がぶつかり合う。
黄龍「私が…押されている!?」
龍静「六壬すべてを使える君が僕に押されるのは不服だろう。だが僕も引くわけにはいかない!黄龍!お前を倒すぞ!」
黄龍「これが…秘奥義の力だというのか…認めるわけには!いかない!」
押されながらもなんとか受けたえる黄龍。
龍静「さすがだな黄龍。まだたえるか」
黄龍「私が負けるなどあり得ない!新たなるEGOの幹部として私は君臨するのだ!私の支配によりタウガスを掌握するのだからな!」

ゴゴゴゴ!!

龍静「ぐっ!」
先ほどまで優勢であった龍静が徐々に押され始める。
黄龍「うぉぉぉ!!」

ドン!!

龍静「ぐっ!」
弾き飛ばされる龍静。
黄龍「くっくっくっ。さっきより力が落ちてきているんじゃあないか龍静?おまえの力の限界が見えてきたぞ。六壬秘呪…それはもろ刃の剣というわけか」
龍静「…さすがだな黄龍。気づいたか」
黄龍「自身の生命エネルギーを力に変える技と見た。長期戦になるほど不利。お前の限界も近いようだな」
龍静「万事休すか…」
龍静の右腕を覆っていた炎が先ほどよりも小さくなっている。
黄龍「ふっ。秘奥義破れたり!天運は私に味方した!消え失せろ龍静!」
龍勢に向かって右手を振り下ろす黄龍。

ザシュ!!

その右手は龍静の体を切り裂く。

ブシュゥゥ!!

龍静の体から噴き出る血。

フッ!

龍静の右腕を覆っていた炎が消える。六壬秘呪の力が消えたようだ。
黄龍「浅いがこの一撃。これがおまえに勝機がないことの証明となる。応龍をこえた黄龍。この一撃はそれが杞憂の伝承となった瞬間だ!!」
龍静「…そうかもしれない。強制的に六壬を引き出してもお前には勝てなかった。だが僕は!!」

ドドドド!!

龍静から放たれる覇気。それは彼がまだあきらめていないのを感じさせる。
龍静「それでもお前を止めて見せる!」
黄龍「師匠とあって修行を行ったようだが、師匠も私には及ばなかった。所詮は敗北者のたわごと…」
龍静「たわごとだと思うなら座して待つんだな!」

ダン!

地面に両手をつける龍静。
龍静「僕は僕の力で君を超える」
龍静の足元に魔法陣が出現する。
龍静「臨む兵、闘う者、皆 陣列べて前を行く」

ボゥ!!

魔法陣から炎が舞い上がる。地面に出現した魔法陣が炎とともに龍静の体を包み込んでいく。
黄龍「また六壬秘呪か…だが先ほどとは少し違う…」

ボシュゥゥ!!

龍静の体を青い炎が覆う。
龍静「螢惑火徳真君(けいわくかとくしんくん)、とくとご覧あれ!」

ボボボボボ!!

青い炎に身を包まれた龍静。その熱気は周囲の景色をゆがめるほどだ。
黄龍「六壬秘呪とは違う…なんだそれは!?」
龍静「僕が師匠との修行のうちで編み出した、六壬秘呪を僕の得意とする火神のみに特化させた奥義。名付けて火神纏翔(かしんてんしょう)!」
黄龍「ふっ…火神の力だけで私に勝てると思っているのか?」
龍静「試してみろ!はぁ!」
青い炎を纏った龍静が黄龍へと攻撃を仕掛ける。
黄龍「玄武剛盾!」

ガキン!

両手を構え攻撃を受け止める黄龍。
黄龍「なに…?」

グググ!!

龍静の拳が黄龍の腕を徐々に押していく。
黄龍「水神が火神に押されるだと!」
龍静「属性の相性など!今の僕には無意味だ!」

ガン!

黄龍「そんな…くっ!」
両腕を弾かれ無防備になる黄龍。
龍静「いくぞ!」

ダン!

拳を黄龍へと打ち込む龍静。
龍静「臨(りん)!」
黄龍「ぐっ!」
龍静「兵(びょう)!」
龍静は拳を打ち込むたびに九字を唱える。
ドン!
龍静「闘(とう)!」
ドン!
龍静「者(しゃ)!」
ドン!
龍静「皆(かい)!」
ドン!
龍静「陣(じん)!」
ドン!
龍静「列(れつ)!」
ドン!
龍静「前(ぜん)!」
ドン!
龍静「行(ぎょうぅぅぅ)!!!」
ドゴォン!!
黄龍「ぐぁぁぁ!!」
激しく吹き飛ばされる黄龍。

バッ!!

最後の一撃を放った右手を開く龍静。

シュィィン!!

龍静の右手に吸い込まれるように青い炎が剣のような姿に形を変える。

ガッ!

その炎の剣を両手で持ち、構える龍静。

ジャキ!

構えた剣の刀身を自身の後ろに向ける龍静。

バシュゥゥン!!!

剣の刀身の炎が一段と大きくなる。それは後ろの壁をも突き破るほどの長さとなる。壁をも突き破りとんでもない長さの炎剣を構える龍静。
龍静「大炎(たいえん)を持って焼き尽くす!!」

ボッ!!

炎剣を壁を突き破りながら黄龍へと振るい落とす龍静。

ガガガガ!!

壁が炎に裂かれていく。
龍静「炎帝神火(えんていしんか)・朱雀天翔剣(すざくてんしょうけん)!!」
黄龍「火神ごときの力!六壬の力で押し返す!応龍暴拳!」
両手を構え振り下ろされる炎の剣に対し、黄龍の両手から発せられる気の塊が龍の姿となって炎の剣と衝突する。

ガガガガ!!

ぶつかり合う龍と炎の剣。
黄龍「六壬すべてを極めた私に火神の力が勝てる通りなど…」

バキン!!

黄龍「なに!?」
黄龍の龍が炎の剣により破壊される。
龍静「火神の力といえど極限までその力を高めれば水神をも凌駕する。この力その身で受けよ!」

バシュゥゥ!!!

黄龍へと振り下ろされる炎の剣。黄龍の体が炎に包まれる。
黄龍「ぐぁぁぁ!!」

ジュゥゥ

黄龍の体が炎に焼かれる。体が自由を効かないほどの熱に悶える黄龍。
黄龍「うぁぁ!!」
龍静「出藍の誉れと思っていたようだが所詮は遼東の豕だったということだ。その行いを悔いろ黄龍!」
黄龍「がっ…はっ…」
体から煙が出るほどに燃え、その場に倒れこむ黄龍。
龍静「決着だ黄龍。僕はお前を超える。僕のやり方でな」
黄龍「わ…たしが負けた…だと…」

ドサッ!!

その場に倒れる黄龍。
龍静「その身をもってその罪を償え黄龍。タウガス共和国はお前とEGOの好きにはさせない」

~EGOタウガス共和国支部入口~
カラン「……」
カルマート・カランの尻尾がボルクへと振り下ろされる。

ブン!!

ボルク「あたるか!」

ドゴォ!!

地面へと打ち付けられるカランの尻尾。それは大地を砕き、亀裂を発生させる。
ボルク「あんなの当たったらひとたまりもないぜ」
カラン「……」
カランは再びボルクへと狙いを定める。
ナル「ボルク!」
メルト「無事ですか!」
ナルとメルトが支部内より姿を現す。
ボルク「あぁ。こっちは問題ないぜ」
カラン「……」

ドドドド!!

カランは大地に走った亀裂へとその体を潜らせていく。
ボルク「なんだあいつ?地中に潜って…」
周囲からカランの気配が消える。カランはいずこかへと去っていったようだ。
ボルク「逃げたのか?」
ナル「四凶獣を倒してくれたのには感謝だね」
ボルク「何言ってるんだ?お前たちが支部に突入した後あいつ俺たちを襲ってきたんだぞ!」
メルト「えっ!?味方じゃないんですか!」
ナル「読めないね…一体何が目的なんだ…」

こうしてEGOタウガス支部はナルや龍静、ボルクたちにより解放された。だが喜んでもいられない。レムリア大陸とグリフ大陸に向かったほかの仲間たちの安否も気になる。
それに突如現れた地縛民。彼らの動向も謎だ。EGOによる世界の掌握に反逆するナルたち。そしてそこに介入してきた地縛民。世界はさらなる混乱を迎えるのかもしれない。

to be continued

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最終更新:2019年07月17日 19:00