グリフ支部の技術の結晶!最強の駆動鎧!

~EGO本部・1階エントランス~
レイジ「……」
仰向けに倒れるリベルタ。その横には装甲車ソルダート・スクドが転倒したような形で横たわっている。

ジジジジ!

全身にダメージを負い、全身から煙をあげながら各部の回路がショートしているような音を立てるリベルタとソルダート・スクド。それを見詰めるようにたたずむヴォルケイン。
ガドゥ『もうその駆動鎧(パワードスーツ)も動けまい。EGOに反旗を翻したことをその身をもって悔いるがいい』

ガシン!ガシン!

リベルタの元へとゆっくりと歩きながら近づいてくるヴォルケイン。
ボルドー『くっ!動け!ソルダート・スクド!』
マードック「だめです!先ほどのダメージが大きすぎます。稼働にはまだ時間が…」
ラピッド・レアーリとシェリング・アルマトがリベルタのほうへと向かおうとする。
アングルフ「……」
だがそれを遮るようにアングルフたちが立ちはだかる。
モニカ『邪魔をしないで!』
リヴァーレ『くっ!』
アングルフたちに攻撃を仕掛ける2人。だが…

ビキビキビキ!

アングルフたちの装甲はすぐに修復する。2人の攻撃をものともせずその場に立ちはだかる。
モニカ『このままではレイジが…』

ガシン!

リベルタの前に立つヴォルケイン。
ガドゥ『AIS!とどめを刺しなさい』
レイジ「ぐ…ぅ…」
なんとか反応しようとするレイジ。だがその体は動かない。

ガコン!

ヴォルケインの背中の砲塔がリベルタへと向けられる。

ギュゥゥン!

砲塔の先端にエネルギーが溜まっていく。
ガドゥ『さぁ消し去りなさい!』
砲塔からエネルギーが放たれる瞬間!

バコン!

態勢を崩すヴォルケイン。何かがヴォルケインの頭部に衝撃を与える。
ヴァイス「やらせないわ」
白い長銃を構えるヴァイス。ヴァイスの放った銃弾がヴォルケインへと命中したのだ。
ガドゥ『無駄なことを…』
ヴォルケインはヴァイスのほうを向くと

シュン!

ヴァイス「えっ!消えた!?」
一瞬にして姿を消す。

ゾクッ!

背後に気配を感じるヴァイス。振り向きざまに見えたのは自分に向け手に持った駆動鎧用のナイフを振り下ろすヴォルケインの姿だった。
ヴァイス(間に合わない!だめ…死…)
死を覚悟し両目を閉じるヴァイス。

ガキン!

ヴァイス「えっ?」
両目を開けたヴァイスの前には駆動鎧が立っていた。その駆動鎧はヴァイスをかばうように両腕を構え、ヴォルケインのナイフを受け止めていた。
ヴァイス「レイジ!」
リベルタがヴォルケインの攻撃を受け止める。
ガドゥ『まだ動けたのか。しぶとい奴だ』
レイジ「隊長からの最後の命令を遂行するまで死ぬわけにはいかない。それにもうこれ以上仲間を失う気はない!」
ヴァイス「レイジ…」
ガドゥ『ふん。だが!』

バシン!

ヴォルケインに薙ぎ払われるリベルタ。そのまま地面へとしりもちをつくように倒れる。
ガドゥ『その体たらく。口だけは立派なようだがそんな状態で何ができる?』
レイジ「くっ…」
ガドゥの言うとおりだ。ヴォルケインの攻撃によりリベルタの機能は限界寸前。こんな状態では万に一つも勝機はない。
レイジ「それでも…俺は!」
ガドゥ『口だけならば誰にでもいえる!死をもってその無力さを知るがいい!』
マードック「いいや!彼の勇気は活路を開いた!」
トレーラーから聞こえるマードックの声。

バシュン!

トレーラーから何かが放たれる。

ボン!

放たれたのは煙幕弾だ。
ガドゥ『姿が見えない…センサーも反応なし…チャフ(センサー遮断)も内包した煙幕か。時間稼ぎなど…』
マードック「レイジ!」
レイジ「なんだ?」
マードック「ボルドー技術長から聞いているね。あれをやる!」
レイジ「このタイミングでか?」
ボルドー『このタイミングだからこそじゃ!今やらねばあの駆動鎧には勝てはせん!』
モニカ『マニュアルは全員把握していますね』
リヴァーレ『問題ありません』
レイジ「成功確率は5分5分といったところか」
マードック「リベルタとソルダート・スクドの損傷を考慮すると30%ってところだね」
モニカ『それでもこれにかけるしかありません!』
ボルドー『やるしかあるまい!』
リヴァーレ『モニカ長官とボルドー技術長とともにいきます』
レイジ「分の悪い賭けは嫌いじゃない。いくぞ!」
ボルドー『いまこそ全ASRU(アタックスパーダリベルタユニット)の力を合わせるときじゃ!!』
マードック「細かい制御コントロールは僕が行う!」
レイジ「はぁ!」
地面をけり飛び上がるリベルタ。
マードック「ASRU!」
モニカ・リヴァーレ・ボルドー『ドッキング・シークエンス!!』
リベルタを囲むように並ぶASRU。

ガキン!

各ASRUが変形する。戦車型のシェリング・アルマトは2つに分離する。リベルタの脚部を覆うように合体し、その背中に2本の砲塔が装着される。

ガシン!

装甲車のソルダート・スクドも2つに分離し巨大な両腕となる。それに自身の両腕をはめ込むように合体するリベルタ。

ガキン!

戦闘機のラピッド・レアーリがリベルタの胸部を覆うように装着される。その翼は変形しリベルタの背中へと展開される。
マードック「各ASRU問題なし!いけます!」
ボルドー『よし!』

ガシン!

リベルタの頭部に被さるようにヘルメット上のパーツが装着される。

ゴゴゴゴ…

煙幕が晴れていく。
ガドゥ『ヴォルケインのセンサーも反応する。時間稼ぎも終わりだな。ん?』
煙幕が晴れ、ヴォルケインの前に姿を現したのは先ほどとは似ても似つかない姿の駆動鎧であった。
ガドゥ『なんだ?この駆動鎧は…』
両足を強靭な戦車が構築し、その両腕は装甲車が構成する巨大な両腕。背中には2本の砲塔と翼をもつ駆動鎧。それは…
レイジ・モニカ・リヴァーレ・ボルドー「スパーダMAX(マックス)!超合体駆動鎧(ちょうがったいパワードスーツ)デフィニティーリベルタ!!!」
ヴァイス「リベルタが合体した…まるで戦〇ロボみたい…」
ガドゥ『新たな合体形態か…だが私のAISには!』

ドシン!ドシン!

ゆっくりと歩きながらヴォルケインと近づいていくデフィニティーリベルタ。
ガドゥ『AIS!』

シュン!

姿を消すヴォルケイン。

ザシュ!

高速の攻撃をデフィニティーリベルタへと繰り出すヴォルケイン。だが…
ガドゥ『なに…?』
デフィニティーリベルタはいくら攻撃を受けても効いていないかのようにびくともしない。

ガッ!

攻撃の瞬間にヴォルケインの腕をつかむデフィニティーリベルタ。
レイジ「たぁぁ!!」

ドゴン!

地面へと勢いよく叩きつけられるヴォルケイン。それに反応したかのように周囲のアングルフたちがデフィニティーリベルタへと襲い掛かってくる。
ヴァイス「レイジ!」
レイジ「リヴァーレ!ボルドー技術長!」
ボルドー『うむ!』
リヴァーレ『各砲塔展開』

バゴン!

デフィニティーリベルタは両腕の指をアングルフたちに向けて構える。さらにその脚部の装甲が展開し無数の砲台が現れる。
レイジ・リヴァーレ・ボルドー「デフィニティーバスターキャノン!!」

ババババ!!

デフィニティーリベルタの両手の指と脚部から放たれる無数の粒子エネルギーの砲弾。それは次々とアングルフたちを貫いていく。

ビキビキビキ!

だがアングルフたちはダメージを受けながらもその傷を修復しながらデフィニティーリベルタへと向かってくる。
レイジ「自己修復を上回るダメージを与えなければ…」
リヴァーレ『出し惜しみをする必要はない。全砲門をつかえ』
レイジ「あぁ!」

ガシ!

両手を合わせるデフィニティーリベルタ。背中の砲塔もアングルフたちへと狙いを定める。

ゴゴゴゴ!!

背中の砲塔と脚部の砲台の粒子エネルギーがその手の前に集まっていく。

ボボボボ!!

デフィニティーリベルタの手の前に形成される巨大なエネルギーの塊。
レイジ・リヴァーレ「超究極粒子電磁砲(デフィニティーフルバスターキャノン)!」

バシュン!

アングルフたちに放たれるエネルギーの塊。

ドゴゴゴ!!

エネルギーに飲み込まれるように消滅していくアングルフたち。
ヴァイス「すごい…」
ガドゥ『量産型アングルフが全滅だと…馬鹿な!』

ガッ!

ヴォルケインの両腕を掴むデフィニティーリベルタ。
レイジ「これでおまえの高機動も生かせない!」
ガドゥ『くっ!』
デフィニティーリベルタから逃げようとするヴォルケイン。だがデフィニティーリベルタの圧倒的な力の前にその手を放すこともできない。
レイジ「終わらせる!」

ジャキン!

デフィニティーリベルタの全砲門がヴォルケインへと向けられる。
レイジ「デフィニティー!」

キュィィィン!!

全砲門にエネルギーが溜まっていく。
レイジ「フルバスター!」

カッ!

レイジ「キャノン!」

ドゴォン!!

零距離での全砲門によるエネルギー弾がヴォルケインへと浴びせられる。
ガドゥ『そ、そんな…私のAISが…負ける』

ゴゴゴ!!ボゴォン!

激しい爆発が起きる。爆発の中から現れたのは…

レイジ「これがデフィニティーリベルタの…俺たちの力だ」

デフィニティーリベルタだ。あれだけの爆発の中からでもその姿にはダメージが見えない。

ジジジ!

その目の前には全身にダメージを追ったヴォルケインの姿があった。
レイジ「まだ倒れない…か」
修復機能も追いつかない様子のヴォルケイン。
ガドゥ『まだ…まだだ!私のAISは負けてない!私の子が最強なのだ!すぐに戻ってきなさいAIS!』
ガドゥの命令に従うようにボロボロのヴォルケインは本部の地下へと姿を消した。
レイジ「目的は突入部隊のサポート。目的は…果たせたな…」

ドスン!

その場に倒れるデフィニティーリベルタ。

バン!

トレーラーから出てくるモニカたち。
モニカ「すぐにリベルタの着装解除を!レイジさんの様態確認を急いで!」
リヴァーレ「はっ!」
ヴァイス「レイジ!しっかり!」
ボルドー「デフィニティーリベルタのバッテリーも限界。これ以上わしらにできることはなさそうじゃ。あとは突入部隊に託すしかないの」
マードック「十也たちなら必ずやってくれるさ。僕はそう信じてるよ」
モニカ「レイジさんを回収したら私たちは外で待機します。あとは彼らを信じて待ちましょう」

ヴォルケインを退けたモニカたち。熾烈を極めるEGOとの闘い。その本部を抑えるための死闘はまだ始まったばかりだ。

to be continued

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最終更新:2020年01月30日 23:01