受け継がれし力!エミス覚醒!

ジャキン!

黒い刀身を持つ大剣。D=E=R(ディスエクスペリエンスレコード)を手にもつエミス

シュゥンン!!

形が変化していくDER。その姿は片手ででも持てるほどの大きさの黒い刀身の長剣へと変貌していく。
ハウリングユニットがブラスト・パッチコートの補修部を補うように合体し、その両肩と両下腿部の外側に4つの長方形型のユニットが装着されている。
エミスの着ていたボロボロの鎧の補強用テープは外れ、全く新しい鎧として生まれ変わった。
アージ「アラたなソウビをてにイレようが、ショせんガラクタにツギハギヲカサねただけだ。オリジなるであルぼくにはかテはシない!」
エミス「…神涜(かんとく)の騎士と天十也さんから受け継いだこの装備」
コード・ヴァ―ダンドがノルンを護るために振るっていた黒い大剣ディス・エクスペリエンス。天十也とともにオリジネイターたちと戦い抜いた鎧コート・オブ・ブラスト。
エミスの意志にこたえるように答えるように生まれ変わった剣と鎧。
エミス「主(あるじ)とともにに戦ってきたその過去(レコード)は今新たな姿となり、未来へとつながる!生まれ変わったコート・オブ・ブラスト…ブラスト・ロアーの力を!」

ジャキン!

エミスの鎧に装着されている長方形型のユニットが展開し、くの字型のブーメランを思わせる形になる。
エミス「スラッシュロアー展開!」

シュン!

エミスの声に応じるようにスラッシュロアーと呼ばれるブーメラン型になったユニットが鎧から外れ空中に浮かぶ。
エミス「いけ!」
右手を開きアージに向けて構えるエミス。

シュィィン!!

スラッシュロアーがアージに向かって飛んでいく。

ヴン!

スラッシュロアーから粒子の刃が展開される。

ザシュ!

アージ「ぐっ!」
飛び回りながらアージを切り刻んでいくスラッシュロアー。
エミス「切り刻めスラッシュロアー!」

ザシュ!ザシュ!

アージ「コノていどのコウげき!」

ビキビキビキ!

スラッシュロアーにより傷つけられたアージの体の傷が治っていく。
エミス「自己再生…ならば!」
長剣を構えるエミス。
エミス「はぁぁ!」
長剣を手にアージへと斬りかかるエミス。

ザシュン!

アージ「がっ!」
アージの体を長剣が切り裂く。だが…

ビキビキビキ!

アージの体は斬られた側から回復していく。
アージ「ムダだ!」
エミス「スラッシュロアー!」

シュン!

スラッシュロアーがエミスの元に集まってくる。
エミス「DE(ディス・エクス)ブレイカー!」

ガキン!

スラッシュロアーが変形しエミスの持つ長剣DE(ディス・エクス)ブレイカーに装着される。
エミス「DER(ディスエクスロアー)!!」

キュィィン!!

剣を粒子の光が覆う。光り輝く大剣。
エミス「はぁぁ!!」
光り輝く大剣をアージへと突き刺すエミス。

ズン!

アージ「ぐふっ!」
エミス「終わりだ!アージ・アレジェーネ!」

キュン!キュン!キュン!

アージの体に突き刺されたDERが光を放つ。
アージ「な…ナんだコれは!?」
エミス「粒子解放!!」

カッ!

ドゴン!

激しい爆発が起きる。爆炎に包まれるエミスとアージ。
にろく「エミス!」
辺りに立ち込める黒煙。それは次第に晴れていく。その中から姿を現したのは…
エミス「ぐっ…」
首を掴まれるエミス。その首を掴む腕は黒く禍々しい。
アージ「くくく…イマのコウげきはサすがにアセッたぞエミス!」
全身が黒い靄に覆われた巨人へと姿を変えたアージ。今までの姿の面影はまるでない。
エミス「これでも…ダメなのか…」
アージ「くはは!カンせいされたシンジンルイであるぼクのカてになれ!」

バシュ!

アージの背中から黒い羽根で作られた無数の手が伸びる。

ガッ!

結利「えっ!」
きゅっぱ「なに!?」
その手は結利たちが戦っていたハイヒューマンたちを掴んでいく。掴まれたハイヒューマンたちが次々とアージの体に取り込まれていく。

ズブズブズブ…

アージの体に溶け込むように取り込まれていくハイヒューマンたち。
アージ「チカラが…ミナぎる!!」
にろく「こいつ…仲間を…」
アージ「ナカま?チガウナ、こいつラはボクがカンペキなるハイヒューマンにナるたメのふみだい!エミス!オマえモな!」
エミス「ぐぅ…」
にろく「自分の姿をわかっていないのかこいつ…」
黒い靄の化け物と化したアージ。そんなものが新たなる人類とは到底思えるものではない。
きゅっぱ「チカラの暴走かい…」
結利「エミスを助けなきゃ!」
フリントブレードを手にアージに攻撃を仕掛ける結利。
アージ「ジャマをスルな!!」

シュルル!!

触手のように伸びたアージの腕が結利を捕える。
結利「きゃぁ!」
にろく「結利!!」
きゅっぱ「まずいね!私たちも行くよ!」

ガッ!

にろく「なに!?」
アージの黒い翼の手に掴まれるにろくときゅっぱ。
きゅっぱ「身動きが…」
アージ「オまえたちもぼくのかてにシテやる!」
にろく「くっ…万事休すか…」
きゅっぱ「手も動かせないんじゃ能力が使えない!」
結利「絶体絶命だよ!」

~EGO本部正門前~
ヒルデ「ハウリングユニットは?」
カミナ工業社員「何者かによって使用されている模様です。使用者のデータはアンノウン。適合する人物がいません」
ヒルデ「ということはオウリギンの手のものではない…ツバメたちの仲間のだれかね」
ハウリングユニットにはデータ収集のために装着者の適合照査と適合率を計測する装置が取り付けられている。
カミナ工業社員「社長!この適合率を見てください!」
パソコンに表示される画面を確認するカミナ。
ヒルデ「適合率100パーセント!?そんな…今までの実験でこんな適合率を発揮したものはいない…」
カミナ工業社員「どんな能力者でもこれだけの適合率を発揮するなどありえません」
ヒルデ「前例がない事態…ならば試す価値はあるわね」
カミナ工業社員「まさか…」
ヒルデ「ハウリングユニットのリミッターを解除しなさい」
カミナ工業社員「いいのですか社長。あれのリミッターの解除なんて…」
今までの実験でリミッターを解除したハウリングユニットは即座に機能停止か破損している。その状態で起動成功した試しはない。
ヒルデ「EGOとの戦いという大博打に勝つには多少の賭けも必要よ。勝利を掴むのは賭けに勝ったものだけ。賭けの舞台にも立たないものには甘美なる勝利は訪れはしないのよ」
カミナ工業社員「わかりました。ハウリングユニットのリミッターを解除します」
パソコンを操作する社員。
ヒルデ「さぁ名も知らぬ適合者さん。その力を存分に発揮して見せなさい!」

~EGO本部・3階~
アージ「おわリだナエミス!」
エミス「こんなところで…みんなも…守れずに…」

グググ!!

エミスの首を締め付けるアージの力が強くなる。

キュィィン!!

アージ「なんダ?」
エミスのスラッシュロアーが光を放つ。
エミス「これは…」

バシュゥゥン!!

ブラストロアーの両肩、両下腿部に装着されているスラッシュロアーから展開される粒子の奔流。それは光り輝く翼のように見える。
アージ「リュウしのつばさだと!?」
エミス「うぉぉぉ!!」

ザシュン!!

粒子の翼がアージの両腕と翼を切断する。
にろく「粒子の翼…」
きゅっぱ「なんていうか…神々しいね」
結利「きれい…」
粒子の翼を展開し空中へと浮かぶエミス。
エミス「これがハウリングユニットの真の力…」
アージ「まだこれほどのチカらをかくしテいたとはな!」

ボコボコボコ!!

アージの体が修復していく。
エミス「今度こそ…決着をつけるアージ・アレジェーネ!」

バサ!

粒子の翼をなびかせアージへと斬りかかるエミス。
アージ「ソンなこうゲきなど!」

ガン!

黒い靄で構成された腕でエミスのDEブレイカーを受け止めるアージ。
エミス「スラッシュロアー!!」
エミスの呼びかけに応じるように両肩と両下腿部のスラッシュロアーが外れ粒子の翼を剣のように収束させ、アージへと襲い掛かる。

ザシュ!

アージの両腕を切断するスラッシュロアー。
アージ「な二?ボクのうデが!」
エミス「さき程までとは違う。これがハウリングユニットの…ブラスト・ロアーの真の力!」

ジャキ!

DEブレイカーを両手で持ち刀身を天に向け構えるエミス。

シュン!

スラッシュロアーがDEブレイカーへと飛んでくる。

ガキン!

DEブレイカーへと装着されるスラッシュロアー。その姿は装甲をまとった大剣。
エミス「DER(ディス・エクス・ロアー)!粒子コントロール!」

キュィィン!!

粒子の光がDERを包み込む。
エミス「最大出力!!」

ドバババ!!

ドゴン!

粒子の光が刀身の先端から溢れ出る。溢れ出た粒子は建物の上階を突き抜くほどの巨大なエネルギーの刃を形成している。その剣の姿はコード・ヴァ―ダンドの振るっていたディス=エクスペリエンスの必殺形態を彷彿とさせる。
アージ「こレは…ヴァ―ダンドの…」
エミス「はぁぁ!!」

ゴゴゴゴ!!

建物を切断しながらアージへと迫るDER。
アージ「ばかナ…なんでオマえがコレほどのリュウしせいギョを…」
エミス「消えろアージ・アレジェーネ!『終剣神凪(しゅうけんかんなぎ)』!!」

ジュッ!

アージ「はぶっ…」
アージの体を切断しながら建物を両断するエミスの一撃。
アージ「か…からだが…」
アージの体の再生が追い付かない。
アージ「ボクは…シンジンるい…ボクが…まけるなど…」

ブシュゥゥ…!

アージの体から吹き出す黒い煙。
エミス「思いあがったお前の負けだ。完璧な存在などあり得はしない」
アージ「く…そぉぉぉ!!このボクがぁぁ…!!」

ブシュゥゥ!!

黒い煙となり霧散していくアージ。そしてその姿は塵も残らず消滅した。
エミス「なんとか…なり…ました…ね」

ドサッ!

その場に倒れるエミス。
にろく「エミス!」
結利「大丈夫!?」
エミスへと駆け寄るにろく、きゅっぱ、結利。
きゅっぱ「エミスは命には問題ないようだね。私たちもハイヒューマンとの戦いでだいぶダメージを負っている。あとはあいつらに託すほかないね」
にろく「そうだな。あとはたのんだぞ十也」

アージ・アレジェーネを倒したエミス達。これで残すはEGOの総司令オウリギンのみ。彼との戦いが世界へ反逆を仕掛けた十也たちの運命を決める。

~EGO本部・地下研究室~

ガシャン!


膝をつくボロボロのヴォルケイン。
ガドゥ「AIS!」
ヴォルケインの装甲が開く。

ガシュン!

その中から現れたのは…


ドクン!ドクン!

心臓のように脈打つ球体のユニットだ。
ガドゥ「AISが無事ならばまだ打つ手はある。私の子が負けるはずなどないのだから」

「そいつが駆動鎧のコアか」

ガドゥしかいないはずの部屋に響く声。
ガドゥ「だれだ!?」
「そのコアを破壊させてもらう」
部屋に入ってきた男はその両腕に駆動鎧の腕部を装着していた。
ガドゥ「おまえは…」
ゲイン「これ以上EGOの好きにはさせん。こいつがな」

to be continued

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最終更新:2020年02月09日 21:05