~EGO本部前~
ウジュル!ウジュル!
地面から生える無数の巨大な触手。
EGO隊員「うぉぉぉ!」
ババババ!!
隊員たちは銃を触手に向けて放つ。触手に銃弾が着弾し、多数の穴が開く。だが…
ビキビキビキ!
触手に空いた穴が即座にふさがっていく。
レイジ「AISの自己再生か!」
ガッ!
触手がEGOの隊員たちを掴む。
ガバッ!
触手の先端が口のように開く。その口に隊員をまるで食べるかのにほかの触手が押し込んでいく。
EGO隊員「う、うわぁぁ!!」
バクン!
触手に食べられてしまうEGO隊員たち。
ヴァイス「人を食べるの…」
きゅっぱ「攻撃が効かないうえに一方的に相手を捕食する生物かい。質(たち)が悪いね」
ヒルデ「どうしたものですかね今寄崎社長?」
ツバメ「わざわざ私に聞くの?」
ヒルデ「えぇそうです。あなたならこの状況を打開できる策を編み出せると私は信じていますから」
ツバメ「都合がいい時だけ頼ってくると嫌われるわよ?」
ヒルデ「うふふ。構いません。私が必要としているのは友達ではなくビジネスパートナーですから」
ツバメ「相変わらずねヒルデ・カミナ」
ヒルデ「誉め言葉として受け取っておきます」
ツバメ「まぁいいわ。この状況を打開する策、それは…」
ビシッ!
地面を指さすツバメ。
ウルズ「地面?」
ツバメ「EGO本部の地下室があった場所にAISの本体がいるはず。それを倒せばこの触手も消滅するはずよ」
ゲイン「ならばそこまでの先導役は俺の役目だ」
十也「俺も行く!」
レイジ「AISを倒すなら俺も行かせてもらう」
ヴァイス「私も!」
名乗りを上げる4人。
ツバメ「わかったわ。あなたたち4人にAIS討伐を任せるわ。あとの私たちは全力で4人のフォローを行う!」
シュルルル!!
触手がツバメたちへと狙いを定める。
ツバメ「敵は無限の回復力を持つ。時間がたてばたつほどこちらが不利になるわ!短期決戦よ!」
十也「あぁ!」
走り出すゲイン、十也、
レイジ、
ヴァイスの4人。
シュン!
触手たちが4人に向かって飛ぶように襲い掛かる。
エミス「やらせません!スラッシュロアー!」
ガキン!
エミスの鎧に装着されたブーメラン状のユニットが粒子の刃を展開し触手を切り刻む。
ズバッ!
切断されていく触手。
きゅっぱ「トリガーオン!」
右手を銃の形に構える
きゅっぱ。
パン!パン!
きゅっぱの人差し指から放たれる粒子の弾が触手に着弾する。
破壊されていく触手たち。だが次々と新たな触手が地面から生えてくる。
ボゴン!
十也たちの進路を防ぐように壁のように立ちふさがる触手。
にろく「ちっ!」
その場に落ちているEGO隊員の銃を拾うにろく。
にろく「くらえ!」
ババババ!
弾が切れると、次々と銃を拾いながら銃弾を放つにろく。
結利「フリント・スラッシャー!」
フリントブレードを連結させブーメランのように飛ばす結利。
ボン!
触手に当たると刀身が外れ爆発する。次々と刀身を外しながら爆発するフリント・スラッシャー。
モニカ「私たちも援護します」
リヴァーレ「ASRU(アタック・スパーダ・リベルタ・ユニット)各機攻撃!」
トレーラーから発進する各機が触手たちに攻撃を仕掛ける。
ドドドド!!
十也たちの前に塞がる触手たちが破壊されていく。
ドク「攻撃の手を緩めたら十也たちの道は塞がれる。手を緩めるわけにはいかない!」
ボルドー「そうじゃ!全力でいくのじゃ!」
壁のように立ちふさがる触手を抜ける十也たち。本部の入り口があったところまではあと少しだ。
ドシュルル!
だがそんな十也たちを中に入れまいと触手たちはさらに激しく攻撃を仕掛ける。
ドゴン!
触手に放たれる砲弾。それはカミナ工業の駆動鎧の攻撃だ。
ヒルデ「せっかくEGOを倒したんですもの。こんなところで負けてはすべて水の泡。あなたたちにはこれを倒してもらいませんとね」
カミナ工業の駆動鎧たちが十也たちを援護する。次々と触手を破壊していく駆動鎧たち。
十也「あと少し!」
ゲイン「このまま地下への入り口へいくぞ!」
レイジ「あぁ」
ヴァイス「オッケー!」
地下への入り口に差し掛かる十也たち。
シュルルル!
十也たちの前に触手が立ちはだかる。だが先ほどまでの触手とは違いその触手は十也たちの体を貫こうと攻撃を仕掛けてくるそぶりはない。
十也「なんだ…」
バコン!
触手の先端が4つに割れ口のように開く。
ググググ!!
触手の中から何かが出てくる。
ボドン!
触手から出てきたそれは…
レイジ「アングルフ…!」
ヴァイス「親分が使っていた駆動鎧!」
アングルフ「……」
ボドン!ボドン!
次々と周囲の触手から生み出されるアングルフ。瞬く間に十也たちはアングルフに取り囲まれる。
ゲイン「駆動鎧まで生み出すとはな」
十也「これでは先に進めない…」
アングルフ「……」
ジャキン!
アングルフの右腕が変形し巨大な剣となる。
バシュン!
背部のブースターを点火し、右手の剣を構え十也たちへ襲い掛かるアングルフたち。
バッ!
そこに割って入る一人の人物。彼女は十也たちの前へとくるとその能力を発動する。
ツバメ「『シークレット・ベース』!」
ヴン!
十也たちのいる空間と外界が遮断される。アングルフたちの攻撃は遮断された空間の壁により阻まれる。
ツバメ「後はウルズが!」
ウルズ「『御雷・天鳥(ミカヅチ・アマトリ)』!」
ボン!ボン!ボン!
射出されたウルズの右腕がアングルフたちを次々と高周波で破壊していく。
ヴン!
解除されるツバメの空間遮断。
十也「ウルズ!」
ウルズ「ここはまかせな!お前たちは地下へ!」
十也「あぁ!」
地下へと進んでいく十也たち。
ウルズ「さぁて!」
ウルズとツバメの前に立ちはだかる無数のアングルフたち。
ツバメ「さすがにこれだけの数は厳しいんじゃないかしら?」
ウルズ「安心しろあいつならなんとかしてくれるさ。それまで持ちこたえれば俺たちの勝ちだ」
ツバメ「そうね。ここまで来てあきらめる気はないわ!」
ババババ!
アングルフたちに浴びせられる弾丸。
ツバメ「なに!?」
EGO隊員「援護します!こいつらにEGOをやらせはしません!」
EGOの隊員たちがツバメとウルズの元へ駆けつける。
ツバメ「あきらめなければ活路は開けるものね。いくわよウルズ!」
ウルズ「あぁ!」
EGOの隊員たちとともにうツバメとウルズはアングルフたちと激闘を繰り広げる。
~EGO本部・地下室~
ゲイン「この扉を開けた部屋だ。そこにAISはいるはずだ」
ガチャ!
部屋の扉を開けるゲイン。
レイジ「これは…」
扉の向こうの部屋は無数の触手が部屋の壁を覆っていた。
ドクン!ドクン!
脈打つ触手に覆われた部屋。
ヴァイス「気味が悪いわね」
十也「AISは…」
部屋の中を見渡す十也。
十也「ん?」
部屋の中央に輝く球体を見つける。心臓のように脈打つそれは…
ゲイン「AIS!」
その球体からは無数の触手が伸び、周囲の壁を覆っている。それが触手たちの司令塔であることは一目瞭然だった。
レイジ「
アルバド隊長の仇…ここで撃たせてもらう!」
ジャキ!
ズブズブズブ!
AISの中から何かが出てくる。それは人の姿を成している。人の上半身がAISから現れる。
「…
レイジ…」
レイジのことを呼ぶその声の主。それは…
レイジ「
アルバド隊長!」
ヴァイス「ボス!」
アルバド「
レイジ。私を殺すな」
アルバドだ。AISから現れた
アルバドは言葉を続ける。
アルバド「私はこの世界を粛正する。その邪魔をするな
レイジ」
レイジ「何を言っているんですか隊長!」
アルバド「私は気づいたのだ。AISと同化することで。人間はおろかな存在。この星を蝕む一番の存在。私を生み出した
ガドゥでさえもその私利私欲にまみれていた」
レイジ「……」
ヴァイス「これはもう…」
レイジと
ヴァイスは気づく。
アルバドの姿をしているがこれは
アルバドではない。AISが再現しようとしている幻想だと。
ゲイン「感動の再開…というわけでもないみたいだな」
レイジ「あぁ…これは隊長の姿を模しているだけ。もう隊長はいない」
アルバド「なにを言っている
レイジ?私はこうして生きている。さぁ私とともにAISと融合しようではないか」
パァン!
アルバドの眉間を銃弾が打ち抜く。その額に穴が開く
アルバド。
アルバド「何のつもりだ
ヴァイス」
銃弾を撃った
ヴァイスをにらむ
アルバド。
ヴァイス「あんたは…ボスじゃない。ボスはそんなことは言わない!」
シュルゲン・イェーガーを構える
ヴァイス。
アルバド「なぜだ?姿も声も完璧だ。なにが違う?」
レイジ「AIS。お前には人間の心を理解できていない」
アルバド「ココロだと?」
レイジ「お前は確かに優秀なAIだ。だが人にはなれない」
アルバド「私が人に?私は人を超える存在。究極の存在だ。人になどなる必要はない!」
ボド!
AISの球体から切り離され、
アルバドの上半身が地面へと落ちる。
アルバド(AIS)「私の障害は始末する」
シュルルル!
シュルル!
触手の中から姿を現したのは駆動鎧ヴォルケインだ。
ヴォルケイン(AIS)「消えろ!人間ども!」
to be continued
最終更新:2020年02月24日 21:44