偽りを貫け!聖国を治める真の力

オリジネイター偽りのライアード。彼に対峙するは聖国の若き王ディサイブ・ラウズレイと果倉部道場のスライ
彼らは強力な力を持つ彼に勝利することはできるのか。

スライ「いくぜ!シャイニーマジック!『フォース・キャリア』!」
スライの周りに光が集まる。集約された光は無数の結晶になる。
スライ「くらえ!」
スライの号令とともに無数の結晶はライアード目がけて飛んでいく。
ライアード「ぐっ!」
無数の結晶がライアードに直撃する。
ディサイブ「光を操る能力か」
スライ「あぁ、そうさ。おれは光を操り様々な力とすることができる。光を結晶化し、弾丸のように相手に飛ばす。この『フォース・キャリア』。無事では済まないぜ!」
ライアード「光を操る能力ですか。面白い能力ですね」
スライ「なっ!?」
確かにスライの攻撃はライアードに直撃した。しかしライアードはまるで何事もなかったかのようにピンピンしている。
ディサイブ「攻撃が通らないのか…」
ディサイブは先ほどのことを思い出す。路地裏でのライアードとの闘い。聖鎌アダマスの能力で奴の心臓を貫いたはずが奴にはまったく効果がなかった。
スライ「だったら!」
スライは拳を構える。
ライアード「ほぅ。拳法ですか」
スライ「果倉部流の力、見せてやる!」
スライの拳がライアードを捉える。その腹部に強烈な一撃が炸裂する。
ライアード「…」
スライ「どうだ!」
確かな手ごたえを感じたスライ。この一撃、奴も無事では済まないだろう。しかし
ライアード「全然ですね。では、今度はこちらからいきますよ!」
スライ「なっ!?」
ライアードには今の攻撃がまるで効いていない。驚くスライの体にライアードは拳を打ち込む。隙を見せた瞬間のカウンター。ダメージを覚悟するスライ。
スライ「あれっ?」
しかしライアードの拳は全然痛くない。
スライ「こいつ、戦いの素人か?子供のパンチのような痛みしかないぜ!こんなパンチならいくらでも受けられるぜ!」
ライアード「おやおや。どうも私は暴力は苦手でしてね。非力なのですよ」
ディサイブ(おかしい…。奴は先ほどこの街の人々をまるで野球ボールでも投げるかのように軽々と空高く放り投げていた…。それだけの力があるはずなのに…)
スライのほうを見るディサイブ。
ディサイブ(それとも彼がそれだけ強靭な肉体を持っているということなのか?)
ライアード「参りましたね。まったくダメージがないですか。」
スライ「こんな攻撃、うちの道場に通ってる奴なら子供でもきかないぜ!」
ライアード「でも本当にダメージはないですか?」
スライ「なにを言っていやがる。こんなもの…」
突如スライの体に激痛が走る。
スライ「ぐっ!な…」
言葉が詰まる。さきほどライアードの拳が当たった部分。そこからものすごい激痛が体に広がる。あまりの痛さにその場にうずくまるスライ。
ディサイブ「なに!」
スライ「なにが…おきて…るんだ」
ライアード「ふふふ。どうです?私の拳は痛いでしょう?」
ディサイブ「聖槍ゲイボルグ!」
ディサイブはゲイボルグを振るう。その一撃は無数の突きとなりライアードを襲う。
ライアード「くっ!」
ライアードがひるんだすきにスライのもとに駆け寄るディサイブ。
ディサイブ「大丈夫か!」
スライ「あ、あぁ。なんとかな…。やつの拳を受けたときはなんともなかった。あとからダメージを与える能力なのか…」
ディサイブ(奴は攻撃を無効化する。そしてやつの拳に触れたスライに大きなダメージを与えた。奴の能力はいったい…)
ライアード「さて次はあなたです。ディサイブ・ラウズレイ」
ゲイボルグの無数の突きを受けてもライアードにはダメージがない。
ディサイブ(奴の能力…それがわからなければ私たちに勝機はない… なにかてがかりとなるものがあれば…)

ライアード「いきますよ!」
ディサイブ「くっ!」
???「てりゃぁぁ!!」
突如ライアードの真上から一人の男が斧を構えながら落ちてくる。
ライアード「なに!?」
???「くらえ!聖斧(せいふ)パラシュ!」
手にした大斧をライアード目がけて振り下ろす。その一撃は地面を砕くほどの勢いだ。
ライアード「ちっ!」
すんでのところでかわすライアード。空から降ってきた男。それは…
レオン「シュルツ・セイバーの№4、レオン・ケーンズ!ただいま参上いたしました!」
ディサイブ「レオン!無事だったか!」
レオン「はい!まんまとこいつの策にはまってしまいましたがね!」
レオンはディサイブに化けたライアードによって嘘の集合場所を伝えられ、そこに向かっていたせいでディサイブと合流できなかったのであった。
レオン「あとは俺に任せてください!こいつはおれが倒します!シュルツ・セイバーの名に懸けて!」
ライアード「あなたがわたしを?くくく!面白い冗談ですね」
レオン「冗談かどうかはこの一撃をくらってから考えな!聖斧パラシュ!」
手にした大斧をライアードに向かって横に振るう。その一撃はライアードの体を真っ二つに両断する。
レオン「俺の聖斧パラシュはどんな盾だろうと両断する。生身の人間がこれを受ければその体は2つにわかれるぜ!」
スライ「なんていう斧だ。やつを真っ二つにしやがった」
ディサイブ「さすがだなレオン。」
レオン「これでジェイドたちの仇はとれましたね」
ライアード「ふふふ。何を勘違いしているのでしょか?私はまだ健在ですよ?」
ディサイブ「なに!?」
先ほど体を真っ二つに切断されたはずのライアード。しかし奴は何事もなかったかのように彼らの眼前に立っている。
レオン「そんな!俺の聖斧パラシュで切断できないものはないはずなのに!」
ライアード「ははは!これでわかったでしょう!あなたたちでは私を倒すことなどできはしないということが!」
スライ「どんな攻撃をしてもむだってことかよ…」
ディサイブ「なにか…てはないのか…奴を倒す…」
どんな攻撃も効果がない相手。そんな相手を倒すことは可能なのだろうか。
ディサイブ「んっ!?」
ディサイブはライアードの顔にある小さな傷を見つける。
ディサイブ(あの傷…まだ新しい。そういえばあの時…)
レオンがライアードに奇襲を仕掛けたとき、奴はその攻撃を避けた。そして砕けた地面の破片がその顔に当たったのであろう。
ディサイブ(おかしい…。奴がどんな攻撃もきかないのであればレオンの奇襲も避ける必要はないはずだ。それになぜ砕けた破片で傷を負っているんだ…)
体が2つになっても何ともないような人間があの攻撃を避けるだろうか…。もしかするとあれは避けざるをえなかったのではないだろうか。
ディサイブ(だとすれば…奴の能力の弱点は…もしや)
ディサイブ「見つけたぞ!お前を倒す手段!」
ディサイブはライアードに向かって高らかに宣言する。
ライアード「ほぅ。おもしろいですね、やれるものならやってみてください!その前に私があなたたちをたおしますがね!」

ディサイブ「レオン!スライ!」
スライ「なんだ?」
レオン「はっ!」
2人に何やら作戦を伝えるデイサイブ。
スライ「よし!たのんだぜレオン!」
レオン「言われなくても!」
ライアード「ふふふ。どんな手を討とうともこの私を倒せはしません!」
レオン「そうかい!だったらこいつを受けてみな!」ブン!
レオンは手にした聖斧パラシュをライアードに向けて投げ飛ばす。
ライアード「自らの武器を投げるだと!?」
ブーメランのように飛んでくる斧がライアードの体を両断する。しかしライアードの体は即座に何事もなかったかのように元に戻る。
ライアード「武器を持たない騎士など!」
拳をレオンに向かって打ち込もうとするライアード。
レオン「へっ!かかったな!」
突如ライアードにむかって斧が振りおろされる。
ライアード「なに!?」
レオンは斧を投げた。なのになぜここに斧がある?
レオン「だれも斧は1つとはいってないぜ!聖斧パラシュは双斧(そうふ)。2対で一つの斧なのさ!」
予想外の斧による攻撃。それをすんでのところでライアードはかわす。
レオン「ちっ!」
ライアード「甘いですよ!」
ライアードは隠し持ったナイフをレオンに投げつける。
レオン「ぐっ!」
レオンの体にナイフが刺さる。
レオン「この程度!」
ライアード「いいえ、もうあなたはおしまいです」
レオン「なに!?」
体が重い。
レオン「ぐっ…」
その場に倒れこむレオン。
レオン「なんで…だ?たかだか小さなナイフ…ていどで」
スライ「うぉぉ!」
突如スライがライアードの目の前に姿を現す。光を操る能力でその姿を消していたのだ。
ライアード「!」
スライ「くらえ!」
スライの拳がライアードの顔を狙う。すんでのところでライアードはその拳をかわす。
ライアード「危ない危ない」
ディサイブ「聖斧パラシュ!」
ディサイブは手にした大斧を振り下ろす。しかしライアードにその攻撃はあたらない。
ライアード「まずは聖王、あなたの命を頂戴しましょう!」
ライアードはナイフを取り出し、ディサイブに投げつける。ディサイブは大斧でそのナイフを防ぐ。
ディサイブ「なに!?」
大斧にひびが入り、その刃が砕ける。
ライアード「終わりです!」
再びナイフをなげようとするライアード。しかしその右腕からナイフが投げられることはなかった。
ライアード「なに!?」
ライアードの右腕が切り落とされている。
スライ「やつに攻撃がきいた!」
ディサイブ「ふっ!」
してやったりと笑うディサイブ。その左手には聖鎌アダマスが握られている。
ライアード「なぜです!私が今まで調べた情報ではあなたは一度に二つの聖具は使えないはず…」
ディサイブ「やっとその余裕ぶった態度がくずれたな」
ディサイブの右手には刃が砕けた聖斧パラシュが握られている。
ディサイブ「お前の言ったとおりだ。私は一度に二つの聖具は使えない。だから…」
レオン「俺の…聖斧を殿下に…わたしたのさ」
ライアード「あのときか!」
レオンがライアードに向けて聖斧を投げたのはディサイブに渡すためだったのだ。
スライ「やはりあんたの予想通りだったな」
ディサイブ「奴にはあらゆる攻撃が効かないわけじゃない。やつの認識していない攻撃は通る」
レオン「だから…俺の奇襲のとき…奴は攻撃をよけた…」
ライアード「まさか私の能力をそこまで看破するとは…さすがですね。だが!」
ライアードは左手の指の間に4本のナイフを構える。
ライアード「まだです!いきますよ!」
ナイフを構えディサイブたちに攻撃をしかけるライアード。
ディサイブ(奴に攻撃が効かない謎は解けた。しかし奴の攻撃…あれはいったいどういうことなんだ)
ライアードの拳を受けたスライ、ナイフを刺されたレオン。2人はたいしたダメージではなかったはず。
だが2人は予想よりも大きなダメージを受けている。
ディサイブ(聖斧パラシュもあの小さなナイフで刃が砕かれた。予想と違う…認識が違う…。奴の能力…『認識』に関するなんらかの能力を使っているはずだ)
スライ「どうする?レオンはもうしばらく動けない…」
ディサイブ「そうだな。われわれ2りで奴の認識しない攻撃を繰り出すのは厳しい。」
2人はライアードの攻撃を避ける。
スライ「それにやつの攻撃…1発当たれば致命傷になってしまう」
ディサイブ「当たるわけにはいかないな」
ライアードが繰り出す攻撃をつぎつぎ避ける2人。
ライアード「防戦一方ですか。」
スライ「ちっ。なにか奴を倒す手はないのか…」
ディサイブ(奴の予想できない攻撃…それができれば…。)
ディサイブ「一か八かだが…私の力を使う!」
スライ「ディサイブの力?」
ディサイブ(今の私では力を完全に引き出せる可能性は低い…だが、奴に命をもてあそばれた人々のためにもここで奴を倒さなければならない!頼む我が力よ!)
ライアード「何をする気だ…」
ディサイブ「私の能力を使う!」
ライアード「あなたの能力『ジ・ラウザー』はその眷属であるシュルツ・セイバーの能力を使用できる能力。だがその能力は知り尽くしていますよ!」
スライ「奴にわかっている攻撃は効かない…どうするんだ」
ディサイブ「聖国を治める賢者『ジ・ラウザー』よ!その真の力を開放せよ!ディ・マチェット・デス・ケーニヒ・フォル・ファルク(王の力は民のために)!」
右手を天に掲げるディサイブ。
ディサイブ「『ジ・アーク・ラウズレイ・セイジ・タリウス』!」
ディサイブの右手に光が集まる。
ライアード「なんだ!?」
集まった光は弓に形を変えた。
スライ「弓?でも矢がないぞ」
ディサイブ「くっ!やはり今の私では矢まで顕現させる力はないのか」
ライアード「ふふふ。どうやら失敗したようですね。矢がない弓などつかいようがない」
スライ「矢があれば…その弓は使えるんだな?」
ディサイブ「あぁ。だが私の能力が至らないばかりに…」
スライ「だったら問題ないぜ!俺に任せな!シャイニーマジック、『シャイン・アロー』!」
スライが光を集約させた矢を生み出す。
ディサイブ「これなら!」
弓の弦を引くディサイブ。
ライアード「だが弓とはね。来るとわかっている攻撃など私の能力でどうとでもなります!」
スライ「たのんだぜ!ディサイブ!」
ディサイブ「奴を撃ち抜け!聖弓『セイジ・タリウス・アロー』!」
ディサイブの弓から光の矢が放たれる。
ライアード「なんだ…あの矢。さきほどまでは何も感じなかったというのに…。なにかまずい!あの矢にあたるのは!」
ディサイブ「くらえ!ライアード!」
ライアード「くっ!」
ライアードは矢を避ける。
ディサイブ「なに!?」
ライアード「残念でしたね。だがあたらなければ…」
スライ「それはどうかな?シャイニーマジック!」
スライは手を動かす。その動きに合わせるように矢が軌道を変えていく。
ライアード「なに!」
矢は再びライアード目がけて飛んでくる。この距離では避けられない。
スライ「光で作った矢だ!俺の能力で自在に軌道をあやつれるのさ!」
ライアードの体を光の矢が貫く。
ライアード「ぐはっ!な…なんだ?私の能力が発動しない!?」
ディサイブ「聖弓は真実を討ち貫く弓。貴様の能力でかき消すことはできない!」
ライアード「そんな!馬鹿な!」
スライ「いくぜ!シャイニー・マジック!『ライト・エクスプロージョン』!」
ライアードに突き刺さった光の矢が輝きを放つ。
ライアード「まさか…この私がぁ!」
スライ「光の超爆発をくらえ!」
ライアード「ふ…ふふ…み、見事です…真実の射手…双生の片割れ…それでこそ…」
光の矢が爆発する。ライアードの体は爆発の中へと消えていった。
スライ「やったぜ!」
ディサイブ「たすかった。礼をいうスライ。」
レオン「俺からも…礼を言わせてもらう」
スライ「いいってことよ!」
レオン「これですべて終わったんですね。」
ディサイブ「いいやまだだ!奴との決着はついたが…オリジネイター、奴らを倒す!我が国のような事態を起こさせないためにも!」
レオン「そうですね!いきましょう、殿下!」


聖国を混乱に陥れた偽りのライアード。彼との決着を果たしたディサイブ。彼らはミストラルシティに混乱を招くオリジネイターを打倒すべく動き始めた。
ミストラルシティに集う力たち。果たして彼らを待ち受ける未来は…


TO BE CONTINUED

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2016年10月16日 10:42