隊員証を取り戻せ!異国での奪還戦!

~モゴラ大陸・クリュセルス~
カレン「ここがクリュセルスか」
ネオの計(はか)らいでクリュセルスにあるEGOの支部に出張に来たカレン。
カレン「さて支部へと向かうか」
支部へと向かおうとするカレン。ふと道の脇のほうに目をやるとうずくまった女性がみえる。周りに人はいるのだがだれもその女性に声をかける者はいない。
カレン「随分と冷たいやつらだな」
カレンは女性のもとに近寄り声をかける。
カレン「大丈夫か」
女性の手を取り立ち上がらせるカレン。
???「すいません…きゃ!」
女性はカレンにもたれかかるように倒れこむ。
カレン「いたた。どこか具合でもわるいのか?」
???「ちょっと貧血気味でして…でももう大丈夫ですのでお気になさらずに」
女性は立ち上がるといずこかへと去っていった。
男性「おい、あんた」
ふと男性に声をかけられるカレン。
カレン「なんだ?」
男性「あんたよそ者か?」
カレン「今日ここについたところだが」
男性「はぁ。通りで。あの女性はな、ここいらでも有名なんだ。だからだれも近づかないんだ」
カレン「それはどういう…!」
はっとして気付くカレン。
カレン「もしや!」
カレンは自分の持ち物を確認する。
カレン「ない!」
EGOの隊員証がなくなっている。
男性「あいつに盗られたらあきらめた方がいいぞ。逃げ足が速いの有名だからな」
カレン「そんなわけにいくか!」
隊員証をなくした状態で支部にはいけない。盗人に隊員証を盗られたなんて知れたら、ミストラルシティ支部のイメージが悪くなってしまう。
カレン「奴から隊員証をとり返す!」
カレンは去っていた女を追いかけていった。

~~~

???「さーてと」
女性はカレンから盗ったものを確認する。
???「げっ!なにこれ?EGOの隊員証…」
女性はがっかりした様子だ。お目当てのものが手に入らなかったのだろう。
???「金目のものがてにはいらないんじゃあなぁ。そろそろこの街も潮時かな…。最近目もつけられてきたみたいだし…」
カレン「おい!お前!」
???「ん?」
女性が声がした方に振り向くとそこにはカレンがいた。
カレン「お前が私から盗った隊員証を返してもらおうか」
???「これねぇ…」
女性は手にした隊員証を眺める。
???「確かに必要はないんだけど、そのまま返すのもなぁ。じゃああなたの持ち金全部おいてってくれれば返してあげるよ」
カレン「ちっ!ふざけた奴め、人からものをとっておいて。なら…」
あたりの空気が冷たさを増す。
???「なに!?急に寒く…」
カレン「『クリュスタロス』!」

パキパキパキ

女性の足が地面に氷でつながれる。
???「氷!能力者か!」
カレン「さぁ、おとなしく盗んだものを返せ!」
???「ふ~。お手上げだね…」
女性は両手を上げる。その姿を降参のポーズと受け止めるカレン。
カレン「よし。では…」
カレンが女性に歩み寄ろうとする。
???「なんてね!」
女性の服から何かが転げ落ちてくる。それは地面に当たると同時にあたりに煙をまき散らす。
カレン「煙幕か!」
女性の姿を見失うカレン。
カレン「だが奴の足は氷で捕えている。目くらましなど…」
しばらくして煙が晴れる。
カレン「なっ!?」
女性がいるはずの場所にはその姿はなかった。そこにあるのは女性のブーツだけだ。
カレン「ブーツを脱いで逃げたか。逃がすわけにはいかない!」

~~~

女性は街の裏道を駆けていく。
???「いや~。まさか能力者とはね。ちょっと焦ったけどなんとかなりそうだね」
カレン「待ちやがれ!このコソ泥!」
女性の思惑とは裏腹にカレンは彼女を追いかけてくる。
???「げっ!まだ振り切れないなんて…こうなったら!」
女性はカレンの方を向き立ち止まる。
カレン「やっと追いついたぞ」
???「それはどうもご苦労なことで。でもね、追いついたからって私を捕まえられるとは限らないんだよね!」
女性は腰に付けたアクセサリーらしきものを手に取る。それは丸い円形の輪っかのようだ。
カレン「動きを止める!」
???「くらいはしないよ!」
カレンは女性の足を地面に氷で繋ごうとする。しかし女性が地面を蹴り上げ飛び上がることで回避される。
???「今度はこっちの番だ!チャクラム!」
女性は手に持った輪っかをカレンに向かって投げる。その輪っかは回転しながらブーメランのようにカレンに向かってくる。
カレン「凍らせる!」
カレンは輪っかが飛んでくる地点を凍らせようとする。しかし
カレン「なに!?」
輪っかはカレンが凍らせた地点を通過する。急激に加速したのだ。
???「無駄無駄!チャクラムは止められないよ!」
カレン「ちっ!くらうわけには!」
自分の目の前に氷の壁を作り、チャクラムを防ぐカレン。
???「へ~。なかなかやるね」
カレン「EGOをなめるな!この程度でやられはしない!」
???「そう。ならこれはどう?」
女性の手には先ほどのチャクラムが握られている。いつの間に回収したのだろうか?
???「はぁぁ!」
女性は手にしたチャクラムを投げる。投げられた2つのチャクラムは女性から5メートルぐらいの地点で静止する。
カレン「あれは!」
カレンは女性の手から伸びるワイヤーを見逃さなった。さっきのチャクラムの回収もあのワイヤーで行っていたのだ。
???「さぁ!いくよ!」
女性はワイヤーで繋がれたチャクラムをまるでヌンチャクでも使っているように振り回す。高速で振り回されたチャクラムの軌道は予想できない。
???「イリュージョン・ダンス!これは避けられないよ!」
カレン「ふっ!」
カレンの口元から笑みがこぼれる。
???「何がおかしい?」
カレン「いや…おもしろい大道芸だと思ってな。」
???「大道芸?ふざけたことを!これをくらってもその軽口叩けるか!」
高速で振り回されたチャクラムがカレンを襲い来る。
カレン「『クリュスタロス』!」
???「この動きは捕えられない!凍らせることなど…」

パキパキパキ

女性の予想に反してチャクラムの動きは止まる。
???「なんで?チャクラムは凍ってないのに…」
カレン「なにもチャクラムを凍らせる必要はない。」
???「えっ?」
女性は自分の体を確認する。その両腕が氷に包まれ動かない。
カレン「お前自身を凍らせれば問題ない」
???「くそっ!」
カレン「さぁ今度こそ返してもらうぞ」
カレンは女性の服をまさぐる。
カレン「あった!私の隊員証!」
自分のEGO隊員証を取り戻したカレン。
カレン「さて…。あとはお前を連行するとしようか」
???「隊員証も返したんだし勘弁してもらえないかな?」
カレン「これは返したとはいわない。おとなしく捕まれ。といってもその状態では抵抗できないか」
両腕を凍らせられた女性。この状態では抵抗はできないだろう。
???「は~。やっぱり許してもらえないか…」
カレン「EGOに連れていく。さぁこい!」
???「それは承諾できないね!」
カレン「なに?」
女性の両腕が地面に落ちる。
カレン「なっ!自分の腕を!?」
???「残念!それは義手だよ!本当の手はこっち!」
女性の服の中から手が出てくる。その手には小さな球が握られている。女性はその球を空中に投げる。

カッッ!!

あたり一面を光が包み込む。女性が投げたのは閃光弾だ。その光の強さに目を開けないカレン。
カレン「くっ!」
昴「ここのEGOにもこんな奴がいたなんてね。なかなか楽しめたよカレン・ネティス!もしまた会うことがあれば今度はこの葵夜 昴(あおいや すばる)が勝たせてもらうよ!」

閃光弾の光が消えた後、昴の姿はなかった。

カレン「逃したか…。隊員証は取り返せただけよしとするか。」

カレンは無事取り返した隊員証を手にクリュセルス支部へと向かう。盗人 葵夜 昴。彼女とカレンの出会いがもたらすものは…

to be continued

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最終更新:2016年11月11日 21:09