逆転の閃光!ボルトウェア!

~ミストラルシティ~
十也「うぉぉ!」
未元獣「ぎゃぉぉ!」
十也の槍が未元獣を貫く。
十也「次から次へと!」
結利「この数…今までの比じゃないよ」
十也「ミストラルシティを確実に落とす気か…!」
今までの襲撃とは比べ物にならない数の未元獣たちがミストラルシティに現れた。
十也「あきらめるわけには…いかない!」

~~~
トニー「はぁぁぁ!」
スライ「とりゃぁぁ!」
未元獣「がぁぁ…」
未元獣を倒すスライとトニー。
スライ「ここいらの未元獣はこれで全部みたいだな」
トニー「えぇ。ですが未元獣はまだまだいます。急ぎましょう」

ヒュン!

突如氷の刃が二人めがけて飛んでくる。
スライ「なんだ?」
トニー「ライトニングボルト」
降り注ぐ雷が氷の刃を消し飛ばす。
トニー「氷の刃…これは!」
氷の能力を使うもの。それはあいつしかいない!
コード・スクード「いい反応速度だな」
スライ「カレン!」
コード・スクードだ。彼女が2人の前に立ちはだかる。
スクード「お前たちにはここで倒れてもらう!」
スライ「できるもんかよ!シャイニーマジック!ドッペルゲンガー!」
スライの姿が2つになる。光の力で作り出した分身だ。
スライ「うぉぉ!」
分身と同時に攻撃を仕掛けるスライ。
スクード「ふふふ」
不敵に笑うスクード。スライの拳はスクードを捉えた…かに見えた。
スライ「なっ!」
氷の壁に阻まれその攻撃はスクードに届かない。
スクード「このまま凍らせてやる!」
スライ「まずい!」
トニー「スライ!」
スライ「シャイニーマジック!スペリオルミラージュ!」
スクード「なんだ?」
スライの姿がぶれて見える。スペリオルミラージュにより光の屈折を利用し相手の認識をずらしたのだ。
スライ「この隙に!」
距離をとるスライ。
スクード「こざかしい真似を!これでもくらえ!アイスキャノン!」
空中に生成される巨大な氷の塊。
スクード「いけ!」

ドゴォン!

巨大な氷の塊が落とされる。
スライ「くっ!」
トニー「スライ!」
なんとかそれをかわすスライとトニー。
スクード「アイスバレット!」
巨大な氷の塊は壊れ、その破片が無数の弾として打ち出される。
スライ「シャイニーマジック!フォース・キャリア!」
光の結晶を撃ち出しそれを打ち落とすスライ。
トニー「ライトニングボルト!」
スクードに向かって雷が空から降り注ぐ。
スクード「甘いな!」
氷の壁を作り出し雷を防ぐスクード。
トニー「くっ…」
スライ「さすが未元獣を率いてるだけのことはあるってことか」
スクード「いい加減あきらめたらどうだ?」
スライ「カレン…なんであんたがこんなことをしているかはわからないが俺たちはお前のやっていることを見過ごすことはできない!」
トニー「それに僕たちはこの街…ミストラルシティを守ります!」
スクード「ふん。抵抗すれば苦しみが増すだけだ!一気に終わらせてやる!」
両手を地面につけるスクード。
スクード「こい!氷輪蛇(ウロボロス)!」
地面から氷で生成された巨大な蛇が姿を現す。
トニー「で、でかい!」
スクード「はっ!」
氷の蛇の頭の上に飛び乗るスクード。
スクード「氷輪蛇!奴らを氷漬けにしろ!」
氷の蛇は口から氷のブレスを吐き出す。その超低温のブレスは瞬時にあたり一面を凍らせていく。
スライ「さ、さむい!」

パキパキパキ

トニー「体が!」

凄まじい速度で凍り付いていくスライとトニーの体。このままでは二人とも氷漬けになってしまう。
スクード「ははは!私たちに歯向かうからそうなるのだ。このまま氷の彫像となるがいい!」
スライ「俺の能力では…」
スライの力ではこの状況を打破する術がない。このままでは…
スライ「トニー!奥の手を使うんだ!」
トニーのライト・リアイランスなら奴を倒せるかもしれない。
トニー「すいませんスライ…あれはそう何回も使えないんです。この間の未元獣の襲来の時に使った肉体のダメージがまだ…」
強制的に肉体を電気により活性させるライト・リアイランスは肉体へのダメージが残る技だ。トニーは狂化未元獣との戦いで使った時の負荷がまだ残っておりライトリアイランスを使うことができないのだ。
スライ「くっ…万事休すか…」
スクード「ふっ!終わりだな!永遠の眠りにつくがいい!」
トニー「もう…打つ手が…」
スライ「もう…だめなのか…」
スライは今までの記憶がよみがえってくる。まるで走馬灯のように。
スライ(やっとトニーとも…長い時間はかかったがわかりあうこともできた…だけどこんなところで終わってしまうなんて…)
トニーとの本気の戦いをしたことでお互いを分かり合った2人。
スライ(あの時のトニーはすごかったな…)
スライの光を操る能力に対してトニーは雷を操る能力。
スライ(あれ…そういえば…)
薄れゆく意識の中であの時の戦いの記憶が鮮明に思い出される。その中に一つ引っかかるものがある。
スライ(もしかして…)
なにかを閃くスライ。
スライ(可能性は半々っていったところかもしれない…それにおれがたえられるかどうか…だけどやるしか)
スライ「ない!」
覚悟を決めたスライ。その眼に闘志が戻る。
スライ「トニー!」
トニー「…なんです?」
スライ「俺に…雷を落とせ!」
トニー「えっ?…なにを…」
この寒さでスライは錯乱してしまったのだろうかと思うトニー。
スライ「これしか…この状況を覆せる手は…ない」
そろそろ限界を迎えそうな2人。早くしないと2人とも氷漬けになってしまう。
トニー「わかり…ました…ライトニングボルト!」
空から雷が降り注ぐ。
スクード「なんだ?最後の悪あがきか?」
雷はスライへと降り注ぐ。
スクード「なんだ?気でも触れたか?」
スライ「いいや!これでいいんだ!」
スクード「なに!?」
スクードの眼の前には氷から解き放たれたスライの姿が。
スクード「どうやって…!」
スライ「シャイニーマジック。ライトリアイランス・ボルトウェア!」
よく見るとその体は雷に覆われている。体を包み込む様に雷を纏っているのだ。
トニー「スライ…どうして?」
スライは雷の副次作用の電気による痛みやしびれがあるはず。一体どうやって雷を纏っているのだろう。
スライ「痛みやしびれはある。だが超低温になったおかげで体がある程度麻痺してるんでな。少しの間なら耐えれるはずだ!」
電気耐性があるトニーですら肉体へのダメージは大きい技だ。それを無理やり発動しているスライへの肉体ダメージは計り知れないものだろう。
スライ「限界を迎える前にお前を倒す!」
スクード「やれるものか!」
スライ「いくぜ!」

シュン!

スクード「なっ!消えた!」
スライ「うぉぉぉ!」
スライは一瞬でスクードの頭上へと移動していた。強制的に肉体のリミッターを外した状態のこのスピードは目で追うことなどできないほどだ。
スクード「くっ!」
咄嗟に氷の壁を作るスクード。
スライ「シャイニーマジック!ぐっ!」
体に激痛が走る。
スライ「うぉぉぉ!ボルティング・フォース・キャリア!」
スライの拳を覆うように光の結晶が展開される。

パリィィン!

氷の壁が撃ち貫かれる。
スクード「なんだと!?」
スライ「くらえ!」
拳をスクードに向けて構えるスライ。とたん拳を覆っていた光の結晶がスクードに向かって発射される。
スクード「ぐぁぁあ!」
スクードの体を切り裂いていく光の結晶。
スクード「だが…無駄だ!」
スクードの傷が瞬時に治っていく。
スクード「どうだ!」

ガクッ!

急に膝をつくスクード。
スクード「なんだ?体が…思い通りに…動かない…」
傷は治っているのに体の自由が利かない。おかしい。
スライ「傷は治っても体の中身の以上までは治せないみたいだな」
スクード「どういう…ことだ」
スライ「ボルティング・フォース・キャリアは雷光の結晶。これだけの電気量を含んだ結晶を無数にくらったんだ。お前の中の神経系統は麻痺して体の自由は奪われる」
スクード「そんあ…ば…かな」
口も回らなくなってくるスクード。
スライ「決着だ!うぉぉぉ!」
スライは身を纏っている雷をその両手に集約していく。高密度の雷を纏った両手は光り輝く。
スライ「雷光(らいこう)・飛鴎破壁拳!」
高密度の雷を纏った正拳がスクードの体に打ち込まれる。
スクード「が…!」
体の自由が利かないスクードはその連撃を防御することもできない。
スライ「終わりだ!」
最後の一撃が打ち込まれる。それと同時に両手の雷がスクードの体を流れ伝わる。
スクード「ああぁぁ!!」
激しい電流がスクードの体を焦がす。あまりの衝撃に気を失い倒れるスクード。それと共に氷の蛇も消滅する。
スライ「はぁ…はあ…なん…とか」
スライも肉体の限界を迎え倒れる。
トニー「スライ!」
スライのもとへ駆け寄るトニー。
トニー「よかった。息はあります。まったく無茶をして…でもありがとう」
スライの閃きによりスクードを倒すことができたのだ。
トニー「カレンさんはどうしますかね」
倒れているコード・スク―ド。彼女を捕まえれば何かしら情報がつかめるはずだ。
トニー「ん?」
突如スクードの背後の空間が歪む。そのままスクードは空間の歪みに引きこまれ消えてしまった。
トニー「くっ!こっちに情報を与える気はないってことですか!まずはスライを安全なところにつれていかないと!」
スライを抱えて安全な場所へと向かうトニー。

ミストラルシティ各所で始まった未元獣たちとの激闘。スライの活躍によりコード・スクードは倒された。
十也たちは残る敵からこの街を守り抜けるのだろうか。

to be continued

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最終更新:2016年12月04日 20:35