~館長室ルート・十也、結利、
スライ、
トニー~
迷路のような通路を進んでいく4人。
結利「扉があるよ!」
扉を抜けるとそこは広間になっていた。
ドーヴァ「とうとうここまで来たね」
そこに待ち受けていたのはドーヴァと未元獣たちだった。
スライ「ちっ!もうすぐ館長室だっていうのに」
トニー「ここを突破しないと先には進めないってことですか」
十也「だったら突破するまでだ!『ユナヴォイド』!」
赤い鎧に身を包む十也。
ドーヴァ「やれ!未元獣たち!」
十也たちに襲い掛かる未元獣たち。
トニー「くっ!ここでは私の能力がつかえない!」
スライ「任せろ!シャイニー・マジック!フォース・キャリア!」
光の結晶を天井に向けて飛ばすスライ。崩れ落ちる天井。空が開ける。
トニー「これなら!ライトニングボルト!」
空から雷が未元獣目がけて降り注ぐ。
未元獣「ぎゃぉぉ!」
結利「さすがぁ!」
ドーヴァ「ちっ!旧人類ごときが調子に乗りやがって!」
パチン!
指を鳴らすドーヴァ。それを合図に部屋の奥からぞろぞろと仮面をつけた軍団が出てくる。
十也「なんだ?こいつらは?」
仮面をつけた集団はその見た目からドーヴァと同じくらいの子供に見える。
ドーヴァ「いけ!僕の兄弟たちよ!」
仮面の軍団は紫色のエネルギーの剣を作り出し、十也たちに襲い掛かる。
スライ「シャイニーマジック!フォース・キャリア!」
光の結晶を仮面の軍団に飛ばすスライ。仮面の軍団に直撃する結晶。しかし彼らは何事もないかのように十也たちに向かってくる。
トニー「効いてない!?」
十也「自己治癒能力か…」
ドーヴァ「ははは!無駄だよ!お前たちの攻撃なんて聞きやしないさ!」
結利「ど、どうしよう!」
スライ「ひるんでる暇はない!とにかく攻撃あるのみだ!」
十也「うぉぉぉ!」
~~~
十也「はぁはぁはぁ…」
仮面の軍団との激しい戦いはまだ続いていた。
ドーヴァ「しぶとい奴らだ…んっ?」
仮面の軍団の様子がおかしい。体から黒い霧が噴き出してくる。
トニー「なんです?」
倒れる仮面の軍団。黒い霧を出し消滅していく。
スライ「やったのか?」
ドーヴァ「ちっ!再生の限界か!」
仮面の軍団を倒した十也たち。
ドーヴァ「なら僕が直接相手してやる!D・Eブレード!」
紫色のエネルギーの剣を作り出すドーヴァ。
トニー「スライ、みんな!彼の相手は私がやります!皆さんは先へ!」
スライ「だが…」
トニー「こんなところで止まっている場合じゃないでしょう!」
スライ「わかった…頼んだぞトニー!」
トニーを残し先へと進む十也たち。
ドーヴァ「お前ひとりごときで僕に勝てると思っているのかい?すぐにおまえを倒して後の奴らもやってやるよ!」
トニー「スライが私を信じて進んでくれたんです!こんなところで負けるわけには!」
ドーヴァ「ははは!できるもんかよ!」
トニーに斬りかかるドーヴァ。
トニー「ライトニングボルト!」
ドーヴァに雷が降り注ぐ。
トニー「自己再生には限界がある!何度も雷をあてればそのうち…」
ドーヴァ「甘いんだよ!『固定化(フリージング)』!」
ドーヴァは雷に向かって手をかざす。その手に直撃する雷。
トニー「えっ!?」
ドーヴァの右手に雷がくっつくように止まっている。
トニー「な、なんで!?」
ドーヴァ「これがぼくの能力『固定化(フリージング)』。状態が固定されない物体に触れたとき、それを一定の状態で固定できる。お前の雷を固定させてもらった。そして!」
雷を持った右手をトニーの方へと向ける。
ドーヴァ「僕の手から離れた瞬間!固定化は解除される!」
雷から手を放すドーヴァ。その瞬間、雷がトニー目がけて飛んでくる。
トニー「わっ!」
トニーに直撃する雷。
トニー「だけど私には雷は効きません!」
ドーヴァ「一瞬の隙を作れれば十分だ!」
いつのまにかトニーの背後へと回り込んでいるドーヴァ。ドーヴァの剣がトニーに振りかぶられる。
ザシュ!
トニー「ぐっ!」
トニーの背中から血が流れる。
ドーヴァ「ちっ!咄嗟に避けて致命傷は免れたか」
だが大ダメージには変わりはない。
トニー「く…」
ドーヴァ「お前の雷は僕には効かない。それに加えてそのダメージ。もうお終いだな」
トニー「いやまだです!ライトニング・ボルト!」
空から雷が降り注ぐ。
ドーヴァ「無駄なことを!」
雷はドーヴァではなくトニー自身に降り注ぐ。
ドーヴァ「なんだ!?」
トニー「ライト・リアイランス!」
雷を纏ったトニー。
トニー「これが奥の手です!いきます!」
ドーヴァ「なに!」
先ほどまでとは比べ物にならない速さだ。
トニー「はぁ!」
トニーの拳がドーヴァの腹をえぐるような一撃を撃ち込む。
ドーヴァ「ぐっ!」
トニー「まだまだ!」
凄まじい連撃がドーヴァに撃ち込まれる。雷を身にまとったトニーの攻撃は常人ではとらえられないほどだ。
ドーヴァ「ぐぁぁ!」
吹き飛ぶドーヴァ。
トニー「どうです!」
ドーヴァ「この程度で僕を倒せると思うな!」
立ち上がるドーヴァの体には傷がない。これだけの連撃を浴びせても彼の自己治癒能力を上回ることはできない。
トニー「なら!」
一気に間合いを詰めるトニー。
トニー「貫け!『ライトパルスウェイブ』!」
トニーが纏っていた雷を両手から雷の球体として打ち出す。
ドーヴァ「バカが!それなら効かない!『固定化(フリージング)』!」
突き出した右手で雷の球体を受け止めるドーヴァ。
トニー「くっ!ライトニングボルト!」
雷がドーヴァに降り注ぐ。
ドーヴァ「無駄なのがわからないのか!」
左手で雷を受け止めるドーヴァ。
トニー「やっぱり」
ドーヴァ「?」
なにかを確信したトニー。
トニー「思った通りです。あなたの能力はその手で触ったものしか固定化できない」
ドーヴァ「それがわかったところでどうする気だ?」
トニー「今あなたの両手は塞がっている。そして」
構えを取るトニー。
トニー「何故私がここまで間合いを詰めたと思いますか?」
ドーヴァ「まさかこいつ!」
左手に持った雷を方向を変え飛ばそうとするドーヴァ。
トニー「果倉部流正拳突き!」
ドン!
重たい一撃がドーヴァの腹部に打ち込まれる。
ドーヴァ「が…は…」
あまりの衝撃に雷と雷球から手を放してしまうドーヴァ。その瞬間!
バチチチチ
凄まじい電流がドーヴァに直撃する。体が焦げ煙を上げ、倒れるドーヴァ。
トニー「はぁ…はぁ…」
膝をつくトニー。背中からの出血によるダメージが大きくこれ以上戦うのは不可能な様子だ。
ドーヴァ「く…う」
ドーヴァが立ち上がる。その眼はうつろだ。
トニー「まだ倒れないんですか…」
ドーヴァ「ぼ…ぼく…の勝ち…だ」
ブシュー
ドーヴァの体から黒い霧が溢れる。
ドーヴァ「は…は…は…」
霧と共に霧散するドーヴァ。
トニー「なんとか…なりましたね」
横になるトニー。
トニー「あとはみなさん頼みましたよ」
to be continued
最終更新:2016年12月31日 16:56