~ユグドラシル~
アージ「…」
一人モニターを眺めるアージ。
アージ(ヴァ―ダンドにスクードもやられた)
何やら考え込むアージ。
アージ(ドーヴァもやられ、残るハイ・ヒューマンは僕一人か…)
仮面をつけたアレジェーネたちもすべてやられてしまった。
アージ(N。僕たちを造ってくれたことには感謝するけど…悪いけど僕は負け戦をする気はないんだよね)
部屋を後にするアージ。そのまま彼はいずこかへと去っていった。
~ユグドラシル・制御室~
ナル「ツバメちゃん!」
にろく「やっと追いついたぜ」
ウルズ「ここが制御室か」
制御室に到着した3人。ナルの背中には昴が気を失って背負われている。
ツバメ「あなたたち無事だったのね。よかった」
安堵するツバメ。
ナル「それでなにかわかった?」
ツバメ「思ったほどの収穫は得られなかったわ。だけど…」
にろく「なんだ?」
ツバメ「
コード・スクードとコード・ヴァ―ダンド。そしてハイ・ヒューマンの正体はわかったわ」
スクードとヴァ―ダンドはそれぞれカレン・ネティスと
アポロンをもとにした特殊なクローン人間だった。そしてハイ・ヒューマンは特殊な技術を用いて一から造られた人間だということだ。
ウルズ「特殊なっていうのは…どういうことだ?」
ツバメ「D・Eという技術を用いているみたいね」
ナル「D・E?聞いたことがないね?」
ツバメ「えぇ。私も初めて目にしたわ」
ウルズ「奴らの使っている技術体系ってことなのか?」
コード・スクードはD・E・Cという特殊な力を使っていた。アレジェーネたちはD・Eブレードというエネルギーの剣を使っていた。
ツバメ「ここの端末には肝心な詳しい部分は全く表記されていなかったわ。」
にろく「だがここの端末にそれだけの情報があるということはNはあの宣言をする前からもともとこの施設を根城にしていたということか」
ウルズ「だがその異常をEGOは把握していなかった」
ツバメ「そうね。となると…」
EGOに把握されずにその研究機関であるここを掌握できる人物は限られる。
ナル「つまりNはもともとEGOの関係者ってことだね」
にろく「奴が秘密諜報部を容易に掌握できたのもそれなら合点がいく」
ツバメ「そうね。そしてその人物はここクリュセルスのEGOを掌握していた人物だったということ」
そうすればEGOの本部にばれることなくことを進めることができる。
にろく「だがここの長官はNに殺されている」
全世界中継でクリュセルスの長官が死亡した映像が流されていた。
ナル「じゃあ長官の線はないってことだね」
ツバメ「なるほどね。見えてきたわねNの正体。さぁ私たちも館長室に向かいましょう!」
~ユグドラシル・館長室前~
十也「ここか」
館長室の前へと着いた十也たち。
結利「この先にNが…」
スライ「いくぜ!」
扉を開けようとするスライ。
???「その必要はないですよ」
扉の向こう側から声が聞こえる。扉が開きそこから一人の人物が姿を現す。
十也「お前は!」
N「まさかここまでたどりつくとは…」
Nが十也たちの前に姿を現したのだ。
結利「こいつが…」
スライ「すべての元凶…」
N「元凶だなんて失礼な。私は私の目的のために行動しているだけです」
仮面に包まれた顔からはその表情が覗えしれない。その言葉が本心かさえも。
十也「なんだっていいさ!お前を倒せばすべてが終わる!」
槍を構える十也。
スライ「そうだな!」
構えを取るスライ。
N「やる気ですね。ならばこちらも!」
ガコォン!
Nの隣の床が開きそこから何かがせりあがってくる。
結利「なにあれ?ロボット?」
それは駆動鎧(パワードスーツ)のようだ。
N「さて」
駆動鎧を装備するN。
N「対能力者用機動戦闘兵装フルゴラ。この力をお見せしましょう!」
スライ「なんだっていいさ!いくぜ!シャイニーマジック!フォースキャリア!」
光の結晶がN目がけて飛んでいく。
N「無駄です!」
右腕を前方に突き出すN。
N「D・Eキャンセラー!」
光の結晶が消滅していく。
スライ「なに!?」
N「私に能力は効きませんよ!今度はこちらの番です!」
フルゴラの背中のブースターが点火し、凄まじい速度でスライに迫るN。
N「はぁぁ!」
フルゴラの両手の甲からブレードがせり出す。
スライ「ちっ!」
Nの攻撃を避けるスライ。
N「逃げても無駄です」
フルゴラの脚部の装甲が展開する。
N「ターゲット確認。追尾ミサイル発射!」
ドォン!
フルゴラの脚部から小型のミサイルが撃ち出される。小型といえども生身の人間がくらえばひとたまりもない。
ドゴン!
スライに直撃し爆発するミサイル。
N「あっけない。この程度ですか」
スライ「そう簡単にやられるかよ!」
スライは無事だ。先ほどミサイルが認識し、爆発したのはスライが能力で作り出した分身だったのだ。
スライ「たぁぁ!」
ガキン!
スライの拳がフルゴラに打ち込まれる。だが…
スライ「痛っ!」
攻撃をしたスライの拳に激痛が走る。
N「無駄です。生身の攻撃などこのフルゴラには…」
十也「だったら!」
Nの背後に一瞬で移動する十也。
十也「ブレオナク!」
槍による攻撃を行う十也。
N「天十也。あなたの行動パターンも解析済みです」
十也の槍をなんなくかわすN。そのまま槍を掴み、十也を引き寄せる。
十也「なっ!?」
N「ふふふ」
ガシッ!
十也の両腕を掴むN。
N「これであなたの高速移動は封じました」
十也「だがお前も両手がふさがっている!攻撃はできないぜ!」
N「それはどうでしょうか」
ウィィン!
フルゴラの背中から2本のロボットアームが展開する。
十也「なに!」
N「さてまずは厄介なあなたから始末させてもらいましょう。」
ギュルルル!
ロボットアームから高速回転するドリルが突き出す。これで体を貫かれればひとたまりもない。
スライ「くっ!フォース・キャリア!」
光の結晶をNに飛ばすスライ。
N「無駄です。D・Eキャンセラー!」
フルゴラに当たる前に消滅してしまう光の結晶。
スライ「くそっ!」
ギュルルル!
十也の心臓目がけて徐々に迫るドリル。
結利「十也!」
十也「くっ!」
どんなにあがいてもフルゴラの手を振りほどけない。
十也「なんてパワーだ…」
N「お終いです!天十也!」
スライ「十也!」
十也「やられるわけには!コードCBT!」
『音声コード承認。コードチェンジ・ブレイク・スルー。ブレイクモードに突入します』
キュィイン!
十也の鎧が赤く輝く。
N「これは!」
十也「ふん!」
フルゴラの腕を振りほどく十也。
N「フルゴラのパワーを上回るだと!」
十也「はぁぁ!」
槍による突きをフルゴラの頭部に向かって繰り出す十也。
N「そんな攻撃…」
キン!
Nの予想は外れフルゴラの頭部をかすめる十也の突き。
N「なに!?」
十也「まだまだぁ!」
連続で繰り出される十也の突き。その突きが徐々にフルゴラの頭部を捉えていく。
N「そんなばかな!?フルゴラの反応速度を上回るというのですか!?」
十也「うぉぉぉ!」
ガキィィン!
結利「やった!」
フルゴラの頭部に直撃する槍。フルゴラの頭部の装甲が壊れる。その中からNの顔が覗き見える。
スライ「あれは!Nの仮面が…」
今の十也の攻撃でNの仮面にヒビが入っていた。
ボロッ
崩れ壊れるNの仮面。
結利「えっ!あれって…」
あらわになるNの素顔。
スライ「あんたは!?」
十也「なんで…あなたが…」
それは十也たちが驚くべき正体だった。
ネルティア「…」
to be continued
最終更新:2017年01月01日 10:53