十也「ネオ!」
ネオ「いやいや正直君たちがここまで来れるなんて予想外だったよ。まさかネルティアも倒してしまうなんてね」
ウルズ「こいつがすべての元凶…」
ネオ「いや~みんなんからの熱い視線に僕はやきもきしてしまいそうだよ!」
十也「なんであんたが…」
ネオ「理由は最初に言ったよね。楽しいことをしたいからさ」
ウルズ「だがなんでおまえが俺たちのことを知っている!次元転移の件もだ!」
ネオ「かわいい僕の息子たちの質問だ。答えてあげよう。君たちは魂の存在を信じるかい?」
息子たち…いったいどういう意味なのであろうか。
十也「魂だって?」
ネオ「そう。魂…それは紛れもなく存在するんだよ!」
ウルズ「幽霊とかってことか?いきなり何を言っていやがる」
ネオ「ヘレティス1。だがそれは事実なんだ。その証拠がこの僕なのだから!」
十也「意味が分からない…どういう…」
ネオ「ヘレティス2。君もある程度あちら側での記憶は取り戻しているはずだ。君たちは僕が造ったヘレティスシリーズ。それがこの答えだよ」
十也「ウルズと俺がヘレティスシリーズ…」
ウルズ「十也。お前もある程度の記憶は戻っているはず。俺のあちら側での名はヘレティス1」
十也「ヘレティス1…。そうだ!確か…」
十也はヘレティス1と戦っている最中に謎の光によって見知らぬ場所に飛ばされた。
十也「じゃあウルズ。お前があの時の!」
ウルズ「そうだ。あの時は済まなかった。以前の俺にはああするしか生き残る道がなかった」
ネオ「そうだね。僕がそうさせていたからね」
十也「いいさ。今のお前…ウルズは信用しているよ」
ウルズ「すまない…恩に着る。だがネオ、お前がそうさせていたっていうのはどういうことだ」
ネオ「ヘレティス1、君は気付いているようだけどこの世界は元々僕たちがいた世界ではない」
十也「えっ?それってどういう…」
ウルズ「ここは俺たちが元いた世界の平行世界。別の世界ってことだ」
十也「平行世界…」
唐突な話に頭がついていかない十也。だが…
十也「別の世界ってことか…」
そう考えるとEGOに追われていないのも納得がいく。過去の記憶の出来事は全て平行世界での出来事だったのだ。
ウルズ「だけどお前が俺たちの世界にいたっていうならお前はいったい何者なんだ?」
ネオ「僕はあちら側にはいなかったよ。いたのはわしじゃよ」
十也「?」
ウルズ「どういうことだ?」
ネオ「平行世界の自分が同じ姿とは限らない。」
ウルズ「まさかお前!?」
ネオ「ヘレティス1は気付いたね。そう僕はジャーデ・フォーティアさ」
十也「ジャーデ・フォーティアだって!?」
確かその人物は十也たちを戦わせ実験させていた人物。
ネオ「といってもここにあるのはジャーデ・フォーティアの魂だけだけどね」
ウルズ「魂だけだと?」
ネオ「そう。僕はあちら側の世界で自身がつくりだした人造人間ヘレティスシリーズによるとある実験を行っていた」
十也「俺が造られた人間…」
ビシオンとの戦いで見せられた記憶により自分が何かしらの被検体だとは知っていたがまさか人造人間だったとは…
ネオ「事実をしってショックかい?ヘレティス2?」
十也「いまさらそんなことは関係ない!」
ネオ「そうかい。じゃあ続けさせてもらおうか。僕はEGOにその実験の非道性が指摘され、襲撃されてしまったんだ」
その時の記憶はある。EGOによる襲撃。あの記憶だ。
ネオ「だが僕は死ぬ間際、秘密裏に作製していある装置を発動させた」
ウルズ「ある装置だと?」
ネオ「DS(ディメンジョン・シフト)システム。次元転移装置さ」
十也「そんなものを造れるのか…」
ネオ「僕にはそれだけの技術力があったのさ。そして僕が死ぬ直前に発動した装置の影響で肉体は死に魂だけがこちら側の世界へと転移してきた。そしてその魂はこちら側のジャーデ・フォーティアの異世界同位体であるネオへと入ったというわけだ」
十也「そんなことが。じゃあ俺たちがこちら側の世界に転移したのも」
ネオ「そう。DSシステムの影響さ」
ウルズ「だがまて!お前の話だとつじつまが合わないぞ!俺が転移してきたときに発見したならお前はもっと前からこちら側にいたことになる」
ネオ「考えが甘いね。あちら側から転移してきたとしてもこちら側ではどの時間に転移してこれるかは完全にランダムなんだよ」
ウルズ「じゃあお前は俺たちよりも前の時間に転移してきたということなのか?」
ネオ「そうさ。君たちがこちらの世界に来た時間よりも10年ほど前かな」
十也「10年だって!?そんなにも前に…」
ネオ「ネオは元々EGOでそれなりのポジションについていた。だからその内部でいろいろやるのは比較的容易だったよ」
ウルズ「そんな前からこいつはこの事態を計画していたってことかよ!」
十也「だけど未元獣…あれはいったいなんなんだ?」
コード・スクードやヴァ―ダンドは十也たちと同じ人造人間だというのはわかる。だがあの化け物は…
ネオ「あれは試験的に未元粒子から造った化物さ」
ウルズ「未元粒子?なんだそれは?」
ネオ「そうか。君たちはこちら側に来るときあそこを通らなかったのか」
十也「なんのことだ?」
ネオ「なるほど…そういうことか。僕は魂だけの存在となったからこそあそこを通ることができたのかもしれない。確かのあの情報量は生身の人間に耐えられる量ではないからね」
なにやらぶつぶつとつぶやくネオ。
ウルズ「何を言っていやがる!」
ネオ「アカシック・レコード。世界の記憶。僕はそれに触れた」
十也「アカシック・レコード…」
ネオ「世界の理(ことわり)。ルーツ。源理(げんり)の力。そして太極…」
十也「あれ?」
なんだか聞き覚えがある気がする十也。
ネオ「そして知った。能力の根源を。能力とは未元粒子を使用した力だ。」
ウルズ「能力の源だと」
ネオ「そう能力者は未元粒子の力を使い、それを能力として発揮しているんだ。そして未元粒子にはさまざまな応用性が隠されている」
ウルズ「それがD・E(ダーク・エネルギー)か」
ネオ「そうだ。だがそれは未元粒子の使い方の一つに過ぎない。地球では未元粒子の使い方がまるで分かられていない。なんてもったいないことだろう。だから僕は実演してあげているのさ!粒子の使い方を!」
十也「お前のやり方なんて到底許せるものじゃないぞ!」
ネオ「関係ないね。僕は科学者だ。この未元粒子の研究ほど面白いものはない!」
ウルズ「それがお前の本性か。そのために世界を混乱に落とすというなら!」
十也「おまえを倒せばネオはジャーデから解放されるのか?」
ネオ「なにか勘違いしているようだね。僕はネオでありジャーデ・フォーティアだ。ネオは僕の意思に賛同してくれているんだよ」
ウルズ「もともとネオも狂っているってことか」
ネオ「なんとでもいうがいいさ!」
十也「こんな危ない奴を野放しにはできない!」
ウルズ「そうだな!いくぞ十也!」
十也「あぁ!」
ネオ「さぁ!死合再開と行こうか!」