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*M-Tea*4_6-地震の国(三)今村明恒
*2011.9.3 第四巻 第六号
地震の国(三)
今村明恒
一七 有馬の鳴動
一八 田結村(たいむら)の人々
一九 災害除(よ)け
二〇 地震毛と火山毛
二一 室蘭警察署長
二二 ポンペイとサン・ピエール
二三 クラカトアから日本まで
&image(http://www.dlmarket.jp/images/uploader/620/4_6-1.png,http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/159125)
[[【週刊ミルクティー*第四巻 第六号】>http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/159125]]
(http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/159125)
※ クリックするとダウンロードサイトへジャンプします。
(704KB)
&color(red){定価:200円} p.187 / *99 出版
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(71項目)p.500
※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。
※ オリジナル版に加えて、ミルクティー*現代表記版を同時収録。
※ JIS X 0213・ttz 形式。
※ この作品は青空文庫にて入力中です。転載・印刷・翻訳は自由です。
(c) Copyright this work is public domain.
*かはかは! 週刊たかつこ*
余がかつてものした旧稿「地震に出会ったときの心得」十則の付録に、つぎの一項を加えておいた。
「頻々におこる小地震は、単に無害な地震群に終わることもあり、また大地震の前提たることもある。震源が活火山にあるときは爆発の前徴たる場合が多い。注意を要する。」
この末段の事項についてわが国の火山中好適な例となるものは、三宅島・富士山・桜島・有珠山などであり、いずれも数十年ないし数百年おきに間欠的爆発をなすのであるが、その数日前から小地震を頻発せしめる習性を持っている。もし、活火山の休眠時間が例外に長いかあるいは短いときは、かような前震が不鮮明となり、短時間で終わりを告げることもあれば、またその反対に非常に長びくこともある。前者の例としては磐梯山があり、後者の例としては浅間山・霧島山・温泉岳〔雲仙岳。〕などがある。
大正三年(一九一四)一月十二日、桜島爆発に関しては、地盤隆起、天然ガスの噴出、温泉・冷泉の増温・増量などの前徴以外に、特に二日前から著明な前震がはじまったなどのことがあったにかかわらず、爆発の予知が失敗に終わったのは、専門学徒にとってこのうえもない恨事であった。これに反して、明治四十三年(一九一〇)七月二十五日、有珠山爆発に際しては、専門学徒でもない一警官が、前に記したような爆発前の頻発地震に関するわずかの知識だけで完全に予知し、しかも彼の果断な処置によって災害を極度に軽減し得たことは、地震噴火誌上、特筆大書すべき痛快事である。 (「二一 室蘭警察署長」より)
#ref(4_6.rm)
(朗読:RealMedia 形式 452KB、3'39'')
[[milk_tea_4_6.html>http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=303&file=milk_tea_4_6.html]]
(html ソーステキスト版 212KB)
今村明恒 いまむら あきつね
1870-1948(明治3.5.16-昭和23.1.1)
地震学者。理学博士。鹿児島県生まれ。明治38年、統計上の見地から関東地方に大地震が起こりうると説き、大森房吉との間に大論争が起こった。大正12年、東大教授に就任。翌年、地震学科の設立とともに主任となる。昭和4年、地震学会を創設、その会長となり、機関誌『地震』の編集主任を兼ね、18年間その任にあたる。
◇参照:Wikipedia &link_wikipedia(今村明恒){今村明恒}、『広辞苑 第六版』(岩波書店)。
底本:『地震の國』文藝春秋新社
1949(昭和24)年5月30日発行
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person1578.html
NDC 分類:453(地球科学.地学/地震学)
http://yozora.kazumi386.org/4/5/ndc453.html
*難字、求めよ
柳苗 やなぎなえ?
かは/\
圃中 ほちゅう?
地牛 ちぎゅう?
砧台 きぬただい?
名草地震 なぐさ?
たかつこ 兵庫県唐櫃村字、高津孝(たかづこ)か。
なすび谷
神水 かんじ かんずい、か。村名。現、兵庫県美方郡美方町神水。
栖野 山科村大字。
栗栖村 くるすむら?
南薩 なんさつ? 薩摩南部。
桃山鄒堂
オッタヤーノ 村名。イタリア。
沖膨れ おきぶくれ?
浪原 波源(はげん)のことか。
五十崎杏沖 〓 大朝の新聞記者。
江本義数 〓 植物学者。菌の研究。
松沢教授 地震学。
那須理学士
*むしとりホイホイ
或程 → なるほど
底本は左辺のとおり。右辺にあらためた。
*スリーパーズ日記
『季刊東北学』第28号(東北文化研究センター、2011)特集「地震・津波・原発」読了。いつにも増して読みごたえあり。
保立道久「貞観津波と大地動乱の九世紀」。「千年に一度」と安易に形容される今回の地震津波を疑問視する。(1) 貞観津波の痕跡の砂層の上に14世紀以降の砂層が二層想定される(産総研の調査)。(2) 1454(享徳3)室町時代、奥州に津波入て、山の奥百里入て、かへりに人多取る(王代記)。……少なくとも五〇〇年に一度と推定。貞観の鳥海山噴火にもふれている。
特集に不満もある。地震噴火史と地域史と宗教史を横断する視点が弱い。県内地域史を専門とする雑誌『羽陽文化』と『山形県地域史研究』をくってみても期待の論述は少ない。『県史』『市町村史』も同様。奥州平泉に先立って出羽文化はじまりの物語りがあったはずで、天然地理条件を舞台に、先住蝦夷と征討為政、奈良法相宗と天台密教と陰陽・修験道、そして国内各地からの移住者と新羅使や渤海使が、とぐろを巻いて溶融していた時代のはず。確証はないが、その後登場する「武士」出生の秘密もこのあたりに関係するのではないかという予感もある。
市立図から新野直吉の著書を二冊かりる。
8.31 作業員、急性白血病死の報道。ドアの開け閉め。放射線が原因とは考えられない、との談。
2011.9.4:公開 八面玲瓏。
「実体のない言葉が増えすぎている」中村哲。
目くそ鼻くそ。しだひろし/PoorBook G3'99
転載・印刷・翻訳は自由です。
カウンタ:&counter()
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- 『地震の国』連載再開です! -- しだ (2011-09-04 11:31:23)
- 立ち枯れのヒマワリ、野分負けの秋桜、となりのカールはよく吠える。 -- しだ (2011-09-04 11:40:03)
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*M-Tea*4_6-地震の国(三)今村明恒
*2011.9.3 第四巻 第六号
地震の国(三)
今村明恒
一七 有馬の鳴動
一八 田結村(たいむら)の人々
一九 災害除(よ)け
二〇 地震毛と火山毛
二一 室蘭警察署長
二二 ポンペイとサン・ピエール
二三 クラカトアから日本まで
&image(http://www.dlmarket.jp/images/uploader/620/4_6-1.png,http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/159125)
[[【週刊ミルクティー*第四巻 第六号】>http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/159125]]
(http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/159125)
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&color(red){定価:200円} p.187 / *99 出版
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(71項目)p.500
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※ オリジナル版に加えて、ミルクティー*現代表記版を同時収録。
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*かはかは! 週刊たかつこ*
余がかつてものした旧稿「地震に出会ったときの心得」十則の付録に、つぎの一項を加えておいた。
#blockquote(){「頻々におこる小地震は、単に無害な地震群に終わることもあり、また大地震の前提たることもある。震源が&link_wikipedia(活火山){活火山}にあるときは爆発の前徴たる場合が多い。注意を要する。」}
この末段の事項についてわが国の火山中好適な例となるものは、&link_wikipedia(三宅島){三宅島}・&link_wikipedia(富士山){富士山}・&link_wikipedia(桜島){桜島}・&link_wikipedia(有珠山){有珠山}などであり、いずれも数十年ないし数百年おきに間欠的爆発をなすのであるが、その数日前から小地震を頻発せしめる習性を持っている。もし、活火山の休眠時間が例外に長いかあるいは短いときは、かような前震が不鮮明となり、短時間で終わりを告げることもあれば、またその反対に非常に長びくこともある。前者の例としては&link_wikipedia(今村明恒){今村明恒}磐梯山があり、後者の例としては&link_wikipedia(浅間山){浅間山}・&link_wikipedia(霧島山){霧島山}・温泉岳〔&link_wikipedia(雲仙岳){雲仙岳}。〕などがある。
大正三年(一九一四)一月十二日、桜島爆発に関しては、地盤隆起、天然ガスの噴出、温泉・冷泉の増温・増量などの前徴以外に、特に二日前から著明な前震がはじまったなどのことがあったにかかわらず、爆発の予知が失敗に終わったのは、専門学徒にとってこのうえもない恨事であった。これに反して、明治四十三年(一九一〇)七月二十五日、有珠山爆発に際しては、専門学徒でもない一警官が、前に記したような爆発前の頻発地震に関するわずかの知識だけで完全に予知し、しかも彼の果断な処置によって災害を極度に軽減し得たことは、地震噴火誌上、特筆大書すべき痛快事である。 (「二一 室蘭警察署長」より)
#ref(4_6.rm)
(朗読:RealMedia 形式 452KB、3'39'')
[[milk_tea_4_6.html>http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=303&file=milk_tea_4_6.html]]
(html ソーステキスト版 212KB)
今村明恒 いまむら あきつね
1870-1948(明治3.5.16-昭和23.1.1)
地震学者。理学博士。鹿児島県生まれ。明治38年、統計上の見地から関東地方に大地震が起こりうると説き、大森房吉との間に大論争が起こった。大正12年、東大教授に就任。翌年、地震学科の設立とともに主任となる。昭和4年、地震学会を創設、その会長となり、機関誌『地震』の編集主任を兼ね、18年間その任にあたる。
◇参照:Wikipedia &link_wikipedia(今村明恒){今村明恒}、『広辞苑 第六版』(岩波書店)。
底本:『地震の國』文藝春秋新社
1949(昭和24)年5月30日発行
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person1578.html
NDC 分類:453(地球科学.地学/地震学)
http://yozora.kazumi386.org/4/5/ndc453.html
*難字、求めよ
柳苗 やなぎなえ?
かは/\
圃中 ほちゅう?
地牛 ちぎゅう?
砧台 きぬただい?
名草地震 なぐさ 郡名。現、和歌山市。昭和21年12月21日、南海大地震。市内で震度5。
たかつこ 兵庫県唐櫃村字、高津孝(たかづこ)か。
なすび谷
神水 かんじ かんずい、か。村名。現、兵庫県美方郡美方町神水。
栖野 山科村大字。
栗栖村 くるすむら?
南薩 なんさつ? 薩摩南部。
桃山鄒堂
オッタヤーノ 村名。イタリア。
沖膨れ おきぶくれ?
浪原 波源(はげん)のことか。
五十崎杏沖 〓 大朝の新聞記者。
江本義数 〓 植物学者。菌の研究。
松沢教授 地震学。
那須理学士
*むしとりホイホイ
或程 → なるほど
底本は左辺のとおり。右辺にあらためた。
*スリーパーズ日記
『季刊東北学』第28号(東北文化研究センター、2011)特集「地震・津波・原発」読了。いつにも増して読みごたえあり。
保立道久「貞観津波と大地動乱の九世紀」。「千年に一度」と安易に形容される今回の地震津波を疑問視する。(1) 貞観津波の痕跡の砂層の上に14世紀以降の砂層が二層想定される(産総研の調査)。(2) 1454(享徳3)室町時代、奥州に津波入て、山の奥百里入て、かへりに人多取る(王代記)。……少なくとも五〇〇年に一度と推定。貞観の鳥海山噴火にもふれている。
特集に不満もある。地震噴火史と地域史と宗教史を横断する視点が弱い。県内地域史を専門とする雑誌『羽陽文化』と『山形県地域史研究』をくってみても期待の論述は少ない。『県史』『市町村史』も同様。奥州平泉に先立って出羽文化はじまりの物語りがあったはずで、天然地理条件を舞台に、先住蝦夷と征討為政、奈良法相宗と天台密教と陰陽・修験道、そして国内各地からの移住者と新羅使や渤海使が、とぐろを巻いて溶融していた時代のはず。確証はないが、その後登場する「武士」出生の秘密もこのあたりに関係するのではないかという予感もある。
市立図から新野直吉の著書を二冊かりる。
8.31 作業員、急性白血病死の報道。ドアの開け閉め。放射線が原因とは考えられない、との談。
2011.9.4:公開 八面玲瓏。
2011.9.8:更新
「実体のない言葉が増えすぎている」中村哲。
目くそ鼻くそ。しだひろし/PoorBook G3'99
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- 『地震の国』連載再開です! -- しだ (2011-09-04 11:31:23)
- 立ち枯れのヒマワリ、野分負けの秋桜、となりのカールはよく吠える。 -- しだ (2011-09-04 11:40:03)
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