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*M-Tea*3_49-地震の国(一)今村明恒 *2011.7.2 第三巻 第四九号 地震の国(一) 今村明恒  一、ナマズのざれごと  二、頼山陽、地震の詩  三、地震と風景  四、鶏のあくび  五、蝉しぐれ  六、世紀の北米大西洋沖地震  七、観光  八、地震の正体   &image(http://www.dlmarket.jp/images/uploader/620/3_49-1.png,http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/148657) [[【週刊ミルクティー*第三巻 第四九号】>http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/148657]] (http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/148657) ※ クリックするとダウンロードサイトへジャンプします。 (592KB) &color(red){定価:200円} p.204 / *99 出版 付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(59項目)p.343 ※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。 ※ オリジナル版に加えて、ミルクティー*現代表記版を同時収録。 ※ JIS X 0213・ttz 形式。 ※ この作品は青空文庫にて入力中です。転載・印刷・翻訳は自由です。 (c) Copyright this work is public domain. *とろけろ! 週刊溶融遺産* |COLOR(red):オリジナル版|COLOR(blue):ミルクティー*現代表記版| |COLOR(red):「日本は震災國です。同時に地震學が最もよく發達してゐると聞いてゐます。隨つて其の震災を防止或は輕減する手段がよく講ぜられてゐると思ひますが、其れに關する概要を出來るだけ能く伺つて行つて、本國への土産話にしたいと思ふのです。」|COLOR(blue):「日本は震災国です。同時に地震学がもっともよく発達していると聞いています。したがってその震災を防止あるいは軽減する手段がよく講ぜられていると思いますが、それに関する概要をできるだけよくうかがって行って、本国へのみやげ話にしたいと思うのです。」| |COLOR(red):「よくわかりました。」|COLOR(blue):「よくわかりました。」| |COLOR(red): 此は素晴らしい好質問だ。本邦の一般士人、特に記者諸君に吹聽したい程の好質問だ。余は永年の學究生活中、斯樣な好質問に曾て出會つたことがない。(略)余は順次に次のやうなことを説明した。|COLOR(blue): これはすばらしい好質問だ。本邦の一般士人、とくに記者諸君に吹聴したいほどの好質問だ。余は永年の学究生活中、かような好質問にかつて出会ったことがない。(略)余は順次につぎのようなことを説明した。| |COLOR(red):「震災の防止・輕減策は三本建にしてゐる。即ち、第一は耐震構造の普及方。これには、建築法規に耐震構造の實施に關する一項が加へてあり、之を實行してゐる都市は現在某々地に過ぎないが、實は國内の市町村の全部にと希望してゐる。構造物を耐震的にするにはしかじかの方法が講ぜられてゐる。(略)」|COLOR(blue):「震災の防止・軽減策は三本建にしている。すなわち、第一は耐震構造の普及方。これには、建築法規に耐震構造の実施に関する一項が加えてあり、これを実行している都市は現在某々地にすぎないが、じつは国内の市町村の全部にと希望している。構造物を耐震的にするにはしかじかの方法が講ぜられている。」(略)| |COLOR(red):「第二は震災豫防知識の普及。此は尋常小學校の國定教科書に一二の文章を※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]入することにより、概ね其の目的が達せられる。」|COLOR(blue):「第二は震災予防知識の普及。これは尋常小学校の国定教科書に一、二の文章を挿入することにより、おおむねその目的が達せられる。」| |COLOR(red):「第三は地震の豫知問題の解決。此の問題を分解すると、地震の大きさの程度、其の起る場處竝に時期といふ三つになり、此の三者を併せ豫知することが本問題の完全な解決となる。此は前の二つとは全然其の趣が別で、專門學徒に課せられた古今の難問題である。」|COLOR(blue):「第三は地震の予知問題の解決。この問題を分解すると、地震の大きさの程度、そのおこる場所ならびに時期という三つになり、この三者をあわせ予知することが本問題の完全な解決となる。これは前の二つとは全然その趣きが別で、専門学徒に課せられた古今の難問題である。」| |COLOR(red):此處で彼女はすかさず喙を容れた。|COLOR(blue): ここで彼女はすかさず喙(くちばし)をいれた。| |COLOR(red):「實は其の詳細が特に聞きたいのです。事項別に説明して下さい。して、其の程度とは。」|COLOR(blue):「じつはその詳細がとくに聞きたいのです。事項別に説明してください。して、その程度とは?」| |COLOR(red):「(略)吾々の如く防災地震學に專念してゐる者は、講究の目標を大地震にのみ限定してゐます。大きさの程度をわざと斯う狹く局限してゐるのです。」|COLOR(blue):「(略)われわれのごとく防災地震学に専念している者は、講究の目標を大地震にのみ限定しています。大きさの程度をわざとこう狭く局限しているのです。」| |COLOR(red):「そして、其の場處の察知は。」|COLOR(blue):「そして、その場所の察知は?」| |COLOR(red):「過去の大地震の統計と地質構造とに依つて講究された地震帶、磁力・重力等地球物理學的自然力の分布異状、特に測地の方法に依つて闡明された特種の慢性的・急性的陸地變形等に依ります。」|COLOR(blue):「過去の大地震の統計と地質構造とによって講究された地震帯、磁力・重力など地球物理学的自然力の分布異状、とくに測地の方法によって闡明(せんめい)された特種の慢性的・急性的陸地変形などによります。」| |COLOR(red):「それから、何時起るかといふことは。」|COLOR(blue):「それから、いつ起こるかということは?」| |COLOR(red):「右の起りさうな場處に網を張つて置いて、大地震の前兆と思はれる諸現象を捕捉するのです。」|COLOR(blue):「右の起こりそうな場所に網をはっておいて、大地震の前兆と思われる諸現象を捕捉するのです。」| |COLOR(red): パイパー夫人は尚も陸地變形に依る場處竝に時期の前知方法の講究に關して、更に具體的の例を擧げるやう迫るので、余は南海道沖大地震に關する研究業績の印刷物を以て之に應じて置いた。|COLOR(blue): パイパー夫人はなおも陸地変形による場所ならびに時期の前知方法の講究に関して、さらに具体的の例をあげるよう迫るので、余は南海道沖大地震に関する研究業績の印刷物をもってこれに応じておいた。| #ref(3_49.rm) (朗読:RealMedia 形式 572KB、4'39'') [[milk_tea_3_49.html>http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=279&file=milk_tea_3_49.html]] (html ソーステキスト版 260KB) 今村明恒 いまむら あきつね 1870-1948(明治3.5.16-昭和23.1.1) 地震学者。理学博士。鹿児島県生まれ。明治38年、統計上の見地から関東地方に大地震が起こりうると説き、大森房吉との間に大論争が起こった。大正12年、東大教授に就任。翌年、地震学科の設立とともに主任となる。昭和4年、地震学会を創設、その会長となり、機関誌『地震』の編集主任を兼ね、18年間その任にあたる。 ◇参照:Wikipedia &link_wikipedia(今村明恒){今村明恒}、『広辞苑 第六版』(岩波書店)。 *底本 底本:『地震の國』文藝春秋新社    1949(昭和24)年5月30日発行 http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person1578.html NDC 分類:453(地球科学.地学/地震学) http://yozora.kazumi386.org/4/5/ndc453.html *難字、求めよ セイスモス ギリシャ語。地震の意か。 関谷博士 キジの研究。 陰魚 畑井博士 ナマズの実験。 墜瓦 ついが? 糴価 援手 えんしゅ? 吟吼 ぎんこう? 掀動 きんどう? 剪去 せんきょ? 凡景 凡境(ぼんけい)か。 東口塘 枯萍 掻痕 そうこん? かきあと?  某々地 ぼうぼうち? 『大法輪』 雑誌。   *人物一覧 &link_wikipedia(西施){西施} せいし 春秋時代の越の伝説上の美女。 &link_wikipedia(神功皇后){神功皇后} じんぐう こうごう 仲哀天皇の皇后。名は息長足媛。(記紀伝承) &link_wikipedia(能因){能因} のういん 188-? 歌人。中古三十六歌仙の一人。 &link_wikipedia(蘇軾){蘇軾} そ しょく 1036-1101 北宋の詩人・文章家。 &link_wikipedia(西行){西行} さいぎょう 1118-1190 歌僧。俗名、佐藤義清。 &link_wikipedia(北条時頼){北条時頼} ほうじょう ときより 1227-1263 鎌倉幕府の執権。 &link_wikipedia(加藤清正){加藤清正} かとう きよまさ 1562-1611 武将。尾張。 &link_wikipedia(松尾芭蕉){松尾芭蕉} まつお ばしょう 1644-1694 俳人。伊賀上野。 Engelbert Kaempfer &link_wikipedia(ケンペル){ケンペル} 1651-1716 ドイツの外科医・博物学者。 Isaac Newton &link_wikipedia(ニュートン){ニュートン} 1642-1727 イギリス。物理学・天文学・数学。 &link_wikipedia(頼山陽){頼山陽} らい さんよう 1780-1832 儒学者。大坂。 &link_wikipedia(篠崎小竹){篠崎小竹} しのざき しょうちく 1781-1851 儒学者。大坂。 &link_wikipedia(頼三樹三郎){頼三樹三郎} らい みきさぶろう 1825-1859 儒学者。京都。 &link_wikipedia(関谷清景){関谷清景} せきや せいけい 1854-1896 大垣市。 William Thomson &link_wikipedia(ウィリアム・トムソン){ウィリアム・トムソン} 1824-1907 イギリス。物理学。ケルヴィン卿。 James Curtis Hepburn &link_wikipedia(ヘボン){ヘボン} 1815-1911 アメリカ長老派教会宣教師・医師。 &link_wikipedia(菊池大麓){菊池大麓} きくち だいろく 1855-1917 箕作秋坪の次男。東京。 &link_wikipedia(豊竹呂昇){豊竹呂昇} とよたけ ろしょう 1874-1930 女義太夫。名古屋。 &link_wikipedia(赤司鷹一郎){赤司鷹一郎} あかし たかいちろう 1876-1933 文部次官など。 &link_wikipedia(新城新蔵){新城新蔵} しんじょう しんぞう 1873-1938 福島県。天文学・東洋学。 &link_wikipedia(今村明恒){今村明恒} いまむら あきつね 1870-1948 鹿児島。 &link_wikipedia(田中館愛橘){田中館愛橘} たなかだて あいきつ 1856-1952 岩手県。 &link_wikipedia(中村清二){中村清二} なかむら せいじ 1869-1960 物理学。 &link_wikipedia(芹沢?介){芹沢?介} せりざわ けいすけ 1895-1984 染色工芸家。静岡市。 &link_wikipedia(エー・バルトン・ヘボン){エー・バルトン・ヘボン} ヘボン J.C. の親戚。 オスボーン大佐 著『日本近海巡航記』一八五九年出版。 ケルヴィン → ウィリアム・トムソンか ケンプェル → ケンペルか パイパー夫人 ヘボン夫人 エー・バルトン・ヘボンの未亡人。 宇野博士 鴨崖 おうがい → 頼鴨?(頼三樹三郎)か 関谷博士 → 関谷清景か 枯萍 かれくさ? 高楠 高木博士 最明寺 さいみょうじ 北条時頼の称。 最明寺時頼 → 北条時頼 斎田理学士 さいだ? 市橋女史 柴垣鼎太郎 文部省建築課長。 新城博士 → 新城新蔵か 蘇東坡 そとうば 蘇軾の別名。 芭蕉 → 松尾芭蕉 畑井博士 呂昇 → 豊竹呂昇か 襄 のぼる → 頼山陽 *スリーパーズ日記  前号、寺田寅彦「火山の名について」。  月山。  有史に月山が噴火した記録はなく、「つきやま」と訓読みした例もない。大同元年(806)に封戸二戸を授与され(「大同元年牒」新抄格勅符抄)、貞観10年4月15日条「飽海郡月山、大物忌両神社前、雨石鏃六枚」(『三代実録』)とあるのが初見か(『日本歴史地名大系』平凡社より)。  疑問その1。「がっさん」と音読みの名がつく前に、先住蝦夷による呼称があったはず。「がっさん」は大和朝廷オリジナルの呼称か。それとも蝦夷の呼称から音の転訛か。それとも「月の山」の意味転用か。  疑問その2。なぜ「月」なのか。太陽(活火山、阿蘇山・富士山・鳥海山・朝日岳など)に対して月(死火山・休火山)=静・死のシンボライズということか。山形市や天童・寒河江からは月山は北西の方向にあたり、月の出入方向とは異なる。村山や尾花沢からはほぼ真西にあたるが、おそらく葉山に隠れて見えない。月山山頂が月の出の位置と重なるとすれば、庄内地方、鶴岡方面からの光景が由来か。  疑問その3。全国各地に「月山」がある。山名が五か所。川名が一か所。寺名が五か所。神社名が八か所。月山富田城が島根県にある。そのうちのどれが本家本元か。また、全国各地に「築山(つきやま)」が八か所あるが、月山と築山は関係ありやなしや。  疑問その4。月山南麓に「月山沢(つきやまざわ)」という地名と川の名がある。月山本体を「つきやま」と呼ぶことが皆無なのに、「つきやまざわ」という名称があることの理由はなぜか。  疑問その5。地名を名字に用いた例は多いが、「月山」という名字を古今、聞いたことがない。唯一、刀鍛冶・刀工の一派に「月山」があるのみ。山名=神の名を用いることをはばかったという理解でいいのか。  池澤夏樹(編)『本は、これから』(岩波新書、2010.11)読了。デジタルがアナログを駆逐するならば、アコースティックギターやグランドピアノはとっくになくなっていてもいいはず。長期保存のみを目的にするならば和紙に墨が好ましいはずだが、そこまで回帰する紙原理主義者は少ない。四色分解や面付けや版ズレや乱丁を知る職人は少なくなってしまうかもしれない。が、それで表現者や表現されるものの範囲がせばまるとは思えない。  26日(日)雨。市民会館にて「天童温泉開湯100周年シンポジウム・温泉文化を考える」。七〇代男性を中心に七〇名くらいか。松岡正剛『わたしが情報について語るなら』(ポプラ社、2011.3)読了。 2011.7.3:公開 八面玲瓏。 2011.7.6:更新 タチアオイ、あじさい。ケケレケ坂。 オロロン、オロロン、でんでらばあ。 目くそ鼻くそ。しだひろし/PoorBook GaGa3'99 転載・印刷・翻訳は自由です。 カウンタ:&counter() ---- - DL-MARKET より、チャリティ終了のお知らせが来ました。総売上金額1,696,997円(http://support.dl-market.com/charity/index.html)。週刊ミルクティー*からは販売累計4冊、800円の協力になりました。これから赤十字へ寄付予定とのことです。 -- しだ (2011-07-04 01:20:34) - 出所順では芸がないので、人物一覧を没年順に並べかえてみました。 -- しだ (2011-07-06 03:32:52) - 「出所順」じゃなくて初出順か(^^;) -- しだ (2011-07-06 03:36:04) #comment
*M-Tea*3_49-地震の国(一)今村明恒 *2011.7.2 第三巻 第四九号 地震の国(一) 今村明恒  一、ナマズのざれごと  二、頼山陽、地震の詩  三、地震と風景  四、鶏のあくび  五、蝉しぐれ  六、世紀の北米大西洋沖地震  七、観光  八、地震の正体   &image(http://www.dlmarket.jp/images/uploader/620/3_49-1.png,http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/148657) [[【週刊ミルクティー*第三巻 第四九号】>http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/148657]] (http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/148657) ※ クリックするとダウンロードサイトへジャンプします。 (592KB) &color(red){定価:200円} p.204 / *99 出版 付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(59項目)p.343 ※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。 ※ オリジナル版に加えて、ミルクティー*現代表記版を同時収録。 ※ JIS X 0213・ttz 形式。 ※ この作品は青空文庫にて入力中です。転載・印刷・翻訳は自由です。 (c) Copyright this work is public domain. *とろけろ! 週刊溶融遺産* |COLOR(red):オリジナル版|COLOR(blue):ミルクティー*現代表記版| |COLOR(red):「日本は震災國です。同時に地震學が最もよく發達してゐると聞いてゐます。隨つて其の震災を防止或は輕減する手段がよく講ぜられてゐると思ひますが、其れに關する概要を出來るだけ能く伺つて行つて、本國への土産話にしたいと思ふのです。」|COLOR(blue):「日本は震災国です。同時に地震学がもっともよく発達していると聞いています。したがってその震災を防止あるいは軽減する手段がよく講ぜられていると思いますが、それに関する概要をできるだけよくうかがって行って、本国へのみやげ話にしたいと思うのです。」| |COLOR(red):「よくわかりました。」|COLOR(blue):「よくわかりました。」| |COLOR(red): 此は素晴らしい好質問だ。本邦の一般士人、特に記者諸君に吹聽したい程の好質問だ。余は永年の學究生活中、斯樣な好質問に曾て出會つたことがない。(略)余は順次に次のやうなことを説明した。|COLOR(blue): これはすばらしい好質問だ。本邦の一般士人、とくに記者諸君に吹聴したいほどの好質問だ。余は永年の学究生活中、かような好質問にかつて出会ったことがない。(略)余は順次につぎのようなことを説明した。| |COLOR(red):「震災の防止・輕減策は三本建にしてゐる。即ち、第一は耐震構造の普及方。これには、建築法規に耐震構造の實施に關する一項が加へてあり、之を實行してゐる都市は現在某々地に過ぎないが、實は國内の市町村の全部にと希望してゐる。構造物を耐震的にするにはしかじかの方法が講ぜられてゐる。(略)」|COLOR(blue):「震災の防止・軽減策は三本建にしている。すなわち、第一は耐震構造の普及方。これには、建築法規に耐震構造の実施に関する一項が加えてあり、これを実行している都市は現在某々地にすぎないが、じつは国内の市町村の全部にと希望している。構造物を耐震的にするにはしかじかの方法が講ぜられている。」(略)| |COLOR(red):「第二は震災豫防知識の普及。此は尋常小學校の國定教科書に一二の文章を※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]入することにより、概ね其の目的が達せられる。」|COLOR(blue):「第二は震災予防知識の普及。これは尋常小学校の国定教科書に一、二の文章を挿入することにより、おおむねその目的が達せられる。」| |COLOR(red):「第三は地震の豫知問題の解決。此の問題を分解すると、地震の大きさの程度、其の起る場處竝に時期といふ三つになり、此の三者を併せ豫知することが本問題の完全な解決となる。此は前の二つとは全然其の趣が別で、專門學徒に課せられた古今の難問題である。」|COLOR(blue):「第三は地震の予知問題の解決。この問題を分解すると、地震の大きさの程度、そのおこる場所ならびに時期という三つになり、この三者をあわせ予知することが本問題の完全な解決となる。これは前の二つとは全然その趣きが別で、専門学徒に課せられた古今の難問題である。」| |COLOR(red):此處で彼女はすかさず喙を容れた。|COLOR(blue): ここで彼女はすかさず喙(くちばし)をいれた。| |COLOR(red):「實は其の詳細が特に聞きたいのです。事項別に説明して下さい。して、其の程度とは。」|COLOR(blue):「じつはその詳細がとくに聞きたいのです。事項別に説明してください。して、その程度とは?」| |COLOR(red):「(略)吾々の如く防災地震學に專念してゐる者は、講究の目標を大地震にのみ限定してゐます。大きさの程度をわざと斯う狹く局限してゐるのです。」|COLOR(blue):「(略)われわれのごとく防災地震学に専念している者は、講究の目標を大地震にのみ限定しています。大きさの程度をわざとこう狭く局限しているのです。」| |COLOR(red):「そして、其の場處の察知は。」|COLOR(blue):「そして、その場所の察知は?」| |COLOR(red):「過去の大地震の統計と地質構造とに依つて講究された地震帶、磁力・重力等地球物理學的自然力の分布異状、特に測地の方法に依つて闡明された特種の慢性的・急性的陸地變形等に依ります。」|COLOR(blue):「過去の大地震の統計と地質構造とによって講究された地震帯、磁力・重力など地球物理学的自然力の分布異状、とくに測地の方法によって闡明(せんめい)された特種の慢性的・急性的陸地変形などによります。」| |COLOR(red):「それから、何時起るかといふことは。」|COLOR(blue):「それから、いつ起こるかということは?」| |COLOR(red):「右の起りさうな場處に網を張つて置いて、大地震の前兆と思はれる諸現象を捕捉するのです。」|COLOR(blue):「右の起こりそうな場所に網をはっておいて、大地震の前兆と思われる諸現象を捕捉するのです。」| |COLOR(red): パイパー夫人は尚も陸地變形に依る場處竝に時期の前知方法の講究に關して、更に具體的の例を擧げるやう迫るので、余は南海道沖大地震に關する研究業績の印刷物を以て之に應じて置いた。|COLOR(blue): パイパー夫人はなおも陸地変形による場所ならびに時期の前知方法の講究に関して、さらに具体的の例をあげるよう迫るので、余は南海道沖大地震に関する研究業績の印刷物をもってこれに応じておいた。| #ref(3_49.rm) (朗読:RealMedia 形式 572KB、4'39'') [[milk_tea_3_49.html>http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=279&file=milk_tea_3_49.html]] (html ソーステキスト版 260KB) 今村明恒 いまむら あきつね 1870-1948(明治3.5.16-昭和23.1.1) 地震学者。理学博士。鹿児島県生まれ。明治38年、統計上の見地から関東地方に大地震が起こりうると説き、大森房吉との間に大論争が起こった。大正12年、東大教授に就任。翌年、地震学科の設立とともに主任となる。昭和4年、地震学会を創設、その会長となり、機関誌『地震』の編集主任を兼ね、18年間その任にあたる。 ◇参照:Wikipedia &link_wikipedia(今村明恒){今村明恒}、『広辞苑 第六版』(岩波書店)。 *底本 底本:『地震の國』文藝春秋新社    1949(昭和24)年5月30日発行 http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person1578.html NDC 分類:453(地球科学.地学/地震学) http://yozora.kazumi386.org/4/5/ndc453.html *難字、求めよ セイスモス ギリシャ語。地震の意か。 関谷博士 キジの研究。 陰魚 畑井博士 ナマズの実験。 墜瓦 ついが? 糴価 援手 えんしゅ? 吟吼 ぎんこう? 掀動 きんどう? 剪去 せんきょ? 凡景 凡境(ぼんけい)か。 東口塘 枯萍 掻痕 そうこん? かきあと?  某々地 ぼうぼうち? 『大法輪』 雑誌。   *人物一覧 &link_wikipedia(西施){西施} せいし 春秋時代の越の伝説上の美女。 &link_wikipedia(神功皇后){神功皇后} じんぐう こうごう 仲哀天皇の皇后。名は息長足媛。(記紀伝承) &link_wikipedia(能因){能因} のういん 188-? 歌人。中古三十六歌仙の一人。 &link_wikipedia(蘇軾){蘇軾} そ しょく 1036-1101 北宋の詩人・文章家。 &link_wikipedia(西行){西行} さいぎょう 1118-1190 歌僧。俗名、佐藤義清。 &link_wikipedia(北条時頼){北条時頼} ほうじょう ときより 1227-1263 鎌倉幕府の執権。 &link_wikipedia(加藤清正){加藤清正} かとう きよまさ 1562-1611 武将。尾張。 &link_wikipedia(松尾芭蕉){松尾芭蕉} まつお ばしょう 1644-1694 俳人。伊賀上野。 Engelbert Kaempfer &link_wikipedia(ケンペル){ケンペル} 1651-1716 ドイツの外科医・博物学者。 Isaac Newton &link_wikipedia(ニュートン){ニュートン} 1642-1727 イギリス。物理学・天文学・数学。 &link_wikipedia(頼山陽){頼山陽} らい さんよう 1780-1832 儒学者。大坂。 &link_wikipedia(篠崎小竹){篠崎小竹} しのざき しょうちく 1781-1851 儒学者。大坂。 &link_wikipedia(頼三樹三郎){頼三樹三郎} らい みきさぶろう 1825-1859 儒学者。京都。 &link_wikipedia(関谷清景){関谷清景} せきや せいけい 1854-1896 大垣市。 William Thomson &link_wikipedia(ウィリアム・トムソン){ウィリアム・トムソン} 1824-1907 イギリス。物理学。ケルヴィン卿。 James Curtis Hepburn &link_wikipedia(ヘボン){ヘボン} 1815-1911 アメリカ長老派教会宣教師・医師。 &link_wikipedia(菊池大麓){菊池大麓} きくち だいろく 1855-1917 箕作秋坪の次男。東京。 &link_wikipedia(豊竹呂昇){豊竹呂昇} とよたけ ろしょう 1874-1930 女義太夫。名古屋。 &link_wikipedia(赤司鷹一郎){赤司鷹一郎} あかし たかいちろう 1876-1933 文部次官など。 &link_wikipedia(新城新蔵){新城新蔵} しんじょう しんぞう 1873-1938 福島県。天文学・東洋学。 &link_wikipedia(今村明恒){今村明恒} いまむら あきつね 1870-1948 鹿児島。 &link_wikipedia(田中館愛橘){田中館愛橘} たなかだて あいきつ 1856-1952 岩手県。 &link_wikipedia(中村清二){中村清二} なかむら せいじ 1869-1960 物理学。 &link_wikipedia(芹沢?介){芹沢?介} せりざわ けいすけ 1895-1984 染色工芸家。静岡市。 &link_wikipedia(エー・バルトン・ヘボン){エー・バルトン・ヘボン} ヘボン J.C. の親戚。 オスボーン大佐 著『日本近海巡航記』一八五九年出版。 ケルヴィン → ウィリアム・トムソンか ケンプェル → ケンペルか パイパー夫人 ヘボン夫人 エー・バルトン・ヘボンの未亡人。 宇野博士 鴨崖 おうがい → 頼鴨?(頼三樹三郎)か 関谷博士 → 関谷清景か 枯萍 かれくさ? 高楠 高木博士 最明寺 さいみょうじ 北条時頼の称。 最明寺時頼 → 北条時頼 斎田理学士 さいだ? 市橋女史 柴垣鼎太郎 文部省建築課長。 新城博士 → 新城新蔵か 蘇東坡 そとうば 蘇軾の別名。 芭蕉 → 松尾芭蕉 畑井博士 呂昇 → 豊竹呂昇か 襄 のぼる → 頼山陽 *年表 一七〇四(宝永元) 能代大地震。大規模の山崩れを惹起。泥流は現在の十二湖の境域をおおい、東北は新谷川に、南は小峯沢に達し、材木伐採者六名、薪取り四名が犠牲。 一六八八〜一七一一(元禄・宝永) このころ地震ナマズの説が生まれたとされる。 一七八一〜一八〇一(天明・寛政) 新城博士によれば、これ以後、現今わが国に流布している家相説が作られたという。 一七九二(寛政四) 西津軽大地震。土地が二・二メートルほど隆起。 一八〇四(文化元) 象潟大地震。陸地隆起のために絶景が一夜にうしなわれる。このときの隆起は象潟では二・二メートルほど。 一八一〇(文化七) 男鹿大地震。八郎潟では数週間前から鯔(ボラ)が多く死んで浮かぶ。このとき、湖底から石油が滲出して浮かんだ。 一八一八〜一八三〇(文政年間) このころすでに地震ナマズの説が流布。 一八三〇(文政一三)七月二日 京都大地震。死者一五〇人(あるいは二八〇人とも)。年号、天保と改まる。 一八三〇(文政一三)七月九日 頼山陽、広島にあり。 一八五九 オスボーン大佐『日本近海巡航記』出版。 一八七〇(明治三)五月一六日 今村明恒、鹿児島市に生まれる。 一八九一(明治二四)一〇月 濃尾大地震。直後に文部省震災予防調査会の地磁気測量事業が発足。故菊池大麓が政府に建議して議会において全会一致をもって可決されて設立。 一八九二(明治二五) 震災予防調査会設立当初、専門家は、地震前における地磁気分布の異変に注意して、これが調査に着手。 一八九三(明治二六) 田中館愛橘、日本全国の地磁気測量の事業を四か年計画で着手。 一八九四(明治二七) 今村、地磁気測量事業に学生として参加。六月から中村清二と二人で北海道測量南北二班の中の南班をひきうけ、夏じゅう三か月にわたる。 一八九四(明治二七) 今村、東京大学理科大学の物理学科を卒業。 一九一〇(明治四三)七月一九日 以来、洞爺湖において魚が釣れなくなる。 一九一〇(明治四三)七月二二日 以来、有珠岳爆発の前兆たる小地震群が人体に感ずるようになる。 一九一〇(明治四三)七月二五日 有珠岳爆発。 一九一七(大正六) エー・バルトン・ヘボン、東大に米国憲法歴史および外交講座を設置するために十二万円を寄付。 一九二三(大正一二)九月一日 関東大地震。相模湾では数日前から魚が釣れなくなる。最初の一分間の死人は三千人、財産の損失は一億円程度にすぎなかったのに、一分後の損害は、大火災のために十万人、五十五億円。 一九二五(大正一四)一月 震災予防調査会が官制改革により廃止。震災予防評議会と地震研究所とが設立。 一九二五(大正一四) 但馬大地震。地震のもっとも激しかった田結村では、子どもたちまでが実によく沈着に働く。城崎の温泉町は震火災で全滅し、豊岡町は三分の二ほど焼け、両方で三五九人の死人。 一九二七(昭和二)三月七日 丹後大地震。地震前に魚が取れず死魚を見て帰ってきたなどと語られる。 一九二九(昭和四)夏 パイパー夫人、地震学教室を訪れる。 一九二九(昭和四) 今村ら、震災予防の常識の普及に役立つ一文を尋常小学校教科書に入れるようにと当局に懇請。東京放送局から「地震はどうして起こるか」という題をもらう。 一九二九(昭和四)一一月一八日 大西洋大地震津波。震源はニューファウンドランド南方沖。欧米連絡の海底電線二十三本のうち十二本まで切断。死人は二十六人。 一九三〇(昭和五)春 ヘボン老婦人、東京帝国大学を訪れる。 一九三九(昭和一四) 『大法輪』三月号。 一九三九(昭和一四)五月一日 男鹿大地震。八郎潟において、前日に鯉やフナが多く漁獲され、ことに東北沿岸においてはフナの大群が岸近く押し寄せてきたといわれている。海の方でも同じように、魚族の異常が観察された。イイダコが酔ったようになって続々と陸にあがる。男鹿半島の南部では当日午前中(地震は午後三時ごろ)、半島の北方八森においては前日午後から当日午前に至るまで見られた。 一九四一(昭和一六)三月 震災予防評議会が廃止。今村は終始、委員として活動。その後、有志の人と財団法人震災予防協会を設立して、事実上これを主宰。 一九四三(昭和一八)九月 田中館の米寿。門人が集まって祝す。 一九四三(昭和一八)一一月三日 田中館、返礼として門人を自邸に招く。 一九四八(昭和二三)一月一日 今村明恒、没。臨終の前々月まで毎月、帝国学士院において、古い地震に関する史料の研究を発表。 一九四八(昭和二三)一一月 中村清二、『地震の国』序を記す。 一九四九(昭和二四)五月三〇日 『地震の国』文藝春秋新社、出版。     *スリーパーズ日記  前号、寺田寅彦「火山の名について」。  月山。  有史に月山が噴火した記録はなく、「つきやま」と訓読みした例もない。大同元年(806)に封戸二戸を授与され(「大同元年牒」新抄格勅符抄)、貞観10年4月15日条「飽海郡月山、大物忌両神社前、雨石鏃六枚」(『三代実録』)とあるのが初見か(『日本歴史地名大系』平凡社より)。  疑問その1。「がっさん」と音読みの名がつく前に、先住蝦夷による呼称があったはず。「がっさん」は大和朝廷オリジナルの呼称か。それとも蝦夷の呼称から音の転訛か。それとも「月の山」の意味転用か。  疑問その2。なぜ「月」なのか。太陽(活火山、阿蘇山・富士山・鳥海山・朝日岳など)に対して月(死火山・休火山)=静・死のシンボライズということか。山形市や天童・寒河江からは月山は北西の方向にあたり、月の出入方向とは異なる。村山や尾花沢からはほぼ真西にあたるが、おそらく葉山に隠れて見えない。月山山頂が月の出の位置と重なるとすれば、庄内地方、鶴岡方面からの光景が由来か。  疑問その3。全国各地に「月山」がある。山名が五か所。川名が一か所。寺名が五か所。神社名が八か所。月山富田城が島根県にある。そのうちのどれが本家本元か。また、全国各地に「築山(つきやま)」が八か所あるが、月山と築山は関係ありやなしや。  疑問その4。月山南麓に「月山沢(つきやまざわ)」という地名と川の名がある。月山本体を「つきやま」と呼ぶことが皆無なのに、「つきやまざわ」という名称があることの理由はなぜか。  疑問その5。地名を名字に用いた例は多いが、「月山」という名字を古今、聞いたことがない。唯一、刀鍛冶・刀工の一派に「月山」があるのみ。山名=神の名を用いることをはばかったという理解でいいのか。  池澤夏樹(編)『本は、これから』(岩波新書、2010.11)読了。デジタルがアナログを駆逐するならば、アコースティックギターやグランドピアノはとっくになくなっていてもいいはず。長期保存のみを目的にするならば和紙に墨が好ましいはずだが、そこまで回帰する紙原理主義者は少ない。四色分解や面付けや版ズレや乱丁を知る職人は少なくなってしまうかもしれない。が、それで表現者や表現されるものの範囲がせばまるとは思えない。  26日(日)雨。市民会館にて「天童温泉開湯100周年シンポジウム・温泉文化を考える」。七〇代男性を中心に七〇名くらいか。松岡正剛『わたしが情報について語るなら』(ポプラ社、2011.3)読了。 2011.7.3:公開 八面玲瓏。 2011.7.8:更新 タチアオイ、あじさい。ケケレケ坂。 オロロン、オロロン、でんでらばあ。 目くそ鼻くそ。しだひろし/PoorBook GaGa3'99 転載・印刷・翻訳は自由です。 カウンタ:&counter() ---- - DL-MARKET より、チャリティ終了のお知らせが来ました。総売上金額1,696,997円(http://support.dl-market.com/charity/index.html)。週刊ミルクティー*からは販売累計4冊、800円の協力になりました。これから赤十字へ寄付予定とのことです。 -- しだ (2011-07-04 01:20:34) - 出所順では芸がないので、人物一覧を没年順に並べかえてみました。 -- しだ (2011-07-06 03:32:52) - 「出所順」じゃなくて初出順か(^^;) -- しだ (2011-07-06 03:36:04) - Nスペ視聴中。そっか、チヌークで多量の温泉水を空輸するっていう手もあったか。燃料を運んで現地であっためるのと、どっちが効率いいだろう? 低体温対策。ああ飲料水すら不足してたんだから、やっぱ緊急時の温泉水利用は「あり」のはず。となると問題は湯量と温度と被災地との往復距離。今回なら秋保あたりか。往路を温泉湯、復路を避難者ということもできたはず。じえーたい! -- しだ (2011-07-07 00:39:00) #comment

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